三年坂 火の夢 / 早瀬 乱
第52回江戸川乱歩賞受賞作。兄の死の原因を追い、東京の坂をめぐる秘密を調べる主人公は、知らず恐ろしい陰謀に巻き込まれる・・・。せっかく東京に住み始めたのだから、東京の地理に興味を持ってみるのも一興。そういう理由で選択してみました。とにかく、小説の2~3割が地理的説明に費やされてるのではないかという、大阪人置いてけぼり度は★五つ。明治の町の様子や、生活の空気感は悪くない。ただ、肝腎のミステリーの主線がどうもまどろっこしいし、緊迫感に欠ける印象だ。とりあえず、あちこちの坂が気になるようにはなった。そういえば、オフィスの近くに桜坂があるんだよねぇ。残念ながら福山の歌のあれとは違いますけど。帝大度★★★☆☆