アロマはボランティア?
日曜日は、「日本死の臨床研究会近畿支部の研究会」に参加しました。特別講演として、広島県緩和ケア支援センターの本家好文先生による 『デイホスピスについて』 と題してこれまでの取り組みを振り返っての説明がありました。広島県では、平成6年に広島県地域保険対策協議会に末期医療専門委員会が設置され県医師会,訪問看護,県民の意識や実態調査が行なわれ翌年、広島県知事が英国のホスピスに視察に行ったことから取り組みが更に進んだそうです。2000年には、在宅緩和ケア推進モデル事業が開始。県がバックアップして、200人近い医師や看護師が他地域のホスピスなどに研修に行ったそうです。その後、ガンセンター構想は予算面で凍結されましたが2004年、広島県緩和ケア支援センターが設置されました。県立広島病院の中に、緩和ケア科が誕生し、緩和ケア支援室が情報提供や、総合相談、専門研修、地域連携を行なう事務局となりました。その後、がんの在宅療養者や入院中で在宅に移行するがん患者さんを対象として「ディホスピスモデル事業」が始まったそうです。デイホスピスは、今は週に1日ですが、開設当初は週に2日でプログラムの内容は、看護師によるリンパマッサージやリラクセーションが受けられたり音楽療法士による音楽療法やアロマセラピストによるアロマトリートメントや絵画、折り紙、絵手紙、お花見などのレクレーションなども開催されました。さまざまなボランティアが登録しており利用者の希望や、症状の程度、体調に合わせてその日の過ごし方を決めていくのだそうです。興味深かったのは、ディホスピスに来られる方の半数以上が看護師によるリンパマッサージを希望され、そのニーズの高さに驚いたそうです。乳がん、子宮がん後のリンパ浮腫については、その後診療報酬が取れるようになり今は、リンパ浮腫に対応できる外来があるそうです。アロマセラピストによるアロマトリートメントや看護師によるマッサージが、とても人気が高く患者様のニーズに添っているが、その予算がなくてボランティアに頼っていることが浮き彫りになってきたように感じました。その後の発表や、各施設でも、アロマトリートメント(マッサージ)が患者さんの心身の癒しになり、とても大切な部分を担っているとの発言が多数ありましたが その大切な部分を担っているのは、アロマセラピストのボランティア精神によるものだということを、切なく感じました。これだけ必要とされながら、有効な補完代替療法だといわれながらアロマセラピストの社会的地位は向上しません。ボランティアでしか認めてもらえないのが現状です。さまざまな法の絡みがあって困難なのは事実ですが更にショックだったのは、KAFから参加した私ともう一人のナースがグループに分かれてのワークショップで、発言した内容が、まとめの発表の中に、バッサリとカットされていて「こんな意見もありました」 ・・としても出してもらえなかったこと。もちろんテーマが、”シームレスでホスピスケア繋げますか?”ということなのでそのテーマから外れていたからと言われたらそうなのかもしれませんがホスピスケアの中でも、患者様から必要とされているアロマセラピーについてアロマセラピスト・ナースの声をもっと届けていかなければと深く心に刻み重い足で帰宅しました。アロマセラピストが、正当な報酬が得られて活躍できる未来を創りたいです。さて、明日に向かって、やるべきことが広がります~