政治を斬る(81) デフレは悪か?菅大臣に物申す(1)
政治を斬る(81) デフレは悪か?菅大臣に物申す(1)菅財務大臣がしきりに「インフレ目標」と発言し始めました。そして「インフレ目標を日銀と共有しい」とも。私は、これを大変危険な兆候だと憂慮しています。私は、少々円高に触れると、大変大変だと大騒ぎする輸出企業は勿論、輸出企業にベッタリのマスコミの主張も、全く信用しておりませんし、緩やかな物価上昇が良いことだとは思っていません。円高歓迎、デフレ傾向大歓迎論者です。ギリシアの危機に絡んで、日本の国債発行残の大きさに話題が集まっています。確かに財政規模だとか、対GDP比率だとからみると、日本の国債(国の借金証書でもあります)の発行残の多さは、世界トップをダントツで快走しています。しかし、だから破綻の危機がすぐ目の前にあると考えるのは、単純に過ぎます。考えてください。破綻近し、破綻の危機だと本気で考えているなら、誰も日本国債なんて買わないでしょう。無理に買ってもらおうとするなら、国際比較で最も高い金利をつけることが必要になりますね。ギリシアがまさにそうです。ユーロ圏で最も経済の安定しているドイツ国債に対するギリシア国債のスプレッド(上乗せ金利)は、遂に5%を超えました。それでも、5月に必要な300億ユーロの国債の借り換えは遂に出来ず、ギリシアはIMFとECBに支援を要請しました。もはや、市場で国債を買ってもらえないことがはっきりしたからです。どうですか。日本が財政危機からデフォルトになるかもしれないのなら、円の信用はがた落ちで、円は暴落し、国債の金利も大幅に上がるはずです。 現在の日本国債の利率を考えてみてください。米アメリカ国債の利率の半分を大きく割っています。そしてヨーロッパ最強のドイツ国債の利率の半分弱です。これだけ、低い金利でありながら日本国債は捌けているのです。そして国債の金利支払いが少額で済むからこそ、日本の財政は破綻せずに済んでいるのです。3,1%少々のドイツ金利や、3,5%程度の米国金利レヴェルまで、日本の金利が上がるとすると、歳出に占める国債の利払い費用は、その分大きく膨らみます。財務大臣の菅さん、その利払い費用大丈夫なんですか。デフレ傾向の経済がだからこそ、金利は底値安定を謳歌しているのです。その限り日本国債がデフォルトに陥る可能性は、、限りなくゼロに近いのです。この仕組み、菅大臣は失念していませんか。 続く