生きる意味
戦後は、軍国主義の塊だった教育から、教育方法が、がらりと変わった。私は、丁度、そんな教育が始まる時代の少女だった。中学に入学した時、毎年恒例の全校生徒のマラソンと、登山があった。マラソンは、女子と男子に時間差で別れて、同じコースを走る。何事も精一杯がんばる私は、女子で、1番になってしまった。1年生から3年生までの全員で走ったのに1年生の私が1番だったのだ。でも、それだけだった。表彰されることもなかったし、「がんばったね~すごいね~」とか、だれかに言われることもなく、運動部の人から、お誘いがあるわけでもなかった。登山の日は、何事も必死で取り組む性格だったから脇目もふらずに登った。頂上に着いてみると、男子が少しと、女子では私がひとりだった。先生もいなかった。ずいぶん経って、全校生徒が、ぼちぼち到着した。私のクラスの先生も、生徒に囲まれて楽しそうに到着した。先生は、私を見ながら、「早く登ったって、何にもならない、僕たちは、景色をみたり 草をみたり、樹をみたり、楽しんで登ったんだよね~?」と他の生徒を振り返った。私は、「ハイキングじゃないのに、遅かったから、負け惜しみで言ってるんだな~」と思っただけだ。あれから54年も経った。私はいまだに、がんばるだけの人生だ。がんばっていないと生きてる気がしないのだからつまらない性格で、困ったものですね。 あはは…