プロ根性を賭けた我慢大会!?
私は“ゲラ”。つまり、すぐに笑う人ってこと。そして、笑い出したら止まらない。でも昨日今日そうなったのではなく、小さい頃からずっとそうなのだ。32歳になった今でも別段変化はなく、毎日些細なことでキャッキャ笑っている。(ところで、“ゲラ”って関西弁ですか?)さて、皆さん。「箸が転んでもおかしい年頃」ってことわざがあるのはご存知ですよね。定義は次のとおり:日常のなんでもない出来事にもおかしがる年頃。特に、女性の10代後半の年頃をいう。(from 「箸のことわざ」)ふ~ん、そうなの。じゃあ、私って・・・永遠のティーンエイジャーやん!(笑)まあ、こんな私だけど。仕事の場合はどうなのでょう?そりゃめちゃシリアスですよ。仕事だもん。一応、通訳ですからキリッとしている(つもり)。クールに決めている(つもり)。しかし、この仕事ではほんといろんな方々と出会うので、その人は笑わせるつもりはなくても結果としてすんごくおかしくてたまんねぇ~、笑いが噴き出しそうだぜバカヤロー!ってことはよくある話。だから、そんな状況に直面すると、私はひたすら笑いをこらえねばならない。そう、これは真剣勝負の我慢大会。プロ根性をすべて賭けて挑まなくてはならんのだ!具体的にどうやって笑いをこらえるかというと、私は下唇の内側を噛む。舌を噛んだら笑いが止まるって昔聞いたことがあるんだけど、私は通訳だから舌が大切。ってなワケで、自分なりに少しアレンジしたのだ。下唇の内側なら舌と関係ないし、なんてったって傍から見てもバレないし。機会があれば、是非一度お試しあれ。では、今日。そのような数あるエピソードより一つお届けいたしましょう。これは、1~2年前のお話です・・・とある団体開催のイベントで通訳するために、開始時間よりも早く会場に着き、私はリハーサルに参加していた。そこでマイクテストを行うってことになったのだ。現場責任者が、「各自の声がどれほど通るか聞いてみたいので、お一人ずつマイクを持って話してください」と言った。普通、マイクテストする時は、英語ならば"Testing, testing...one, two, three"で、日本語なら「テスト、テスト」と言う。分かってない人は、「あっ、あっ、あっ、あっ」って言ってその後マイクを手のひらでポンポンと叩くけど、それはまったくのNG。いずれにせよ、順に一人ずつマイクテストをし、私の番が終わったので次の方にマイクを渡した。この方は主催団体のお偉いさんで、見るからに真面目そうな人。どうやってそこまでピシッと分けたんだろうってほどの七三で、髪を炭のように真っ黒に染めていた。勿論スーツの色は濃紺で、眼鏡着用。しかも、能面フェイスで無口。が、しかし!こんなニコリともしない真面目なおじさんがマイクを握り、発した言葉は・・・「ア・ワ~ン!ア・ツ~!ア・ワ~ン、ツ~、スリ~・・・ワン!」そして、何もなかったかのように彼は仏頂面で席に戻った。は?ギャグ?しかし、誰も笑っていない。むしろ皆はおじさんと目を合わせないようにしていて、その場には“聞かなかったことにしよう”的ムードが濃厚に漂っていた。このおじさん、大真面目だったんだ。きっとTVとかで耳にしたことを自分なりに脚色してたのかも。え~、ちょっとよろしおますかぁ?ツッコミどころ満載なんですが~!まず、「ア・ワン、ア・ツ~・・・」ってなんや?なんでビートにのってるの?あんたはエアロビのインストラクターかっ!?でさ、普通に「ワン」とか「ツー」って言ってくれない?カタカナ発音でも全然OKだから。なぜ裏声でセクシー系に「ワ~ン」、「ツ~」と言うの?キャラじゃないって自分で分からないの!?そんでさ、最後の「ワン」って何?それ、必要ですか?なんでそこだけ声を張り上げんの?私、そこで死にそうになったんだけど。だって、ONEの「ワン」じゃなく、犬の「ワン!」に聞こえましたからっ!以上、すべて私の心の声。勿論、表向きは平然としていた。「今、起こったことは気のせい」と自己催眠をかけつつ。しかし胃は体の中で宙返りしてたし、大量の冷や汗をかいてたし。そして、ず~っと下唇の裏側を噛んで、噛んで、噛み続け・・・最後まで、耐えぬきましたぞ!(涙)ってなワケで、これはかなりハイレベルな我慢大会で、プロ根性をすべて搾り出した私はぐったりと疲れた。しかし、これほど強烈でなくとも、笑いそうになったことって多々あるから・・・これって、シリーズになりそう!?また近いうち、パート2を書こっかなぁ~。乞う、ご期待!(なんちって!・・・笑)