ブームに浮かれてると、、、
はじめに。この日記は、子育て支援業界(?笑)の実態の動向を分析したものではなく、子育てにまつわるキーワードが世の中にどう情報発信されているかの流れ、つまり、メディア戦略や、コミュニケーション戦略といった情報戦略について、個人的に分析してみたものなので、子育て業界全体の動向を分析したものではありませんデス☆--------------------------------------------■ブーム???最近、少子化の報道が多い。明らかに、多い。わたしが自由研究を始めたのは、おととしの冬だけれど、この一年半のあいだで比べてみても、最近の報道のされかたは、圧倒的に頻度が高い。わたしが思うに、これはブームだ。実際、フローレンスへのマスメディアからの問合せは多く、4月からの3ヶ月間で(取材済み未掲載も含む)、●新聞 4回●雑誌 1回(いま店頭にあるとらば~ゆに載ってます☆)●テレビ 2回非常にありがたいのだけれど、安穏としてもいられない。全国初の病児保育ネットワーク・モデルであったり、経営者が25歳の独身男性であったり、“マスコミ受け”する話題を持っていることは、間違いなくフローレンスの強味であり誇りだけれど、ブームに呑まれてしまうか、ブームに勢いをかりて、そのまま王道に乗るかは、これからのコミュニケーション戦略にかかっているのだから。わたしは、最近のニュース・報道の傾向から、メディアがこのままの調子で突っ走ると、“子育て関連ネタ”がブームになってしまいつつある、、、と感じていて、フローレンスへの取材依頼に喜びつつも、手放しでよろこんでる場合じゃないな、、、とひとり危機感を抱き、リスクヘッジを考え始めていたのだけれど、もうひとり、同じことを感じていた人がいて、安心した。代表の駒崎氏が、「この取材攻勢を、どう思いますか?」と聞いてきてくれたから。そういうセンスって、ほんとにだいじ。--------------------------------------------■キーワードの流れ今年の元旦の日経新聞の一面は、少子化問題だった。そして、半月に渡って特集「少子に挑む」が連載され、『ワールドビジネスサテライト』では、四夜連続の特番を組んだ。すでにこの事実が、多くを語っている。もちろんそれだけではなくて、マリー・クレールや、ブルータスといったライフスタイル系雑誌が、出産や子育てを特集したし、日経系の出版社は『Kid's +(プラス)』という新雑誌を創刊した。毎日新聞では、社説と特集で、少子化連載をダブルでやっていた。今年の4月は、2年前に施行された次世代法の、行動計画提出期限だったこともあり、各企業の次世代育成支援に対する考え方やアクションが紹介される機会が創出されたことになり、結果的に、子育て支援がシェアオブボイスをあげる契機になっていることは、まちがいない。そして、GW明けには、政府と経済・労働界のトップが少子化対策を話し合う懇談会なるものが、首相官邸で開かれた。経団連も少子化対策委員会なるものを発足したらしい。ほんとうに枚挙に暇が無い。そういった流れの中にあって、報道のキーワードは、少しづつ、しかし確実に変化している。まずは、【少子化】の扱いについて。かつては【少子高齢化】と呼ばれ、高齢化とワンセットで語られる文脈が主流だった。そして、少子化は、次世代育成の問題として語られる文脈に変わり、いまでは、【子育て支援】という言葉にまで具体化されてきた。その舞台をお膳立てしたのは、【次世代法】である。おそらく次は、【ワーク・ライフバランス】に注目が集まる。つまり、【働き方そのもの】への言及である。きっと象徴的に扱われるのは【男性の育児休業】だろうなあ。でも【病児保育】も可能性があるし、ほんとは【男性の育児休業】より、現実的なテーマなのだ。 ●ポイントは、いまのところ【少子化】が【子育て支援】という方向に具現化されつつある、ということ。そのへんをちゃんと押さえておかないと、少子化ブームに飲み込まれる。少子化を取り巻く背景やら環境は複雑で、ソリューションなどいくらでもあるのだ。出産もそうだし、社会保障も、教育政策も含まれる。それがいま、子育て支援の文脈で語られている、ということは、大きなチャンスである。同時に、次はどんなキーワードで来るのか、慎重に世の中をながめておかないといけない。厳密に言えば、ブームで終わるか、ちゃんと根付くか、まだわからない。でも、根付いたら根付いたで、対策が必要なのだ。なぜなら情報は、ドーピングだから。しかも、情報の受け手は、それに無自覚だから。--------------------------------------------■強味わたしが思うに、、、フローレンスの持っている個性を最大化しながら、効果的にコミュニケーションしていくには、【子育て支援】というキーワードを見方にしつつ、【21世紀をサバイバルする経営課題】としての【働き方の見直し】、という文脈に食い込むことが出来るか、が大切だと思っている。経営は、こまさんが得意なフィールドだから。たぶん、、、【子育て支援】の文脈は、今後大きく【男性の育児参加】に引っ張られる(ような気がする)。【男女共同参画事業】なるものもあるし、古くは【雇均法】なるものもあったし、ジェンダーバイアスは、なぜかマスコミが扱いたがるテーマだから。もちろん、そこにうまく乗っかることも大切で、【病児保育】でその土俵に乗っかることもできるけれど、それだけじゃもったいないし、もっとフローレンスの強味が活かしやすいフィールドも、準備しておいた方がいい、と思うのだ。つまり、【子育て支援】のひとつのソリューションとして、【病児保育】にピンを立てることは必須なのだけれど、少子化情報の洪水のなかで一歩抜けるためには、【子育て支援】の枠に納まってはいけない、ということ。たとえば【21世紀をサバイバルする経営課題】のように、よりビジネス寄りのテーマで露出するのが良さそうだと思っている。そのとき、【NPO】という法人形態は、フローレンスの“情報資源”として超使える。それも強味。サブテーマとしては、【埋もれている人材のwin-win活用】、【地域コミュニティの再生】、といったキーワードも意識しておいた方が良さそう。【ソーシャル・ベンチャー】という文脈もあるけれど、情報として“効く”相手がちょっと変わってくる。だから、使い方を間違えないようにしないといけない。もちろん、これがゴールじゃないけど、まあ、いまのところ見えているのは、これくらい。end---