『砂の器』
徳島を歩いている時に出会ったお遍路さんに教えてもらった『砂の器』という映画。松本清張作品です。徳島から帰ってきて本は読みましたが、映画をやっと観ました。この映画の最後に、病気の為に故郷を去り放浪する親子遍路のシーンがあります。遍路をしているのは、金沢から出雲までの日本海側の設定で四国ではありませんが、雨の日や雪の日、海沿いの道、花の咲く道・・・と四国と同じように四季が移ってゆきます。故郷の村を出る時は白装束に菅笠もきちんとかぶっていたのに、年月を経ると白衣も汚れて擦り切れ、旅の過酷さを物語ります。後半、親子の情愛とか、いつも唇を固く結んでいる子役に表されるような主人公の生い立ちに涙を誘われます。でもこの主人公の親子が一番幸せそうな顔を見せるのは、二人で互いに支えあいながら遍路してるところなんですね。やっぱりこの遍路のシーンが一番印象に残りました。しかし、『砂の器』というタイトルの持つ意味が今ひとつ解らないままです・・・。【お遍路度:60%】