賞与の季節です。・・・(-。-)
私が勤める医療法人も、福祉施設も冬のボーナスの時期になりました。医療法人は、私が経営しているわけではないので毎月の経営状況が私の懐に影響するわけではありませんが、労務管理と経理の一端を担う立場として年に2回の賞与の支給に関しては緊張感をもって査定をし、支給日時も慎重に決定しています。医療法人は、診療科目も多く、それなりの規模ですので、毎月の給与支給や年2回の賞与支給で屋台骨に影響することはありません。が、福祉施設は、事情が違います。そもそも、人員配置の基準や受け入れ利用者の人数など制限が多く、決して「儲かる」仕組みにはなっていません。そんな中でも「賃上げ」「待遇改善」が叫ばれただでさえ人手不足の業界で、従業員を繋ぎ止めるには「やりがい」とか「個人個人の資質」とか「ほすぴたりてぃ」などに頼るのは、どこも限界が有ります。当施設では、毎月1回そこそこ高価なお弁当で昼食会をしたり、児童の送迎に些少ではありましが、送迎手当を付けたり、他にもできる限りの厚遇を・・・と考えておりますが、予算も限られていてどこまで満足してもらえているか不明です。医療法人とは違い、売り上げに上限がある施設でも賞与は年に2回支給します。毎月、売り上げが入金されてから従業員の給与、家賃、その他支払いを済ませると何も残らない状態が数か月続き、(残らないのはまだマシで、当初1~2年は 毎月毎月相当額の持ち出しが続いてました。)ようやく、この数か月は「単月黒字」を維持できるようになったところです。それは利用者が「ほぼ満杯」になったことで採算ベースになった。ということです。この事業の法的仕組み自体が、「満杯でようやく採算ベース」ということなので、しかたありません。このまま、現状を維持していけば毎月少しずつ黒字が出て、当初の累積赤字はいずれ解消される・・・という目論見です。ところが、「満杯になった」=「これ以上の利用者は受け入れ不可」なので、問い合わせがきても「お断り」するしかありません。「お断り」し続けて、現状を維持していけば毎月黒字をキープできる・・・はたして、これで良いのか?行き場のない子供たちを断って、現状維持して、ぬくぬくと黒字を維持・・・あ、これは違う!かくして、無謀にも更なる借金を抱えて、もう1か所施設を立ち上げた次第です。おかげで、また1からマイナス経営のやり直しで、毎月の給与を支払って、やれやれ・・・と思っているところに「冬のボーナス~~~!!!」という大寒波襲来。給料を頂く立場の時は毎月の給料日が待ちどおしくて それを半年繰り返すと「夏のぼーなす~~~!!!」更に半年、給料を貰い、「冬のボーナス~~~!!!」というサイクルで、モチベーションを維持していましたが、給料を支払う立場になると、「げ!もうすぐ給料日!!」これそ半年繰り返すと「げげげ!!!ボーナスの季節やんけ~~~!!!」てな具合で、立場変われば心構えも変わります。どの職場でも必ず社員にレクチャーすることがあります。例えば20万円の給料・・・の意味です。200,000円の給料を頂くと、そこから、 ・健康保険料:9,820円 事業主負担:9,820円 ・介護保険料:1,640円 事業主負担:1,640円 ・厚生年金:18,300円 事業主負担:18,300円 ・雇用保険:1,000円 事業主負担:1,700円 ・子ども子育て拠出金 事業主負担のみ:720円 ・労災保険料 事業主負担のみ:600円 ・源泉徴収税:3,700円が引かれます。(岐阜県、40歳~65歳未満、扶養家族なしでの概算値)本人負担額合計:34,460円 事業主負担:32,780円即ち、200,000円の給料に対して受け取る側は、200,000-34,460=165,540円の手取り払う側は、200,000+32,780=232,780円の負担「200,000円」という給与額を挟んで払う側と貰う側では実に「67,240円」の差が有ります。「200,000円」という賃金に対してこれだけの意識の差異が発生します。賞与なんかは、額面に比べて控除される金額がでかいので、社員から「保険代とか年金とか無ければいいのにねぇ。」と言われることが有りますが、支払う側も同じ(それ以上?)気持ちです。165,540円の手取りを渡すために事業主は、232,780円の支出が有ることを理解して下さい。昨今のコロナ対策の一環で当分枯れることはないだろうと思われていた雇用保険の余剰金が、あっと言う間に枯渇したようで今年の10月~雇用保険料が大きく上がりました。個人の毎月の徴収レベルは、何百円~数千円でそれほど目立ちませんが、事業主は、年に一度、まとめて支払うので、これがまた結構大きく会社の財政を圧迫します。冬の賞与を乗り切って一息付くのも今だけで、春には、賃上げ⇒健康保険料・年金料アップその次には、労働保険料納付・・・なかなか懐が温かくなりまへん。(TへT)