薬師如来
薬師如来この写真はお得意先の先生からおかりしたものです。全国に色々な薬師如来像がありますが、その中でも先生が一番好きな像だということです。 薬師如来とは医薬を司る仏で、医王という別名もあり、衆生の病気を治し、安楽を与える仏とされます。このため仏像もしばしば薬壷を持っています。 この仏は菩薩であったころ、十二の大願を立てたとされ、その七番目の願いに「病のものも私の名前を聞けば患いが除かれる」とあって、これが薬師信仰の根拠とされています。 さて、この薬師如来や日光・月光菩薩・十二神将のいる浄瑠璃世界とは瑠璃を地とし七宝を持て成ずると言われる理想世界です。薬師如来の申し子である浄瑠璃姫と牛若丸の恋を描いた「浄瑠璃御前物語」の公演が評判になり類似のものを全て「浄瑠璃」と呼ぶようになりました。 国内では薬師如来信仰は既に飛鳥時代に始まっています。法隆寺金堂の薬師如来光背銘文には『用命天皇が病気になったとき、治癒祈願のため寺を建て薬師如来の像を祀るようにとの仰せがあり、天皇は残念ながら亡くなったが推古天皇と聖徳太子がその遺志を果たした』と書かれているとの事です。