伝統産業 「醤油」 で起業
久しぶりに「考動研究会」さんの講演会に参加するため、静岡まで行ってきました。いつもは新幹線で行くのですが、土日の高速料金が安くなったので、知人の運転するクルマに便乗させていただきました。今回の講演会、伝統産業である醤油で起業した青年がいらっしゃるとのことで、なぜ醤油なのか、とても興味深い面白い話が聴けるのではないかと楽しみにしていました。『職人醤油.COM』を運営され、最近ではマスコミに取り上げられたりしている、株式会社 伝統デザイン工房代表取締役の高橋万太郎さん。 まだ若干28歳。高橋さんは今から2年前の2007年に、日本を代表する電機メーカー「キーエンス」を27歳で退職し、起業を考え旅に出ます。そして、「醤油」に出会い、「醤油」を販売しようと考えます。醤油を作っている蔵は日本全国に約15,000あり、製法や材料も異なることから、作られる味は、ひとつ一つかなり特徴があるそうです。でも、高橋さんは醤油についてまったくの素人。いろいろな蔵に飛び込んで話を聞き、数社の蔵元から醤油のことを教えてもらい、勉強しながら学び、少しづつ醤油を販売させてもらえるようになります。そして高橋さんは、株式会社伝統デザイン工房を立ち上げます。職人醤油.comというサイトを作り、高橋さんが実際に確認したこだわりの醤油を販売します。マスコミでも話題になり、テレビでは「おもいっきり、イイ!!テレビ」に出演。ニッポン放送でも紹介されて大きな反響があったようです。さて、なぜ、醤油だったのか?会社を辞める時には、具体的な案はなく、その三日後には結婚。奥さんになる方も仕事を辞められたため、時間のある二人は新婚旅行としてクルマで日本全国を三ヶ月間回られたそうです。その後、500個以上のアイデアを創出し、数個に絞り、結果として伝統産業の醤油に決められたそうです。決定した背景にはいくつかの要因があるそうですが、エピソードとして面白かったものは、高橋さんのお母様が、初めてインターネットと使って醤油を買われたというもの。それまで、自分のために物を買ったことがない人が、自分のためにしかもインターネットを使って購入したということに、とても衝撃を受けたそうです。起業する際には、それからも自らの足を使って、全国の蔵を回り、そこの主人と交渉を重ねてきたとのこと。最初は、若僧がいったい何しに来たのかと、なかなか相手にしてもらええず、試練の連続だったそうです。いっとき流行った、楽して儲かる系とは、一線を画します。“自分の足を使って稼ぐ”・・・ というのが、私にはとても共感できました。また、醤油そのものについて、“日本の味”であるにもかかわらず、知らないことが多く、まずは原料からと、いろいろと教えていただきました。詳しくはサイトを・・・それにしても、一口に醤油といっても、これほどまで、その蔵独自の特色があるとは考えてもみませんでした。奥が深いなと・・・ いろんな醤油を使ってみたくなりました。▼ 【 職人醤油.COM 】 http://www.s-shoyu.com/