春の旅 神戸編(2)
前回からの続きです。(前回は⇒⇒⇒)ホテルで荷物を預かっていただき、今度は元町方面へと歩き出します。この辺りは神戸の中枢なのでしょう、県庁や県警など大きな建物がそびえ立っています。すぐ近くには明治35年に兵庫県本庁舎として完成したフランス・ルネサンス様式の兵庫県公館が保存されていました。私の母方の祖父がその昔、ここで勤めていたようです。この建物の風景は絵になるのか、正門をバックにカメラマンがモデルさんの写真を撮っていました。 それを横目にしばらく歩くと元町駅に到着。路線は高架になっていて、いくつもの小さなお店が駅下ガード内にお店を構えていました。昔ながらの風情があり、なにかとても不思議(ちょっと危険)な感じが漂う場所で、少しそそられてしまいました。若い方がお店を営んでいるところも多くあり、きっと時代とともにお店そのものが変わってきたのでしょう。南京町は元町駅のすぐ近く。西安門が見えてきました。その門をくぐると日曜日とあってか、ものすごい人の数。ちょっと驚きです。お昼を食べた後でしたが、せっかくなので肉まんを流行っていそうなお店を見つけて食してみました。南京町をあとに、今度は旧居留地を歩いてみることに。ここは整備されたすごく綺麗な街並みで、古き良き洋館の佇まいの中にブランドのお店などが入っており、それがうまくとけ込んでいました。旧居留地を抜けると高層の神戸市役所が目の前にあります。24階の展望ロビーから眺める景色はすばらしく、六甲山やポートアイランドが一望できます。真下を望むとそこは東遊園地。毎年1月17日におこなわれる阪神・淡路大震災の追悼行事では、主要会場のひとつとなっている場所です。その東遊園地に行ってみると時計を抱えたマリーナ像があり、震災時に倒れたこことで時計が壊れ、5時46分で止まっていました。次に神戸港へと歩き、メリケンパークと神戸港震災メモリアルパークに向かいました。神戸港震災メモリアルパークでは当時のままが残されていました。地震による凄まじさを物語っています。穏やかな美しい神戸港を眺めていると、あのような大惨事が起こったとは想像がつきません。震災当時、私はすでにいまの仕事に携わっていましたので、忘れることのできない一日です。今度はそこからハーバーランドとモザイクガーデンへ。神戸港ならではの景色ですね。ここでふと、なにやら工事をしている人たちが目に入りました。しばし見ていると・・・ 動きがない!よく見てみると、なんとマネキンでした。なかなかおもしろいパフォーマンスだなと・・(笑)この辺りは、そのむかし宮内庁が土地建物を購入し、明治天皇の御用邸になっていたそうです。広さは3,970坪と広大な敷地でした。その後、東京倉庫(三菱倉庫の前身)が買取り、高浜ターミナルを建設し、現在ハーバーランドの複合施設モザイクに生まれ変わりました。東京倉庫が御用邸を買い取ったのは岩崎弥太郎氏が死去したあとのことですが、彼が存命しているとき、既にこの地への進出をねらい定めていたのであろうか?と、いらぬ興味がわいてきました(笑)日も段々と落ち夕暮れとなり、モザイクガーデンに明かりが灯りはじめます。日中と日没とでは街の顔が異なって見えますね。夜はとても空想的な感じがします。ここからJR神戸駅まで行き、三宮まで戻ります。お腹もすき、どこで食事をしようかと考えたあげく、昼食と同じように事前にガイドブックで調べてあったお店に行くことにしました。洋食 「いくた」という昔ながらの洋食屋です。ショーウインドウにあるロウで作られたメニューがとても懐かしく感じられます。お店に入るとほぼ満席状態。とても期待が出来そうな感じです。厨房には熟練の男性コックさん(シェフというよりこの呼名が相応しいと思う)が二人でこなし、若い女性二人がウェイトレスでした。メニューに「テキ」と書いてあったのビフテキのことかと聞いてみると、やはりそう。これをハンバーグのグラタンセットを注文。きっとこれらのメニューや盛り付けなど、むかしから変わってないのだなと感じました。ナイフとフォークは紙ナプキンにグルッと巻かれた状態で出てきて、これまた懐かしい。味はといえば、ありきたりの言葉で申し訳なのですが、むかしながらの懐かしい味わい。デミグラスソースがとてもおいしい! スープも付き値段もたいへん手頃で大満足。実はこのお店、昼に入ったお店と同じビルにありました。ランチは2階、ディナーは一階で。お腹も満腹となり満足気に本日宿泊するホテルへと帰路につきます。ロビーにある家具はアールデコ調。なかなかシックな装いのホテルです。さて翌日は念願の姫路城。 <つづく>