ウイルスの利用法
ウイルスと聞くと、やっぱり病気を引き起こす悪いやつだと言うイメージが強いと思いますが、研究の世界では、なかなか役立つものもいます。小さなその体にDNAやRNAを組み込んで、目的の場所まで運んでもらう、運び屋的なことをしてもらったりします。または、ほしいタンパク質をたくさん作ってもらったり、ウイルス表面に目的のタンパク質を発現させて、免疫原にしたりと、何かと便利に使ってます。というのも、そう言う用途に使えるよと発見してくれた人がいるんです。それでもって、誰でも出来るようにキット化されてたりします。そんな、たまには役立つウイルスですが、実は、2006年8月18日に、米国食品医薬品庁によって、食品添加物として使用することを承認されたウイルスがあるそうです。そんなこと、全然知らなかった(^^;)))認可されたのは、ボルチモアにあるIntralytix, Inc.というベンチャーが開発したLMP102という添加物で、6種類のバクテリオファージが成分らしいです。バクテリオファージとは、ウイルスの一種で細菌に感染するものです。ウイルスも細菌も、どちらも微生物にかわりはなく、小さいものですけど、細菌はウイルスに比べたら遥かに大きなものだったりします。ファージは、なかなか不思議な形をしていて、宇宙人みたいです。この認可されたウイルスは、リステリア菌という細菌に感染して殺してしまうものらしいです。リステリア菌とは、食べ物にも存在し、それを介してヒトに感染することがあるそうですが、健常者が発病することはまれだそう。しかし、加齢や他の疾患などで免疫力が低下している人では、髄膜炎や敗血症の原因になったり、また妊婦が感染した場合には、流産や死産をおこす事もあるそうです。そこで、リステリア菌が繁殖しやすいハムなどの加工肉製品に、そのファージをスプレーしてやっつけちゃおうって話になったらしいです。このファージは、リステリア菌にしか感染できず、ヒトや動物,他の細菌にも感染しないことから,安全であると考えられているそうです。CDCによれば、米国で毎年2,500名がリステリア菌による重症感染を起こし、500名が死亡していると推定しているそうで、そう考えれば、これは効果があるのかなと思います。が、どうでしょう。ウイルスがかかった食べ物。。。少し抵抗があります(^^;)))ま、慣れとかの問題でしょうね。というか、認可されてもう1年経ちますね。それからどうなったのか気になるところです。実はもう廃止になってたり。。。それともリステリア菌による病気が減ったんでしょうかね。