米国の Reader's Digest Associtation が破産法を適用して再建へ 米国版 『リーダーズ・ダイジェスト』 誌が廃刊というわけではない
日本語版の復刊をぼくが夢見てきた 『リーダーズ・ダイジェスト』 誌 だが、いよいよ破産法に基づく再建手続きに入るらしい。8月18日の日経夕刊記事を見て、息が詰まった。米国の雑誌のなかの雑誌。米国版の毎号の発行部数は昨年 820万部。さる6月には目標発行部数を500万部に下方修正、発行回数も年12回から年10回に減らした。500万部を刷る雑誌は、それでもすごい。米国の健全な常識の支えとなってきた雑誌だ。短い記事やコラムや美しい写真をちりばめた構成は、まるでインターネットのサイトをそのまま出版物に転換したみたいで、その意味で 『リーダーズ・ダイジェスト』 誌は時代を大いに先取りしていた。インターネットのサイトを渡り歩く楽しみを、インターネット時代に先んじて刷り物で提供した。通信販売的な広告を多く入れるのも、インターネットのサイト上の広告に発想が似ている。だから、インターネットは 『リーダーズ・ダイジェスト』 誌にとって大変な荒波となったに違いない。*出版元の Reader’s Digest Association Inc. (RDA社) は、すでに今年の3月初めから破産弁護士を雇って再建案を作り始めていたようだ。“Reader’s Digest Chapter 11” で検索したら、New York Post の平成21年3月4日記事 が報道していた。破産法適用申請といっても、雑誌が停刊になるわけではない。RDA社は約2,000億円の借金があるが、そのうち1,500億円相当を帳消しにしてもらう代わりに債権者にRDA社の株式を提供する。金貸しがRDA社の持ち主に名を連ね、貸したカネを配当金という形で回収してゆくわけだ。順調に再建されますように。『リーダーズ・ダイジェスト』 誌からの選りすぐりを新書判で日本の本屋の店頭に並べるという夢は、ぼくもまだ あきらめたわけではない。