食べる速さと発達の遅れ
又子供の虐待事件がありました。子供が食べるのが遅かったのが原因のようです。忙しい時にゆっくり食べているといらつくのでしょうが、それで子供を責めるのはひどすぎます。子供が同年齢の子より遅れていると心配にもなりあせるものです。両親どちらかでも誰かに聞いたり相談できなかったかと思うと残念です。学校側や教育委員会もなぜ未然にわからなかったのかと責められていますが、なかなかプライベ-トに立ち入る事も難しく、両親のほうも自ら助けを求めていないと外部のものを拒否してしまうのではないかと思います。私の息子も食べるのが遅いし、食べる量も少なかったです。私も小学校低学年までは食べるのが遅く、給食がつらく嫌いでした。だから食べられない子の気持ちが少しはわかります。食べる事を強制されたり、せかされると余計に食べずらくなるものです。食べなくて生きていけるのかと親は心配になるものです。息子も小学校5年生頃までは食べる量も少なく、30分たってもほとんど減っていなかったのですが、元気でしたし、おなかもすかないようでした。背は高かったですがやはりやせていました。運動量も少なかったし、少しの量でも足りていたのではと思います。又、学校など外では緊張もあったのだと思います。今の小学生の給食はメニュ-も豊富で残されて全部食べなければならない事もないので、まだ私の頃よりは良くなった気がします。成長の標準にはずれてしまうと、気長に待つといっても、私のように気長の性格でもさすがに心配になる事もありました。息子は3ヶ月検診で首が座らず、2歳児検診で言葉が話せず、いつも異常扱いでした。CTの結果、前頭葉の発達が少し遅れている事がわかりましたが、医学的には特に問題がないそうでした。それでも小学校入学までは定期的に大学病院の小児科の発達障害の専門の先生にみてもらっていました。少し不器用なだけで知能には問題がなく、普通に小学校に行けると言われほっとしました。言葉は市で行っている言葉の相談室に通い、4歳ぐらいからは話せるようになりました。言葉が話せない、遅いのもとても心配なものです。その後、運動会などの行事を嫌がりましたし、集団生活になじむのが難しかったようで、2回ほど登校拒否になりました。もう学校に行かないのではとさすがに私もあせりました。じっと待つといっても待てなくてあちこち相談に行きましたが、話は聞いてくれても解決にはなりませんでした。それでも私は誰かに気持ちを話した事で気持ちは楽になりました。ノンフィクションでも自閉症で日本では社会に受け入れられなくて、タイで頑張って生きようとする男性を取材していました。目で見てわからない障害がある人にとって、社会は厳しいなと思いました。息子はその後良く食べるようになり、食べる速度も速くてびっくりするくらいに変わりました。高校も嫌がらずに行っています。ただ、今のように就職が厳しい状況で1人でも生きていけるようになるかと考えると心配はきりがありません。人間を一人前になるように育てる事は大変な事だとつくづく思います。子供もそうですが、親の支援も大事ですし、周りのものや社会もあったかい目で見守る必要があると思います。