スリン物語 第7話
到着したホテルは「ペットカセムホテル」という名前だった。主は僕らに「ちょっと待っててくれ」と言い、ホテルに入っていった。モンにすぐさま尋ねた。「予約してあるホテルはここのホテル?」モンは実家に戻る前のときと同じように話をそらし始めた。その態度からすぐに違和感を感じ始めた。主が戻ってきて開口一番、「ここのホテルは空いていて、かなりいいぞ。2,200バーツ出せば、いい部屋に泊まれる。」といってきた。「、、、、はあ!?」モンから聞いていた「友達がホテルで働いていて、その友達に頼んで予約してもらった。」というのは何だったんだろうか、、この前に立っている主のおじさんはどう見てもホテルで働いてないし、ランニング着て汗かきまくってるし!さすがにこの嘘には怒りがこみ上げてきた。値段が高いことにも問題あるけど、それ以上に出たら目を言われたことに腹が立った。一緒に旅をするって、信頼ないと出来ないでしょ。そこには文化も、考えの違いもないはず。ちょっとひど過ぎる、、まあ今のモンに何を言っても無駄なことは分かっていたので、半ばあきれて怒りを必死にこらえることにした。モンのこの一連の言動は今後の物語にも更なる影響を及ぼしていくことになった。そして他のホテルを探そうと思った矢先に、コウからトドメの一言。「俺、このホテルでも全然OKだよ!」一気に力が抜けて、どっと疲れが出てきた。まあ、僕より当然コウの方がモンとの付き合いも長いだろうし、モンのことはよく知っていて、いいところも悪いところも色々分かっていて、気遣いから出てきた発言だよね!?、、、と、僕は自分自身に言い聞かせた(汗)。 「俺もこのホテルでいいよ、、、。」 正直、苦しい一言だった。それを聞いて大男が「Good,good」と親指を立てて、「このホテルは快適だから」と付け加えた。 ホテルの部屋に着いた頃、途中から合流する予定だったユウからメールが届いた。結局、ほぼ一日遅れで到着することになり、バンコクを夕方出るという知らせだった。僕らは荷物を部屋に置き、象祭りの会場周辺で催されている縁日に繰り出すことにした。 多くの人、多くの屋台。縁日は活気付き、バンコクでにぎわっていると思っていたプーカオトーンの縁日の2、3倍の人がいたのではないかと思う。規模も5、6倍はあるかもしれない。チャトゥチャック市場(ウィークエンドマーケット)を夜開いている感じ、、。一緒に来ていた主の奥さんからは、スリに注意するようにしきりに言われた。縁日にはタイのお祭りの定番、風船を割るダーツや、射的などがあり、甘いポップコーンを食べながらブラブラ歩くと、だだっ広い野外ディスコが登場!入ってすぐさま踊りたかったが、モンとコウが素通りしたため、我慢して通り過ごした。更に歩を進めると大きなスタジアムが登場した!ここでモンの態度が急変した!ここでの急変は僕も納得がいった。「ボディースラムが来ているんだよ!!」と言って興奮している。コウと僕も生でタイの有名バンドが見れるとあって是非見たいと思ったが、あまりの人だかりと、人の秩序の無さに会場に入る気をなくした。人は溢れかえり、ぶつかることも厭わず、皆が押し入る。戸惑う僕らをよそに、モンはさっそうと会場の中へ入っていった。するとコウも条件反射のようにモンに続いて入っていった。、、、、、。このパターンがこの旅で定番と化していることに不安を覚えつつ、ユウが早くスリンに到着することを願った。 そして、この重い足をカオスの中に向けるのだった、、、(泣)。 続く様々なタイブログが集まっているブログランキング。情報収集としても活用頂けるかと思います。下記をクリック☆