そらのごきげん（想天流転)

[植物] カテゴリの記事

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• 藍（あお）に抱かれて

  いいんだ別に誰にも見られなくてもいいんだ別にみんながいっせいに美しいと誉めなくてもただ愛する君だけの前で私は惜しみなく香りを放って開くその手で私を握りつぶしたいほど愛していると言う君だけのために夜と朝の狭間藍（あお）い空の色に抱かれて

  2008.07.27

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  風読み

  時計も暦もないのに君はなぜ季節を知るの毎日照りつける太陽とそれに負けない強い意思の夏草達通りすがりにふと秋の風を感じて目を遣れば草の緑の中そっと隠れて咲いた秋色ひとたちが毎日交わす「暑いですね」をさらりと受け流し一足先に風を読んですでに秋を知る時計も持たない盛夏のマジェンタ

  2007.08.08

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  揺れる

  揺れる揺れるただ君の声が気こえただけなのにいい匂いの風がすり抜けたあとで首を風の行方にむけてその見えない姿を追う小さな花のように揺れる揺れる七月の夜風にそよぐ心

  2007.07.03

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  初夏の雪

  深みを増したイタドリの茂み雨雲の隙をついた無数の蜜蜂がにわかに忙しく花を　弄るどこからきたのか無数の蜜蜂緑の茂みのいたる場所から羽音を奏でながらせわしいほどに飛びまわる花房の中顔をうずめて蜜をせせる顔は蜜と花にそしてその足が空になった花を落として行くあちらでもこちらでもほろほろ　ほろほろ無数に落ちる微塵の花がまるで神様の気まぐれに舞い降りる初夏の雪のようにぱらぱらと深みを増した緑の葉に当たり雪が降る音を立てて春の名残を　地に還すすべては次の命のために初夏の雪がすべて降り止めば新しく開く次の季節の扉

  2007.06.19

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  今日の終わりに

  慌しく暑い一日が終わる子供の声もキッチンの音もＴＶの音も今日はもうおしまい壁の向こうに寝息をかなでて小さな楽器がひとつ何もかも忘れてただ身を粉にして働いてやっと訪れる自分だけの静かな時間つかれた心を抱きしめながらいちばん好きなマンデリン大きなカップに注いでため息はつかずにコーヒーと一緒に飲み込もうため息につかまって幸せが逃げていかないように椅子にすわって目を閉じて顔を天に向けてほんの少しでも笑っていようあしたも生きるために明るい色の花が日々　空を見あげて笑うように私も　笑って明日を迎えよう今日はもうおしまいもうすこししたらこんにちはあした

  2007.06.12

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  荊姫

  荊の棘の中に隠れるように咲く愛する者以外誰も触れるなと言うようにかたくなに鋭い棘に身を隠しながら来ない時をただ待つように花はこんなにも愛らしくやさしいのにね＊＊＊君への想いはこの花に似ているのかもしれない君以外誰を見るでもなくほかの誰かに愛されるでもなく荊の藪の中ちいさくひそかに人知れず咲く実を結ばない想いだけの花

  2007.05.26

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  アイスの気持ちとしましまの風

  今日は暑くて気も滅入りそうなくらい暑くて夏が苦手な私はアイスの気持ちが痛いほどわかるあぁでもほんとうにアイスみたいに溶け出しそうで仕方がないから緑のしましまのモビールの間を縫う風を届けてみようしましま　しましましましま　しましましましまの音がするしましまの涼風夏草の匂いが少しする風が吹いて少しだけ涼しくなったかな？仕上げにうーんと背伸びをして今日のラストスパートお互い忙しいけどもすこしお仕事頑張ろう(^-^ )

  2007.05.22

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  ふわり

  薄曇りのお天気視界の端にふわり少し高い葉の先からスカートを翻して飛び降りたようなクレマチスいちりんふわりん

  2007.05.18

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  Only One

  私は　花？私は　葉っぱ？そんなのどうでもいいの誰かと同じでなくても誰かと似ていなくても私は私綺麗なだけな人がいないように汚れただけの人がいないようにいろんな部分が誰とも違う私がいる違うからといって卑下するわけでもなく違うからといって嘆くわけでもなく私は何にも似ていないただ私なだけ

  2007.05.17

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  そぉっとね

  風にそよぐ緑の葉の間で妖精がうたた寝ふんわり柔かなスカートとももいろの羽根急に近づいたらびっくりしちゃうからねそーっとそーっと見るだけだよ柔かな花びらが一陣の風に目覚めて羽ばたいて飛んで行きそうな薄雲りの花の庭揺れる花に妖精を見た日

  2007.05.16

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  芽吹き

  もうこれ以上何も出来ないと思えても自分の中にある何かを信じてじっと耐える力を自分の中にすこしづつ充電しながらそしてちょうどまっていたその時が来たら光を目指して芽生えればいい私が好きなこの樹みたいに手も足ももがれてしまってもうだめかと思ったこの樹に、びっしりと新芽が出ていました。元の姿に戻るまでは何年もかかるでしょうけど、元気に動き出した姿をみた時、それはそれは嬉しかったです。大好きなものや愛するものがなにかをやり遂げるのを見届けて「よかった」と思えた時、自分も一緒に成長してるんだろうな。なんて思いました。いや、ふと　ね。（笑）

  2007.05.14

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  今は白でも

  いまはちいさな目立たない白い花だけどそのどこかにいつか燃え上がるように鮮やかな赤になる素養を秘める今は白でも心の奥にいつか噴き出す赤

  2007.05.14

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  雨待ち

  よく晴れた日曜日洗濯物を干しながら日陰の軒下今年もにぎやかなひと固まりを嬉しく眺める今年も雨の日々に彩りを副える雨の水色の子供達少しずつそっと薄目をあけながらまだ少し先の梅雨の雨を待ちながら空を見上げるもういいかいまぁだだよ梅雨はまだなの?もう少し先ねそんな感じのやり取りを心でそっと思い浮かべて一緒に空を見る晴れやかな梅雨待ちの日曜日

  2007.05.13

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  ひかりさす　樹

  木漏れ日差す緑の下で見上げる太陽透ける新緑の葉の中には脈々と樹の血液透明な樹の血液は小さな葉の一枚一枚にすべて満ちているどれひとつ忘れられることなくこまかい葉脈の一筋一筋へとうとうと止まることない動かぬ樹の永遠の営みしっかりと地に根を張り大本が揺らぐことなくそれでもさらさらとゆずれるところだけ風にそよいで優しい言葉で風と歌う動くことなきいきものその下の葉の間から光透かす空を見る時人は大きな樹の強さとやさしさに包まれてひとしきりの休息そしてまた歩き出す自分の目指す場所へ

  2007.05.09

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