小児専門病院の外来保育士として
コマームスタッフの浜口です。私は現在、小児専門病院の外来保育士として働いています。私が働き始め、日々感じることは「病気の子どもの兄弟支援」です。病気の子どもたちへの支援はあります。読み聞かせや人形劇等のボランティアの方もたくさん来てくださいます。しかし、その子どもたちの兄弟の支援はほとんどありません。休日や夜間にしか面会に来れない家族がたくさんいます。兄弟たちは入院患児さんたちへの感染等の理由から病棟には入れません。そのため、病棟のガラスドアに張り付いてじっと中を見ている子どももいます。入院している子どもたちは毎日病気と闘っています。ご両親も苦しむお子様を助けようと必死でサポートしています。そして、兄弟たちも見えないところで我慢し、甘えたい気持ちをこらえて一緒に頑張っているのです。医師が家族に病状を話す際、兄弟をお預かりすることがよくあります。先日も「○○ちゃんまた入院するの?私、またずっとおばあちゃん家に行かなきゃ行けないの?」と涙ぐんでいたお子様がいました。また、まだ小さい赤ちゃんでさえも、深刻なその場の空気を感じとり、医師と話しているご両親を泣きもせずにじっと見つめているのです。そんな子どもたちを見ていると、胸が締め付けらる思いです。保育士として何が出来るでしょう…子どもたちの心に寄り添い、頑張っていることを認めてあげることしか出来ない歯痒さもありますが、まずはそこからだと思っています。「我慢してるんだよね。みんなちゃんとわかっているよ」というメッセージはきちんと伝えてあげたいと常に思っています。健康に生まれてくること、元気に育つこと。そして生きていること。これは決して、当たり前、普通のことではないのです。普通のことが本当は素晴らしい奇跡なのです。もし身近にそんなお子様がいたら、ギュッと抱きしめ甘えさせてあげてほしい、病気は本人だけでなく、家族全員で頑張っていることをお伝えしたくて書かせていただきました。私も特別なことは出来ませんが、自分の出来ることを開拓していきながら、子どもたちと向き合っていきたいと思っています。