水分補給の問題
水分補給、ウォーターローディングやデトックスなどわりと頻繁に聞こえてくる時代となった。人間の体は、筋肉などほとんど水分が多い。人体で水分が不足すると、血液の粘性度が増して血栓ができて詰まったり、意識障害などを引き起こす。格闘技の減量においても、いわゆる水抜きをした後に水分で体重を戻すのが必要だが、飲み方がとても重要である。一度に多くの水分をガブガブとは飲ませてはならない。僕は1,5リットルの糖質やナトリウムの入ったスポーツ飲料を1時間くらいかけて少しづつ、ゆっくりと飲ませるように指導している。このとき、冷たい水ではなく、生温い常温が好ましい。しかし、最近ではスポーツ界も水分の取り過ぎが問題視されていることもあるのをご存知だろうか?持久力系の長距離走などレース中の水補給を大量に飲んで倒れたりするケースだ。これは、大量の水分を取り過ぎるために血中の塩分濃度が低くなり、「低ナトリウム血症」を起こすためだ。以前からこのブログでもスポーツ中のナトリウム不足は危ないと警告しているが、この「低ナトリウム血症」は筋痙攣や呼吸困難、意識障害、心肺異常を引き起こし、場合によっては死に至ることもある。運動中はナトリウムや糖質が入っているスポーツドリンクが理想的。ナトリウムは筋肉を動かすカルシウムイオンを取り入れ、糖質は血中の糖質レベル(血糖値)を下げずに、運動終了後の筋細胞の蛋白質の分解を抑える効果もある。しかし、何でもない時にスポーツ飲料ばかりを飲みすぎると太るし糖尿病になる危険もあるので飲みすぎは注意。また、ダイエットを考えて運動している人には、運動後には炭酸発砲水のミネラルが含まれている硬水を勧めている。熱中症を防ぐためにも水分補給は重要であるが、むやみな水分補給も危険なのである。理想的なのは、喉が渇く前に少しづつ口に含んで潤すのが良いだろう。このことをトレーナーの皆さんも知っておいて欲しい。