お客を手段にする発明
味の素の蓋の穴、俗説どおりのアイデアだったとすると、そのアイデアはどうでしょうか?一見するとよいアイデアのように思えます。実際、良い事例として話されていますね。でも、ちょっと考えてみてください。穴を大きくして使用量を増やすというのは、売上を増やすのが目的です。売上を増やしたいというのは、売る側の都合ですね。お客様から見たらどうなるでしょうか?穴が大きくなったことはお客様に何の利益ももたらしません。(湯気で詰まることを防止するという、本当のところの利点は今は考えないことにします)ではお客様にとっての変化は何かというと、減る量が知らず知らず増えているということと、1回当りの使用量が増えることにより、少しずつ味覚が変化してしまうといったところでしょう。これは、お客様の望むところではないですね。お客様のプラスになっていません。つまり、これはどういうことかと言うと、お客様を手段として、売上増という目的を達成した、ということなのですね。これは許されることなのでしょうか? いや、企業ならそんなこと当り前ではないか?そう思う人も多いことでしょう。でも、本当にそうですか?