母親譲りの「晴れ女」
私が物心ついたときから、おとうさんはかならず20時45分におうちに帰ってくる人だった。 うちはそんなに裕福じゃなかったから、きっと飲みに行くお金もなかったんだと思う。 逗子の古い団地に住んでいたんだけど 20時44分くらいになると、団地の階段をコツコツ、と上がってくる父親の足音がしてた。 「ほら、お父さん帰ってきたよ」 と、いつも母親が言う。 20時45分、絶対ドアが開く。 フツーにそーゆー家庭で育った。 それが・・・・ 中学の時、一度だけ、たった一度だけ 21時になっても父が帰ってこなかった。 15分帰宅時刻がすぎることは、まず、ありえない。 事故にあったんじゃないか、倒れているんじゃないか。 笑い話でない。マジでリアルに心配したものだ。 母も私も心配になり、駅まで迎えに行ってしまったら、新聞片手に父親が駅の改札から出てきた。 「おう!コレ、読んでたら乗り越しちゃったよ~電車」そういって新聞を高々と上げて笑ってた。 その新聞は 「ゲンダイ」だった・・・・(-_-メ) オレンジ色の文字で「ゲンダイ」と書かれた新聞を見ると父の帰宅遅れを思い出す。おい、オヤジ・・・えっちな記事読んでたんじゃないよね? この出来事をうちと同じ団地に住んでいた幼馴染の男の子にリアルタイムで話したことがあった。 夕べ父が21時になっても帰ってこなくて駅まで迎えに行ったの~ そしたら、ちょっとキョトンとされて、 「・・・え?おまえんとこのお父さん、毎晩同じ時間に帰ってくるの??」 と言われて、初めてどこの父親も同じ時刻に帰ってくるものではないと知ったのだった。 私は少なくとも13年間、父親たるもの、絶対同じ時間に帰ってくる生き物だと、これは日本全国区でそうなのだと 信じて疑うことはなかったのだが、この幼馴染の発言によって、わかってしまった日本のお父さん事情。・・・ぐっちゃん、ショック。 それでも、とにかく毎日20時45分に帰ってくる父。 これってウチだけだったのねぇぇぇぇ(@_@;) この前、お父さんと一緒に飲んだ時にこの20時45分の帰宅話を懐かしく二人で話していて、こんな話を父から聞いた。 「一度だけ、夜、急に大雨降ってたらしくて、そしたら、何にも言わないのに、お母さんが駅まで迎えに来てくれたことがあったんだよ。毎日同じ時間に帰ってくるから電話しなくても来てくれて。 お前知ってるか?(ううん、知らない) そしたら、お母さん、せっかく、傘持って迎えに来てくれたのにさー 駅で傘持って、お父さんの電車が到着するの待っててくれてる間に、 晴れちゃったんだよ、雨!! おとうさん駅に着いた時にはもう全然雨ふってなくてさー あははっはははっは~~~(^◇^)」 私の晴れ女体質は、母親譲りだと発覚。 きょう、ぐっちゃんは休みです。ってことで、今日も快晴。ほんとに晴れるんだよね、私の休みの日とか旅行の日とかって。 航空会社時代はこの体質を生かして、かなり各空港の天候不良を改善し、航空機を無事に着陸させておりました。 (あれだけ毎日飛んで5年間で悪天候で着陸できなかったのはたったの2回だけでした。わたしって通算何便飛んだんだろう・・・) ちなみにフランス出張も、期間中はこれでもかってくらいよく晴れるので、最近フランスの砂漠化が進行し、ラベンダーアングスティフォリアの収穫に影響を及ぼしております。すんません・・・!!!!