歌う
ず~っとベーシストとしてやってきてますが、やっぱり歌う必要性というのはついてまわります。コーラスはもちろん、メインヴォーカルの持ち曲も必要になってきます。メンバーが多いバンドならともかく3人、4人のバンドとなると一人がず~っと歌ってるよりたまに他の人が歌った方が趣が変わって飽きない...とかそういう事みたいです。で、私も持ち曲は何曲かはあるんですけど、いつも歌いながら「この曲、意味あんのか!?」という感じがぬぐえないのです 笑。うちらはブライアンのオリジナルを全面に売ってるけど、私が歌うのは全部カバー。そこそこ誰でも知ってるような曲を選んでいます。最初から練習するのは面倒なので、自分が好きでよく歌ってたような曲を選びます。一昔前、ラウンジバーみたいな所では私の曲は客もバンドメンバーも「あ、そ」みたいな反応でしたが、最近やたらフェミニストみたいな人達が増えてて、やたら私を前面に出そうとするというか、「後ろでひっこんでる女性ベーシストをスポットライトに引っ張り出す私すてき」思想の人達が多くて私が何歌おうとどんなに音程が外れてようと盛り上がってくれるのです。歌唱力は今も昔も全然変わってないと思うのですが。…はっきり言って後で聞き返して自分の声に「うわ!」っとなって動画をスキップするくらいの自己評価なんですけども...。 んで、最近歌い始めたある曲、アメリカの1967年の曲なんですけど、ただ私が好きで、簡単だし歌いなれてたというだけで歌ってて、そのへんのクラブなんかではみんな「はぁ...」って感じでした。でもこないだシニアリビングみたいな、お年寄りが住んでるエリアの仕事に行ってその曲をやったら、もう最初の歌い出しで拍手。老夫婦が沢山スローダンスをしていました。私の音楽のセンスはこの人達くらいなんだな。ブライアンより一回り上くらいです。で、数週間前のギグの時、オーナーが見ていて、「パッツィ・クラインのクレイジー」となんかのはずみで言ったので、何とか知ってる範囲で歌ってみたらなぜかちょっとできました。きっと昔誰かのヘルプの時に練習したんだろな。じゃあせっかくだからやろうか、と本格的にレパートリーに入れる事に。昨日初めてギグで歌ったら、もう歌い出しで拍手が来ました。今日は(私は歌詞を間違えないように必死で見てなかったけど)ブライアンが、女性のお客さんが号泣してたと。そのセットの休憩では沢山のお客さんが歌を褒めてくれました。後から来た人はもう一回やってくれと懇願(それは調子にのりすぎてるみたいでハズイので勘弁してもらったけど)。ブライアンも私も予想以上のこの反応には驚いて、はっきり言ってすごい気分いいんですけどw, でも私は現実主義者。知ってるんです、歌い手は誰でもいい事。みんな曲に反応してるんです。「この曲好き~!」なんです。じゃなければ第一声で拍手なんてこないですよ。大してうまくもないのに。ありがたいですよ。ありがたいけどここで勘違いして「あたしすごいじゃん」ってなると、どこにでもいるヒットばっかり追うカバーバンドになってしまう。素直に喜べない自分がいます。ちなみにむっちゃカントリーの曲です。