漫画 羅生門 レビュー
ネタ探しという名目で、よく漫画を買ってくる。小説はそこそこ時間が空いたときとか、電車とかに長く乗るときとかに読んだり。で、まぁマイナーな漫画を読むことが多いので、レビューでも書いてみようかなと。正直、ネタに詰まっているので埋め合わせでもあるんですg とゆーことで最近読んだ漫画の紹介。■「羅生門」 1~7巻ビッグコミックスで連載中矢島 正雄 (著), 中山 昌亮 (イラスト)■穴太郎オススメ度 ★★★☆☆レビュー: 問題児揃いの警察署に配属された女刑事が、彼らと共に様々な事件を解決していく人情刑事漫画。 しかしただいい話ばかりが描かれているわけではない。警察に持ち込まれる事件である以上、いたたまれない事件や報われない事件もある。主人公の紅谷は自分の仕事、事件、そして生活に苦悩しながらも、様々な角度から描かれる事件に立ち向かっていく。 これは非常に多面性のある物語である。犯人、被害者、その周りの人々や家族、そして刑事も一人として凡庸な人物はいない。設定上犯人に肩入れしすぎる感はあるが、警察不信のこのご時世に何かを考えさせられる一作である。向き合いづらいテーマにも果敢に挑んでいる事も好印象。 作画は一般受けはし辛い若干濃い目の系統だが、個人的には好きな部類。老人などのエキストラをうまく書き分けられている。辛口評価(ネタバレあり): 紅谷は元警察官の夫を亡くし、現在は子供と二人暮し。多忙な日々の中息子を心配するのだが、7巻の現在もその辺の背景があまり描かれておらず、説得力や掘り下げ方が浅い。 また先輩刑事といい仲になるが、考え方の違いで破局。だが、最初からドライというか、本当に付き合ってたのかというくらい印象が薄く、本当にそれらのシーンが必要だったかは疑問。 そして突然鼻が警察官並にいい、という設定が出て来て事件を解決するのだが、伏線も何もなかったので唐突な印象。主人公の設定などが後付けされていく感が否めないのだ。ただ根幹の考えは一本しっかりしたものが通っているので、気になる人は少ないかもしれない。 様々な視点から様々なドラマを描いていくというこの作品の都合上、思わせぶりに出て来て以降出なくなる人物など違和感を感じることがあるが、演出面に苦労されているんだと思う。 ただそれを補って余りある魅力があることも確か。まずはお試しで読む場合、一巻だけでなく二巻も買って、じっくり作中の世界を堪能してみることをオススメしたい。