豚の伝染病「豚流行性下痢」の感染止まらず。
豚の伝染病「豚流行性下痢」の感染止まらず。K2013年10月に、国内では7年ぶりとなる豚の伝染病「豚流行性下痢」の発生が沖縄県で確認されました。その後飼育の現場では飼育場全体の消毒や複数の農場の間を行き来する機会をなるべく減らすなどの対策がとられ、さらには各県の主要道路で豚を運ぶトラックのタイヤや荷台を消毒するといった対策が徹底されたのですが・・・しかし残念なことにそれでもこの病気の感染は止まらず、4月2日現在のところ17の県で18万頭余りが感染し、4万頭近くが死ぬ被害が出ています。その様子を伝えるメディアの4月最新のニュースは こちら 。 ● NHK 「豚流行性下痢」の被害拡大 ● 毎日新聞 豚流行性下痢18県に拡大/農水省が消毒徹底を指示 ● FNN 豚の伝染病が全国に拡大/豚肉価格に影響のおそれ ● 東京新聞 豚の伝染病拡大/流行性下痢、17県で4万頭死ぬさて、そこで感染のとまらぬ理由です。対策がとられているのに感染が止まらない理由は何でしょう。その一つの理由として考えられるのは、ふん便の処理の不備に関することではないかと推察されます。なんといっても、この病気もほかのウイルス病と同じように ふん便中に排出されたウイルスが経口感染することによって伝ぱんしていくという性質を持っているからです。したがって更なる拡大防止策とし効果的だと考えられるのは、排せつ物処理を適切に行うということ。これに尽きると思います。具体的には ■ ふん尿をたい肥化する場合には、よく完熟させる ■ 発酵温度が十分に上がっているかどうかを、よく確認する ■ たい肥化の済んだものと、新しいふん便とを混ぜない ■ たい肥と、飼育豚を離す ■ たい肥と野生動物が接触しないように管理するといった対策をとることが肝要です。さらに上記の個体分とは別に、液体分についての注意点として、通常時の塩素消毒処理や ばっ気処理ではウイルスが不活性化していない可能性も考えられることから ■ できれば、液体分を肥料として散布しない ■ やむをえず用いる場合は、ほかの養豚場の近くで使用しない ■ やむをえず用いる場合は、流水の近くでは散布しない ■ やむをえず用いる場合は、道路の近くでは使用ないといった対策が有効だと考えられます。いったことで今回は、全国に広がりつつある豚の伝染病と、その対策についてのおはなしでした。ちなみにやはりふん尿中のウイルスによって感染が拡大していったと考えられる口蹄疫のケースは こちら 。 この感染症の流行しやすい季節は 冬。 そういった意味では はやく春になって温度があがることが、いちばんの薬なのかも しれませんね。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」