風のむこうに
目を閉じた世界の向こうにあなたは座っていてこんにちは話しかけても聞こえてるような聞こえてないような陽だまりの中で家族の方が話しかけるあなたの耳は遠い所にあるようで返事もしないまま病室の外をじっと見つめる白い 白い雪国の病室から再会したのは去年の桜の頃「ハンドルを見るまでもなく文章ですぐにわかりましたよ」あなたの文のむこうに穏やかな笑顔が見えた父親のような兄のような先生のような未だ一度も会った事のない温かい人もうすぐ春が来て桜が咲いたら再会の思い出の花の写真を送りますほんの一瞬髪の毛ほどの隙間でも花の姿に笑顔がこぼれて心が現在地に戻って来る日を祈りながら桜の花を数えてあなたを待ちましょうゆっくりゆっくり桜の花の下を歩きながら心に春が来る日を指折り数えるまだ寒い裸の桜木雲はこぶ風のむこうに去年の桜の頃、懐かしい人とWEB上で再会しました。もう13年前、まだインターネットもなかった「パソコン通信」の頃、よく何かしら書いて投稿してた場所に先住されてた方で、博識で、物腰が柔らかく、本当にいろんなことを学ばせてもらった人で、一度も会ったことがないけれどよくしていただいた方です。私が書いた文章や詩を読んで、よく誉めてくださって、当時10年ぶりに書く喜びを引き出してくれた人でした。再会して以来、ここのブログにもよく来てくださって、コメントも頂いてたんです。ご自分のブログもほぼ毎日更新されていたんですが、去年の年末ぱたっと更新されなくなってしまった。変だな。でも年末年始だから忙しいのかも・・・そう思っていたらご家族の方がブログのコメントから「昨年末、病で倒れました」と書き込みをされました。ショックでしばらく呆然としてしまいました。大変な手術の末、命は取りとめられたそうで、ひとまずは安心しましたが、心のリハビリが必要とのこと。私はなにもすることが出来ません。私は何もしてあげられません。何か一つできるとすれば心の忘れ物が戻ってきて、また元気になってブログを再会してくださるのを遠くでそっと見守るだけです。あせらずせかさずゆっくりと。そして、心の忘れ物が戻ってきた時に「あぁ、やっぱりななをさんの詩はひと目みればわかります」そう言ってもらえるように、また少しづつ書く手を動かして行きたいと思います。更新もままならない状況ですけど、やっぱり書くことがすきなんです。書いて行きたいと思います。最後まで読んでくださってありがとうございます。