美術館ハシゴ~『エジプト展』と『遣唐使と唐の美術展』
今日は午前中選挙に行って、そのあとは美術館のハシゴをしてきました。東京は上野で開催中の『ルーブル美術館所蔵 古代エジプト展』と『遣唐使と唐の美術展』です。 まさに『ダ・ヴィンチコード』を後追いで取り込んだような、ルーブルの逆さピラミッドを全面に押し出した『ルーブル美術館所蔵 古代エジプト展』。ルーブルのエジプト美術が日本で披露されたのは今回が初めてだとか。内容はとても素晴らしく、満足のいく展示だったと思います。しかし、なぜかインパクトがない。その理由はおそらく、*目玉にあたるコレクション(それも、これぞエジプト!!と誰でもが分かるような)がなかった*エジプト美術でも、フランス帝政下のセンスでコレクションされた美術品ばかりゆえに、コアな内容に過ぎた といった点が挙げられるのではないでしょうか。ヒエログリフを解読した言語学者シャンポリオンや、私が敬愛して止まない“軽薄にして風流な外交官”ドゥノンなど、西欧でのエジプト文化紹介につとめた裏方について多少なりとも知識がある人には、より楽しめたのではないでしょうか。そりゃ、単に“エジプト美術推し”だけだったら、大英博物館は負けないですからね。 『遣唐使と唐の美術展』の方は、展示品は少なかったですが、品よく貴重なコレクションが陳列されていました。もともと東洋美術にも関心が深い私なので、とても楽しめました。 古代エジプトと唐の時代。まったく異なる二つの世界の美術を一度に鑑賞して思ったこと。それは、*いつの時代、どこの国でも、何かを伝え残したい、という思いは同じだということ*そしてその方法は、ディティールに差異はあれどほとんど違いがないということ でした。(了)写真は“ルーブルの逆さピラミッド”をあしらった『古代エジプト展のチケット』です・・・。