水琴窟
1988年頃、テレビ放映で、「水琴窟」なるものを知った。水琴窟の音色を聞きたい!ある日 娘と二人で京都に出かけた。あるお寺の庭にそれはあった。近づいて行くと、地面の中から、妙なる調べを小さく奏でていた。コロロン コロン ピリリン コンコロリ ピロロン とそれは、それは清らかな音色だった。しばらくして、ふと、後ろがざわざわするので振り返ってみたら、団体さんがみんなでこちらを見て笑っていた。恥ずかしかった~急いで娘と二人逃げた。なにしろ、そのあまりに美しい琴の音をひとつも逃したくなかった私達。ふたりとも、がまがえるのように、地面に這いつくばっていたから。人間って、あさましいものですね。欲張り、むさぼると、美しい形を保てないのです。え?保つほどの美しい形は、最初からないだろうって?はいはいはい著名な写真家の手による、「京都にて、水琴窟を愛でる美しい母と娘」という、写真のモデルには、なれませんでしたとさ。 あたりまえか~~!