ミネラルにも派閥があって。
ミネラルにも派閥があって。Kひつづきミネラルのはなしです。 土壌検査をしてみると、圃場の土のなかに作物の成長に必要なはずの ミネラルの量は問題なく充分にあるはずなのに、いざ作物を栽培して みると それでも苦土やホウ素・石灰が効きにくいといった生育をしがちな作物のケースも、よくあります。さらに効き にくいといった程度ではなく 苦土欠乏やホウ素欠乏・石灰欠乏がおこる というケースが実際問題としてある。 土の中にミネラルはあるのに、なぜ効かないのだろう と思うのです が、こういった現象の原因のひとつとして考えられるのが各ミネラル のあいだの 拮抗作用 だといわれています。 拮抗作用とは・・・簡単にいうと「ミネラル同士の喧嘩」。たとえばカリの場合ですが、カリが土の中に多く存在すると、作物へ のマグネシウム/苦土の吸収を抑えるとされています。そのために土のなかにマグネシウム/苦土がたくさんあったとしても、作物の生育の過程でマグネシウム/苦土の欠乏症状がおこるばあいがあるという わけですね。また カリは[マグネシウム/苦土と同様に]作物へのカルシウムや ホウ素の吸収を阻害しやすいことも知られています。そんなミネラルのあいだの相互関係[要素の相互作用といわれていま すよ]を図示したものが こちら 。 ののののの 直線は 拮抗作用。そして点線は、作物に吸収れるのを助けあうとい う相助作用をあらわしています。そうなんです、ミネラルはお互いに喧嘩するばかりではなく、協力し あう場合もあるのですから、おもしろいものですよね[そんな相助効 果は、たとえばリンとマグネシウムの関係で知られています]。と、いうことで今回は、お互いのあいだに好き嫌いが存在するために土の中にたくさんあったとしても、特定のミネラルが作物に吸収され にくいこともある[逆に土のなかに少ない場合でもなぜか良く効くこ ともある]という・・・ 人間とおなじように、ミネラルにも派閥がある みたいな、そんな おはなしでした[カリや塩素が多くなってしまう原因については こちら]。 そして連想されませんでしたか、 旧約聖書のアダムのはなし を。 そう「アダムは、神によってその息吹と土から創造された」という あの一節です。・・・ひとに派閥があるのは、土のミネラルの作用 なのかも/笑。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」