ディーワーニー書体テキストやっと完成
昨年末から懸案になっていました、ディーワーニー書体のテキストがやっと刷り上がりました。初版本は50冊です。既にルクア書体を終わった方が数名いらっしゃったので、いまかいまかとお待ち頂いておりました。ディーワーニ書体は、名前のディーワーン(官公庁)が示す通り、もともとはお役所で使用される書体で、オスマン・トルコ時代に皇帝が話す言葉を書記が書き写すために開発された書体と言われています。このため、かなり速記的な要素が強い書体です。ルクア書体と同様、余り基本線から下には文字が出ません。また、ルクアと違い直線部が少なく、曲線がかなり多いため、華美な感じがします。装飾的な記号も余り入れず、線そのものの動きを楽しむといった書体です。ただ、ナスヒー書体に比べるとかなりデフォルメされた文字が多いため、判別しにくい文字もいくつかあります。ディーワーニー書体は文字のバリエーションが多く、独立形だけでも文字によって3種類ぐらいのパターンがあります。また、通常後ろの文字にはくっつかない文字(daal, dhaal, raa', zaay, waa)'などもいくつか特定の文字に接続するなどの特色もあります。このためテキストは他の書体に比べ厚めになっています。なかなか優美に見える書体なので、早くこの書体を始めたいという方も多く、人気のある書体ですが、書く前に線の流れがどうなるかを考えて書いて行く必要があり、デザインセンスが求められる書体でもあります。ディーワーニー書体テキスト(表紙)