なかなかいない人
ドラマや、映画や、小説の中のおかまさん達って、たのしい。私は、大好きだ。一度ぜひ、おしゃべりしてみたいと思うが、現実には、なかなか遇うこともない。1995年に観た映画 「太陽と月に背いて」では、詩人のランボーと、ベルレーヌ のベッドイン場面で怖気が出た。シリアスな、映画は、正視できない。観たくない。ある日、郵便局で、いろいろ聞くことがあって、職員さんに説明を聞いた。長々とかかって、やれやれと終わりだな、と、最後にその職員の男性が「こういうことになっております」と言うことばを言った。でも、言い方が変だった。「こゆせかい」と、気取って言ったのだ。私は、あっっと思って、彼の顔をちらと見た。ただの普通の男性だった。でも、最後に、彼も、気を抜いた時、ふっと発した言葉は、絶対、そちら風の言葉だった。こんな田舎にも、人知れず、そんな生活があるのかもね。