[実話控え]の記事一覧 | soul-eye

ネタバレ５「最後」

こうして改めて考察をすると、とても恥ずかしいものです英雄の泣き笑いシーンはそのままの私ですから菅原が却ってフィクション化しています、私の名前なのに第一の人格、第二の人格、そしてトリックスターが融合して、最後の焼肉屋のシーンで三者とも同じ人格になるこれは大人が通る思春期の形です人生の理想ですまた、ユング心理学では男の中にも女の人格がいて女の中に男の人格がいると言われており、どちらが強く表現されているかが男女の違いなのだと言いますが少女である晶は、菅原、千晶、英雄の人格がごっちゃになっている存在です子供には、様々な人格が混在していますそれだからこそ、晶が最後に全てをまとめる事ができました子供には、これから思春期を通して自らの第一人格を選択しますそのために必要なのが反抗期ですね反抗期は自ら内包している様々な人格との議論と言えるのではないでしょうか最も議論相手として重要なのが、最も自分の人格の中で強く生きている親なのですから友達や周りの大人など様々な人格と接している間に、自分が選択すべき第一の人格を決定しなければいけないのですから、多くの議論の場を持ちたがりますそして思春期を通し決められた第一の人格の裏に、第二の人格が隠れています晶は電話で聞いた娘の話をそのまま動かしました晶の心情も、彼女から聞いた娘の台詞を通してそのまま使いましたそのままではありませんね私の理想も若干入っています英雄との交流はほとんど書かれていません菅原と云う名前で間接的に交流させています（本名が菅原なのに菅原が間接的だというのでは分からなくなりますね。古くからの友人などは、私の風貌、声、性格を知っているので、読んでいるうちにますますごっちゃになって分からなくなったようです。普通に読めば良いんですがね）正直、英雄との交流は想像ができませんでしたつまり当時の私では子供とどう接するのかと云うことが想像できないというところですそこを、第三の人格になりかけた作中の「菅原」ができたという事は今ならできるということでしょうか娘にとっては迷惑な話でしょうが大人が第二の思春期に入っている時に子供がいるということは自らを、子供を通して見つめ直す事ができるということなのでしょうねそして同じ時期に、大人は第三の人格を発見し、子供は第一の思春期を通して第一の人格を自覚するというのが時期的に理想なのでしょうこの時期、私が真実を知ったのもこれを書き上げたのも私の第二の思春期が終わったのを示していると思います（ユング心理学は恐ろしい）物語の中で皆が揃っている焼肉屋のテーブルは人間そのものです最終章では菅原以外はちゃんと男性の人格、女性の人格がセットで同席していますこれも計算したわけではありませんが、これに関しては私の現実をはっきりさせています本当に最終章は恥ずかしい小説ですまともに登場人物たちのディティールや情景描写を丁寧に描けば、それなりの小説になりそうですが、よくよく考えれば小説や映画ではよくある話なのかな、と私の癒しのための小説として、あの勢いで書いたから良かったのだろうな、と思っています晶はどの人格を選ぶのでしょうか“男の世界に巻き込まれても女は女を貫きそして男は女を守る”そのような女性になってもらいそのような男性にめぐり合ってもらいたいものです晶は小野寺のおじさん（だから誰だよ、一体彼は）を通して、きっと今回の事件も知る事になります英雄を父に持ち、菅原のおじさんがいて、川中のおじさんがいて、崔のおじさんがいて、千晶、和代、みどりがいて、そして優しいお祖父さんのような存在の小野寺のおじさんがいて、波乱に富まないわけがありません“男の世界に巻き込まれても女は女を貫きそして男は女を守る”そういう青春を生きて欲しいものですそういう冒険をして欲しいものです恥ずかしながらこのネタバレを書いた意味を今知りました。私は娘にとって、「菅原のおじさん」になりたかったのだと思いますせめて菅原のおじさんと呼ばれたかったとそして、この物語が象徴しているのは・・・晶にとって本当のお父さん（英雄：結局昔の自分）を連れてきた菅原のおじさん（今の自分）という関係が象徴しているのは、自分が娘に会って名乗りたいということなのですね叶わぬことですが面白いもので、最終章を書き終えて、やっと私の文体が決まりました前に書いたものは様々な小説家の文体を活用して書いていましたがこの文体が自分には合っているようですこれはあいあいぜっとさんと、反抗期の娘とバトルしている母さんの二人の影響が大きいです二人の記事を毎日読んでいるうちに、とうとうこの文体になりましたこれからはこの文体でいけますこれまでは、何を書いても自分の強いキャラクターが物語りの登場人物全てに影響を与えとても扁平なものになっていたと思いますもし次に何かを書くとすれば本当にフィクションを書くことが出来ると思います＜余談：喧嘩のシーンについて＞反抗期の娘とバトルしている母さんに喧嘩のシーンがリアルだと褒められましたが、友人に話したところ「そりゃ、リアルだろうな」と簡単に答えられました大人数を相手にするには囲まれない事が重要です人間を盾にすることも大事です空手バカ一代で「大人数を相手にする時は一番強い奴を狙え」というのは嘘です一番弱い奴を盾にして（弱い奴は自由になりやすい）、その盾が使い物にならなくなったら（つまり同士討ちでやられてくれる）次に弱い奴を盾にしてを繰り返して、むこうの戦意を削ぐのが理想ですマス大山は自分があいての一番強い奴より強いから言えますが現実はそうはいきません戦略と戦術は鵺のように状況によって変わります今では二度としたくありませんしかしやらないのとできないのは違います（byアントニオ猪木）（了）

ネタバレ４「最終章再開」

さて、その別れをある程度消化するまで３ヶ月かかりました二度目の別れの直後、あいあいぜっとさんのブログを知りましたクリスマスシリーズなどは本当に泣きましたこのような気持ちでいるのだなと想像しては読み直して泣いていました何かと符合のある加藤英雄無頼控えですまだまだ私は恐ろしくて最終章の事を忘れようとしていました暫くして、私は血を吐き続けましたいつも最後まで病気を気付かない私ですので、仮に手遅れであったのなら「もしかして胃癌だったら、流石に二人に会えるかもしれない」などと考えて、病院に行かなかったのですが人間ドックで、結局ただの胃潰瘍と分かりました丈夫だ！しかしながらこれで先の英雄の入院理由が決まりましたそして、シェイクスピア・カンパニーのハムレットの初演をみて自分が携わったモノが一つの形になったのを見届けた後二人に会えないまでも自分で何か決着をつけなければとの衝動が沸き起こりゴールデンウイークでの細谷十太夫シリーズで石巻に下りた時の印象そのままを第一話として始めましたこの物語菅原がほとんど主人公ですこれまでの加藤英雄無頼控えでは、菅原は語り部でしたこの語り部の菅原は、ユング心理学でいうもう一人の自分シャドウということになるのでしょうかそれが今度は主人公ですユング心理学でいえば私における第一の人格が英雄で、第二の人格が菅原ということになりますが今回の菅原は、これまでの英雄のキャラクターも内包し私としては、人生の後半期を生きる第三の人格になっていますユング心理学のテキスト通りですこの菅原を描くことができるようになった事は私自身の性格が随分変わってきた証明ですそして川中川中は、これもユング心理学からから言葉を借りればトリックスターというところで普通の人の深層心理のトリックスターは非常に悪戯っ子で典型的なのが「普段はいい人なのに酒を飲むとねえ」で、通常の場合はふいにおきる常識を破った悪戯心を支配している人格ですところが私にとって第一の人格の英雄はハチャメチャで、第二の人格の方の菅原も英雄ほどではなくても悪戯っ子で一般的なトリックスターが登場する場面がありませんそこで川中は、三人の中で明確にアウト・ローでありながら、最も人間らしい、悩みを抱えた人格になっていますあとの二人はものを９０秒以上考えられません言い方を変えれば９０秒以内で考え終わる・・・なわけないかしかしながらこの三人、計算をして人格設定をしたわけではありません最後の「二代目無頼控え誕生」の焼肉屋のシーンで、台詞回しが三人とも同じになった時につまり、三人がほぼ同じ人格になった時に昔読んだユングの本を思い出しこのように考察する事ができ「加藤英雄無頼控え最終章」が私の癒しの物語だったのかということが分かりましたところが構想をほぼ最後まで進めても肝心の英雄の１２年前、千晶の１２年間がさっぱり分かりませんでしたその少し前、反抗期の娘とバトルしている母さんが無頼控えのファンになってくれましたこんなもののファンになってしまって大丈夫なのだろうかととても心配しましたがこうして感想を毎日書いてくれる方がいるのだからと色々考えましたしかし、さっぱり浮かびませんそんな時、先に登場した彼女の話を教えてくれた人とまた再会しましたかなり酔ってから彼女の結婚相手の事を聞くことができましたこれも彼が彼女から聞いた話なのでしょうが、最初の時は私を気遣って話してくれなかったのでしょうねまさに、彼もそこまで酔わなければ口にもしたくない男の腐った話でした当時の私が最も天敵として闘っていた金と権力で何でも思い通りにしようとする男の話でした（今では、そういった男がいるのだなと諦めの気持ちが多い自分がいます。昔はストレートに口に出し挑発したものでした）事実はあそこまでドロドロしていません加藤英雄無頼控えであるのでドロドロにしましたしかし親子、そして兄弟で一人の女を争ったのは事実です私がいなくなった不安で結婚し但し、それは彼女が選択したもの（彼女が私と一緒に町を出れない事情は病気でした）ですがしかしいくら気丈な彼女でもどれだけ辛かったか“これが英雄なら”若い英雄なら（つまり昔の私なら）間違いなく右ストレート一本で通したでしょうしかし英雄は病気です病気でなければ千晶と晶には会えませんまた、１２年前の事件は英雄が殺されかけた話にしましたが、当時の私ではあってもおかしくない状況だったからです当時は全くそんな危険な状態だと気付きませんでした、日常すぎて腕っぷしの世界に少しでもいた人間なら格闘家、ヤクザ、チンピラ、軍人、政治、権力とは大体闘うようになっています「その位なければ恋をしたって言わないでしょう」この台詞を言う女と付き合うというのは、そういう事だったのです、今思えば私はとくだん事件に巻き込まれたわけでもなかったのですが、自然体でさまざまな敵を撃退していたようです存在だけでどんな奴だったのでしょう今では他人の話のようです彼女は頭の良い女性です、アウト・ローとして一つの理由だけで動きません彼女が身を引いたという台詞を考察すれば私の命が危なかったのも含まれていたかもしれません菅原が晶を呼んで話すところを「最後の戦い」と銘打ったのは、腕っぷしではどうにも出来ない世界を私が知った証でもありますこの１０年、その世界の存在を明確にできずモヤモヤしていたのが解消された瞬間でもありました英雄のような男、つまり私のような男が一番の強敵なのが家族であり子供に象徴されるものだったのです反抗期の娘を持つ母の愚痴を聞いてくださいブログだよっ♪ゆゆゆのゆぅ～♪kanae's　favoriteその私の強敵に敢然と立ち向かうＧ－ＭＥＮ７５（本当はプレイ・ガールか。どっちも古い）姿をここに見ましたチャーリーズ・エンジェルが正しかったでしょうか

ネタバレ３「最終章中断」

「なによ、あんたの今の給料。私と変わらないじゃない。しかも平社員何であたしが身を引いたと思っているのよ。馬鹿じゃない」「バカバカ言うなよ」「どうせ、喧嘩ばかりしたんでしょう」「会社で暴力事件を起こしたのはちょっとだけだ」「・・・ふ～ん。会社でねえ。何かそれもあんたらしくていいわね。ちょっと安心したわ」「ふふっ、安心って何だよ」「車は？やっぱりスポーツカー」「たまたまだけどな。昔のＺに似ているやつ」「変わらないわね。昔、フェアレディはお前に似ているなって言ったの覚えている」「そうだったな。今のはもっと似ているかも」（本当に覚えていたのか！）「ね、あんた“組”起こしたらいいじゃないあんたにはそっちがずっと合ってるわよやめなさいよサラリーマンなんて。この町に帰ってきてさ・・・」「今更ヤクザができるかな。でも、お前が居ればできるかもな」「ははっ、やっぱりヤクザはだめよ」という会話もありましたこの会話の時までは娘の話は出ていませんこの後に、最終章での会話が続きますこの会話は最終章では省きました英雄は元々アウト・ローですので、この会話は合いません私はあくまでイン・ローの人間ですイン・ローの人間に対する会話としては面白いのですがねしかしながら、当時も、そして今も、彼女はイン・ローでありながら無頼な私が面白くてしようがなかったのでしょうねこうして書いていて気付いたのですが、「この町に帰ってきてさ」というのは、帰ってきて欲しいという気持ちがあったのかもしれませんし、その後に続く「やっぱりヤクザはだめ」は、やっぱり戻ってこないで、という気持ちの表れなのかもしれません会った当時の彼女は、ほとんどアウト・ローでした娘を当時の仲間の誰にも会わせていないという位無頼な生活をしていました彼女こそ無頼控えでしたしかし彼女が昔も今も私に確認した事は「あんたって、女に暴力振るわないよね」でした振るうわけがありません彼女はイン・ローとアウト・ローの橋渡しに私を選んだのかもしれません再会した私達は、一週間ほど飽きずに毎日毎日話しました今月三人で会おうとも話をし、私はともかく子供には絶対に好かれてやろうと、どんな格好で会おうか、白髪は染めるかなど、生まれて初めて人に好かれようと意識をしましたある日「絶対会わないし、もう連絡もしないで。あの子はあたしだけの子なんだから。やっぱり会わせられない。会わせれば分かる。あの子はもの凄く勘の強い子だから。すぐ分かるのよ」と言われましたわずか二週間だけの再会でした私は考えましたなんて冷たい女だとも思いましたそんな事を言うならなぜ伝えたのだ、娘の存在を、と俺の存在が分かっても良いではないか、としかし、娘の事を考えれば・・・・・・あいつは体がもの凄く弱く不治の病をもっています私が家を心配する人間になってほしくないという血の滲むような言葉を聞いたときには昔の冷たい仕草もあいつは全て私のためにしていたのを実は別に後から知った私は今のあいつの急な変化も、きっとまた全て私のためにやっているのだと信じる事にしましたただ、とにかく恐ろしくてまた、辛くて最終章はそのまま続けられなくなりました

ネタバレ２「不思議な符合」

昨年の１０月からこのブログに転載し始めました転載した中で己の牙を研ぎ澄ませというのがありますがそれを転載した瞬間にある会社に誘われました社長は関西弁で男の塊のような男でした「己の牙を研ぎ澄ませ」の本宮そのままの話しぶりでした久々にユングのいう共時性を感じましたねそもそも無頼控えが私のセミフィクションだとすれば私の性格が呼ぶ運命というのは余り変わらないのかもしれませんさて・・・昨年の今頃、道に迷って走っていた際に見た岩手山が余りに綺麗でまた、ふいに部屋に落ちていた（これだけはどこに引っ越しても持ち歩いていたのかな？）ヘミングウエイの「キリマンジャロの雪」を読み“「岩手山の雪」で行くか”と、「加藤英雄無頼控え最終章」をヘミングウエイのパロディで書いてみようと思いたちましたヒロインは・・・その時思い出したのが、１３年前に別れた女性でした用心棒無頼控えの奈々のモデルです「お前と別れた後、あいつはすぐ結婚して子供もいるらしいよ」と聞いたのはすでに１２年前「時期が時期だからお前の子供じゃないか」と言われ「いや、二股かけていたんじゃないかな」と答えたのも１２年前それをふいに思い出し“英雄に家族を作ってやって、そして安寧の中で殺してやろう”と思って書き出したのが病室のシーンその時は晶が丁度中学校の入学式という設定で、名前も違っていましたこれは実はほとんど書き終えるところでしたが英雄の病気が決まりませんでした大体この男が入院するような病気をするのか？とそれで暫く止まっていました昨年の今から一ヵ月後・・・あの町で世話になっていた人と久々に飲んだ時「彼女とばったり会ったぞ。お前に会いたがっていた」千晶のモデルの彼女と私はその町で少々有名でした私が町から離れてからも、当時の私を知っている人達は、会えば必ず私と彼女の話題になっていたそうです「元気なんですか」「元気だ。随分前に離婚したそうだ」その方はその日に盛岡から離れて帰ったのですが翌日彼女から電話がきましたその会話の内容が「英雄と晶、千晶の12年」です前に備忘録で書いた内容はソフトですが最終章の方がより本当です私は娘がいると聞きました名前も聞きました驚いた事に最終章の晶の、最初書き始めた時の名前と同じでしたその時の私はもの凄く救われた思いをしました心の開放とはこういう感覚なのか、と「二股かけていたんだろ」とうそぶいていた私でしたがもし本当だったら良いのになと、いつも思っていましたしその後付き合った女性達にも必ずその事は告げていました（無頼控え番外編）英雄が珍しく年上の女性と付き合っていた時のことだマンションでの朝いつも起こしてくれる彼女が来ないので英雄は腹の虫で目を覚まし一人で起きて台所に行くと何時もは英雄用の大盛り飯がパンと牛乳だけでそれも嫌がらせのように英雄の嫌いな甘い菓子パンだった「英雄君、昔付き合っていて子供がいるかもって言っていた女性って、千晶さんっていうんだっけ」「なんです、急に」英雄はこの女性にだけは敬語を使っていた「別に」皿を洗っている彼女の後姿を見ていた英雄はふいに「もしや、俺、寝言で何か言いましたか」と恐る恐る聞いた「本当に愛しているのはお前だけだ、千晶」そう彼女は振り向きもせず言い切った「それは。それは違うぞ」英雄は慌てた彼女と暮らすようになってからもうすっかり忘れていた名前が出てきたのだ「気にしてないから」その言葉とは裏腹に、さっぱり振り向いてくれない背中に「怒」の文字が浮かび上がっているような錯覚を英雄は覚えた“そんなに皿を洗ったら皿が擦り減るぞ”英雄は自分の心も擦り減っていくような感じがした「それはですね」牛乳を一気に飲んで心を落ち着かせ英雄は努めて優しく言った「なあに」心を擦るような鋭さを秘めた優しい言い方だちなみにこの朝食の量では体も擦り減る「し、芝居の台詞だ」・・・この話が、「お母さん、寝言大きい」に繋がっていますおっと、最終章は思わぬところで本当になりました

ネタバレ１「無頼控えとは」

加藤英雄無頼控えに何度も何度も反抗期の娘とバトルしている母さんに「正体は必ず書きますから」、と書いていましたこれから書くのは恥ずかしい内容でもありますが物語に出てくる連中も現在はほとんど関係なく私自身が納得した事などもあったので書きます今更書くのも何ですが、加藤英雄のモデルは私です１８０ｃｍ　１００ｋｇの巨漢最近掲載したサラリーマン名言集他が元になっていて「この物語は事実をもとに再編成されたセミフィクションです」ということになります名前は、加藤と云う友人がサラリーマン迷言集を送ってくる際に、私の愛称がヒデということで、しょっちゅうヒデ、ヒデと文中に出てくる事と、私のずっこけ事件を公表していると喜んでいる加藤を陥れるために、わざと読者に誤解を与えるように加藤という苗字と、ヒデと云うあだ名がつきやすい英雄という名前にしましたしかしながら英雄のキャラクターがすっかり私ではなく、起きた事件もそのままというわけではありません二つ三つの事件をごっちゃにしたり、また少し乱暴にしたりそして英雄の性格づけは、主に友人達が語る私であって私が思っている私とはまた違います会社の話を書いてもしようがありませんし飲み屋の話ばかりでも飲んでばかりいる私では所詮日常です主に会社の外で起きた話で、ちょっと非日常で非現実的で何かひとつの典型とみなされるものを書きました奏映さんにおっかないおっかないと言われても仕方のない内容ですね加藤英雄無頼控えは盛岡に来た６年前に書き始め、４年前には一旦終わっていたものでした最終章まで２年間（完成まで半年かかっているので足掛け３年間）空白がありました盛岡に来た時の空虚さを埋めるために書いたのでしょう元気だった自分を思い出して同時に、今東光和尚の「悪名」のあとがきを思い出して（悪名　あとがき大意）「この業界にもぶん殴ってやりたい奴が一杯いる仮にも仏門の人間としてなんたるかと思う奴が。しかしそれをぶん殴ってもせん無い話で、それを俺はこの朝吉（悪名の主人公；映画では勝新）に乗せて書いたんだよ」ほぼ２０年ぶりに帰ってきた岩手は何も変わらず少年の頃のいやな思い出をもう一度やり直しているようでしたその空虚感と、この田舎を嫌ってもここに帰らなければならない自分の無力感を埋めようとしたのでしょうか自分のかつての冒険を自分で書いて慰めていたのかもしれません