知的財産を小さな会社の経営戦略に活かそう！

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• 経営に役立つ寄与率算定方法

  8日の記事の続きです。知的財産や生産力・販売力といった要因の製品の売上に対する寄与率をどう考えればいいのでしょう？というところでした。これに関してはいろいろな方法が用いられています。たとえば、営業利益は資本力、営業力、技術力の３要素からなるとし、それぞれに三分する利益三分法。その他四分法や25%ルールなども同様ですが、いずれも根拠に乏しい方法ですね。これらも、その方法をルールとして採用する、ということであれば、特許に関する取引を、そのルールに則って行えばよいのですから、それはそれで合理的な方法といえます。しかし、それでは経営には役立たない。経営に役立つ評価方法を確立するためには、経営上の根拠を持った寄与率の算定が、必要になってきます。また、経営に役立つ評価方法が確立されれば、それは特許取引の上でも、合理的な評価として使えるはずです。これを考えていくためには、経営をイチから見ていくことが求められます。

  2009.05.12

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• 画期的な特許発明の寄与率

  例えばある画期的な発明が行われ、それによって従来の製品を全く覆すような製品が開発された。あるいは、従来の製法を全く覆すような製法が開発されたとします。これができればすばらしいのに、当面不可能と思われたことであれば、その製品や製法は、直ちに世の中を席捲しスタンダードとなるでしょう。当然、その発明は特許登録されたとすると、この特許発明の価値はどのくらいになるでしょうか？その特許発明がなければ、その製品なり製法はこの世になかったわけですから、少なくとも製品の売上の半分以上の価値はありそうに思えます。その特許発明のおかげで売れたわけですから。でもちょっと考えてみてください。その特許発明をした会社が零細企業で、需要に答えるだけの生産力も販売力もないとしたらどうでしょう。それを整えるだけの資力もなく、融資も受けられないとなると、特許の実施権をライセンスするか、特許権を売却するかしなければ、実際に広く売っていくことは困難ですね。その時、画期的な発明だからと法外な値段を吹っかけてきたら・・・業界全体で無視することは十分考えられます。その特許権が切れるのを待つか、その間に代替技術を開発するかすればいいのですから。この場合、生産力や販売力がないばかりに、新製品の売上も限定的にしかならないことが起こり得ます。だとすれば、画期的製品として、大きな売上が得られたとき、その要因は必ずしも画期的な特許発明だけではなく、生産力や営業力も重要な要因となっているといえるでしょう。こう考えると、画期的な発明だからといっても、それが新製品の売上の要因として占める割合は、意外に小さいことが予想されますね。では、それぞれの要因の寄与率をどう考えればいいのでしょう？

  2009.05.08

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• 価値がゼロやマイナスの・・・

  ちょっと間があいてしまいましたが、現状の知的財産や技術の評価方法について、経営の全体像からみた疑問を述べてきました。知的財産や技術は、それを利用した商品あるいは(有料の)サービスとなって、初めて価値を持つものです。知的財産や技術そのものを取引することもありますが、それは、それを使って商品・サービスといった価値のあるものを生み出すためであって、知的財産や技術そのものの価値を買うわけではありません。ですから、商品やサービスの実際の売上を基に、それに対して知的財産や技術は、どの程度寄与しているかを見極めて価額評価を行うというのが、実際に行われている価額評価手法です。でも、そんなことって分かるわけがない！あなたが買った100円のボールペンにある特許技術が使われているとして、それが100円のうちどのくらいを占めるかなんて、分かりようがない・・・というか、どうとでもいえちゃいますね。買うほうからみれば、特許技術が使ってあるから買ったということは、ボールペンの場合あんまりないでしょうから、買うかどうかの決め手になっていなければ、どんなに凄い特許技術でも、商品が売れるかどうかをほとんど左右しない、あまり価値のない要素だともいえます。使う側にとってどうでもいい特許技術が使われていて、そのために値段がグンと高くなってしまい売れない、ということになれば、その特許技術はマイナスの価値をもつことになるでしょう。価値がゼロだったり、マイナスだったりする特許技術。これを奇異と感じるか、そういうこともあると感じるか、いかがでしょうか。

  2009.05.07

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• 数値やランクの一人歩き

  評価結果というものは、何らかの形で数値化したり、ランク分けしたりしなければ、理解しにくいという側面があります。しかしその一方で、数値化されたりランク化されたとたんに、それが一人歩きしてしまうおそれもあります。知的財産や技術といったものをなぜ評価するかというと、その知的財産や技術が、どれだけの利益をもたらし得るかを判断するためです。そして、ここが大事ですが、その利益はどこから生まれるかというと、お客様からですね。さらに買うかどうかの決定権は、100%お客様が持っていますので、知的財産や技術が、どれだけの利益をもたらし得るかは、お客様が全てを握っているわけです。だとすれば、それらの評価の項目や基準は、お客様の視点からなされていなくてはなりませんね。現実の評価手法はどうなっているでしょうか？定性的評価にしても、価額評価にしても、売る側、作る側の視点で行われていませんか？そういう吟味なしに数字やランクがひとり歩きしていては、それはどれだけ意味があるのか疑問です。

  2009.04.27

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• それは会計の問題

  取引のための価額評価であっても、 売り手と買い手が変われば、 全く異なる評価額になって然るべきなんですね。 これって、とても厄介なことでしょう・・・？昨日はこう結びました。評価額が場合によって変わると困るのは、会計の専門家でしょう。会計では客観的に評価が定まるものしか扱えません。だとすれば、知的財産や技術というものは、会計では扱えないことになります。これは知的財産評価や技術評価の側の問題ではなく、会計の方の問題なんですね。会計の限界と言ってもよいでしょう。ここ、間違えてはいけません。答えが1つきちんと出てくる学校教育になれてしまうと、場面によってコロコロ変わるのは良くないことのように思えてしまいますが、まず、そのようなものの見方を変えることが大事ですね。

  2009.04.23

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• 絶対的価値のない知的財産

  土地の場合、売買する際には、価格の相場が形成されていますので、その相場を基準に著しく外れない価格で取引されます。ある意味絶対的な価値が形成されています。知的財産の場合は、相場が形成されるほど取引実績がありませんし、仮に取引実績が蓄積されたとしても、それによって価格の相場ができるかというと、ごく限定的になるのではないかと思います。土地の場合は、かなり用途が限られるような何らかの悪条件の土地であっても、ごく特定の業種、さらには特定の企業でなくては使えないという土地は、ほとんどありませんね。だからそのような土地でも取引実績により、価格の相場は形成されています。知的財産の場合は、汎用的に使えるものは例外的で、多くは特定の業種、あるいはさらに絞られ特定の企業でなければ不要であり、何ら価値を見出せないものがほとんどです。しかも、その対象となる企業の中でも、それぞれの企業の実情に応じて、その知的財産の果たす役割が変わってきますから、「相場」というような一定の価値基準によって売買することは困難です。だから、取引のための価額評価であっても、売り手と買い手が変われば、全く異なる評価額になって然るべきなんですね。これって、とても厄介なことでしょう・・・？

  2009.04.22

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• 土地の価値も2種類ある

  知的財産や技術の定性的評価について、それを持っている企業によって、評価結果が変わるべきものだ。こういう結論になりました。そして、定量的評価、つまり金銭的評価についても、同じことがいえるのです。このことを土地で考えてみましょう。土地は取引実績が多いので、相場が形成されています。その土地ならだいたいいくらかが決まってくる。しかし、その土地が全く使われず、ただの空き地になっていれば、その土地は何も生み出しません。何も生み出していない土地の価値は、ゼロと見ることもできますね。税金がかかることや管理費用を考えると、マイナスということにもなります。駐車場として使っていれば、駐車料金分の価値が生じます。アパートを建てれば家賃が入ってきます。ビルを建てればテナント料が入ってきます。工場を建てれば、製品の収益が入ります。それぞれの価値が土地の上に生ずるということです。一方、その土地を売ろうとすると、何に使っているかにあまり関係なく、ほぼ同じ価格で売れますので、この観点からは土地の価値は一定ということです。そして、一般的に土地の価値を知る必要がある時は、売買する時になりますので、後者の一定の価値の方が使われることが多く、こちらの「価値」が一般的に価値と考えられています。だから、価値がコロコロ変わることに違和感を持つのかも知れませんね。

  2009.04.21

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• 評価基準は複数必要

  世の中に出回っている知的財産や技術の定性的評価方法は、大企業の視点でしか作られていない。市場性の評価の観点から、こう結論付けられました。そして、これをさらに突き詰めていくと、定性的評価の基準尺は、少なくとも2種類必要だとわかります。強者の戦略を取る場合の基準尺と弱者の戦略を取る場合の基準尺とです。そして、弱者の戦略の場合の基準尺は、会社の規模に応じて、何種類かのバリエーションが必要でしょう。だから、同じ技術でも、対象となる企業の位置や規模によって、評価結果は異なることになります。評価がコロコロ変わるのは、好ましくないように思えますが、技術や知的財産は、経営の一手段なのですから、それを使う対象によって評価が変わることの方が、当たり前のことに思いますが、みなさんどうお考えでしょうか？

  2009.04.17

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• 定性的評価方法の疑問

  儲かりそうなものに手を出してはいけない。これが大事なことですが、知的財産の世界ではそうはなっていません。知的財産の評価あるいは技術の評価をする時、それを金額に置き換えて評価する方法と定性的に評価する方法とがあります。定性的に評価する場合は、評価項目ごとに点数を与えて、その点数の合計あるいは平均などで優劣を比較することが行われたりします。そのなかの多くに市場性の項目が設けられていますが、これは将来予想される市場が、大きいほど点数が高くなるのが普通です。一見すると当たり前の評価のように思えますが、良く考えるとこれはおかしいと思いませんか？中堅企業や大企業ならばこれでいいでしょう。しかし、中小企業、とくに小企業では、むしろ逆になりませんか？というよりは、単純に市場の大小だけで語れない評価項目のはずです。つまり、世の中に出回っている知的財産や技術の定性的評価方法は、大企業の視点でしか作られていないことがわかりますね。

  2009.04.16

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• 儲かりそうなもの

  何を作るのか。何を売るのか。これを考える時に陥りやすいのは、儲かりそうなものあるいは儲かっているものを選択してしまうということです。儲かりそうなものは、誰が見ても儲かりそうですから、多くの会社が参入してきます。その市場が一定規模以上になりそうであれば、大きな会社、強い会社は、その研究をとっくに進めており、いつでも参入できるように準備しています。このような状況で、小さな会社が勝つ見込みはありません。これは物理的に無理なんです。すでに誰かがやっていて、儲かっているものの場合はもっと悲惨です。売るノウハウを持ち、市場をおさえている先行会社に勝つことは、同じようにやっていては無理です。先行会社に利益を貢献するのが関の山。ほとんど市場に認識されないまま、消えていくでしょう。こんなこと当たり前のことなんです。でも、経営の原理原則を押さえていなければ、目先のうまい話に乗ってしまうのですね。これも、社長の実力に拠るのです。

  2009.04.15

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• 社員は社長の鏡

  根拠のない決断を繰り返していると、社員は、また社長が何かを始めたみたいだとか、また何か話を聞いてきたらしいなどといって、まともに聞こうとしなくなります。そりゃそうですね。1～2ヶ月もすれば、また別のことを言ってくるんですから、まともに付き合っていられません。嵐の通り過ぎるのをじっと待っていた方が、ずっと賢明ですね。ところがこういう社長は、社員がきちんと動けないからうまくいかない、と嘆いてたりします。優秀な社員がいないからと・・・自分は新しいことを積極的に勉強してきて、それをどんどん経営に取り入れているできる社長だと思い込んでますから、うまくいかないことは全て社員の能力のせいにします。でも、社員は社長の鏡なんですね。社員がうまく動かないのは、社長の振る舞いの反映なんです。傍から見るとこのことは良く分かるんですが、本人は全く気付いてないことが多い。自分に問題があることに気付けるかどうか、これが大きな分かれ目になります。

  2009.04.10

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• 決断に根拠がないから

  「何を作らないのか」「何を売らないのか」絞り込む、捨てるということが求められ、それができた社長だけが生き残ります。でも、これは難しい。恐怖を伴うからです。これまでのお客様を1人でも失いたくない、目の前に現れたお客様に答えられるようにしたい、こういう強い気持ちを社長は持っています。だから、これらを失いかねない決断は、怖くてなかなかできないのですね。でも、本当にこの決断がしにくい理由は、根拠なく絞り込もうとするから。社長の趣味や希望、勘あるいは思い付きといった、根拠のない絞込みでは、自信をもって実行できません。ぐらぐらと気持ちが揺らいでしまいます。ちょっとしたことで、捨てたものを復活させたり、やらないと決めたものを新たに導入したり、言うこととやることに一貫性がなくなりがちです。それもこれも、根拠がない決断だからです。ここのところが問題ですね。

  2009.04.09

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• 何を作るのかは、何を作らないのか

  「何を作るのか」の裏には、「何を作らないのか」がついています。販売業の場合は、「何を売るのか」と「何を売らないのか」になりますね。独立してしばらくの間は、とにかく食べていけるだけの売り上げを何とかして確保しなくてはなりませんから、要望があって、それに答えられるのであれば、何でも作りますし、何でも売ります。このことは否定しません。そうやって、お客様を増やしていって、安定的に売り上げが上がるようになったとき、どうなっていくでしょうか。売り上げが増えれば増えるほど、死ぬほど忙しくなります。だからといって、人を増やせば、その分の売り上げを増やさなければならず、そのために忙しさはさほど変わらないということが起きます。やたらと忙しいのに、売り上げは増えているのに、なぜか儲からない。だけど、なぜって考える暇もなく、忙しく動かなければ回らない。竹田陽一先生のいうバタバタ貧乏、略して「バタビン」です。何が必要なのかというと、「何を作り、何を作らないのか」あるいは「何を売り、何を売らないのか」を明確に決めることです。売上が同じでも、または少なくなっても、利益が多くなるような売上構造に変えていくということです。絞り込む、捨てるということが求められ、それができた社長だけが生き残ります。でも、これは難しい。恐怖を伴うからです。

  2009.04.08

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• 何を作るのかのウエイト

  「何を作るのか」は経営戦略実力に依り、「どう作るか」は技術の実力に依ります。技術者は「どう作るか」の腕に重きを置きますが、それ以前の「何を作るのか」は、もっとウエイトの高い判断です。そしてそれは社長の仕事です。どのくらいのウエイトになるのでしょうか？経営の実行の手順において、具体的な実行部分のウエイトは、「何を作るのか」の決定にかかる広義の戦略が86%、「どう作るのか」の研究が属する戦術が14%です。6対1と圧倒的に「何を作るのか」のウエイトが高い。このことを技術者も知るべきですね。もちろん社長が技術者であれば、正しく把握しなければなりません。このウエイトから、職務発明における発明者の寄与割合は、多くても14%を上回らないことがいえるのですが、誰もこのことを根拠に議論している人はいません。ただの適当なさじ加減になるので、議論になっていないのが実情ですね。

  2009.04.07

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• 技術の実力が高くても・・・

  「何を作るのか」を考えるための情報は、経営戦略の実力が高くなければ、技術の実力がいくら高くても入ってこない。このことがとても重要です。商品開発を技術のベテランに丸投げしてはいけない。社長が何を作るのかを考え、決定し、何を研究するのかを明確に指示しなくてはならない、ということです。また、社長自身が会社一番の技術者である場合、その技術の知識だけで「何を作るか」を考えてはならないということ。経営戦略の観点から何を作るべきかを考えなければならないのですから、経営戦略の勉強をして腕を上げなければならない、ということです。技術者は、経営について勉強することを嫌がったり、時には軽視するような傾向がありますが、そのような気持ちは消し去らなくてはなりません。経営について疎いことを恥じなければなりませんね。

  2009.04.06

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• 情報は戦略実力に応じてしか

  人は常に無数の情報を受けています。ただ、その情報のほとんどは、数秒以内に捨てられています。そりゃそうですね。全部取りこんでいたら、たちまちパンクです。何らかの価値があると選択された情報だけが、もうちょっと長持ちするメモリーに移されます。この選択が曲者ですね。この情報は有用なものであると認識されなければ、情報を受けたことすらわからないまま。よく、あることを考え、望んでいたら、それに関する情報が集まってくるという言い方をしますが、情報が集まってくるのではなく、その種の情報を積極的に選択的した結果、集まってきたように見えるというのが、正しいところではないでしょうか。その種の情報は、それ以前にもあったはずなのです。ということは、情報を集めるためには、受け手がその情報を受ける態勢になっていないと有用なものは集まらないということです。それが「何を作るか」を考えるために大事な情報だと認識するためには、戦略について常に正しく考えていける能力がなければならない。こういうことです。その能力に応じてしか情報は集められない。技術の能力に応じてではない。このことがとても大事です。

  2009.04.03

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• 社長の戦略実力に依存する

  情報収集能力も戦略実力のうちと考えると、何を作るのかという大事な判断は、社長の戦略実力に従うといえます。つまり、社長の戦略実力が低ければ、何を作るかという点でヘボな判断しかできず、売れる新商品を作ることは、まぐれでもない限り無理ということです。この状態では、知的財産もへったくれもないですね。もちろん、何を作るかについて、的確な判断ができなくても、研究開発をしていけば、特許になる発明が生まれるでしょうし、現実に特許を取って行くでしょう。でも、それは特許を取得したという満足が得られるだけで、実際には役に立ちません。当たり前のことですが、最初の「何を作るのか」について安易に考えていると、このことが見えなくなってしまうので怖いですね。

  2009.04.02

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• 社員から見ると・・・

  昨日の最後の問い、答えは社員から見た社長像です。しっかりと情報を収集し、高い戦略実力をもって判断する社長はブレがなく、社員からも心強い社長に見えます。やろうとしていることが明確に伝わるので、その方針に従って、社員が様々に工夫して全力で目標に向かう、そんな活力ある強い会社となります。一方、一次情報不足で戦略実力も低ければ、よさそうな話を聞くと、今度はこれ、次はあれと、ブレまくり。方針が一定しません。社員は「また社長が何か言い出したよ」と、聴いちゃいません。1ヶ月もすると別のことを言い始めますから、いちいち付き合ってられません。まあ、適当にやっていればいいさ、という空気が充満し、活力が失われます。そんな様子を見て、「うちの社員は・・・」と社長は愚痴るのですが・・・「人は鏡」ですね。

  2009.04.01

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• なぜ自信をもって判断できるか

  新商品開発を始めようとする時、あるいはこれは新しいことを始めようとする時、たとえば支店を出す時などに共通しますが、どうしたらよいか、いろいろと判断に迷います。このときに、一次情報をしっかり収集していて、なおかつその情報から正しい判断をするための戦略実力が高ければ、正しい判断を自信を持って行えます。ですから、実行段階においてもブレることがありません。こう書くと簡単ですが、これはもの凄いことなんですね。まあ、それはさておき・・・ふつうは、限られた情報、しかも一次情報がほとんどないような状況で、自分の趣味ややりたいことを基準に判断するので、その判断自体に迷いが伴いますし、判断段階や実行段階において、もっとよさそうな話を聞くと、たちまち心が揺れてしまいます。これでは力強く実行することもできませんね。この両者は社長について見ても大違いですが、もっと大きな違いが生じます。何だかお分かりになりますか？

  2009.03.31

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• 情報の決定的不足

  前回は、弱者の戦略の理解不足が、適切な開発テーマの設定を難しくしている要因の1つとなっているという話でした。もう1つ大きな要因があります。それは、情報不足です。それも一次情報の決定的な不足。必要なのは、お客様の情報、競争相手の情報、自社の情報、仕入先など経営環境の情報。このうち、自社の情報に不足していることはありません。特に前の2者、お客様と競争相手の情報が、決定的に不足している場合が多いのです。そして必要なのは一次情報。つまり情報源に直接当ってみて収集した情報。人が集めた情報は二次情報、三次情報で、判断が入っているために、ノイズだらけで使いものになりません。自分の足で情報収集しなくてはならない。ところがこれをしない社長がほとんど。お客様や競争相手のことは、何となく分かっているつもりになっているけど、改めて質問すると具体的に答えられない。この状態で考えると、圧倒的に情報量の豊富な社内情報に引っ張られ、的確な判断はできなくなってしまいます。あるいは、全く何をすべきか見当もつかない、という状態に陥ります。この時に、情報量の決定的不足が原因だということに、気付くことは稀ですね。そして、いつまで経っても正しい判断ができず、開発コストだけがかさんでいき、そのことが原因で倒産するか、何も手を打てずに徐々にジリ貧になって、やはり倒産や廃業に至るかするのです。怖ろしいことです。

  2009.03.30

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• 弱者の戦略の理解不足が

  「何を作るか」をきちんと考え抜き、自社の技術レベルや規模に合った開発目標・テーマを選ぶことが、新製品開発で最も大事なことだというわけですが、では、そのために何が必要でしょうか？昨日はこう結びました。これが実はとても難しいところです。レベルが高い課題ですね。だから戦略実力の低い社長にとっては、たいへん困難な仕事となります。そう、必要なものの1つは、弱者の戦略についての徹底的な理解なのです。これを抜きに自社の技術レベルや規模に照らして、適切な開発テーマを選択することはできません。単なる社長の好み、思い付きで開発テーマを決めている会社がいかに多いことか。特にこれまで下請でずっとやってきたけど、これからは自社製品を作らなくては・・・ということで製品開発を手掛けた場合、好み･思い付きテーマになりやすい傾向があります。弱者の戦略の理解どころか、無戦略状態といってもいいでしょうね。じゃあということで、弱者の戦略を勉強した場合、次に陥るのが、安直な理解による誤まった適用です。弱者の戦略、あるいはランチェスター法則というものが、一見わかりやすそうに見えるため、早合点の適用がしばしば見受けられます。自分は経営のことはよく知っていると思っている社長ほど陥りやすい罠です。このように弱者の戦略の理解不足が、適切な開発テーマの設定を難しくしている要因の1つとなります。

  2009.03.27

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• 「何を作るのか」と「どう作るのか」

  これまでに書いてきたように、何を作るのか、何を開発するのか、その決定がとても重要な意味を持っています。この決定が誤まっていれば、どんなに優れた技術をもってしても、その誤りをカバーすることはできません。なぜなら、何を作るのかという決定は、広義の戦略に属するのに対して、技術は戦術に関することがらであり、戦略のミスは戦術ではカバーできないからです。ところが技術系の社長の多くは、「どう作るか」に深い関心があっても、「何を作るか」に無頓着な人が多い。ほとんど思いつきで作るもの、開発するテーマを決めています。これでは、いくら苦労しても決して売れるものは出来てきません。よく、新製品が出来上がってから、販路や客層を模索したりしてますが、これは「何を作るか」をきちんと考えてなかったという何よりの証拠でしょう。「何を作るか」をきちんと考え抜き、自社の技術レベルや規模に合った開発目標・テーマを選ぶことが、新製品開発で最も大事なことだというわけですが、では、そのために何が必要でしょうか？

  2009.03.26

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• 売れるかどうかは営業力だから

  研究費用、特許関連費用、これらを考えても、大会社や強い会社に勝つことはできません。会社間の力関係は、これらの投入量の2乗に比例するからです。さらに、特許について考えてみると、特許製品だから売れるわけではない、という重大な事実があります。つまり、売れるかどうかと特許の有無とは、無関係なんですね。売れるかどうかはその会社の営業力によるのです。この営業力については、大会社や強い会社がさらに強いところです。圧倒的な強さを持っていますね。特許は、売れた後、他社が容易に真似できないように防衛的に働くだけです。まず売れなければ出番はない。つまり、参入が予想される競合他社と比べて、営業力で優ることができるような市場規模が小さな商品の開発を図るべき、ということが結論付けられます。

  2009.03.25

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• 知的財産権の面でも・・・

  市場規模の大きくなる新商品は、営業面で大会社や強い会社に圧倒されるだけでなく、その質的な面で見ても、知的財産権の面で圧倒されるか、迂回・無視される可能性が高く、小さな会社は勝つことが困難です。大会社や強い会社は、多数の研究員を抱え、よい研究設備を持ち、1つのテーマについて色々な角度から研究を進めています。そして、あるテーマに関して網羅するように特許を取得するよう計画的に研究しています。いわゆる「特許ポートフォリオ」という考え方ですね。これには、研究員・設備にお金がかかるだけでなく、特許の出願、維持に多額の費用が必要となります。1つや2つの特許でなく、少なくとも10～20の特許を取らなくては、あるテーマを網羅して、ガードすることはできませんからね。特許1件について出願から登録まで、弁理士を使わなくても20数万円かかります。中小企業の場合は、実際には弁理士を使わなくては困難ですので、これに弁理士費用がプラスされるわけです。特許は先願主義ですので、一刻も早く出願しなくては、他社に取られてしまうおそれがあります。ですので、1つのテーマについては、短期間に次々と出願しなくてはなりません。お金がないので、毎年少しずつとはいかないのですね。中小企業には、審査料や初期の特許料の減免措置がありますが、それにしても対抗することは、お金の面でかなり困難です。特許ポートフォリオによって押さえなければ、大会社や強い会社は易々と迂回してしまいます。質的にそれほど遜色のないものを作られては、後は勝負になりませんね。質的な面でも、市場規模が大きくなりそうで、大会社や強い会社が乗り込んでくるようなものは、小さな会社が手を出してはいけないことがわかります。

  2009.03.24

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• 強者の商品

  お客起点の発想で、新しい製品を開発する。これが大事なことですが、もうひとつ大事なのは、競争相手が何をどうしようとしているかという情報です。強い競争相手、大会社が考えていることと同じ分野で製品開発をしたとしても、経営パワーが違いすぎますので、多少質的に優位なものができたとしても、量の2乗作用を強く受けて負けてしまいます。大会社や強い会社は、その商品の導入期に参入していなくても、これはというテーマは必ず研究開発を進めていて、これはモノになると分かった時点で、すぐに参入できるようにしています。そのようなテーマは、小さな会社が手掛けるには、市場規模が大きすぎるのです。いわゆる将来有望で市場規模が成長すると見込まれるという新商品は、強者の商品であって、弱者のそれではないことをきちんと理解しておかなくてはなりません。

  2009.03.23

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• 段階的にレベルを高めて・・・

  実力が低い時は、ソリューションを繰り返し、レベルを上げていかなくてはならない。こう書きました。いきなりレベルの高いことはできないからです。このことは、スポーツなら分かりやすい。バッティングセンターに行って、いきなり時速150キロの速球を打とうとしても無理。まぐれで当たることは皆無ではありませんが、まず打てません。増して、100キロの球が打てない人が、150キロを打とうとすると、打てないばかりか、下手するとケガをしますね。まず100キロを確実に打てるようにすることが先決です。100キロの打ち方を身につけること。そして、それが身についたら、少しずつ球速をあげていき、それぞれの打ち方を身につけます、やがて、150キロに到達します。ここでもう1つ大事なことが。100キロから150キロに至るまでで、どこかで質的な転換があるはずです。漫然と打っていてはわからない転換が・・・昨日のソリューションとクリエーションも同じ。ソリューションで実力を上げなくちゃなりませんが、両者には質的な違いがあるので、漠然とソリューションに取り組んでいても、クリエーションには到達しません。ここがまた問題になります。

  2009.03.19

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• 問題点は2種類

  お客様に学んで、使う側の問題点を解決してやれば、それだけで抜きん出ることができます。昨日はこう書きました。この時、「使う側の問題点」には、2種類あることを認識していなければなりません。1つは顕在化している問題点。お客様が、そこが問題で何とか解決したいと考えている点。これは実際にお客に聞いてみればわかります。もう1つは潜在している問題点。これはお客様が問題点だとは認識していないので、お客様に聞いてもわかりませんね。お客様がどのような使い方をしているのか、よく観察して、お客様の感じていない問題点が生じてはいないかどうか、1つ1つ丁寧に考えていくことが必要です。とても難しいだけに、時に画期的な新商品に結びつく可能性があります。よく言われる「ソリューション」は、前者にあたります。では、後者はというと「クリエーション」が適当でしょうか。しかし、クリエーションは簡単ではないですね。戦略実力が低くては無理です。そこを理解してないと、クリエーションもどきになってしまうんです。怖いですね。実力が低い時は、ソリューションを繰り返し、レベルを上げていかなくてはならないのです。

  2009.03.18

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• なぜズレが生ずるか

  お客様と業界とのズレ。各方面で起こっていることで、珍しくもなんともありません。なぜズレが生ずるのか？それは業界の人間は作ることのプロではあっても、使うことのプロではないからですね。使う方に関しては素人か、あるいは全く使わない立場にあったりします。これに対してお客様、特に得意客は、作ることのプロではありませんが、使うことのプロなんです。そして、商品は使われるためにあります。売るためにあるのではありません。だとすれば、商品に関しては、使うことのプロであるお客様が進んでいて、使うことのプロではない業界は、最も遅れていることになりますね。実際にそうなんです。ところが、業界は作ることのプロなので、そのことに気付きません。かくして、各方面でズレが起きている。このことは逆にいえばチャンスですね。業界のほとんどの企業が、業界の常識の中でのほほんとやっているのですから、その間にお客様に学んで、使う側の問題点を解決してやれば、それだけで抜きん出ることができますものね。

  2009.03.17

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• 業界のやり方

  買う側の立場から、何でこういうのがないの？だとか、何でこういうサービスをやらないの？などと思い、実際に売り手にこういうのはどう？などと提案することがあると思います。その時の反応はどうでしょうか？前向きに考えてくれる人もいるでしょうが、たいていは、それは技術的に無理だとか、そんな需要はないよだとか、要は「この業界のことわかってないなあ」という反応に会うことが、多いのではないでしょうか。取り上げない限りは実現しない。調べて試してみないと需要がないとは言い切れない。なのに、固定観念で切り捨ててしまう。面倒くさいからといってまともに取り合わない。もったいないことですね。長年経っているのに、一向に改善される気配のない。技術的進歩で不要になった手続が、そのまま平然と残っている。そういうのも同根でしょうね。全ては、その業界のやり方にどっぷり浸っているから起こることですね。これでは同質化の道を歩むしかありませんね。つまり、小さなところから淘汰されていく道を自ら歩むことになります。

  2009.03.16

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• モノへのこだわりのズレ

  モノを作る側は、そのモノの作り方や材質、構造など、モノそのものに強い関心があります。ところが、モノを買う側は、モノそのものが問題なのではなく、そのモノで何が実現するのかが問題ですね。モノの材質や構造の違いは、どうでもいい。ブラックボックスでもいいんですね。他社と違う材料をつかったり、他社と違う構造だったり、作り手としての工夫は様々に行われます。だけど、それがそのまま差別化にはならない。お客様から見て、その効用において違いがはっきりとしていて、そのモノによって実現されるものが、明確によりよくなっていて初めて、差別化になるのです。当たり前のことですが、"業界"にどっぷりと浸っていると、この当たり前のことが全く分からなくなります。結局、材料や構造などの違いにこだわることとなり、その違いが、お客様にとって違いになっていないことに全く気付かないということが、往々にして起こります。また、そのことを、「お客は分かっていない」のひと言で片付けてしまう。かくして、モノについて、さらに詳細な説明しようとするのですが、それはお客様が望んでいることではないことにも、気付かないままです。根深い問題ですね。

  2009.03.13

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• それは想像上のお客に過ぎない

  昨日は急にストーカーの話になり、そのストーカーと同じだというのですから、一緒にしないでくれと思う人も多いでしょう。でも、同じです。商品開発をする時、自社の技術で何ができるかという所から出発したとしても、それはニーズがあるのかどうか、全く考えないで開発をし始めることはないでしょう。これは経営者でなくても、あらゆる「発明家」についてもいえることです。なんらかの「悩み」を解決しようと発明するわけです。でも、その「ニーズ」や「悩み」って、実在するものですか？そんなに問題なものなんですか？ここが問題なんです。つまり、自分の勝手に思い描いたお客像があり、その想像上のお客のニーズや悩みだったりするんですね。ストーカーが相手のことを勝手に自分の文脈の中において妄想を膨らませるのと、何ら違いはないんです。想像上のお客のニーズや悩みって、結局、主観でしかないんですね。でもお客の立場で考えたような格好をしています。ここが、錯覚してしまう原因です。そうやって開発したものは売れません。対象としたはずのお客様からは、これこれこうだから使えないだとか、ここがもっとこうなら使えるのにだとか言われます。これは本来とても貴重な意見で、製品化してしまうまえに伺って、その意見を取り入れた開発をすべきものですね。でも、製品はもうできてしまっているので、こういう意見に対応するどころか、反発するんですね。あのお客はわかっちゃいないって。僕のことわかってくれないっていうストーカーと全くおなじでしょう。問題は自分の方にあるのに、相手側に問題があるかのようにすり替えてしまう。やがて、「あのお客は」が「世間は」になって・・・売れない理由の発明に勤しむことになるんです。世間全体に広がることで、ストーカーのように好意が恨みに変わって事件を・・・なんてことがないのが救いですが、会社は救われません。すべてはリアルなお客ではなく、想像上のお客しか考えられなかったことに根本的原因があるのです。

  2009.03.12

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• あなたのためと言うけれど・・・

  ストーカーは、やっかいな存在ですね。一方的に相手に思いを募らせて、一方的な行動を起こすからですね。それが殺人事件にまで行き着くこともあります。でも、ストーカーの側から見ると、こんなにあなたのことを考えているのに・・・となっているのです。自分はこんなに考えているのにあなたは・・・という理屈ですね。ではストーカーは本当に相手のことを考えているかというと、答えはＮＯですね。「相手のことを考えている自分」を考えているに過ぎません。結局、自分のことを考えているだけです。だから、身勝手な行動を平気で取れる。それはあなたのためだと錯覚しているのです。急にストーカーの話をしましたが、これって、自社の技術で何ができるか？と考えた時に社長が陥る錯覚と同じ構図ではありませんか？

  2009.03.11

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• それは最後に出てくる

  昨日書きました、お客、競争相手、自社の真ん中で考えるための手順。すなわち、まずお客の立場で考え、次に競争相手が何をしようとしているのか考え、そして自社で何ができるのかを考えるという手順の最後のところで技術とか知的財産が出てきます。お客の見方、競争相手の動向が先にあって、それに対する武器としての技術や知的財産なんです。こうやって文にしてしまうと、何を当たり前のことを仰々しく書いてるんだという感じになりますね。でも、経営の現場では、往々にしてこの当たり前が行われない。良い経営とは、「当たり前のことを当たり前にしている経営」といっても良いくらいですが、これがとても難しい。うっかりすると、自社の技術や知的財産が、思考の出発点になってしまいがちです。技術や知的財産はあくまでも武器でしかありません。その武器から考えるということは、高性能の武器が手に入ったので、めくらめっぽうに打ちまくっているようなもの。たまには敵に中るかもしれませんが、このような攻撃で勝てるわけがありませんね。

  2009.03.10

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• 真ん中で考えるんです

  先週の金曜日はお休みさせていただきました。木曜日からの続きです。ちょっと補足説明を。お客の立場から考えるといった時、「まず」という言葉を入れなくてはなりません。必要なのは、お客と競争相手と自社、この3つの真ん中で考えることです。ただ、いきなり真ん中には立てません。真ん中には何もないからですね。ですから、最初にお客の立場から考える。次に競争相手が何をしようとしているか把握する。そして、それらを踏まえて、自社で何ができるのかを考えていく。こういった手順が必要になるということです。お客様のいうがままになるということでは、決してありません。ここのところ、誤解しやすいですね。考えるスタートはお客様の立場。こう言った方がよいかもしれません。

  2009.03.09

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• お客様中心というけれど・・・

  日頃、お客様のことを考える時間を取らず、お客様のことをろくに考えてないくせに、「お客様のために」だとか、「お客様中心の」だとかいう社長がいます。これは、会社の規模の大小を問いません。見かけ上はお客様のことをよく考えているように見えますが、実際は自分のことを考えているに過ぎません。利益をもたらす手段として、お客を見ているに過ぎないからです。こういう会社ほどお客様に不便をかけさせたり、お客様に二度手間をかけさせたりしても、平然としています。この観点で商品開発をしたとしても、本当にお客様が必要としているものとはおおよそかけ離れた独りよがりの商品を作ってしまいがちです。お客様の立場から考えていないからです。自社の立場からお客様のことを見たに過ぎないからです。

  2009.03.05

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• 他人のことを考える時間

  アメリカの行動心理学者が道行く人に、「いま私が話しかける直前に何を考えてましたか」と訪ねる調査をしたそうです。その結果、97%までが自分のことを考えていて、他人のことを考えていたのはわずかに3%だったとのこと。かように人とは自分のことばかり考えている生き物です。この割合を1日の生活時間に当てはめると・・・睡眠時間を8時間として、起きている時間は16時間。その3%を他人のことを考えてる時間とみなすと、わずかに29分！残りの15時間31分は自分のことを考えているということ。これには愕然としますね。この29分をほぼ倍の1時間にしたらどうでしょうか。1日の中で1時間だけ時間を取って、家族のこと、友人のこと、お客様のこと・・・自分に関係のある人のことを真剣に考えたら、他人への関心の度合いが全然違ってくるでしょう。仕事時間に対する割合で考えると、1日8時間労働とし（もちろん社長はこれでは足りませんが）、その3%は約15分。その倍の30分、あるいは3倍の45分をお客様のことを考える時間とすれば、よりお客様のことが分かり、お客様の立場にまず立って考える経営ができるようになるでしょう。こういう習慣が身につくと、楽しくなりそうじゃありませんか。

  2009.03.04

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• 関心を寄せるということ

  このお客の立場に立つということ、言葉にすれば簡単ですが、いざ行おうとすると、とても難しい。お客の立場のつもりで、自分で勝手に作り上げたお客像に乗っかっているだけということが起こりがちです。なぜそうなるかというと、日頃からお客様のことを見ていないから。お客様に深く関心を寄せていないからです。お客様のお金には関心が深いのにね。恋愛で考えるとわかりやすい。ある人のことを好きになったとします。しばらくはその人のことをずっと考えている。でも、意外と彼女（彼）のことを知らなかったりしませんか？でも、自分の中では盛り上がっている（笑）その段階で急に告白したらどうでしょう・・・まあ、いい返事はもらえませんね。でも、ここで告白しちゃうような人って、彼女（彼）のことは分かったつもりになっていて、もう後は自分が告白してあげなければ・・・くらいに盛り上がったりしています。だから、「好きです。結婚してください。」などといきなり言いかねません。ちょっと怖いですね。怖いですか？困ったやつだと思いますか？恋愛事だと分かりやすいですよね。経営も同じことなのに、経営のことになるとこの困ったちゃんになる人が多い。平気で同じことをやっている。人に関心を寄せているようで、実は関心を寄せているのは自分のことばかり。そうなっていませんか？もちろん、経営でも、恋愛でも。

  2009.03.03

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• お客様の立場からになっていない

  2つの当たり前のこと、お客様のお金と自社の商品やサービスとを交換した瞬間にのみ粗利益が発生するということと、その商品やサービスを買うかどうかの決定権は、100%お客様にあるということ。ここから、導き出される結論は、まず最初にお客様の立場から考えなければならないということです。これも当たり前ですか？本当にお客様の立場から考えてますか？自社の技術から考え、あとづけでお客様の立場からの見方のようなものをそのことをやっていく根拠としていませんか？自社の技術でこんなことができるんじゃないか？それはお客様のこんなことが解決できるから、売れるだろう！この流れで考えているとすれば要注意です。自社の都合がまず来ているからです。まずお客様の立場で考えるのとは、似て非なるものとなっています。いや、全然逆なんですね。「自社商品の開発」の多くがうまく行かないのは、ほとんどがここに理由があります。

  2009.03.02

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• 2つの当たり前のこと

  粗利益は一体いつ、誰からもたらされるのか？それはお客様からに他なりませんね。そして、そのお客様のお金と自社の商品やサービスと交換した瞬間に粗利益が発生するのですね。それ以外に粗利益が発生することはありません。当たり前のことです。古今東西変わらぬことだから、当たり前のことなんですね。当たり前すぎて忘れがちでもあります。もう1つ大事なことが・・・それはお客様がその商品やサービスを買うかどうかは、100%お客様の手に握られているということ。売る側に選択権・決定権はないのです。これも当たり前のことですね。そしてこの2点、つまり、そのお客様のお金と自社の商品やサービスと交換した瞬間にのみ粗利益が発生するということと、その商品やサービスを買うかどうかの決定権は、100%お客様にあるということから、経営者はまず何をどういう視点で考えなくてはならないかが、はっきりしてきますね。

  2009.02.27

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• 原則をイチから考えてみると・・・

  知的財産を仮に技術面のものに絞って考えると、経営においてその技術というものは、何のためにあるかというと、端的にいって会社を成り立たせる、続けていくためです。趣味でやっていることの技術とは、ここが違いますね。プロとアマチュアの差ともいえるでしょう。この差は決して技術レベルの差だけではないのです。では、会社を成り立たせ継続させるためには何が必要か？それは粗利益です。工業簿記でいえば付加価値。売上でないことに注意です。極端なこと、仕入れ値よりも安く売れば、売上は発生してもその売上は、会社を存続させることができませんね。売上に注目すると、実態がよく見えなくなります。さて、その会社を成り立たせ継続させるために必要な粗利益は一体いつ、誰からもたらされるのでしょうか？この至極当たり前の問いが、技術を、知的財産を経営に生かすためにとても重要となります。

  2009.02.26

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• 技術も経営も同じこと

  経営の原理･原則を知っているのと知らないのとでは、大きな差になって表れます。ところが、特に技術系の社長の中には、経営に原理・原則があるなどと思いもよらず、ただ経験と間だけに頼った経営をしている人が多い。それが経営と呼べるとしたらですが・・・とにかく、経営を非科学的なものとして、半ば馬鹿にしているふしもあります。しかし、技術の世界では、決して原理・原則をおろそかにできないはずです。理屈に反したことをやれば、決してよい製品はできないですし、それどころか事故が起こる可能性もあります。物理や化学などの法則や原理に逆らうことはできないのですね。人の勘や感覚というものは、それらの基礎の上に乗って初めて生きます。技術系の社長なら、このことが身をもって分かっているはずです。ならば、経営も同じことだと、素直に考えればよいのです。何ら変わりはありません。だから、素直に同じことと受け入れさえすれば、経営の原理・原則の習得・理解は、文系の社長よりも早いはずです。だから、もったいない・・・素直になって、イチから考え直していくこと。これができるかどうか。それは技術をホントの意味で生かす道でもあります。

  2009.02.25

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• テクニックでなく原理原則

  人のやることだから、気まぐれで理屈は通用しないよ！多くの人がこう思っているのでは。心理学などというのもあるけれども、なんだか怪しいし・・・そもそも人がどう行動するかなんて研究するのは、いかに人を騙すかを考えているようで、そんなことはやりたくない。こんな片寄った見方が多いように思います。「経営のうまく行くやり方」なんて、騙しのテクニックそのものじゃないかと・・・（苦笑）そんなのいくら勉強してもうまくいかないよって（笑）もし、それがテクニックの話であれば、やはりうまく行かないでしょうね。多種多様な場面によって、使うべきテクニックは変わってくるからです。マニュアルどうりにはいかないよ！というのは、こういうことを指しています。でも、そのようなテクニックではなくて、根本的に、あるいは構造的に経営をやる上で守らなくてはならない原則、これを踏まえないと絶対うまくいかないという、原理原則についてならば、これはどんな場面においても通用します。逆に言えば、どんな場面にも通用するから、原理・原則と言えるのですね。現実にそういう原理・原則があるわけです。それは理論的に導き出されますし、多くの事例でそれは成立しています。その原理･原則を知っていると知らないとでは、大きな差になって表れますよね。

  2009.02.24

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• 事例から考えるということは・・・

  成功事例の後ろにあまたの失敗例があること、そしてその失敗例はなぜ失敗したのかを認識しなければ、下手な鉄砲数打ちゃ当たる式でしかないんですね。前回こう締めくくりました。経営について考える時に、事例を出してもらうと分かりやすいといわれます。確かに分かりやすいような気がします。いや、理解の手助けになることは間違いありません。ただし、それはまず原理原則をきちんと理解した場合にというただし書きがつくのです。それ抜きに事例だけを取り出した場合、どれが普遍性があり、どれが特殊性なのか、数少ない事例では判別がつきません。普遍性を取り出すには何百という事例が必要でしょう。そして、うまくいかなかった事例も、その中に含めて検討しなくてはなりません。これは技術や自然科学の分野では、当たり前のことですが、経営など人間のやることに関しては、「気まぐれ」を前提にしているせいか、なぜかこういったことが、当たり前になっていないのが不思議です。

  2009.02.23

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• 結局、経営戦略の実力の問題

  色々と書いてきましたが、結局、「経営戦略の勉強をしなくては始まりませんよ」というのが結論ですね。経営戦略の研究をコツコツと積み重ね、経営戦略の実力を高め、弱者の戦略に則って、自社の業種と規模に合った目標が、きちんと正しく設定できる。これがなければ、知的財産を生かす云々はないということです。なぜならば知的財産は手段であり、根本の目標が誤まっていれば、どんなにレベルの高い手段を持ってきても、それは全く無意味だからです。始めに知的財産ありき、ではないのです。「知的財産戦略」を論ずる時に、この点が最も欠けているところであり、議論を無意味にする原因となっています。結局、たまたまうまくいった事例ができるだけ。成功事例の後ろにあまたの失敗例があること、そしてその失敗例はなぜ失敗したのかを認識しなければ、下手な鉄砲数打ちゃ当たる式でしかないんですね。

  2009.02.20

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• 知識、理屈が必要

  昨日は都合によりお休みさせていただきました。すみませんでした。さて、経験だけではという話をしてましたね。経験だけでは、経験を外れた条件に対応できません。そのためには経験したことを一段高いレベルに持っていかなければなりませんね。そのためにはどうすればよいのか。そこに必要になるのが知識であり、理屈です。自らが経験したことについて、これは理屈でいうとどういうことになるのか、照し合わせて見ることが何より必要となります。そのことにより、体験が理屈上に体系化され、応用可能なものとなるのです。それとともに知識や理屈も机上の空虚なものから、実体験に裏打ちされた価値あるものに高まります。このように、体験×理屈＝応用知識という反応を得ることができれば、条件の変化にどう応じればよいのかが、自分の中から引き出せることになります。昨今のような急激な経済環境の変化が起こっても、おろおろとし、あらぬことをやってしまうことは、なくなるのですね。「理屈じゃないよ！」だとか、「知識ばっかり詰め込んでも・・・」とか言って、理屈の勉強を避けている人には、決して到達できないことです。

  2009.02.19

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• 経験だけの経営・経験だけの技術

  経験だけで経営しているとちょっと環境が変わっただけで、もう対応することができなくなります。環境が変化したにもかかわらず、過去の成功体験に頼ろうとすると、これはうまくいくはずがありませんね。前提条件が変わっているのですから・・・この誰が見ても明らかなことが、当人には全然見えなくなるから不思議です。成功体験が強烈であればあるほど、見えなくなってしまう傾向にありますね。経験だけに頼った経営の落とし穴です。そして、このことは技術に関しても、全く同じことがいえます。経験だけで築き上げた技術は、個人的な技能のレベルにとどまっています。根本的な技術革新が起こった時に、それについていけなくなります。というか、ついていこうとしなくなります。長年築き上げた従来のやり方こそ本物で、新しいものなどニセモノだ！という意識に陥るのですね。よくある話です。技術においても経験だけでは、前提条件が変わった時についていけなくなる。これでは価値あるものを生み出せませんね。

  2009.02.17

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• 後は野となれ山となれ

  経験というのはとても大事なことです。今はスキーシーズンですね。あなたはスキーをしますか？スキーを一度もしたことのない人が、スキーの滑り方の本をいくら読んでも、滑れるようにはなりませんね。滑れるようになるには、まずゲレンデにいって滑ってみなければならない。私は北海道で生まれ育ったので、小さい頃から冬になると滑っていました。最初は近所の公園の小さな築山。北海道の公園にはかなりの率でこれがあり、ちびっ子のためのゲレンデになっています。そして、徐々に本格的なスキー場へ。これも歩いていける範囲にありました。しかも結構急なスロープが。誰にも滑り方を習っていませんが、冬には毎日のように滑ってましたので、ほぼどんな斜面でも滑ることができます。経験だけで結構いけるんです。でも、きちんと習ったことがないので、フォームはいい加減。ターンも適当できたない！そもそもターンするのが面倒！という我流の滑りでしかありません。ですから、いきなり競技の場に出されたり、スキー場以外の斜面を滑らなくてはならなかったり、いつもと条件がちょっと変われば、それにどう対応していいのかわかりませんし、おそらく対応できません。度胸だけでいくしかなくなります。後は野となれ山となれ、です。そうです。経験だけで経営していると、「後は野となれ山となれ経営」に陥るのです。

  2009.02.16

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• 大いなる錯覚

  なぜ経営戦略の研究に対して、技術などの習得と同じように素直な心になれないのでしょうか？それは、「経営のことは分かっている」という大いなる錯覚がそうさせているからです。起業したての人はともかくとして、どの社長さんも経営者として、数年、十数年、数十年と曲がりなりにもやってきています。経験年数が多いほど、その間に成功した経験も多くお持ちのはず。こういった経験が、経営のことは分かっているという錯覚に陥らせるのです。しかし、聞きます。経営者となってから、あるいはその前から、経営について系統的に学び、訓練してきましたか？おそらくほとんどの方はNoではないでしょうか。技術については、そんなことありませんね。そうとは知らずに系統的な訓練を受けてきています。それがなければ、一流の技術者にはなれませんものね。では、経営だとなぜ平気なんでしょうか？経験だけで変化に対応できますか？

  2009.02.13

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• 技術は素直に学んだはず

  経営戦略の研究に対して、素直な心で臨む社長が少ない。このことが、経営戦略研究の軽視にもつながっています。技術系の社長の場合、その技術は最初から身についていたわけではありません。学校を卒業して社会に出てから、イチから学んでコツコツと積み上げてきたはずです。そして、今日のレベルに至ったわけですね。それで、最初の頃はどうだったでしょう？教えられたとおりにできるよう、繰り返し練習したのではないですか。いきなり自分流になんてやると、先輩のカミナリが落ちませんでしたか。そうです。技術を習得するためには、素直にマネをすることが大事なんですね。自分なりの工夫をするのは、かなりレベルが上がってからです。これは技術系の方にかかわらず、営業や経理やその他様々な分野においても全く同じことがいえますよね。経営戦略の研究だって同じです。なのにどうして経営戦略の研究に対して、素直な心になれないのでしょうか？

  2009.02.11

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• 騙されたと思って始めるしか・・・

  経営戦略は社長が担当しなくてはなりませんが、技術は社長以外の優秀な方に任せることができることを理解すれば、経営戦略の勉強を一刻も早く進めなくてはならないことが分かるのですが、経営戦略の勉強を進めないと、このことを深く理解できないという矛盾がある。昨日はこう結びました。つまり、勉強していない状態では、経営戦略の勉強の重要性がわからないのですね。だから、経営戦略の勉強をしないよりはした方がいいくらいに思ったり、ウチは技術の会社だから経営の勉強なんてと、半ば経営の勉強をバカにしたような態度を取ったり、様々な反応が起こるんですね。で、ほとんどの人が経営戦略の勉強を始めない。だから業績の良い会社が一握りしかない。こういう因果関係になっているんです。では、どうしたらいいかというと、ともかく騙されたと思って、経営戦略の勉強を始めてみて、その重要性について腑に落ちるまでやり続ける。これしかないんですね。そして、そのために必要なのは、素直な心です。素直に始めてみる、素直に考えてみる、素直に実行してみる。これです。ところが素直な社長は少ない！これも困ったものです。

  2009.02.10

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