剛毛、初めてのナンパ ~パート1~
新潟県中越地震に心を傷めた。。。「今年は新潟にお金を落とそう」そんなに大袈裟なものではないが、新潟へスノーボードに行くのは9年振り。大学の映画制作サークルの仲間と、上野で待ち合わせ、新幹線に乗り込む。久々に会えば、話は盛り上がる。大宮を過ぎるころ、話題は「仕事」へ。最年長のカリスマ営業マン、Nさんは営業とは、会社とは、社会人とは と、若干のしたり顔で、熱く語っていた。電車は熊谷に到着。話にも少し飽きてきた頃、不意に先輩は私達に今回の旅行のミッションを与えた。「営業ができるヤツはナンパがうまいんだ!!!今回は一人一回、おなごに声を掛けること、これノルマ! 以上」そもそも、私は営業ではないし、もう一人の仲間はまだ学生だし、相当強引な一言であることは間違いない。しかも、絶対自分がいい思いをしたいだけである。とはいえ私の目の奥は輝いていた。「ナンパ」この言葉で、私は心に期するものがあったから。。。昨夏、友達と旅に出た。場所は京都、そして目的は単純。「京美人を嫁にする」そのための候補者をスカウトしに行った。左、阪急、右、高島屋。夜の四条通はかわいいおなごと、甘ーい京都弁。しかも、花火シーズンだったらしく、浴衣の多いこと多いこと。「夏は夜」と言った、清少納言の気持ちも分かる(意味はまったく違うが)。そんな嫁候補がわんさか居る中で、私の足は動かなかった。厳密に言うと動けなかった。びびってしまったのだ。四葉のクローバーのタクシーに見とれる、かわいいおなご。そんな光景を前にして、私は声すら掛けられないのだ。情けない。結局、某大手印刷会社営業職で、戦果が期待されていた友達も私と同じく声すら掛けられなかったらしい。四条大橋から、鴨川のほとりでイチャるカップルを眺めては、自分のチキンさに愕然とした。そんな昨夏。。。もうその二の舞だけは絶対に嫌だ!俺は出来る営業マンになる!パソコンと会話するような内勤だけど、営業マンになる!そう心に誓って。越後湯沢に降り立った。続く