晴れ時々明日香　in　Canada

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  翼に賭ける命(THE TARNISHED ANGELS)

  1930年代の大恐慌時代。新聞記者のバーク（ロック・ハドソン）は取材で訪れた曲芸飛行ショーで第一次世界大戦の英雄である「撃墜王」ロジャー・シューマン（ロバート・スタック）とその一家と出会います。ロジャーは空を飛ぶことに取り憑かれ、そのために家族を犠牲にしている男。曲芸ジャンパー（スカイダイバー）でもあるロジャーの美しい妻ラヴァーン（ドロシー・マローン）はそんな夫を深く愛しながらも複雑な感情を抱き、バークにも惹かれていきます。　【DVD】ダグラス・サーク コレクション DVD-BOX(2)洋画価格：20,412円（税込、送料別）う～ん。なんだか不幸な映画でした。時代の中でもてはやされた過去の栄光は2度と戻ることはなく、かと言って自分の好きなことを自分らしくやりきたい男は、時代が変わろうと、妻や子どもや友人がどれだけ傷つこうと、まるで取り憑かれた様に、レースで飛ぶことを選びます。そうしたロジャーの行為は、一時の感動はあってもまわりを決して当たり前の幸福にはしないと知りながら、自分には飛ぶことしかないという脅迫感の中でまるで現実を忘れ去る麻薬のようにレースで戦おうとしているように見えます。栄光って本当に魔物だと思います。その栄光を得た代償は、上手くコントロールできないと、本人のみならず、愛するまわりの人間をも不幸に引きずりこんでしまいます。そんなロジャーが、栄光の呪縛を捨てて、やり直そうとしたときにロージャーは事故で亡くなってしまいます。皮肉なことにまわりは、最大の悲しみによって、それぞれの人生をリスタートできるようになるのです。あ～あ、やっぱり不幸感が漂う映画でした。

  2010.09.03

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  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン （CATCH ME IF YOU CAN）

  高校生のフランクは尊敬する父が母と離婚すると聞き、ショックで家を飛び出してしまいます。そして、生活のため偽造小切手の詐欺を始め、FBI捜査官カール・ハンラティに迫われる身に・・・・実話を元にしたヒューマンドラマ。スティーブン・スピルバーグ監督に、主人公の詐欺師はレオナルド・ディカプリオ、FBI捜査官はトム・ハンクス。空港、銀行、レストラン、電話など、実用的な英会話が幅広く身につく1本。SourceNext超字幕/キ...価格：1,700円（税込、送料別）このメンバーの名前を聞いただけでも期待が膨らみます。期待通りの面白さでした。フランクのラベルを剥がす癖、クリスマスの電話、母の再婚相手、結局打つことのなかった拳銃など、スピルバーグ監督の仕掛けが随所に見られます。父を尊敬し、父をなんとか元気付けようとするフランクと父との関係がいいですね。FBI捜査官（トム・ハンクス）も仕事には生真面目だけど、冷酷非情じゃなわけでもないんですね。この映画に出てくる人に極悪人はいないし、残酷なシーンもないんですね。それがきっとこの映画を安心して、見れる理由なのかな。

  2010.08.29

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  アントブリー（ THE ANT BULLY）

  虫になった気分が味わえる映画。やっぱり絵は綺麗ですね。　【中古】afb アニメDVD アントブリー 特別版価格：870円（税込、送料別）私は同じような昆虫目線の映画としては、バグス・ライフの方が好き。絵もストーリーも。昆虫好きの息子といっしょにこの手の昆虫が出てくる映画を見ると「この飛び方は違う」とか、昆虫の生態や形状に詳しいので間違い探しがいっぱいでてきます。そんな間違い探しの方がおもしろかったりします。

  2010.08.17

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  北国の帝王 ( EMPEROR OF THE NORTH/EMPEROR OF THE NORTH POLE)

  1933年、大不況下のアメリカ。無賃乗車しようとする“ホーボー”と呼ばれる失業者たち、それを阻止する鬼車掌との壮絶な一騎打ちを描いた、ロバート・アルドリッチ監督の映画。なんでそこまでお互いに意地を張って、生死とプライドを掛けて戦うのかってことを冷静に考えたら、不思議なんだけど、闘争本能に火がつくっていうか、プライドを掛けるっていうか、「だって、アドレナリンがグーっと上がって興奮するじゃない！」っていうのが、私の答え。“ホーボー”たちの中で「北国の帝王」として尊敬されるＡナンバーワン（リー・マーヴィン）。勝手にＡナンバーワンのもとに弟子入りし、彼を蹴落として、新しい「北国の帝王」になろうと野心を抱くシガレット（キース・キャラダイン）。自分の列車にただ乗りする奴は断じて許すまじと、今までに何人もの“ホーボー”を葬ってきた鬼車掌シャック（アーネスト・ボーグナイン）。北国の帝王価格：3,591円（税込、送料別）Ａナンバーワン（リー・マーヴィン）とシャック（アーネスト・ボーグナイン）は、若造のシガレット（キース・キャラダイン）は目じゃないって感じ。さすがに本物は本物がわかるんですね。失業者のホーボーでありながら、生きる知恵と術、思いやりとガッツの強靭なハートを持ち、自尊心を失わないナンバーワンは、男としてかっこいいです。恐慌で失業者が溢れる時代の暗い部分には、特に深く触れることはありませんが、車掌として安定した職についているシャックや警官に対等に堂々と渡り合うホーボー（失業者）であるナンバーワンは、社会的弱者であるホーボーの自尊心の拠り所であり、ヒーロー、若くて生意気な若造を人生の大先輩である中年のオジサン世代のナンバーワンが、その生きる力・男としての品格の差を見せ付けるところにしびれます。草食系男子が増えていると言われていますが、是非、映画の中だけでもこの身体からにじみ出る、タフな男の骨太な、汗と埃まみれのかっこよさを感じてみませんか？

  2010.08.15

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  ムーラン・ルージュ（MOULIN ROUGE!）

  1900年、パリ。赤い風車のキャバレー、ムーラン・ルージュで、作家志望の純朴な若者クリスチャンと、花形ダンサーであり高級娼婦でもあるサティーンが恋に落ちるのですが、その恋の行方は・・・・【22%OFF！】ムーラン・ルージュ 【ベストヒット・セレクション】(DVD)価格：1,147円（税込、送料別）この映画は、いい悪いではなく、好き嫌いが、分かれる映画だと思います。映画は、色も世界観も衣装も振り付けも歌もとても綺麗で豪華なまさにショー。しかもそのショーの主役を演じるのが、とびっきりの美人のニコール・キッドマンとあっては、とびっきり極上なショーなわけです。歌も馴染みのある曲を台詞にアレンジしながら、改めて、その曲の意味とメロディーに関心しました。コメディータッチの中に、障害のある恋、愛する喜び、恋人と戯れるわくわく感が、伝わってくる映画です。私としては、いろいろ盛り込んであるものの、映画としては、中途半場な真面目さと不真面目さが、どうもしっくりこなかったです。※実際にニコールが歌っていたんでしょうか？あんな歌唱力があるとは、びっくりでした。

  2010.08.14

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  ビッグ・ガン (TONY ARZENTA/NO WAY OUT/BIG GUNS)

  暗黒街から足を洗おうとした矢先、愛する妻子を殺された殺し屋の復讐の話。主演の殺し屋はアラン・ドロン。【ポイント10倍】送料無料!!ビッグ・ガン【特別版】アラン・ドロン【smtb-u】価格：3,990円（税込、送料込）ストーリーの大筋の流れとしては、一つのパターンですが、こうした復讐劇を、アラン・ドロンが演じ、ヨーロッパテイストになると、哀愁深く、目で訴える演技は、言葉以外の表現で内面の心情を観客に察しさせるものがあります。ファミリーを大切にするイタリア人気質とマフィアの残忍性が、いかにもイタリアの裏社会って感じです。裏社会ってそんなものなのかもしれせんが、マフィアの女性に対する扱いも怖かったです。衝撃のラストは、この映画をより、悲しく、印象深いものにしています。アラン・ドロンの大げさなアクションもなく、淡々と仕事をこなす殺し屋役は、はまっていると思います。アラン・ドロンのあの内面の激しさと葛藤を秘めながらも、無表情な冷めた雰囲気と人懐っこい甘えるような笑顔は、幼少の頃に父を亡く、し17歳で外人部隊へ入隊し、除隊後、世界各地を放浪したという、孤独で複雑な経歴も関係しているのかもしれませんね。

  2010.08.13

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  暗黒街のふたり（DEUX HOMMES DANS LA VILLE）

  「暗黒街のふたり」っていうタイトルから、マフィア映画かと思ったら、全然違いました。懲役を終え出所した男（A・ドロン）と彼の社会復帰を見守る保護監察司（J・ギャバン）の話。暗黒街のふたり ニューマスター版(DVD) ◆20%OFF！価格：3,192円（税込、送料別）この映画はショッキングな映画でした。またもやアラン・ドロンの暗く、妖しく、孤独で激しい一面が、活かされた映画で、J・ギャバンとの対比が、感動的です。J・ギャバンの人間性がにじみ出ているような存在感のある演技はもちろん期待通りですが、アラン・ドロンが、こんなに演技力のある俳優だと正直思ってませんでした。Ａ・ドロンを息子のように気づかうJ・ギャバンとJ・ギャバンを父親のように慕うＡ・ドロンが、ラストでは、とりわけ印象的です。56%OFF！アラン ドロン【サムライ ウーマン ヴァニティーローザ】EDT-SP50ml☆【お買い物マラソ...価格：2,499円（税込、送料別） ↑「強い女は美しい」をコンセプトにデビューした「ヴァニティー」待望の第２弾は強く、セクシー、スウィートをテーマに加藤ミリヤがプロデュース。この作品は、人間が陥りがちな過ちについてもフランス映画的に哲学的に暗示しています。やりきれない気持ちにもなりますが、そんなところもフランス映画的リアリズムなのかもしれません。※「暗黒街のふたり」には、若き日のジェラール・ドパルデューも出演しています。フランス映画の男性スターって、美男よりも個性的な男優が、思い浮かびます。

  2010.08.12

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  シシリアン（ LE CLAN DES SICILIENS/THE SICILLIAN CLAN）

  パリに住むマフィアのボスが、殺し屋・サルテを巧妙な手口を使って脱獄させ、ローマからニューヨークに移送する宝石を、一族とサルテとともに奪取するのですが・・・この映画は、アラン・ドロン、ジャン・ギャバン、リノ・ヴァンチュラのフランス映画を代表するスターが、豪華競演にした、フレンチ・フィルム・ノワール（フランス製暗黒街を背景にした映画？・その定義は明確ではありません）です。【23%OFF！】シシリアン(DVD)価格：3,072円（税込、送料別）単純に誰かが追っかけてくるっていう恐怖ではなく、「あっ！」と思うような、思いがけない展開が、チョコチョコ出てきて、思っていた以上にハラハラしました。アラン・ドロンって、昔は単なるハンサムなスターと思ってましたが、改めて数十年ぶりに映画を見ると、正統派の清潔感のある健康的なハンサムじゃないところが、アラン・ドロンの俳優としての魅力だということを、この映画に感じます。ラーサラ、北のパスタ、北海道産のシシリアンルージュトマトを使ったパスタソースとお酢の4点セ...価格：4,980円（税込、送料込）映像・音楽・結束する家族という背景といい、ストーリー展開といい、フランス映画らしい、しっとり感のある画像に、激しい感情の起伏を内に秘めながら、表面には出さず、無情感の漂う映画でした。蛇足ですが、私は、アラン・ドロンのし、白のブリーフ姿が・・・・う～ん、ちょっとショックでした。

  2010.08.11

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  ロビンとマリアン（ROBIN AND MARIAN）

  ロビンとは、あのリンゴを弓で射抜いちゃうロビン・フッドのこと。獅子王リチャードと共に十字軍遠征に赴いていたロビンが、20年ぶりに故郷シャーウッドの森に帰って来て、依然として権力をふるうノッティンガムの代官と対立し、老身体にも関わらず、かつての仲間たちと戦うのですが・・・・そんな勇ましいお話が主題というわけでもないところが、このロビン・フッド映画の異色なところ。ロビンとマリアン価格：1,332円（税込、送料別）主演は、ロビン・フッド役にショーン・コネリー、マリアン役にオードリー・ヘップバーン。このお二人が若いときのキラキラした美男美女ものではありません。中高年のお二人です。愛し合った二人が、若かりし日の輝かしい姿が色褪せても歳をとっても相手を愛しく思う、大人の恋心をしみじみと演じています。ラストに納得するわけではないけど、マリアンの行動は、愛するがゆえの究極のエゴで、そのマリアンの気持ちを静かに受け入れるロビン。もちろん、もう今更ジタバタしてもどうしようもないし、常に戦い、多くの死を見てきたロビンにとっても愛する人と寄り添いながら、安息できる最期だったかもしれないですね。真面目なオードリーと大胆なショーン・コネリーの大人の恋にオバサン世代は、感情移入できて、楽しめるかもしれません。ちなみに私はこの映画の中で、ショーン・コネリーのチラチラ見える太ももあたりが、とっても気になりました。笑

  2010.08.10

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  狼王ロボ(THE LEGEND OF LOBO)

  1890年頃、最も獰猛な狼として、千ドルもの莫大な懸賞金をその首にかけられた、狼“ロボ"の生涯を劇的に描いたウォルト・ディズニーの大自然冒険ドラマ。原作はアーネスト・トンプソン・シートンのシートンの動物記「狼ロボの伝説」。子どもの頃にシートン動物記の「狼王ロボ」を読んだときのなんともやり切れない悲しさを味わいたくはないと思いながら、恐々観ました。狼王ロボ価格：450円（税込、送料別）67分の映画ですが、原作の実写版で、動物たちの生態記録フォルムではなく、ストーリーにのっとって、動物達が動いているわけですから、よく撮影したなぁと、大人でもとても見ごたえのある作品です。どうやって撮影したのかと思います。ラストは、原作のような終わり方をせずに歌でその後を暗示させていました。そのあたりはやはりディズニー映画。そうでなければ、悲しすぎます。とは言え、野生動物に向き合い、野生動物たちの気高くひたむきに生きる姿とその悲劇の結末、人間の自然に対する功罪を見てきたシートン動物記らしく、ディズニー映画であっても動物たちと人間が、友情で結ばれてハッピーエンドというわけにはいきません。かわいいだけでも、ハッピーエンドでもない、心にグッとくるディズニー映画です。

  2010.08.09

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  アウトロー （THE OUTLAW JOSEY WALES）

  この映画は、クリント・イーストウッドが、監督・主演の1976年製作の西部劇で、アメリカ建国200年記念として製作されたものです。西部劇と言っても、西部の町を舞台に繰り広げられる、無法者と強いガンマンの戦いの構図とはちょっと違います。時代背景は、1860年代なかば南北戦争中。南北戦争の勝者である北軍の活躍を称えるのではなく、同時代を生きた、さまざまな立場の人たちを通じて、その時期のアメリカの歴史の空気感を、多面的に感じ取れる映画になっています。アウトロー 特別版(DVD) ◆20%OFF！価格：1,200円（税込、送料別）私は、西部劇でネイティブインディアンが、少しでも残虐非道な非文明的な民族に描かれると、とても悲しい気持ちになるのですが、この映画の中では、開拓者達に追いやられた立場ながらも、個性豊かにイキイキとした描かれ方をされています。【数年前に終売になった幻のバーボン！】　アウトロー　12年　40度　750ml価格：9,980円（税込、送料別）イーストウッドというと、タフでハードボイルドで、攻撃的なタカ派的な印象を持ちますが、彼が作る作品には、弱者に対する観察眼や温かく見つめる視線を感じます。この作品もまた、強くてかっこいい正義だけでは飽き足らない、クリント・イーストウッドの冷静で知的な一面を感じます。

  2010.08.08

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  ドリームガールズ （DREAMGIRLS）

  60年代のアフリカ系アメリカ人による女性ボーカルグループが、時代の寵児となっていく輝かしさと、その裏で繰り広げられる裏切りや挫折といった人間模様、ショウビズ界の内幕が描かれています。ストーリーの基になったのは、ダイアナ・ロスとザ・スプリームス（シュープリームス）の成功秘話。「矢島美容室」もこのドリームガールズ（シュープリームス）をパロディ化していますよね。ドリームガールズ スペシャル・コレクターズ・エディション【Blu-rayDisc Video】価格：4,442円（税込、送料別）私はダイアナ・ロスに興味があったので、アメリカのアフリカ系ショービジネスの世界の裏側を覗けたみたいなところが、面白かったです。みんな自己主張も激しいし、はっきりしてるし、控えめな日本人では、とても太刀打ちできそうにない雰囲気ですね。歌姫ビヨンセ・ノウルズがダイアナ・ロスにあたるディーナ役に、グループNO.１歌唱力のエフィー役をジェニファー・ハドソンが演じています。この他、共演者にはジェイミー・フォックスやエディ・マーフィなどのスターがいて、アフリカ系アメリカ人社会のギラギラした雰囲気を醸し出していました。劇中、たっぷり歌を聴けるので、映画を見終わったときには、ショーを見終わったようなおなかいっぱい感があります。ダイアナ・ロス　1977年　ドール　MEGO社価格：37,800円（税込、送料別）この映画の中の設定もそうですが、ジェニファー・ハドソンの歌唱力はド迫力ですごいですが、たくさん聴くにはちょっと重いです。ビヨンセのポップなアレンジの歌の方が、聴きやすく、ビジュアル的にも楽しいのも確かで、ディーナをリードボーカルに抜擢し、彼女なら人種を超えて、広く人気が出る要素があると読んだプロデューサの意図もわかるような気がしますね。60・70年代アフリカ系アメリカンポップスが好きな方には、たまらない作品だと思います。劇場で観たら、その豪華なステージを目の当たりに観たようなお得感のある作品ではないでしょうか。

  2010.08.07

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  翼よ!あれが巴里の灯だ(THE SPIRIT OF ST. LOUIS)

  毎度ながら、英語の映画名と日本語の映画名の違いに驚かされますが、この作品も英語名は「THE SPIRIT OF ST. LOUIS」（セントルイス魂）。「翼よ!あれが巴里の灯だ」はあくまでも邦題。「THE SPIRIT OF ST. LOUIS」は、1927年、リンドバーグがニューヨークからパリへの無着陸飛行を成功したときの飛行機の名前。事実に基づいていますが、ビリー・ワイルダー監督らしく、明るく軽快なノリの中にも、シリアスさもさり気なく盛り込んでいます。ただ、あくまでも事実がベースなので、ビリー・ワイルダー監督らしい、ひねり技のような落としどころはなく、小技の笑いの利いた映画になっていると思います。偉業であるノンフィクションをＮＨＫのドキュメンタリーのように深く内面を探りながら、重厚にリアルに探るのではなく、娯楽映画として、楽しくワクワクするお話に、まとめられています。なるほどぉ、そうだったのかぁと思いながら、さらっと楽しめる作品です。今となっては、一っ飛び！ちなみにパリ上空でリンドバーグが「翼よ、あれがパリの灯だ!」と叫んだとされていますが、この台詞は後世の脚色だそうで、自伝 "The Spirit of St. Louis" の和訳タイトルで有名なぐらいで、街の明かりが見えてきたとき、リンドバーグは自分がパリに着いたことも分らなかったそうです。実際の最初の台詞は、「誰か英語を話せる人はいませんか?（この後英語を話せる人に「ここはパリですか?」と尋ねる）」であるという説と、「トイレはどこですか?」であるという説の2つがあるようです。こんな台詞では、到底、作品名には使えませんよね。

  2010.08.06

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  シンシナティ・キッド (THE CINCINNATI KID)

  スティーブ・マックィーンが若きポーカー賭博師を描いた骨太のシリアス・ドラマ。ニューオリンズに住むスタッド・ポーカーの名手シンシナティ・キッドは、名実共にその世界で三十年も君臨する大物“ザ・マン”ことランシー・ハワードがニューオリンズにやって来た事を知り、勝負を挑みます。エントリーでポイント5倍！8月2日までシンシナティ・キッド（期間限定）(DVD) ◆20%OFF！価格：783円（税込、送料別）やぁ～男の映画です。スティーブ・マックィーンが、かっこいいです。冷静であり、実力もあり、自信満々な賭博師のキッドの姿勢は、若さもあり、強い！この映画はシンプルな分だけ、ネタバレになりそうなので、ここで止めときますが、若くて気力・体力・知性も充実した勝負師の男性の魅力をこの映画で味わってみてはいかがでしょうか。

  2010.08.02

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  ドラゴン危機一発 （唐山大兄/THE BIG-BOSS/FIST OF FURY）

  「ドラゴン・シリーズ」と言えば、もちろん、ブルース・リーの映画！【送料無料】【中古】洋画DVD ドラゴン危機一発(’71香港) (スパイク)価格：4,620円（税込、送料込）この映画、私は好きです。かなり、エグイシーンや無法さが出てくるんだけど、そんなアジアの裏社会の無秩序さ、残忍さが、なんだかリアルなんです。そして、ブルース・リーは強い！かっこいい！一たび、闘争本能にスイッチが入ると、もう誰もブルース・リーを止められません。あの血を舐めるシーン、やられた自分にさらにボルテージが上ります。あのブルース・リーの凄みは、彼にしか出せない。あの絶対的強さが、すごく気持ちいいのです。戦っているときとそうでないときの表情や人間味がまたいいんですねぇ。突出したブルース・リーの魅力に多くの人が惹かれる理由がよくわかります。※映画の中のブルースの右人差し指にまいた包帯。何かストーリー上の伏線があるのかと思っていたのですが、全く関連なし。ブルースがコップを洗っていた際、右手人差し指を十針縫う大ケガを負ったからなんだって。そのままの状態で撮影とは、仕方ないとは言え、なんともおおらか。笑

  2010.08.01

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  サンダーアーム/龍兄虎弟 （THE ARMOUR OF GOD）

  さらわれた親友の恋人を追う内に、6つの秘宝の争奪戦に巻き込まれるジャッキー・アクションが堪能できる娯楽作。ストーリーは特にどうということはありませんが、やっぱりジャッキー・チェンの映画は楽しいです。身体を張った、ジャッキーのアクションはよく考えられているし、やっぱりジャッキーならではのお茶目さと勇気と技術がなければできません。　【中古】DVD 限）サンダーアーム／龍兄虎弟価格：1,390円（税込、送料別）そんなジャッキーですが、この作品で頭蓋骨骨折の大怪我をおったり、この撮影で使っている三菱ミラージュスパイダーを気に入り、撮影が終了したらその車を貰う約束をしていたのに、事情を知らないスタッフがカースタントの際に爆発させてしまった、なんていう大変な裏話もあります。ヨーロッパの市街地のカーアクションも古い町並みだけに見ててハラハラするし、最後のあの気球のシーンも想像するだけでクラクラします。映画の最後に流れるＮＧ集を見ていても、映画ではなんなくしている演技もどれだけ危険で、命懸けでジャッキーが撮っているかが、よくわかりますよね。そして、ジャッキー・チェンの映画の凄さは、とっても危険なのに明るく見せちゃうところ。まさにエンターティメントで、ジャッキー・チェンワールドが楽しめる映画です。

  2010.07.24

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  とかげの可愛い嘘(DOMABAM/LOVE PHOBIA)

  20年の間に3度も別れを繰り返す不器用な男女の純愛を描いた韓国映画です。とかげの可愛い嘘 特別版 【DVD】価格：2,646円（税込、送料別）ひたすら初恋の人を思い続ける主人公の男性を小さなウソや不明な行動で翻弄する女性の関係が、純愛っぽいのかもしれないけど、私には絶対に無理な恋愛パターン。きっと純愛に酔える人や愛する女性のわがままがかわいいと見れる男性なら、はまる映画かもしれませんが、私はこの手のパターンの不幸がらみの恋愛映画は苦手なので、正直、途中何度か見るのを止めようと思いました。本筋とは離れるけど、コメディタッチの、先輩男性やお父さんの存在は、面白かったです。こうした韓国純愛ドラマよりも「セックス・アンド・ザ・シティ」のリアルでちょっと過激なラブドラマの方が、私向きです。

  2010.07.22

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  パリは霧にぬれて（LA MAISON SONS LES ARBRES/THE DEADLY TRAP/DEATH SCREAM）

  主演のフェイ・ダナウェイといい、霧がくすぶるようなどんよりとした映像といい、ヨーロッパ映画の哀愁だだよう、家族をめぐる男女の叙情的な映画かなぁと思ったら、意外な展開に・・・・[DVDソフト] パリは霧にぬれて価格：3,880円（税込、送料別）なんとなく夫婦関係はどうなるのかなぁぐらいに見ていたら、サスペンス調の動きが出てきて、面白くなってきました。観客のボヤーっとした意識を覚醒して、一気に畳み込むような演出は、面白いです。その中でも一貫しているのは、夫婦間の男女の愛情の機微であり、家族愛、哀愁をおびた映像の叙情性です。ハリウッド映画のようなスピード感のある、ダイナミックな展開や派手なアクションありの映画とは一味違う、ヨーロッパ系のしっとりとした映画でした。

  2010.07.15

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  王子と踊子(THE PRINCE AND THE SHOWGIRL)

  20世紀はじめ、ジョージ五世戴冠式のため、ロンドンを訪れたカルパチア国摂政のチャールズ大公のお相手を仰せつかった踊り子エルシー。大公はその夜鑑賞したレビューの彼女をいたく気に入り、二人きりの晩餐となるのですが・・・・「王子と踊子」で主演の王子役は、イギリスを代表する舞台俳優のローレンス・オリビエと、踊り子役は、アメリカを代表するセクシー女優のモンロー。監督もローレンス・オリビエ。王子と踊り子価格：2,363円（税込、送料別）中年の特権階級の男性のずるさと恋愛のセンスのなさをローレンス・オリビエが見事に演じ、そんなオリビエを無邪気に翻弄させるモンローの対比が面白いラブロマンス。常識的で、専制君主的な中年男性のずるさを結構シビアに描いていると思いますよ。そんな王子も踊り子のエルシー（モンロー）には、調子を崩されっぱなし。展開がまどろっこしく感じて、正直に言うとあんまり好みのタイプでは、ありませんでした。設定が王子ってことで、こじんまりとしながらも華やかで見ていても楽しいのですが、個人的にはモンローの衣装をもっと変えて欲しかったです。あの白いドレスだけでは、飽きるし、なんだか、白だけに薄汚れていくような感じがしてしまいました。

  2010.07.11

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  怒りの荒野( I GIORNI DELL'IRA/DAYS OF WRATH)

  私生児として馬鹿にされていた若者が、凄腕のガンマンに拾われ、天賦の才能によって、彼は師の腕前に近づいていく。だが、師の非情さに疑問を持ち始めた若者は……。ジュリアーノ・ジェンマ主演のマカロニ・ウエスタン。怒りの荒野 スペシャル・エディション(DVD) ◆20%OFF！価格：3,192円（税込、送料別）男気のある映画で、ラブロマンスもなく、食うか食われるかの男の世界。ジュリアーノ・ジェンマの純真さだけが正義。ジャンゴさん（ヤフー映画レビュアー）がおっしゃっているようにこの映画にジュリアーノ・ジェンマの魅力が詰まっていると思います。冒頭部分の汚い作業を町の人に馬鹿にされながらも淡々と真面目にするシーンなど、おセレブなハリウッドスターには、できないんじゃないかな。苦労人のジェンマだからこそ、すんなりやれたことに思えます。　かっこいいでしょう人柄の素直さ、腰の低さ、純真さ、明るさ、やさしさ、そして彫像の戦士のようなスタイル、運動神経抜群のかっこよさ、実は私も子どもの頃、ジュリアーノ・ジェンマの大ファンでした、

  2010.06.11

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  気分を出してもう一度( VOULEZ-VOUS DANSER AVEC MOI?)

  ＢＢ（ベベ）の愛称で親しまれたフランス女優ブリジット・バルドー主演のミステリーコメディ映画です。”超セクシー！”ブリジット・バルドー主演によるミステリーコメディ！【中古】■VHS■気分を出...価格：525円（税込、送料別）思わせぶりなタイトルとＢＢの主演とあってお色気たっぷりの映画かと思ったけど、そんなこともない映画でした。昔の映画は、セクシーさやお色気が売りと言っても今どきのストレートなきわどいシーンで強制的に注目させる手法とは違って、水戸黄門の由美かおるの入浴シーンのようにある種健全。モンローにしてもベベにしても女優自身が持つ色香が香ってきそうなチャーミングさが、映画の売りや魅力になるほど。ベベは小悪魔的で自由奔放な勝手にわが道を行くタイプ、あのぽってりとした唇がいいよね。映画のストーリーや中身以上にベベの魅力が楽しめる映画です。さて、モンロー、オードリー、ベベ、それぞれ個性的で魅力的な女性ですが、貴方は誰が一番好きですか？

  2010.06.10

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  僕のピアノコンチェルト( VITUS)

  この映画は異色の映画でした。面白いです。ピアノを弾けば神童、勉強をやらせれ天才といわれる少年ヴィトスが、まわりの期待となじめない関係の中で、試行錯誤しながら、天才ならではの突飛な方法で、自らの道を見つけていく話。僕のピアノコンチェルト　 / 僕のピアノコンチェルト オリジナル・サウンドトラック 【CD】価格：2,268円（税込、送料別）そんな天才児の凄さと苦しみを見せ付けられます。そんなことってあるの？って思うような話の展開なんですが、この映画の中で主人公ヴィトスを演じているテオ・ゲオルギューは、実際にすばらしい演奏を実演しているので、すごいリアル感があるんですね。天才児を持つ母親ヘレンの自尊心多大なる期待、平凡な子どもになってしまった息子への落胆もかなりリアル。程度の差こそあれ、優秀なお子さんを持つ母親の陥りいりがちな状況です。そして両親とは全く違った接し方をするおじいちゃん。２人の関係は仲間って感じで、ヴィトスが素直な子どもに戻れる唯一の関係です。見る側もほっとする部分です。この関係がなければ、この映画は鼻持ちならない映画になっているし、ヴィトスは自分自身を見失って変人化や自殺したかも。さて、このテオ・ゲオルギュー君。1992年8月12日、チューリッヒ生まれ。５歳でピアノを始め、15歳という若さでプロのピアニストとしてデビュー、世界各国で演奏を行うプロのピアニストとして活躍中。監督からのオファーの際、毎日４時間の練習時間を確保するということを条件に受けたそうです。さらに彼は、実は５カ国語も話せて、スポーツ万能とか。彼自身、リアルな神童なんですが、その影には音楽への謙虚な姿も映画同様感じますね。

  2010.06.08

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  チャーリーとチョコレート工場(CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY)

  40年以上も世界でベストセラーになり続けている「チャーリーとチョコレート工場」を映像化したファンタジック・ムービー。公開前から、騒がれていた作品なので、ご覧になった方も多いと思います。わかりやすいファンタジーらしい展開で、それが中途半場すぎず、素直に楽しめました。子供の頃にワクワクしてみた映画を思い出しました。きっと子たちもそんな思いで、この映画を観ているんでしょうか？そんなことしてたら、こんななっちゃうよう～ってところが、この映画の小気味良いところ。　　実力派と言われるジョニー・デップですが、この映画でもジョニー・デップは独特な個性が光ってますね。同じチョコレートを題材にした映画でも、「ショコラ」のジョニー・デップは、ジプシーの野性味のある超セクシーな男性を演じていて、あの大人になり切れないウィリー・ウォンカとは真逆もいいところ。同じ男性とは思えないです。「チャーリーとチョコレート工場」と「ショコラ」のジョニー・デップを両方見ると改めて、彼の魅力の深さを感じます。

  2010.05.22

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  歌え!ロレッタ愛のために（COAL MINER'S DAUGHTER）

  実在のC＆W歌手ロレッタ・リンの波乱に満ちた半生を描いたサクセス・ドラマ。ロレッタ・リン役のシシー・スペイセクが、アカデミー賞に受けています。この映画、地味な映画に感じるかもしれませんが、しみじみとした、とてもいい映画だと思います。ロレッタの才能を信じて支えるマネージャーであり、夫役は、ごっついトミー・リー・ジョーンズ。シシー・スペイセクとトミー・リー・ジョーンズは、決して美男美女ではないので、チャラチャラした華やかさはない分、やがてスターになっていく夫婦の苦労と喜びと苦悩と幸福感が、とてもリアルに現実感を持って伝わってきます。夫婦間、カップル間にある、感情の機微がとてもよくわかるし、感情移入できるんです。時代とともに移り変わっていく様子もよく描かれているし、歌もさり気ないけど、気持ちよく聴け、テンポもよく、楽しめます。とてもいい映画だと思います。

  2010.05.20

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  硫黄島からの手紙（LETTERS FROM IWO JIMA）

  この作品には驚きました。だって日本人中心の全篇日本語の作品なんですよ。でも作ったのは、あのクリント・イーストウッド。もちろん、そんなことに驚いているだけでは、ありません。映画がとてもいいんです。第2次世界大戦時の最も悲劇的な戦いと言われる“硫黄島の戦い”を、日本側の視点から描いた戦争映画で、硫黄島でアメリカ軍を悩ませた伝説の陸軍中将である栗林忠道と彼の部下たちによる死闘が描かれています。悲惨で残酷で憎しみだらけの戦争の中にも個人の良心はあるということが、とても救いを感じさせる作品です。渡辺謙が安定感のある存在であるのは、予想通りでしたが、嵐の二宮君があんなに戦争映画の中で、自然だったことに驚きました。戦争ものというと、古臭いような、堅苦しいような、残酷だったり、悲しすぎるような、どちらかというと、あまり好き好んで見たくないジャンルの一つでしたが、この「硫黄島からの手紙」は二宮君の存在が、親近感があり、かなり観やすくさせてくれています。淡々としているようで、グサリと問題提起をしてくる、クリント・イーストウッドの作品ですが、その底辺にクリント・イーストウッドらしい人間に対する冷静な温かさも同時に感じます。クリント・イーストウッドって本当に凄い！

  2010.05.19

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  父親たちの星条旗 ( FLAGS OF OUR FATHERS)

  第2次世界大戦時の最も悲劇的な戦いと言われる“硫黄島の戦い”を、アメリカ側の視点から描いた戦争映画。監督はクリント・イーストウッド。日米双方の視点から“硫黄島の戦い”を描く“硫黄島プロジェクト”第1弾作品。原作は、ジェイムズ・ブラッドリーの「硫黄島の星条旗」。星条旗を掲げ、「世界でもっとも美しい戦争写真」に収められた6人の英雄のひとりでありながら、何も語ろうとしなかった父の若き日の真実に、息子が迫ったノンフィクションを元にした映画。この映画は、『硫黄島からの手紙』同様、戦争の化けの皮を剥ぎ、本質に光を当てた作品です。戦争の大義名分を信じて、犠牲になって戦い、傷つき、命を失くし、人生を狂わせ、悲しみに打ちひしがれる家族がいる一方で、戦況に浮かれているものがいる現実。そこには正義や個人の悲しみとはかけ離れた、戦場と遠く離れたアメリカ国内の、戦争というお祭り騒ぎやビジネスが見えてきます。ドキュメンタリーのように、一味違う切り口で自国の戦争を振り返った、イーストウッドらしい淡々と描きながらも気骨の感じる作品だと思います。

  2010.05.18

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  オーシャン・オブ・ファイヤー (HIDALGO)

  この映画は、よかったです！っていうか、私はとっても好きなタイプの映画。インディアンの血が流れるホプキンズ（モーテンセン）と愛馬ヒダルゴは、アメリカ西部の長距離レースで無敵を誇っていました。そんな彼らが、アラブの族長シーク・リヤド（オマー・シャリフ）が主催する、アラビア半島を横断する「オーシャン・オブ・ファイアー」レースに招かれます。「オーシャン・オブ・ファイアー」は、1000年以上の歴史を誇り、賞金は10万ドル、3000マイル（約4800km）のアラビア砂漠を横断するという壮大かつ過酷なレースであり、代々由緒正しき血統のアラブ種が制するという伝統のレース。さて、そんなアラビア半島を横断する過酷なレース「オーシャン・オブ・ファイアー」で、全く気候も違う異国から来た野生馬のヒダルゴとホプキンスは、生き延びて、勝つことができるのか・・・・・まるでフィクションのようなよくできた話ですが、実話っていうから驚きです。この映画は、壮大な自然の描写や自然とともにある精神や社会的背景やユーモアや動物の愛らしさやいろんな要素が本当にてんこもりで、スケールも大きく、イキイキと楽しめる映画になっています。しかも最後がいいんですね。いかにも涙を誘うようなミエミエのはめられた感のあるラストではなく、潔くて、やられた感の爽やかですがすがしい感動！この映画には、ヒダルゴ役を演じた馬の5頭のアメリカンペイントホースが、使われているようですが、この馬達が本当にいいんです。そのヒダルゴを親友として愛するホプキンズ（モーテンセン）の関係もグッときます。ホプキンズ（モーテンセン）は、インディアンの血を引くカウボーイで、ただ強くてやさしいだけじゃなくて、素直な弱さもちゃんと描くところが、またこの映画の心憎いところです。競馬を題材にした映画の中で、私が気持ちよく見ることができた唯一の映画かもしれません。

  2010.05.17

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  ボルベール <帰郷> (VOLVER)

  スペイン映画界の巨匠、ペドロ・アルモドバルの『ボルベール 帰郷』。主演は、ペネロペ・クルス。本作で、カンヌ国際映画祭女優賞を受賞しています。保守性の残る社会の中で、母として、娘としてのままならない人生をたくましく生きる、スペイン女性たちが、それぞれ個性豊かに描かれています。メリハリの利いた勢いのあるスペイン語も生活の臭いのするビビットな色彩もラテン系の雰囲気がどっぷり。そんな庶民的な日常の映像の中で、ひと際美しさを放つペネロペ・クルス。この映画の中で肉感的で、超魅惑的な女性を演じています。細身で小顔にも関わらず、豊満な胸とくびれたウエスト、ぽってりとしたおしり、じっと見つめる少女のような瞳、危ういバランスが、男性はたまらないんじゃないかな。この映画でベネロペは、役作りの為に太ったり、“付け尻”をしていたっていうのには、驚きでした。サスペンスもどきの謎が解き明かされていくのを女たちのさまざま人生を重ねながら、いっしょに感じていくことができます。タブーなこともサラリと映画に組み込んでいる、独特な映画です。

  2010.05.14

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  ミリオンダラー・ベイビー ( MILLION DOLLAR BABY)

  アカデミー賞で、主演女優、助演男優、監督、作品賞の主要4部門を制覇した、クリント・イーストウッド監督の作品ということで、かねてから観たかった映画です。正直言って、自分の好みを基準にすると、期待とは違ったかな？感じです。貧困家庭に生まれ、母親からすら愛情を受けた事のない孤独な女性マギー（ヒラリー・スワンク）は、プロボクサーとして成功して、自分の価値を証明しようと、ロサンゼルスにあるフランキー（クリント・イーストウッド）のうらぶれたボクシング・ジムに通いだします。マギーはフランクの指導の下、プロボクサーとして、頭角を現してゆき、2人の間には、実の親子より強い絆が芽生えて行くのですが....この映画は、スポーツ、アメリカンドリーム、愛情や家族、生きるということを、現実社会の残酷さと同時に描いています。尊厳死や安楽死をテーマにしているとは思いませんが、キリスト教右派が国民の半数を占めるアメリカで、極めてデリケートな問題も描いているため、保守派コメンテーター、障害者団体、キリスト教団体よって、この映画のボイコット運動などが起こったりしているほど。主人公のマギーとフランクが、アイリッシュ（アイルランド）系アメリカ人（多くは厳格なカトリック）であるという設定も、 実はこの映画の大きな伏線で、しばしば観客に意識させています。ところが、一体それらがどういう意味を持つのか？どれだけ挑戦的な内容を含んでいるのか？となると、宗教やアメリカ社会の実態に疎い私にピンとこないんですね。さらに、なぜこうしないのか？しなかったのか？なぜそうなのか？という釈然としないものが残ります。アメリカ社会や宗教的な背景を理解していれば、この作品のより深い内容に気づいたのかもしれませんが、私は、残念ながら、気持ちよく感動はできなかったです。マギーが愛される幸せを確信できたことが、救いでした。

  2010.05.13

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  マルタのやさしい刺繍 （DIE HERBSTZEITLOSEN/LATE BLOOMERS）

  この映画もいい映画でした。ヒロインはなんと８０歳のおばあちゃん。スイスの谷間の小さな村を舞台に、80歳のおばあちゃんたちがランジェリーショップを開くために奮闘する様を描いた人間ドラマ。閉鎖的な村人の冷たい視線を浴びながらも、マルタおばあちゃんと3人の女友だちが老いてもなお生きがいを見つけ出して、助け合い、励ましあいながら、たくましくがんばります。おばあちゃんたちは、世間の冷たい視線にも関わらず、騒ぎ立てるわけでもなく、ガンとして、たじろぐこともなく、モクモクと夢に向かって邁進していきます。夢を少しずつ、形にしていく姿は、とても楽しそうで、若々しいです。もう怖いものはない、やりたいことをやらずに死ぬわけにはいかない！っていうぐらいの勢いです。息子との葛藤や周囲の圧力など、歳をとって、人それぞれに直面しそうなことが、「デスパレートな妻たち」のおばあちゃん版のように、個性豊かに描かれています。老いを題材にした映画は、一般に控えめなポジティブの印象ですが、この映画の夢を見つけたおばあちゃん達は、たくましくて明るくて、映画を観た人に、夢と希望と元気を与えてくれます。とてもポジティブな話です。おばあちゃんたちの深いしわすら、やさしくて温かくて、かわいいです。心温まる元気がもらえる、オススメの映画です。

  2010.05.12

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  そうかもしれない

  この映画は、詩人・小説家の耕治人が妻ヨシさんとの晩年の日々を綴った＜命終三部作＞（『天井から降る哀しい音』『どんなご縁で』『そうかもしれない』）を映画化したヒューマン・ドラマ。長く連れ添ってきた妻がある日突然認知症となり、穏やかな日常が一変してしまう話です。主演は雪村いづみ（痴呆になる妻）と上方落語界の重鎮、三代目桂春團治（夫）。 この映画を見ていたら、子どもに、「この映画を僕がいるところで見ないで」と言われました。もし、母親である私が、こんな風に痴呆になって老いていったら？と思うと悲しくて、怖くて、見たくない、考えたくないから、だそうです。私だって、この映画はホラー映画以上に怖いです。ほとんどの映画のように絶対自分には起らないからと第3者的に見れません。誰の身に起ってもおかしくない話ですから。でも、とても穏やかな映画です。痴呆になって、ほろりと見せる妻の本音に長年当たり前のように思っていたことに、ズキンとくる夫。桂春團治は、控えめでやさしい、不器用な日本の男性を好演していました。雪村いづみは、アンチエイジングで、老いることを断固拒否しているかのような容貌の最近の女優さんが多い中で、よくあれだけそのまま老いた役を演じたと思います。雪村いづみの勇気には感服します。お二人は、かわいらしいお年寄りで、日本人らしい、穏やかで仲睦まじい、ご夫婦でした。もし、妻が呆けていなかったら、きっと最愛の夫を失うという、深く激しい悲しみを受け止めることは、できなかったかもしれないと思いました。

  2010.05.11

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  天使のくれた時間(THE FAMILY MAN)

  いい映画なんだろうけど、私的にはう～ん。優雅な独身生活を謳歌していたビジネスマンが昔の恋人との“もうひとつの人生”を体験する（車のタイヤのセールスマンのごく平凡な家庭生活）ことで本当の幸せに目覚める姿を描いた大人のファンタジー、ってことですが・・・・もうひとつの人生（架空の世界）では、昔の恋人ケイトは、ほとんどボランティアの弁護士だけど、実際には、高給取りの弁護士になっていたわけだし、2人がもし結婚していたとしても上昇志向の2人だったら、やっぱり、リッチ族を目指して、優雅な傲慢なファミリーだったかもしれないから。この映画は、決して優雅でもない、平凡な家庭の中にも優雅な独身生活では満たされない、安らぎや、心が温かくなる子ども達や妻や友人達との豊かな生活があるってことを再認識はさせてくれる映画では、あります。ビジネスの第一線で、独身で成功して優雅に過ごすってことは、不確かな世界で常に戦闘態勢が強いられるけど、愛する家族との生活は、誰も奪い取ることができないし、家族は、どんなときでも応援団でいてくれます。たとえ、ゴージャスな生活じゃなくても、家族は大切で、かけがいのない存在ですよね。生き方は、人それぞれで、何がいいかも違うから、どれが理想とは言えないけど、今の自分の幸せをこの映画を見て、見直してみるのも面白いかもしれせんね。※ニコラス・ケイジのスーツでバシッと決めたビジネスマンスタイルとパパ姿のテレ～っとして髭も伸び放題の時とのギャップには、少々びっくり。男性も外見をおしゃれにすることで、全然違うんですね。

  2010.05.10

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  サイコ（ PSYCHO）

  言わずと知れたヒッチコックの代表作の一つ。伝説的・スリラーにして全てのサイコ・サスペンスのルーツと言われ、シャワーで襲われるシーンは有名です。会社の金を横領した女が立ち寄ったベイツ・モーテル。そこには管理人の青年ノーマンと離れの一軒屋に住む年老いた“母”がいた……。そこで・・・・・。怖かったです。今の映像のように、まともにそのまま残酷な場面を目で見せるのではなく、ある時点から先は、はっきり描写しないので、見る人がそれぞれの怖いシーンを想像するので、誰にとっても怖くなるんだと思います。音楽も白黒っていうのも、管理人の青年のアンソニー・ポプキンスも不気味で、さらに突然の恐怖が襲います。バスタブに飛んだ血を洗い流すシーンなど、血液の臭いや色が見えてきてなんとも生臭いリアルさを感じます。画面の切り替えや影による描写や表情、会話など、演出がよく練り込まれて、さすがと思います。映像を過激にしたり、複雑したり、超ハイテクに走らなくてもドキドキする怖い映画が作れるという、お手本のような映画です。勤続年数も長く、真面目な結婚適齢期をはずた女性が会社のお金を横領して逃走する、っていう設定も妙なリアルさとすでに緊張感が始まっていきます。ヒッチコックの映画には、ヒッチコック本人が登場してると言われていますが、探すのを忘れて、見過ごしてしまいました。残念！また、この映画のモデルとなったエド・ゲインという実在の人物、かなりエグイです。そのサイコな部分をここで一部紹介しようと思ったけど、それすらも、気分が悪くなりそうなのでやめました。そう考えると、この映画は確かに怖いけど、みんなが楽しめるサイコ・サスペンスの娯楽映画として一線を守りながら、上手く作られているのが、よくわかります。

  2010.05.08

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  トロイ （TROY）

  トロイと言えば、あの「トロイの木馬」の出てくるギリシアとトロイアの戦乱の話がベースになっている映画です。歴史やギリシア神話には詳しくはないので、純粋に「トロイ」という映画として楽しみました。この映画で印象に残ったのは、戦いで傷つくシーン（かなりリアルな映像になってました）トロイの王子パリス（オーランド・ブルーム)の無謀かつ情けない姿、それに対して、戦士アキレス(ブラッド・ピット)とトロイのもう一人の王子ヘクトル（エリック・バナ）は、毅然として、かっこよかったです。あのオーランド・ブルームの美しさが、ひ弱さを強調していたし、アキレスとヘクトルや勇敢で男気を引き立てていました。プリアム王（ピーター・オトゥール）もよかったです。ストーリーの面白さっていうよりも、戦乱期の終わりのない戦いの中で、輝こうとする男達の魅力が楽しめた映画でした。国も時代も違いますが、史実を元にした戦乱の世の男達の愛と戦いを、壮大なスケールで描いたハイウッド映画のせいか、「レッド・クリフ」に通じるものを感じました。

  2010.05.07

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  朝な夕なに (IMMER WENN DER TAG BEGINNT)

  「朝な夕なに」っていうタイトルが、叙情的な古い日本映画みたいで、内容の想像もつかなかったんですが、1957年の西ドイツの映画でした。名門男子高校に赴任してきた美しい数学教師に寄せる生徒たちの慕情と心の触れあいの物語です。学校の建物は近代的なのに、学校は知識を教える場であり、生徒に踏み込んで心の交流をする必要はないし、危険という保守的な教育現場に疑問を感じ、しばし学校側と衝突する女教師のルート・ロイベリック。わかりやすく言えば、1950年代の西ドイツ版「ごくせん」。と言っても生徒達は、ジャズのバンドをやっているってところが、多少、不良めいている雰囲気なのかもしれませんが、純粋でやさしくて素直。男子高校生は、かっこいいし、大人な部分もあって、見ててこっちがハラハラしますが、そのあたりは、さすが当時のドイツ映画、清らかな映画となっています。墓地に流れるトランペットの調べは、映画音楽史上の名場面で、女教師を演じたルート・ロイベリックは当時西ドイツのトップ・スターということなので、西ドイツの映画史上、はずせない映画なのかもしれません。古い映画ですが、教育現場の葛藤や男子高校生という微妙な時期に教える女教師の思いというのは、現代も通じるものがあると思います。主人公の自分の身を呈して、生徒を守ろうとするところは、やはり西ドイツ版格調高い「ごくせん」かな。笑

  2010.05.04

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  デルス・ウザーラ( DERSU UZALA)

  この映画の題名を見ただけで、なんだか堅苦しそうなイメージで見るのを避けてきた作品でした。ＧＷ中は気分的にもゆったりしているので、思い切って見ることにしました。見ようと思って初めて知ったんですが、この映画は、アカデミー外国語映画賞受賞したソ連・日本の合作の黒澤作品でした。 この映画はスター俳優の華やかさに頼ることなく、黒澤作品らしく、シベリアの厳しく過酷な自然とその聖なる美しさをダイナミックに伝えてきます。主人公デルス・ウザーラはその存在が、森に生きるもの、森の一部のようです。そのデルスを美化しすぎないで、こちらも弱さ、悲しさもリアルに現しているのが、やはり黒澤監督らしいんです。私が一番好きな場面は、デルスのスナップ写真が出てくるところ。デルスの人柄がよく出ている場面です。あの「カピターン！」っていうデルスの声は、探検隊の隊長ウラジミール同様に私も忘れない気がします。最初とっつきにく感じがする映画ですが、黒澤映画ならではのこだわりを感じる個性的なロシア映画です。

  2010.05.03

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  熱いトタン屋根の猫 （ CAT ON A HOT TIN ROOF）

  舞台はアメリカ南部。ガンとわかった大農園主のビックダディと呼ばれるポリット家の当主のその遺産を狙って、長男家族が取り入ろうします。ところが、ビッグダディの愛情は、次男ブリックにあり、そのブリック（ポール・ニューマン）は、友人の死をきっかけに酒びたりで、妻マーガレット（エリザベス・テーラー）とは不仲。ポリット家は実は、バラバラ・・・・という話。この映画を先に見ていた夫は、途中でこの映画を見るのを止めたそうです。なぜかというと、会話が多くて、場面やストーリーがなかなか進まないから。演劇がベースになっている映画のせいか、夫の言う通りで映画を軽快に楽しみたい人向けではないかもしれません。ビックダディの余命の事実が、明らかになることで、人間関係がざわめきます。この映画でよく使われる言葉は、「Mendacity」（虚偽）という言葉。次男のブリックは、みんな虚偽ばかりと言わんばかりに、家族を信じることも、真実を直視することも避けてしまい、自暴自棄で酒浸りになっているのですが、そんなブリックに真正面から、体を張って、向き合い、本音トークをする父の姿に、ブリックは真実を感じ始めだします。後半の緊張感のある動きのある展開は、この映画の醍醐味です。この映画では、なぜブリックが友人の死にそんなにこだわりを見せたのか、（実は同性愛の関係にあった）なぜそんなに長男は父親に愛されなかったのか、はわかりにくいです。この映画のキーワード的な「Mendacity」（虚偽）ですが、観客には、きっちりその虚偽の部分と真実の部分が見えてきます。家族内であっても、言葉にして表現しないと、相手に伝わらないし、聞く耳を持たないと愛情が見えず、身近な人間関係の家族であっても、本音をさらけ出さなければ、お互いの愛情に確信が持てないものなんだ、と感じます。そんな真面目な映画です。それもいいのですが、この映画のポール・ニューマンは、本当に端正な顔立ちで、薄い青い目がクールビューティです。対する、エリザベス・テーラーのはっきりした黒髪の艶っぽい容姿が、とても魅惑的です。この魅力的な２人の存在もこの映画の視覚的楽しみ。この映画であの媚びない、そして時折見せるやさしさがとても惹かれる、ハンサムなブリックですが、実生活を考えるなら、難しい男性ですよね。あのマーガレットですら、タジタジですから。ブリックのような役ところの似合うポール・ニューマンですが、生身のポールは、ブリックのようではないと信じたいところです。笑

  2010.05.01

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  ラブソングができるまで ( MUSIC AND LYRICS)

  80年代に人気絶頂だった元ポップスターと失恋で書くことをやめてしまった作家志望の女性が、いっしょにラブソングを作ることになるラブコメディ。ヒュー・グラントが元ポップスターを、のドリュー・バリモアが作家志望の女性を演じています。この映画の魅力は、なんと言ってもヒュー・グラントとドリュー・バリモア。この2人の個性なくして、この映画のキュートさは出ません。ヒュー・グラントはそんなにおじさんって感じはしないのに中年アイドルのちょっと情けない役を自然体でやってのけちゃうところが、すごい！ヒュー・グラントの余裕を感じます。ドリュー・バリモアは、とってもかわいいです。すごく個性的なインパクトのある顔だけど、控えめで誠実な女性っていう、そのギャップがまたいい。ドリュー・バリモアは、本当に嬉しそうな笑い方をします。一度は自信を失い、強くなりきれない、ちょっと控えめな個性の2人が、2人の間だったら素直になれて、勇気を持てる、そんなやりとりや実は....っていう展開が、私たち日本人にも感情移入しやすいロマンチックラブコメディだと思います。2人に感情移入して、しばし恋の始まり気分を楽しめる映画です。それと、トップスター「コーラ」役のヘイリー・ベネットの印象に残る不思議な魅力にも注目。

  2010.04.27

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  ナイアガラ( NIAGARA)

  ここのところ、モンローシリーズでＴＶで映画をやっているので、立て続けにマリリン・モンローの映画を観ています。このナイアガラは、若い不倫男性と夫殺しを計画する妻役をモンローが演じていて、火曜サスペンス劇場のようなお話です。この映画の見所は、やはりモンローとナイアガラの滝。このときのモンローは、今まで観てきたモンローとはチョット違い、若干ぽっちゃりしているし、天真爛漫なかわいいセクシーな女性ではなく、危険な香りのするセクシーな悪女タイプ。ナイアガラの滝も、旅行パンフレットで見るナイアガラの滝とは一味違い、実際に旅行に行ったら、こんな感じなのかっていうのが、よくわかって、楽しめました。ナイアガラの滝はともかく、ナイアガラのモンローは、ちょっと太って、役柄も怖い女性なので、モンローの後期の作品かと思ったら、正反対でした。「ナイアガラ」26歳夏「紳士は金髪がお好き」26歳秋「７年目の浮気」28歳「お熱いのがお好き」32歳の順だったんですね。役柄も含めて、見た映画の中では、どんどん若々しく、あどけなく、綺麗になっていった印象です。私がこのナイアガラの映画の中で、一番気になったのは、実は、モンローの鼻先。モンローが鼻を整形し、髪をブロンドに変えた話は、有名ですが、そのせいなのか、なんなのか知りませんが、このときのモンローの鼻先はなぜか、アザのように黒っぽくなっています。モンローの顔のアップもとっても綺麗なんですが、画面によっては、やっぱりこの鼻先のくすみが、気になる。一体、あれはなんでなんだろう？？？↑モンローの整形前と噂される写真　健康的でかわいい♪　　　

  2010.04.26

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  七年目の浮気(THE SEVEN YEAR ITCH)

  あの地下鉄から吹き上げる風で、モンローのスカートが舞い上がる場面で有名な映画です。あの場面の白いドレスもマリリン・モンローの代名詞的な衣装ですよね。　一体どんな設定の中で、あの場面が再現されるのか、楽しみに観ました。映画の中では、案外サラっと撮られていて、そんなエッチっぽい印象はなく、風も思ったよりも控えめ。見えそうで見えないヤキモキ感がそそられますよね。映画は、結婚７年目の真面目な中年男性が、妻と息子を夏のバカンスに送り出した後、ＮＹの自宅で一人気ままにくつろいでいるところに、２Ｆの部屋を借りたという女性がやってきます。それが、マリリン・モンロー。モンローが２階に突然引っ越してきたら？っていう、男性の夢と妄想を体現したお話。　←等身大フィギュアもし、映画のように、モンローが２Ｆに越してきたら・・・・貴方は、あのその気もないのに、存在自体が誘惑のモンローの色香に心を惑わされることなく、過ごせるでしょうか？まぁ、無理でしょうね。

  2010.04.24

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  お熱いのがお好き（ SOME LIKE IT HOT）

  マリリン・モンローの映画って、単にマリリン・モンロー主演が売りなのか？と思って観てこなかったんですが、今回初めて観ました。予想外に面白くて、驚きました。禁酒法時代のシカゴでギャングの抗争を目撃した二人のバンドマン、ジョー（カーティス）とジェリー（レモン）は、ギャングの追っ手をかわすため女ばかりの楽団に女装して、紛れ込み、そこで歌手のシュガー（モンロー）と知り合います。ジョーは彼女を好きになるけど、女装のままではどうしようもない上に、ギャングも追ってくる・・・・もともとはどう見ても男なのに、この2人の女装、なぜか、それなりに綺麗に見えちゃうから、不思議です。そして、やっぱりマリリン・モンローのかわいさは、突出しています。綺麗っていうか、かわい～～～～い！なんか別物！いろんな映画を観てるけど、こんなにかわいい、ふわふわした不思議な魅力を持った女優って、本当にいません。最近では、自立した強い女性が主流になってきているけど、この映画のシュガーだったら、究極の癒し系、天使系？守ってあげたい系っていうか、子犬のようなかわいさで、男性がメロメロになるのは、よ～くわかります。確かに、この映画でモンローの魅力に酔うだけでも価値があります。疲れた男性にはかなりオススメです。さて、映画ですが、コメディって、こういう映画を言うのかなって思うほど味のある面白さで、笑えます。かっこいいトニー・カーティスもいいけど、やっぱりジャック・レモンが、いいんですね。大富豪オズグット3世を演じたジョー・E・ブラウンとジャック・レモンとのタンゴのシーンは、最高！思い出しても笑えます。さらにラストシーンの台詞は、絶品！コメディなのに、コメディだからこそ、グッときます。白黒の古い50年以上も前の映画ですが、キャストの魅力も映画の楽しさも色褪せることのない、名作だと思います。

  2010.04.20

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  アイ・アム・レジェンド ( I AM LEGEND)

  ＴＶで見ました。ウィル・スミスは好きだし、期待したいけど、ＳＦっていうのが、ちょっと不安だなぁ思いつつ見ました。突然変異したウィルスが人類にも感染し、感染者は、光を恐れ、人を襲う、「ダーク・シーカーズ」になっちゃう話。人間らしい状態でＮＹに残っている人間は、ウィル・スミスだけっていう設定。ウィルスが突然変異して、人類を狂わせていく、人類が死滅していくっていうところは、あってもおかしくないし、未来に警鐘を鳴らす、未来予想的な話かと思ったんだけど・・・・・　無人化した街に一人残されたら・・・っていうことをこの映画のウィル・スミスと映像を通じて、想像できて、その点は面白いんだけど、良く考えると、ありそうでありえない、非科学的な特殊撮影ものって感じです。いっしょに見てた夫も「なんでウィルスに感染しただけで、あんなに運動神経がアップするんだ。食べ物にも困って、体力もなくなって、弱っていくのが、普通じゃないの？」と思わず、言ってました。「ダーク・シーカーズ」に襲われた人間が、「ダーク・シーカーズ」に変身しちゃうのも、ドラキュラみたいな古典的な話ですよね。でも、無人化したニューヨークでの生活を再現したのは、ユニークで、楽しめました。

  2010.04.19

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  マイ・ビッグ・ファット・ウェディング (MY BIG FAT GREEK WEDDING)

  この映画は面白かったです。ギリシャ系アメリカ人のトゥーラは、冴えない毎日を過ごす内気な独身30歳女性。“ギリシャ人の男性と結婚して子を授かり、死ぬまで家族の食事を作ること”がギリシャ女性のすべきこととされる世界にあって、30歳の娘が独身なのは、両親の悩みの種。冴えない自分と典型的なギリシャ女性の一生に納得もいかず、自分に自信も持てないまま、悶々とした生活を送るトゥーラ。そんなトゥーラが、ある日一目ぼれ。トゥーラは、これまでの自分や生活を変えようと一念発起します。するとトゥーラの運命も変わりだすんだけど、ギリシャ人社会っていうのが、一筋縄ではいきません。アメリカという多文化が、前提の社会においても異文化間に触れたり、受け入れることは、そう簡単ではないようです。自分のアイデンティティを大切にし、自尊心を持つと同時に、他の文化にも興味と尊敬と寛容な気持ちがあれば、異文化の人たちとも仲良くなれて、人生もより楽しいかもと思える映画です。そうは言っても、私はイアンの勇気は偉いと思います。そして、ギリシャ人社会って、こんなに熱くて、パワフルだったとは！映画を観ながら、カルチャーショックを受けました。楽しくて温かい、家族＆ラブコメディ。笑って、恋に酔って、ほろり、とさせてくれる、いい映画でした。

  2010.04.18

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  ディック&ジェーン 復讐は最高! (FUN WITH DICK AND JANE)

  ジム・キャリー主演のコメディ。裕福なサラリーマン生活から一転、遂には家族の生活のために夫婦で強盗になっちゃう話。近年リーマンショックがあったので、実際に映画のように裕福なサラリーマンが失業し、思うように仕事が見つからず、悲惨な状況に落ちぶれていくって話は十分アリだと思います。なんとか経済的に乗り切っていこうとして、ヒョンなことから強盗を始めちゃうディック&ジェーン夫婦。強盗のシーンはそれなり、面白いんだけど、強盗がそうそう成功するはずがないよね。成功しちゃって、捕まらずに、裕福になったら、いけないでしょう。困難な状況にある深刻な家族にとって、具体的な打開策として参考になる内容ではないですが、神経質になりすぎずに、乗り切っていくところが、この家族のいいところ。これは大いに参考になるところだと思います。ジェーンのような妻だったら、夫も追い込まれずに前向きに開き直ることができるかもしれません。最後は、この夫婦らしいジョークの利いた素敵な終わり方でした。

  2010.04.17

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  血と怒りの河（ BLUE）

  この映画、よかったです。悲しいけど、私は好きなタイプの映画です。メキシコの盗賊の首領に育てられたアメリカ人が、白人の娘を助けるために首領の息子を殺してしまい、育ての親のメキシコ人と敵対することになってしまう話。ストーリー的には、予想できそうな話なんだけど、映像の撮り方も綺麗で、ここぞってところにインパクトがあります。話の細かいところから、さり気なく、いろんなことを伝えてきてる気がする映画です。主人公ブルー（テレンス・スタンプ ）のあの深いブルーの目とその目つき、日に赤く焼けた肌、背中を丸めて座った姿、本当に印象的でした。

  2010.04.14

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  ブルグ劇場(BURG THEATER)

  王立ブルグ劇場の専属俳優で名優の誉れも高いミッテラーは、人付き合いをことごとく退けて暮らしているのですが、ある日、教会で仕立て屋の娘レニが祈る姿を目撃し、恋に落ちます。一方、レニは下宿人の若い俳優ライナーに焦がれ、ライナーになんとか、俳優としての成功の手助けをしたいと思っています。レニはミッテラーと関わることで、ライナーに俳優としての足がかりを作ることになるんだけど、それによって事態は複雑になっていきます。大物俳優の初老のミッテラーが、恋に先走り、傷つき、現実を直視し、大人な態度を取るのが、胸が痛いですよ。映画の最後のウェルナー・クラウスが演じるミッテラーの「ファウスト」の台詞は、心からほとばしり出てきて、それまでの経過を見ているものには、より一層心に響いてきます。昔の映画で多少まどろっこしく、白黒で見難いし、演技がおおげさに感じる方もいるかもしれませんが、男爵夫人や初老のミッテラーの立場で見る年頃になると、結構味わい深い話になっています。中高年以上の方には、共感できる部分のある、ちょっと甘くてほろ悲しい、いい映画だと思います。

  2010.04.11

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  野ばら（DER SCHONSTE TAG MEINES LEBENS）

  ハンガリー動乱を逃れた孤児トーニという少年が主人公。トーニはひょんなことから、一人暮らしの老人に引き取られ、さらには、ウィーン少年合唱団に入団するのですが、そこである日、盗難事件で起きてしまいます・・・・・この結末は映画を観てのお楽しみ。映画の中では、表題の「野ばら」の他、ウィーン少年合唱団の子ども達の歌もしばしば盛り込まれて、美しい歌声も楽しめます。さて、この映画の良さは、「いい話」ってこと。現代感覚の映画を見慣れていると、子どもも大人もどんな嫌らしいことをするのか、どんな目に遭うのか、なんてハラハラして見てしまうのですが、そういった極端な嫌な表現がなかったのです。まるで児童文学のお話を読んだような、正統派の感動があるんです。例えば、「アルプスの少女ハイジ」や「フランダースの犬」を読んだみたいな。たわいもない話のようですが、私はしっかり泣けました。不幸な歴史的な背景があるにも関わらず、とても幸せな気分になります。たまにこんな映画を観ると、とても新鮮に感じます。

  2010.04.10

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  大いなる遺産(GREAT EXPECTATIONS/GREAT FOR DANGER)

  イギリス文学界を代表するチャールズ・ディッケンズの名作、「大いなる遺産」を、デビッド・リーン監督が格調高く映像化した名作と言われています。不遇な少年ピップが墓場で脱獄囚と出会う場面から、物語はさらに思いもよらないようなミステリアスな展開に・・・・・労働者階級の少年ヒップは、謎の人物から莫大な遺産が贈与されることとなり、りっぱなジェントルマンへと変貌していくんだけど・・・・・結局彼は上流階級の一員として暮らしていけるのでしょうか・・・・あとは見てのお楽しみ。主役のピップを名優ジョン・ミルズが演じているんだけど、このジョン・ミルズって、グレイのTERUに似てませんか？なんだか、そればっかり気になっちゃって。映画は多少細かいところが、わかりずらいところがありました。多分、小説ではその辺りはきちんと書かれているかもしれませんね。白黒の映像が、不気味な奥深さや緊張感があり、引き締まった感じで、格調高いっていう表現が確かに合ってると思います。物語は奇天烈な展開で面白いです。それでも最後はほっとさせてくれました。なんと言っても私は、ジョン・ミルズの笑顔がグレイのテルに似てることが、気になってましたけど。　

  2010.04.09

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  トム・ホーン（TOM HORN）

  インディアンのジェロニモを捕虜にして一躍名をはせた、実在の人物トム・ホーンの半生を描いた作品で、主演はスティーヴ・マックィーン。マックィーンは、この作品の撮影中から、肺ガンと噂され、本作完成後の翌年、死亡していて、この映画はマックィーンの遺作となっています。この映画は、切ない映画でした。スティーヴ・マックィーンは、けんかでは殴られるし、弁明はしないし、荒々しく、抵抗しないんですよね。なんで？って思えるほどに。反撃しないんです。トム・ホーンは、正義というのも、実は都合のいいものってことを知っていたし、弁明しないことが、トム流の抵抗だったのかもしれないし、ジェロニモを捕虜にし、数々の人を殺してきた彼にとって、これもまた自分の運命として受け入れたのでしょうか？いずれにしても、この西部劇は、かっこいいヒーローのガンマンが悪党達をやっつけて、町には平和が訪れ、気分はスッキリ、ハッピーエンド、って話ではないのです。時代の流れの中で、もてはやされた時は無常にも忘れ去られ、年を取り、気が付けば不器用に生きていくだけしかできない、そんな男の哀愁のようなものが、不遇な展開の中で、切ない異色の西部劇なのです。そんなトム・ホーンの生き様にスティーヴ・マックィーンは、自分と重なり合うものを感じたのかもしれませんね。

  2010.04.08

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  半落ち

  ＴＶで観ました。結構期待してみたんですが、正直残念な結果でした。あまりよく思えないのは、ＴＶなので合間合間にＣＭが入るので、集中できないせいかとも思ったのですが、観終わって、それだけではないと確信しました。　映画の構成力がなく、エッセンスをつまみ食い的に出して、深みを出そうとしているのが、返って軽薄に感じます。映画は連続ドラマや小説のように丁寧に少しずつ描くことができないので、やはり何を切り捨てて、何を描きたいのかが、しっかり構成されていないと、観客に伝わらない難しさがあると思います。多分、この映画に出演している俳優陣は、映画のプロだから、この映画のそんな弱点をきっと感じつつ、自分の演技に集中することに専念したんじゃないかって勝手に勘ぐってしまいます。（それか、出来上がったものを観て、びっくりしたか）この映画の良さは、個々の俳優陣の熱演と情感に訴える音楽かな。題材や俳優陣はよくても、それを映画に気持ちよくまとめることの難しさを感じた作品でした。

  2010.04.07

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