アベノミクスは、隠れ蓑!?(30日の日記)
この度の参議院選挙の結果について、経済ジャーナリストの萩原博子氏は22日の「週刊金曜日」に、次のように書いている; 2016年参院選の結果を見ると、一人区では、東北と沖縄が安倍政権にノーを突きつけたかたちとなりました。 たしかに与党大勝でしたが、震災後の復興が進まない東北や、基地問題で揺れる沖縄には、現政権への不満が鬱積(うっせき)している状況が今回の選挙の票から読み取れます。「アベノミクスは是か非か」といえば、東北や沖縄では明らかに「非」。けれど、どちらも、今の日本では「弱者」です。こうした「弱者」の声に耳を傾けないのも、今の日本の政治です。 けれど、それでいいのでしょうか。弱者が増えれば、その声は大きくなります。イギリスでEU分断に投票したのは、EUの経済的恩恵を受ける勝ち組の都会の人たちではなく、移民によって仕事を奪われた地方の人たちでした。 アメリカ大統領選でヒラリーの民主党代表の前に最後まで大きな壁として立ちふさがったのは、社会主義者と言われるサンダースであり、それを熱烈に支持したのは、格差に怯える若者たちでした。 確かに、与党は今回の選挙で大勝しました。けれど、ノーと言った弱者を忘れてはいけない。 しかも、今回の選挙は「アベノミクス選挙」ということで、与党は憲法改正にはあえて触れない姿勢を取ってきました。自民党はマニフェストの最後に小さな字で10行ほどしか憲法改正については記していません。公明党に至っては、マニフェストではひと言も触れていません。 ところが、選挙が終わるやいなや、話は「改憲」一色になっています。日程まで、取りざたされています。これは、さすがにおかしいのではないでしょうか。アベノミクスでごまかされ、なんだか、だまし討ちにあった気がするのは、私だけではないはず。もっと、謙虚な政治を望みたいと思います。<おぎわら ひろこ>経済ジャーナリスト。2016年7月22日 「週刊金曜日」 1097号 14ページ「アベノミクスは、隠れ蓑!?」から引用 「アベノミクスは隠れ蓑」という表現は、なかなか味のある言い方です。大企業は大儲けをして中小企業は経営難に苦しみ、富裕層と貧困層の格差はますます拡大しているのに、世間の認識は「大企業が繁栄しているのだから、アベノミクスは大成功」、選挙戦では改憲の「か」の字も言わず、マニュフェストの一番後ろに少しばかり書いてはあっても、そんなものは誰も読みはしません。公明党の党首に至っては「改憲問題は争点ではない」と明言してましたからね。それで投票日が過ぎた瞬間に「具体的な改憲論議を・・・」と言い出すのでは、だまし討ちにあった気にさせられるのも無理はありません。