知的財産を小さな会社の経営戦略に活かそう！

[事例研究] カテゴリの記事

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• さらに考えてみると

  昨日の話しの続きをもう1回だけ。ＪＲ東海バスもＪＲバス関東もネット予約は「高速バスネット」を利用しています。これはこの2社と西日本ＪＲバス、中国ＪＲバスの4社が共同管理しているサイトです。ところで、高速バスというのは、台風などにより運休になることが珍しくありません。つまり、運休による払い戻しが、年に何回かは確実に発生するのですね。ところが、このサイトでクレジットカードで決済した場合、わざわざ窓口に出向いて手続をしなくてはならない。これは直接現金で返還するのではなく、クレジットカードを通じた返還なのです。これはおかしくありませんか？自動に返金する、またはネットで返金手続をする。そのぐらいのことはできるはずです。運休だということは、一律に処理できるのですからね。そういうお客様に手間をかけさせない仕組みを作っていないのは、怠慢にほかならないと思います。本当にお客様のことを考えるということは、丁重に電話をかけてくることではないと考えますが、いかがでしょうか？ 

  2007.09.18

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• 自社に都合の悪い情報

  お客様中心の経営だとか、カスタマーサービスの重視だとか、やっていますという経営者は多いけど、自社に都合の悪い場面で、どれだけお客様中心になっているかどうかでその言葉が本物かどうかがわかります。先日の台風で乗る予定だった東京行きの夜行バスが運休になりました。「高速バスネット」を利用してインターネットで予約し、決済もネットで済ませてあったので、その払い戻しがとうなるのかがわかりません。この夜行バスはＪＲバス関東とＪＲ東海バスの共同運行路線です。ＪＲバス関東のwebサイトには、運休のお知らせの最後のところにweb決済した場合は1ヶ月以内に窓口へ申し出てくださいと明記してありました。ところがＪＲ東海バスのwebページには何も書かれていません。関東と同じ扱いなのだろうと思いながら、静岡駅のＪＲ東海バスの窓口に電話で確認しました。やはり同じとのこと。電話の応対は丁寧で好感がもたれました。30分ぐらい後にＪＲ東海バスから電話。おそらく静岡支店あたりからだと思いますが、運休のお詫びと払い戻しの方法の説明の電話でした。これには好感が持たれましたね。web予約している人の電話番号はわかっているので、個別対応が可能なんですね。ただ、web予約するような人は、まずwebで情報を探すでしょうから、そちらにもＪＲバス関東と同じように掲載すべきです。さらに言えば、台風などで運休になることは年に何回かあることですから、そのような場合の払い戻し方法について、常設のページに掲載しておくべきですね。これは交通機関全般にいえますが、個人的にキャンセルした時の手数料は明記することを忘れないのに、自社都合で払い戻しになる場合の対応方法はほとんど書かれていません。これで、「お客様中心の・・・」などと言っていたら、噴飯物ですね。お客様にとって大事な情報をわかりやすくきちんと伝える。これが大手ほどできていないので、中小企業がつけ入る隙があるのです。 

  2007.09.17

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• 新垣のちんすこう

  GWも今日が最終日。お菓子の話も今日が最後になります。北のお菓子から始めましたので、最終回は沖縄で。沖縄のお菓子で有名なのが、「ちんすこう」ですね。以前から「ちんすこう」を何度かお土産にもらって食べたことがあるのですが、何やら甘ったるいお菓子という印象で、あまり好きではありませんでした。ある時沖縄に出張で行ったとき、（それまでにも何度か行ってましたが）地元の方に、ちんすこうなら新垣のがいい、と聞き、さっそく「新垣のちんすこう」をお土産に買って帰ったところ、これが以前の「ちんすこう」と全然違いました。甘さはほどよく抑えられ、素朴な味わいのする優れたお菓子だったのです。もともとは琉球の貴族だけが食べられたというお菓子だけはあります。各地にある昔からのお菓子は、様々な菓子屋が作っていて、いろいろと現代風にアレンジされたりしていますが、オリジナルを一度は味わってみる必要がありますね。おっと、これはお菓子だけの話でも、食べ物だけの話でもないかもしれませんね。  

  2007.05.06

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• 自社のパクリも・・・

  有名なお菓子の真似をしたお菓子は全国各地に多いですが、ただ真似ただけでは、本物を乗り越えられませんね。これとは別に、自社の商品のパクリもあります。売れている商品の別バージョンです。でも、これもなかなか元の商品を超えることができません。売れている元の商品のイメージが強すぎるからでしょう。別バージョンが本当にうまくても、イメージのずれが生じて、やはりこちらが・・・となってしまうのですね。「白い恋人」に対してミルクチョコレートを使った「ブラックタイプ」、通称「黒い恋人」がそうですね。（余談ですが、かなり前に宮崎土産で「黒い恋人」というお菓子を目にしたことがあります。誰か実態を知ってる人いませんか？）仙台の「萩の月」に対するチョコレートクリームを使った「萩の調」というのもあるのですが、知ってますか？京都の「○○入生八橋」広島の「もみじ饅頭」沖縄の「ちんすこう」なども、バリエーションを増やせばいいってものでも・・・という状態ですね。バージョンを変化させるのなら、「八橋」→「生八橋」→「餡入生八橋」という一捻りした変化でなくては難しいですね。ところで、岩手土産で「餡入生南部せんべい」というのをもらったことがあります。生八橋のようですが、確かに南部煎餅でした・・・  

  2007.05.05

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• 饅頭は高級品だった

  「まんじゅう屋繁盛記」という本を読みました。塩瀬総本家の川島英子さんが書かれた本です。まんじゅうというと、どこにでもあるありふれたお菓子という印象がありましたが、もともとは、身分の高い方しか食べられない高級なお菓子だったとのこと。今日では、お土産屋にいくと、名前だけ変えただけのようなありふれた饅頭がたくさん積まれていますよね。また、スーパーやコンビニにも安い饅頭が売っていて、気軽に買うことができます。1個10円の小饅頭屋なんてのもあります。一方で、650年の伝統を持つ塩瀬まんじゅうのような高級感のある饅頭もあります。とはいっても、1個100円ちょっと。本饅頭でも315円と手の出ない価格ではありません。昔からの高級品の流れを汲みながら、庶民でも手の届く範囲になっているのです。だから、確かな材料を使い確かな腕できちんと作ったものであり、売り方に高級感をきちんと出して、謂れを付加することができれば、（できれば歴史が語られればいいのですが、こればかりは急につくれません）それなりの価格で売っても売れますね。一方、安く大量に機械で作り、それを売りさばくルートを持っていれば、それはそれで利益を出すことができます。そして、その中間のものは売れません。ただ、食べるのなら安いのがいいですし、ある程度お金を出すのなら、半端なものより、少しぐらい高くても謂れのあるものの方がいいですもね。この売れないところで苦戦している菓子屋が多いのではないでしょうか。このことは、饅頭だけでなく、羊羹でも何でも同じです。和菓子だけでなく、洋菓子でもそうですね。1粒1,000円以上のチョコレートが売れるんですから。  

  2007.05.04

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• 2つの安倍川餅

  静岡市の銘菓に「安倍川餅」があります。「あべかわもち」という名を知っている人は多いでしょうが、「あべかわ」が静岡市を流れる「安倍川」だということを知っている人は、案外少ないのではないでしょうか。もともと東海道の安倍川近くの茶屋に徳川家康が立ち寄ったところ、店主がきな粉を安倍川上流の砂金に見立てて餅にまぶして出したところ、家康は大いに喜び、安倍川餅と名づけたとされているものです。江戸時代に安倍川の渡しの茶屋で名物となった餅で、現在は静岡駅など各地で静岡土産として売られています。このようなお菓子は、周りの茶屋がすぐに真似をするので、今日でも様々なお菓子屋が同じ名前で作ることとなります。でも、一番有名なところと、そうでないところとが出てきて、差がついていることが多いですね。安倍川餅の場合は、「やまだいち」がダントツに有名で、その他のものを探すのは結構難しい状況です。どこが違っていたのか？販売戦略の差が大きかったのではないかと思います。昔ながらの茶屋の延長で、店舗売りしていたところと、駅やその他の観光ポイントに販売ルートを確保していった「やまだいち」との差があったのではないでしょうか。実は、もう1つ最近特に注目されている安倍川餅製造元があります。今も安倍川のたもとにある「石部(せきべ）屋」です。昔ながらのつきたての餅を提供し続けています。持ち帰るのも、遠いところには持たせてくれません。本来の「安倍川餅」なんですね。「やまだいち」と「石部屋」のどちらの行き方が正しいとか正しくないとかいうことではないのですね。同じ安倍川餅でも、商品・地域・客層のいずれも違うのです。そして、それぞれにNo.1なんですね。  

  2007.05.02

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• ナボナとおゝ垣、そしてひよこ

  東京銘菓「ナボナ」は有名ですね。食べたことのない、そしてＣＭを見たことのない私でも良く知っています。先日ある人のHPで「ナボナ｣と大垣銘菓「おゝ垣」との話が出ていました。良く似たお菓子とのこと。たぶん全国に似たようなお菓子があるのでしょう。そして、「おゝ垣」は「ナボナに似たお菓子」と紹介されているらしいです。人によっては「ナボナのパクリ菓子」との認識も・・・でも、「おゝ垣」の発売は昭和34年なのに対し、「ナボナ」は昭和38年と「おゝ垣」の方が古いようです。「ナボナ」がパクったわけではないでしょうが、似たような時期に似たような菓子があちこちで出てくることは多いようです。その場合、自分が一番知っているのが本物で、その他はニセモノという認識になりがちです。少なくとも大垣市内では、こちらの方が古くてうまいという認識をもってもらう工夫が必要なのでしょう。どれがパクリとはいえないお菓子というと、「ひよこ」があります。ただし、福岡の「ひよこ」と東京の「ひよこ」は同じもの。福岡の吉野堂が東京オリンピックを機に東京に会社をつくり、東京銘菓として売り出したのが東京の「ひよこ」なので念のため。「ひよこ」形のお菓子は、「ひよこ」以外にもたくさんあるのですね。二鶴堂との立体商標を巡る訴訟も起きています。で、関東のように必ずしも「ひよこ」が本物と認識されているわけでもないようです。関西では千鳥饅頭の方が有名ですし・・・どちらも飯塚で生まれたのですが、どっちがどう真似したのかしてないのか、最早ほんとうのところは分からないのでしょう。結局は、営業的にその地域で勝っている方が、本物的扱いを受けるということですね。全国的に有名にならなくても、販売対象とする地域での営業戦略および地域戦略が大事になるのです。  

  2007.05.01

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• 「本物」と「偽物」

  今日イトーヨーカドーへ行ったら、スイーツフェアーなるものをやっていて、「マルセイバターサンド」を売っていたので思わず買ってしまいました。（笑)さて、今日は本物と偽物の話です。北海道銘菓のひとつに「わかさいも」というのがあります。洞爺湖のお菓子で、さつまいもを一切使わず、やきいもを再現したお菓子です。この「わかさいも」は札幌や新千歳空港でも買えるメジャーなお菓子なのですが、北海道の札幌から西南方面の各地には「いも風味」「わかさっこいも」「わかさ屋いも」などといった「偽物」がいくつかあります。（わかさっこいもは今はないようですが・・・）これらは、「わかさいも」を真似たものと思っていましたが、調べてみるとどうもそうでもないようなのです。いろいろと調べた人がいますが、どうも全ては寿都町の若狭屋老舗に行き着くらしい。つまり「わかさ屋いも」がルーツで、大正から昭和初期の頃に様々に分かれていったようです。どこも自分のところの話しか語っていないので、相互関係は不明なのですが・・・ほぼ同じ立場だった中で、「わかさいも」だけが有名になり、その結果、他のものが偽物のようになってしまったようです。先に偽物に「」を付けたのはそういう意味です。「わかさいも」だけが、なぜ有名になったのか、調べていないのでわかりません。たぶん営業的に優れていたのでしょう。でも、そのことで、お客様からみると、「本物」と「偽物」という差を生んだのですね。お菓子の世界では、こういうことが多いようですね。以前ここにも書いた「赤福餅」と「御福餅」もその典型例です。市場を押さえた方が「本物」になっていき、売上でも大きな差が付くのですね。   

  2007.04.30

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• 帯広千秋庵を知っていますか？

  昨日の話しに六花亭の名前がでてきました。誰もが知っている北海道を代表する菓子メーカーですが、この名前の歴史は30年ほどしかありません。昭和52年以前は、帯広千秋庵という名でした。「千秋庵」というのは、函館の総本家が起源で、小樽、旭川、釧路にのれん分けし、小樽から札幌が、さらに札幌から帯広がのれん分けしています。帯広千秋庵に大きな転機が訪れたのは、昭和43年に発売した日本で初めてのホワイトチョコレートです。当初はそんなに売れていませんでしたが、昭和46年頃から「カニ族」の間で、帯広に行くと白いチョコレートというものがあるらしいと噂が広がるようになり、一気にヒット商品に成長したのです。私はその頃中学生で、帯広に比較的近い釧路に住んでいましたが、白いチョコって想像もつかなかった時代ですから、その衝撃はおおきかったですね。他にないものというのは、最初は売るのに苦労しますが、その苦労を補って余りあるものがありますね。ホワイトチョコレートを広げて行きたいところでしたが、札幌千秋庵との軋轢を生んでいきます。のれん分けした経緯から、勝手に札幌などへ出店することはできません。最終的には、千秋庵ののれんを返上することで解決を図ったのでした。これは大きな決断ですね。でも、「千秋庵」という枠から商品が外れていき、のれんと商品、のれんと客層が合わなくなってきたのも事実でした。こうして、「六花亭」が生まれ、帯広銘菓から北海道銘菓へと変わっていったのです。そして、大ヒット商品「マルセイバターサンド」へつながっていくのですね。六花亭も道外に店舗展開をしていません。本州の物産展では白い恋人よりも目にしますが、基本的に北海道に行かないと買えない、北海道に行ったら必ず買いたい、そういう存在を守り続けています。帯広から札幌へ進出しましたが、ただ闇雲に拡大路線を取ったわけではないのですね。  

  2007.04.29

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• 白い恋人

  ＧＷ特別編は、お菓子の話にします。第１回の今日は、「白い恋人」です。「白い恋人」といえば、知らない人がほとんどいないのではないでしょうか。北海道土産として絶大な人気を誇っていますよね。「白い恋人」が世に出たのは昭和５１年。今でこそ、似たようなお菓子が全国各地で出されていますが、ラングドシャークッキーにホワイトチョコレートを挟むというのは、とても斬新だったと記憶しています。製造元の石屋製菓は、「白い恋人」の大ヒットで一躍有名になりましたが、それまでは無名のメーカーでした。昭和２２年創業、同３４年会社化と、それなりの歴史があるのですが、ほとんど記憶にないのです。調べてみると「白い恋人」の前に「シェルター」というラングドシャークッキーを出しているようです。これが、記憶にある「シェルター」ならば、地下鉄南北線の地上部を覆っているシェルターにちなんだお菓子ですので、昭和４６年頃の発売でしょうか。この「シェルター」が「白い恋人」を生み出す下地になっているのですね。石屋製菓のＨＰによると、チョコレートを手を汚さずに食べられる方法はないか？ということで、ラングドシャークッキーで挟んでみたとのこと。普通のチョコレートでなく、ホワイトチョコレートにしたのは、帯広の六花亭のホワイトチョコレートがその当時ヒットしていたことが、意識的にしろ、無意識にしろ関係しているのではないでしょうか。大ヒットとた「白い恋人」ですが、お菓子としての構成はとても簡単です。真似しようと思えばいくらでもできますし、事実、類似品があちこちにあります。でも、それらはお客からみて、すべて「白い恋人」のニセモノなんですね。発売後に市場を押さえたことによって、ラングドシャークッキー＋ホワイトチョコレート＝白い恋人という図式が出来上がったので、他はすべて二番煎じ・三番煎じ扱いなのです。また、「白い恋人」が、秋の百貨店の北海道物産展を除き、未だに北海道でしか買えないことも見逃せません。北海道土産としての位置づけをきちんと守り通しているのですね。まさに、磐石の構えです。あとは、コンサドーレ札幌が、Ｊ１に復帰できれば言うことないのですが・・・  

  2007.04.28

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