★仲間に入れてくれない常在菌
「えぇー、どういうこと?ヨーグルトって腸内細菌を増やすんだよね?」私を驚かせたのは、10年毎日ヨーグルトを食べ続けている女性が、原因不明のお腹の張りに悩んだことにあった。その女性は2年前、お腹にガスが充満してしまい、いつもトイレにいって、ガス抜きをする毎日だったと言う。愛知県の山下病院の「腸内細菌外来」を尋ねたというが‥、腸内細菌の外来が有るの?‥まず、それに驚いた。これはお馴染み「ガッテン!」の情報である。山下病院の消化器内科の泉先生によると、この病院では、便から菌の種類と量まで把握できるという話しだ。なので、早速に便を検査。結果、この女性のビフィズス菌が、異常に少ないことが判明。健康な人は、ビフィズス菌が8~10%無いとダメだというのに、彼女は2.33%しかなかったという。あれっ?毎日ヨーグルトを食べているんだよね?しかも10年という長い間だよ。実はこれが新事実‥ヨーグルトのような外から入ってくる菌は、腸の中に簡単には、定着しないというのだ。定着しないから食べ続けなければならない。どうして定着しないかというと、健康な体には元々存在する菌が居て、その在来する菌が、新しい菌を入れさせないようなのである。なんですと!これは腸内で起こっているイジメじゃないの?在来する菌のことを「常在菌」と言って100兆個存在するらしい。ヨーグルトの善玉菌は数百億個程度というから、割合としては少ない。いやぁ‥単位が大きすぎて、すぐにピンとこないじゃん。じゃぁ、ヨーグルトは必要ないんじゃないの?というと、そういうことではなく、腸を通過する時に体に良い物質を出していくから、意味がある。ようするに食べ続けなければ意味がないということのようだ。ところがここで、京都の京丹後の話しになった。京都の一部の地域である京丹後には、浦島太郎伝説が有るという。あの有名な浦島太郎の話しである。浦島太郎が海から戻ってきた時、そこを歩いていた107歳のお婆さんに、「私の家は何処でしょう?」と聞いたというのである。107歳のお婆さん?浦島太郎って、何時の時代の話しだっけ!?京丹後には、そんな長生きの人が、大昔から居たことになる。これは凄い!しかもその京丹後には、今でも多くの人が長生きしている。京都市内は全国平均の1.2倍の長寿の街であるのに対して、京丹後は2.7倍だというから、滅茶苦茶長生きの場所になる。もう今は亡くなってしまったのだが、男性で長生きした人が、ギネス世界記録に認定されている場所らしい。木村次郎右衛門という人で、116歳で亡くなった。そういえば、何年か前に聞いたことがある。そんな大昔から長生きしているところでは、何を食べているのだろう?京都市内と京丹後の人たちと、食べる物を比べてみると、その違いは海藻類の摂取量の違いだったようだ。わかめとかひじきとか海苔とか‥。京丹後の人たちは、これらを週に3~7日食べているようだ。食べる率が、京都市内44%に対して京丹後では66%というから、これが長生きの秘訣の一つかもしれない。毎日ヨーグルトを食べていたが、お腹にガスが溜まってしまった彼女。先生から海藻類とか野菜(食物繊維)を食べるように言われ、それを実行したところ、短期間で2.33%から4.69%へ、ビフィズス菌が増えたようだ。ヨーグルト単体では、ビフィズス菌が定着しないんだねぇ‥。やっぱり食生活は、片寄らないことが一番大事である。