ポジショニングの根っこ
ビジョナリー・カンパニーの「針鼠の概念」の話をしましたが、これと似たような概念、あるいは一見すると大きく違うように見えて、実は、ほとんど同じ方向を指し示している言葉が、優れた経営者から様々に発せられています。逆にこれに類する概念がない経営者は、いかに表面上輝いていても、本物とは言い難く、やがて表舞台を去るときがやってくるでしょう。これ、「経営者」を「コンサルタント」に置き換えてもいいですよ。よいコンサルタントの見極め方になります。たとえば、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文氏。当たり前のことを当たり前にやると儲かるという主旨のことを言っているとのこと。この簡単に語られている「当たり前」という言葉に深い意味が凝縮されていますよね。同じ「当たり前」という言葉を田舎のゲリラマーケッターさんがポジショニングを語る時に用いています。全く同じ意味ではありませんが、指し示す方向性は共通しています。まだまだ例がありますが、キリがなくなるのでおいおい紹介するとして、結局は、この辺のところがポジショニングの最も重要なところといえるのではないでしょうか。その重要な部分、その仕事が楽しい、意欲が湧くといった気持ちの部分を除いた理屈の部分は、ランチェスター経営戦略を学んでいくのがもっとも理解しやすいと私は感じています。というところで、一旦ポジショニングの話は終わります。(というより、これからは折に触れて話します)今年の本編も今日が最後になります。2月14日に始まり延々と書き綴ってきましたが、お付き合いいただきありがとうございました。新年からは、「知的財産と経営戦略」というテーマを掘り下げてみたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(年末年始は携帯で何回か投稿するかもしれません)