5年ぶりの中国
妻は5月28日から実家の中国(青島)に帰っています。彼女は、中国の職場の用で、今年2回目の中国です。私も、先の冬休みに妻の実家にご挨拶をと思っていたのに、日本にしか行けなかったので、今度の夏休みこそはと、ひそかに意気込んでいました。チケットは大学の旅行会社で、エアチャイナの往復でだいたい37万ウォン(280,000ウォン+tax93,300ウォン)。前回、前々回は、安いから、と船で行きましたが、税金が年末に戻ってくることを考えると、そんなに変わんないんで、飛行機にしました。12時すぎに、仁川空港に着くと、まずは、再入国許可の手続きをして(30,000ウォン)、バーガーキングで昼飯をすませ、免税店で、妻に頼まれた中国のたばこ「チャイナ」と韓国のたばこと酒(百歳酒のセット)、甥や姪にボールペンセット(3つ)、さらに自分で考えて、お母さんにお茶、弟妹に白菜キムチ(3つ)を購入、搭乗口に行くと、出発10分前でした。午後2時すぎに、韓国のおじさんに挟まれて、出発!!と思いきや、「故障発見!!」ということで、1時間ほど機内で待機と相成りました。予定より約1時間遅れで、青島空港に到着。空からの青島はオレンジの屋根の建物が印象的でした。妻と妹のジンジンが待っていてくれました。ジンジンの夫の職場の同僚の運転で、市内へ向かいました。2008年のオリンピックでは、青島はヨット競技が行われるので、どれくらい開発が進んでいるかなと景色を眺めながら進んでいると、まず、目についたのはハングルの看板でした。それらは、会社名だけではなく、「PCバン」「シャブシャブ」「ルームサロン」(カタカナ部分ハングル)など生活や娯楽文化まで入っています。職場の同窓会長の会社も青島に工場があり、青島の女性と結婚していたことなどを思い出します。前来たのはいつだっけ?、とパスポートを確認すると、2001年でした。そうか、もう5年も経ってるんだと感慨を深めつつ、新しい高層ビルやオレンジ色の屋根のマンションに目をやりました。まずは、中山路という中心地近くにある妻の両親のアパートに到着。このアパートはかなり古くなっているので、今度のオリンピックのための景観作りのために改築されることになっているそうです。懐かしい部屋には変らぬババ(義父)・ママ(義母)・上の弟ガンガン・姪のジャジャが首を長くして待っていてくれました。早速、ババには誕生日(7月15日)のお祝いのポロシャツを、ママにはお茶をさしあげました。ジャジャと英語で会話を楽しみながら、夕食の準備を待ちました。ジャジャはヨンさまより、チャンドングンがハンサムだと言っていました。夕食はババ手作りの品々で、鯉の煮ものを中心に、鳥の焼きもの、豚の焼きものなど、、、そして、出た~!!スーパーで買い物したときもらえるような白いビニールに直接入れられた青島ビールです。青島ではどこでも小さな店に青島ビールの樽があって、そこでビニールに注いで小売しています。このいわば(缶ビールでもビンビールでもない)ビニールビールから、絶妙なテクニックで直接グラスに注いでもらって、家族で乾杯しました。ジンジンの夫と娘のユエンユエンとガンガンの妻も来ました。ユエンユエンは韓国語の勉強もしているそうです。墓穴を掘ったのは、「日本人は飲まないと本音で話さない」と言ったので、みんな喜んで飲ませてくれました。私は中国語はからっきしだめなので、「この5年間は生活のために韓国語の勉強しか出来なかったけど、これから5年のうちに中国語も話せるようにする」と言って、妻に翻訳してもらって時々会話に加わりました。おそらく中国人の庶民の愚かさについて、魯迅の阿Qをたとえに、盛り上がっていたようです。そこで、私はJ(私)「ウォー・シィー・アーキュ(私は<阿Q>です)」みんな「どうして?」J「私は民衆の一人で、阿Qは民衆の代表です。でも、阿Qはただの愚か者ではありません。たくましい知恵がありました。誰にも負けない方法を知っていました」妹の夫「深刻です」・・・でも、どうなんでしょう?みんな自分の愚かさに気づかず他人ばかり愚かだと思っているんじゃないでしょうか?自分が民衆の一人であるという自覚がないと、知らぬ間に愚かさに転落してしまうんじゃないでしょうか?だから、魯迅は阿Qを通して、中国の庶民の愚かさを痛烈にえぐり出したと見られますが、読者は自分を高みにおくより、阿Qの愚かさを自分の内にも観て、魂を覚醒させるべきだと思いました。それから、阿Qのたくましさは決して否定の対象として切り捨てるべきではないとも、、、前回の訪中では、この両親の部屋で吐いたのですが、今回は何とか大丈夫でした。ともかく、その日も例の青島ビールでベロンベロンに酔って、妻のアパートにタクシーで帰りました。