春の雨は・・・
真っ直ぐ帰宅するつもりが角打ち(立ち呑み)のM酒店の引き戸を開けて喉を潤してしまった。缶ビール1本と、球磨焼酎「川辺」のロックを一杯飲み干し外を見るといつの間にか陽が落ちてポツリポツリと降り始めた雨は路面を塗らしていた。今日は是だけで早々と家路へ。バスを降りると傘を持っていなかった私の髪と肩に柔らかい雨が落ちてきた。一昨日の早朝の熊本市内バス停から自宅マンションまでの数百メートル、歩きながらなぜか早くして逝った先輩、同僚、後輩の顔が浮かんできた。N君が亡くなったときは花見の季節、I君が亡くなった日は5月の連休の狭間だった。二人の温厚な人柄と笑顔、春の静かな柔らかな雨はなぜか彼らを忍ばさせてくれた。N君が逝って9年、I君が逝って6年の月日が流れようとしている。