一月もはや終わりである
一月も今日で終わりで、今年も残すところ、あと11ヶ月ということになってしまった。そこで、ちょっと思い立って、今月に買い集めた本を調べてみた。 ゲド戦記 影との戦い ル=グウィン 岩波同時代ライブラリー 錬金術と無意識の心理学 C.G.ユング 講談社+α新書 科学論入門 佐々木 力 岩波新書 信長と天皇 今谷 明 講談社現代新書 梶井基次郎全集 ちくま文庫 トクヴィル 小山 勉 ちくま学芸文庫 木橋 永山 則夫 河出文庫 定本 奇人研究Z 奇人研究学会 ちくま文庫 由熙 ナビ・タリョン 李 良枝 講談社文芸文庫 渋江抽斎 森 鴎外 中公文庫 気流の鳴る音 真木 悠介 ちくま文庫 ドラコニア奇譚集 澁澤龍彦 河出文庫 夢の宇宙誌 澁澤龍彦 河出文庫 ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス 岩波文庫 日本の歴史をよみなおす 網野善彦 ちくま学芸文庫 たぶんもうちょっとあるような気もする。ただし、白状すると、このうちちゃんと最後まで読んだのは、一番下の一冊だけであり、残りは全部机の上に重ねたままである。ううっ、悲しい。 なんとか、まとまった時間が欲しいものである。だったら、やくざなブログ記事なんか書くなって。まさにそのとおりであって、そう言われると、まことに返す言葉がない。 で、これだけの本を買うのにいくらかかったかというと、たった3,150円である。というのも、最後の2冊を除いて、すべて近くのブックオフで、一冊105円で買った本だからである。 ちなみに、以上の本をすべて定価で買ったとすれば12,366円である。したがって、差し引き9,216円儲かったことになる。ただし、古本の中には今はもっと高い値がついているのもあるだろう。むろん、儲けといってもあくまでも想像上の話ではあるが。 さて、ずらりと並べた書名を眺めてみると、われながらその統一性のなさにあきれてしまう。まさに、濫読・雑学のきわみである。しかし、こういう特定の分野などにこだわらない手当たり次第の読書にも、それなりの効果はあるものである。 それは、いわゆる 「トンデモ」 説とか 「トンデモ」 本の類に、引っかからずにすむようになるということである。また、「トンデモ」 本の類でも、日頃からいくらか読んでおけば、自分で自分に免疫をつけておくということにもなる。 ところで一ヶ月の間に10冊以上の本を買って、そのうち実際に読んだのはたった1冊にすぎないとすれば、どう考えても月に10冊を超える未読の本が溜まっていくことになる。 これは、細い下水管に大量の汚水がどどっと注ぎ込んで、あふれ出すのと同じ理屈である。実際に、わが家の書棚からは、すでに書物が収まりきらずにあふれ出しているのであり、溜まっている古い本からいくら読んでいっても追っつかない状況である。 ほんとうは、未読の本をちゃんと消化してから、次の本を買うべきなのだろう。すでにもう、残りの人生を過ごすのに十分なくらいの未読の本が溜まっていて、なかには高校時代に買ったまま、30年以上もの間、すやすやと眠っているままの文庫本とかもあるくらいなのだ。 だが、仕事の合間の息抜きといったら、散歩をかねたブックオフ巡りぐらいしかなく、そこで、面白そうな本を見つけたらついつい買い込んでしまうのだ。なにしろ、古本との出会いは、まさに 「一期一会」 とも言うべきものであるから。 とにかく、1冊105円といえば、缶コーヒー1本よりも安いのだから、これという本を見つけたら買わない手はない。 というわけで、わが家には未読の本が次々と溜まってゆくのであるが、これは、すべてそのような安値で本を売っているブックオフの責任なのであって、けっして私の責任ではないのである。