井上康生、有終の美
今年4月末に行われた北京五輪の柔道日本代表選考会である全日本選手権で敗退し、現役引退を表明していたシドニー五輪柔道男子100Kg級金メダリストの井上康生選手(綜合警備保障)ですが、その現役最後の大会となる全日本実業団体対抗大会が6月8日に横浜文体で行われました。井上は全日本選手権の後は腰痛のためにろくに練習もできず、今回の大会には痛み止めの注射を打って出場しました。初戦となる2回戦(1回戦は不戦勝)では先鋒で出場したものの、1ヶ月以上のブランクもあってか引き分けに終わりました。しかし準決勝では大将として出場して小外掛けから横四方固めで一本勝ちしました。そして現役最後の試合となった決勝では中堅として出場し、父親から初めて教わった井上自身の代名詞である内股で効果を奪い、最後は横四方固めで一本勝ちし、綜合警備保障柔道部の2年ぶり3度目の優勝に貢献しました!まさに有終の美にふさわしい試合ではなかったかと思います。仲間の胴上げで3度宙に待った井上は、「恩返しができた。みんなで勝てたのが嬉しい。」とコメントしました。この後井上は腰の治療に専念した後、秋には亜希夫人との披露宴を行い、年末に指導者になるために英国へ渡ることになります。日本柔道界を引っ張ってきた男の第二の人生に幸多からんことを祈ります。 井上選手、感動をありがとう。そしてお疲れ様でした。それでは、これにて失礼。