日本小児アレルギー学会「市民公開講座」に参加(3)
先日参加した第48回日本小児アレルギー学会「市民公開講座」の覚書の続きで、これが最後です。子どものぜん息~予防と対策~(大阪府済生会中津病院 末廣先生)ぜん息の基礎知識、治療とコントロール、学校生活での注意事項、運動誘発ぜん息、思春期ぜん息、日常生活のポイントについて、小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2008(下記に掲載した本)に基づき、わかりやすくお話をしてくれました。その中で、特に印象に残った項目を下記にまとめます。ぜん息の重症度分類喘息の発作型はその症状と頻度により、簡欠型、軽症持続型、中等症持続型、重症持続型、最重症持続型に分類されます。日頃の対策として、簡欠型は毎日の予防管理は不要で、発作が出た時のみ、軽症持続型は毎日の予防管理が必要、重症持続型または最重症持続型は毎日強めの予防管理が必要だそうです。子ども達は引越前までは簡欠型だと思っていましたが、今年は頻度が増えているので、軽症持続型なのかなと講演を聴きながら思いました。でも、息子は引越まもない頃は、中発作から大発作に近い症状もあったから、中等症持続型なのかな? いずれにしても、子ども達は発作が起きた頃から、毎オノンまたはシングレアを服用してはいました。どうしても咳が出ると、苦しくなったり、音が混じり始めるから、まだまだ日々の予防は必要だと思います。小児気管支喘息の治療目標大人はぜん息とうまくつきあうことが治療の目標ですが、子どもは最終的に治癒・寛界をめざすそうです。この目標は小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2008に掲載されています。昼夜を通じて症状がない、学校を欠席しない、スポーツも含め日常生活を普通に行うことができる、肺機能がほぼ正常などが目標です。水泳や野球、オリンピックなどに出る有名なスポーツ選手で、小児ぜん息の経験をしる方も多いので、ぜん息だからできないではなく、日頃からぜん息の予防と自己管理をしながら、運動することもできると言われていました。もちろん、ぜん息の症状の程度によっては、運動量であったり、運動の種目(長距離はきついので、短距離とか)選びも必要かもしれませんが、前向きに希望が持てるお話もありました。思春期ぜん息10歳を超えて、思春期、青年期になってくると、親の管理下から離れてくるので、時にぜん息予防の管理をすることが難しくなるケースも増えてくるそうです。中学・高校などに入学すれば、部活や塾などで毎日忙しく、通院が思うようにできなかったり、大人に近づいているとはいえ、まだ毎日の薬の自己管理が充分にできない(内服や吸入を忘れる)などで、症状が悪化するケースもあり、この場合は治療方針の見直しや、本人と医師との関係を組み直すために、時に転院が必要になる場合もあるそうです。学校生活運動前に準備体操をする、運動中に苦しくなったら休む、埃の舞う場所はさける(黒板のチョークの粉掃除、履き掃除、動物の飼育係など)、宿泊行事での枕投げなどが、学校生活の注意事項だと思います。担任の先生との話し合いでは、主治医と相談して、下記の学校生活管理指導票を提出することもできるとのことでした。 *学校生活管理指導票(アレルギー疾患用) http://www.gakkohoken.jp/book/pdf/02sidou.pdf【送料無料】小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(2008)今回は上記のガイドラインにそった話でしたが、昨日、日本小児アレルギー学会のホームページにて、新しいガイドラインである「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012」が発表されました。 http://www.iscb.net/JSPACI/oshirase/111101.htmlまだアマゾンや楽天ブックスには掲載・入荷されていませんが、近日中に発売されるのではないかと思います。※第48回日本小児アレルギー学会「市民公開講座」に参加した覚書 (1)アトピー性皮膚炎について (2)食物アレルギーについて 小児ぜん息の予防管理をする上で、下記の本はわかりやすいと思います。【送料無料】家族と専門医が一緒に作った小児ぜんそくハンドブック(2008)