パトリック・スウェイジ
俳優のパトリック・スウェイジ(Patrick Swayze)が先日、1年と8ヶ月のすい臓癌との闘いの末、息を引き取りました。57歳でした。パトリック・スウェイジと言えば、代表作は「ダーティー・ダンシング」や、「ゴースト ニューヨークの幻」など。前者も勿論のこと、特に後者は日本でも大ヒットを記録したので、未だ鮮明に覚えている方々も多いかと思います。しかし、私が彼の映画で一番印象に残っているのが、1996年の"To Wong Foo, Thanks for Everything! Julie Newmar"(邦題:「3人のエンジェル」)。これは、一言で言うと、3人のドラァグ・クイーン(drag queen=ド派手な女装した男)のロードムービー。基本コメディーだから、笑いは勿論のこと。涙もあり、淡い恋もありで、心温まる友情もあり。ただのコメディーで終わらない素晴らしい作品なのです。パトリック・スウェイジはドラァグ・クイーンの一人、リーダー的存在のヴィーダを演じています。制作段階で、彼がキャスティングされたと聞いた私は、少し違和感を感じました。というのも、あの筋肉質な長身で、しかも顔立ちもすごく「オトコ!」って感じなのに。それに、これまでずっと男らしい役ばかり演じてきたのに。果たして、華やかで魅惑的なドラァグ・クイーンを演じられるのか?けれども、結果は。大成功!まあ、とてもゴツゴツとしたドラァグ・クイーンではあったけど(笑)、その演技力で観客を魅了。ちょっとした仕草や顔の表情がとても女らしく、愛すべきドラァグ・クイーン像を見事に披露してくれたのです。パトリック・スウェイジを偲ぶ気持ちで、もう一度この作品を見たくなりました。どうか安らかにお眠りください・・・