モナリザ・スマイル(MONA LISA SMILE)
良妻賢母が求められた、1950年代米国の保守的な名門女子大学で悪戦苦闘する、進歩的な新任の美術教師(ジュリア・ロバーツ)を取り巻く話。名門大学で高い教養を身に付けながらも実態は花嫁学校のよう。夢はみんな「結婚し、幸せな家庭を築くこと」という名門女子大の学風と生徒に「なんで自分の能力を発揮することや自立することも考えないの?」と苛立つ主人公の美術教師のジュリア・ロバーツ。絵を見て、権威ある誰かの評価を正しいとして、そのまま受け入れるのではなく、見た本人がどう感じるかが大切ってことを、ジュリアロバーツは学生達に教えるんだけど、それは一つの価値観にとらわれて疑いもしなかった学生達に、ハッと気が付かせるものがあったんですね。どう選択し、どう生きるのがいいのかは、正解はないのだから、それはそれぞれ悩みながら、見つけていきましょうって程度の結論でいいとして、この映画で私が面白かったのは、それぞれの女性達かな。ちょっとあせって押し付けがましくなるジュリアや優等生のベティ、コンプレックスの固まりのコニー、クールで屈折したジゼルなど「そんなタイプいたなぁ」「そういうの、わかる、わかる」って感じの登場人物が、それぞれできたヒロインじゃなくて、みんな中途半端なとことがいい。しかもなんだかメインの登場人物がみんな美人に見えないところも意外です。画面の端っこに出てくる一般の女子学生達の方がよっぽど美人だったりするんです。ちなみにこの映画の舞台となっている、ウェルズリーはマサチューセッツ州ウェルズリーに本部を置く「全米一保守的」といわれ、ハーバードなど東部の名門で学ぶアイビー・リーガーの、いわば花嫁予備軍団だった?そうで、あのヒラリー・クリントンの出身校。東部私立名門女子大セブンシスターズの一つで、卒業生にはヒラリーの他に、マデレーン・オルブライト(アメリカ初の女性国務長官)、ノーラ・エフロン(映画監督・脚本家)、宋美齢(蒋介石の妻)もいます。 大学のミッションはto provide an excellent liberal-arts education for women who will make a difference in the world(世の中に変化をもたらす女性に優れたリベラルアーツ教育を行うこと)。 モットーはNon Ministrari sed Ministrare-"Not to be ministered unto, but to minister"(仕えられるよりも仕えなさい)。だそうです。現在は留学生も受け入れているようなので、あなたもヒラリーの後輩になれるかも?