病院の検査 ~明日から4クール目~
病院でいつものTS-1投薬前の血液検査があった。そしていつものようにCRP(炎症値)はまた15.87と跳ね上がっていた。痛みもあるし、熱もあるからこの値はしょうがないのだろうか…白血球は5700あるので、明日からのTS-1投与には問題ないのだが。診察を待つ間、初めに入院した呼吸器系の病室で同じ部屋だったMさんにばったり出会った。Mさんは肺ガンを患っている。ほとんど食べられなくて、抗ガン剤ももう投与できないのとのこと。食べていないせいか、入院していた頃よりさらに痩せてしまって、今日は食べれないので栄養点滴を打ちにきたのだという。Mさんはママに「元気そうね」と言った。ママは「そんなことないのよ。毎日痛み止めを飲んでいるし、毎日熱が39度ぐらいまで出て辛いよ」と答えていた。Mさんは今日は予約なしで、とにかく点滴を打ってもらいたくてやってきたようだ。でも悲しいかな大病院ではすぐに処置をしてくれるわけではない。まず担当医の診察があって、初めてその後どうするか決まる。Mさんの場合、今から診察まで2時間ほど待たなくてはいけないという。座っているのも辛いMさんはもう帰ろうか…と言っていた。「救急外来で入ってしまえば、すぐにやってくれるんだけどね」とMさん。こんなに体力が弱っている人でも、病院は平気で待たせる。結局処置室で横になってMさんは診察を待つことになった。そういえば、Mさんの話では呼吸器系の4人部屋の病室で同室だったHさんが6月に亡くなったそうである。Hさんも肺ガンで首には動脈瘤もできていた。でも前向きな方でありとあらゆる癌治療を調べて、いつも「あと5年頑張れば、私の癌は治る」と言っていた方だ。ママはHさんがどうなったがずっと気にしていた。というのもママが呼吸気系から消化器系病棟に移った少し後、朝食の時、一緒にご飯を食べていたHさんが、「気持ち悪い…部屋に帰る」と立ち上がった瞬間、気を失ってしまったのである。ママの後ろで倒れたらしいのだが、瞬間ママが気が付いて、なんとか受け止めようとした……しかし、重みで一緒に倒れてしまったのだ…ママが受け止めたおかげでワンクッションはあったのだが、やはり少しHさんは頭を打ってしまった。Hさんはママに「あなたは私の命の恩人よ」と言っていたらしいが、ママは「自分がもう少し力があれば…しっかり受け止めていれば…」とずっと悔やんでいた。結局Hさんはその後、調子が悪くなってしまい、4人部屋から1人部屋に移された。ママは病室を探したのだが、わからなかったという。それが今日の話では6月に亡くなってしまったということで、ママは相当ショックを受けていた。Hさんのご冥福をお祈りします…合掌。**********************************診察ではどうやったら、ママのこの痛みが消えるのか…と先生に聞いてみた。先生は「ロキソニン(鎮痛剤)を痛くなる前に飲んでください」と言う。でも私は「それだとただ痛みをその場しのぎで押さえるだけで、何が原因かつきとめないと、治せないのではないでしょうか?」とさらに突っ込んだ。先生はCTやガリウムシンチを見せながら、「癌が転移したのではない」と言う。もし骨に転移だったら、今、ママが痛がっているような非常に広範囲が痛くなるのではなく、もっと局所的に痛くなるという。だからやはり神経系の問題だという所見なのだが、私たちが心配がるので、先生は「整形外科の診察を受けてみますか?」と言った。明日、私が大分前に飲んだピロリ菌の薬の呼気検査があるので、ママも明日に診察することになった。