[野球] カテゴリの記事

全186件 (186件中 51-100件目)

< 1 2 3 4 >

• 

  夢舞台

  先日、夢に平井と尾花が出てきた。どうも、原因はヒラリーとオバマだったようだ。寝ている傍ら、ＴＶが点いていたらしい。……と、しょっぱなの軽いギャグはいいとして。今回は、広島を出て行く黒田の話を書こうと思う。ドジャースと交わした３年40億円という契約は、１年平均に換算すると日本人投手最高額。チーム関係者からは「自立した投手」との評価も。入団当初、当時二軍監督だった達川が「２億円投手になれる」と太鼓判を押した逸材は、それよりも遥か高みへと到ったわけだ。しかし、黒田の高校時代は、意外にも３番手投手。上宮の恩師・山上烈監督が「精神的に弱かった」と回想するような投手だった。彼は何故、超一流への階段を上り詰められたのか？大きな理由は、２つあると思う。理由その１、反骨心。エリート街道とは無縁だった黒田は、とにかく泥臭い、負けん気の強い男だった。専修大時代は、甲子園を経験したチームメイト。広島入団直後は、ドラフト同期の１位・澤崎。プロ初登板、同い年のスターである松井から三振を奪ったシーンは、象徴的だった。更に大きかったのが、2004年のアテネ五輪。当時、黒田は広島のエースとして君臨。特に、先発完投に誰よりもこだわりを持っていた。しかし、代表での出番は中継ぎのみ。先発は１度も任せてもらえなかった。松坂、上原という他球団のエースを意識せずにはいられなかった。翌年の2005年、黒田は早くも覚醒する。新球・シュートを効果的に使うようになり、自身初のタイトル「最多勝」を獲得したのだ。更に翌年の2006年、今度は最優秀防御率。しかも、先発専門の投手としては、セ・リーグ史上３人目となる１点台での戴冠だった。この年のオフには、ＦＡ騒動もあった。シーズン中は、阪神移籍を決めていたが、最終戦のスタンドを埋め尽くしたファンの姿にその決断を覆したという、イイ話。だが、それはあくまで判断材料の１つだったという。広島は、巨人や阪神のような全国区のチームではない。だからこそ、今までは「実力では負けたくない」と燃えてきた。それなのに、その自分が人気球団に移籍して、一体どうモチベーションを保つのか。反骨心を失ってしまうことへの不安と恐怖。如何に、この気持ちが成長の源となったことか。理由その２、ブラウン監督との出会い。日本野球を経験しているとはいえ、外国人の指揮官である。100球制限の原則は絶対だった。今まで、こだわり続けてきた完投。ところが、黒田はこれに反発するのではなく、適応しようと努めた。新たな方針の下、新たな成長があるかもしれない。ならば、この１年は監督の信頼を勝ち取ることを目標にしよう……。彼は、不慣れな中４日もこなし、時には納得のいかない交代にも耐えた。そんな黒田にとって、忘れられない試合。2006年５月20日、相手は日本ハム。５回、広島は黒田のセーフティスクイズで先制、一挙４点を奪う。そして、試合は７回。この時点で４対１。無死一塁で打順は、再び黒田。球数にはまだ余裕はあるものの、長いシーズンを考えれば、代打の可能性もあった。だが、ブラウンはこう言って黒田を打席に送った。「今日はお前のゲームだ」その後も、黒田が猛烈な反撃に曝されても、ブラウンは中継ぎを投入しようとしなかった。結果は、101球の完投勝利（５対３）。この試合、黒田は監督の信頼を得たと実感したとともに、自分の色である完投も成し遂げた。因みに、その丁度１年後、2007年５月20日のヤクルト戦。黒田は、またしても完投勝利（５対２）。今度は、僅か89球という省エネ投球だった。いつしか身に付いていた、メジャー仕様の起用法。それは、ブラウンとの出会いを最大限に活かした結果だった。昨夏、黒田は父を亡くした。原点だった大阪球場。父・一博は、南海の強肩外野手としていつも閑古鳥の鳴くグラウンドで戦っていた。大学進学時、サークル活動として野球を続けたいと思っていた黒田に、“戦国”東都に行くキッカケを与えたのも父。その言葉には、節目節目で導かれた。黒田は語る。「子供の頃に聞いた親父の言葉が　頭に浮かんできたんです。20年ぐらい前かな、　大阪で少年野球の監督をしていた親父のチームが　ロサンゼルスでの世界大会に出場し、　ドジャースタジアムで大リーグを見たらしく、　凄い球場だと言ってたことを。　滞在したホテルでは教員をしていた、　お袋の教え子という人にも声を掛けられました。　怖いぐらいの偶然ですけどね」今年立つ、ドジャースタジアムのマウンド。そこは、まさに父が見た夢の舞台だった。Please crick here !!

  2008.01.20

  コメント(4)

• 

  再建／左利き

  職場にいるヤクルトファンの後輩が、勝手に激震している。言い分はこうだ。「チーム打点王のラミレスがいなくなって、　チーム最多勝のグライシンガー、　勝利数２位の石井、３位の藤井もいなくなって、　チームセーブ王の高津がいなくなって、　イースタンセーブ王の坂元までがいなくなって、　リグスだって薬物疑惑があるし！」※　ラミレス＆グライシンガー　⇒　巨人へ　　石井一　⇒　ＦＡで西武へ　　藤井＆坂元　⇒　三木とともに日本ハムへ　　高津　⇒　戦力外通告で現役引退なかなかに思い切った血の入れ替えである。これだけ主力がサクッといなくなると、確かに不安ではあるだろう。しかし、ここは敢えて「悲観するな」と書きたい。新監督の高田、実は『辣腕』である。日本ハムの監督時代（1985～88年）は、３年でＡクラス（87・88年、３位）。ＧＭ時代（2005～07年）は、２年で日本一（06・07年、１位）。まさに『再建請負人』とも言うべき経歴である。その最大の原動力となっているのが、何を隠そうドラフトである。まずは、1985年からの監督時代。河野博文、松浦宏明、田中幸雄、西崎幸広、武田一浩らが早くから活躍。そして、2005年からのＧＭ時代。ダルビッシュ有、マイケル中村、工藤隆人、陽仲寿、八木智哉、武田勝、吉川光夫らが、やはり早くから活躍。２度とも、駒不足だった先発陣を中心に、急激な活性化を図ったのがわかる。さァ、ここで今年のルーキーである。仙台育英の佐藤由規、慶応大の加藤幹典。なんと、２人の超目玉を獲得しているのである。ヤクルトは伝統的にドラフトで強運を持っている。高田改革、非常に順調ではなかろうか。だからヤクルトファンよ、２～３年だけ待つのだ。世代交代も進む。球場も広くなる。オリックスと違って、すぐＡクラスに戻れるさ。……由規の名前が出たので、ここから別の話題。実は彼、本来は左利きである。幼い頃、右利きの兄のグラブを使っていたため、自然と右投げになったという。逆のパターンはよく聞くのだ。思いつくだけ挙げると、鈴木啓示、江夏豊、今中慎二、野村弘樹、確か石井一久もそうだったと記憶している。つまり、作られた左。面白いのは、今中と野村。今中は近所のおばちゃんにもらったのが、たまたま左投げ用のグラブだったという理由、野村は『巨人の星』に憧れてという理由である。一方、左から右というパターンだが、これも探せばいるものなのだ。現役では、楽天の岩隈が有名だ。野球を始めた頃、周囲の少年たちがみんな右で投げていたので、自分も右投げになったとか。更に、意外なところでは、尾崎行雄。プロ野球史上“最速”の呼び声が高い、豪球投手。小学３年生で野球を始めた頃は左投げだったのだが、チームメイトから「お前、ギッチョだ」と言われるのが嫌で右投げになったそうだ。もともと左利き、そして“最速”の称号。尾崎と由規、知られざる共通点である。因みに、野手には左から右に変えた例が多く、鳥谷敬、田中賢介、高浜卓也、坂本勇人、松中信彦らが挙げられる。オリックス的には、藤井康雄。漫画『ＭＡＪＯＲ』の主人公・茂野吾郎は、故障が原因で右投げから左投げになるのだが、転向当初、どうしても微妙な指先の感覚でボールにキレを出せずにいた。利き手と逆の手で“投球”するということが、如何に難しいか。そんなことを思った。☆☆☆年が明けたので、ご挨拶を。因みに、去年はこんな感じであった。今年５月25日前後、壮一朗くんに弟か妹が。次は誰の名前をもらおうかな。Please crick here !!

  2008.01.14

  コメント(4)

• 

  回顧

  亥年ももう終わりである。忘年会の連続で栄養が偏っているのだろうか、同時多発口内炎が辛い。肝臓も悲鳴をあげている。そんな年の瀬、某旅番組にて落合一家を見た。今年の日本シリーズ、中日が地元で王手をかけた第５戦。最終回、あと３人で完全試合達成の山井に代え、守護神・岩瀬を投入したあの不可解な采配。その歴史的謎の答えがッ！あろうことか、旅番組でッ！明かされたのである！試合後、落合は言った。あの交代は、山井自身がマメを理由に降板を申し出たからだと。さァ、はたして真実はどうだったのか？落合監督、お願いします！「53年の重みを考えたら、　あそこは山井ではなく岩瀬なんだよ！」ありがとうございましたァ！以前、マメがあろうがなかろうが、落合にとって山井降板は是だったと書いた。その仮説が今回、正しかったと証明されたわけだ。旅番組で。日本シリーズの話題が出たので、ついでに海の向こう、Ｗシリーズも振り返ろう。今年はレッドソックスとロッキーズの組み合わせ。この対戦、実は様々な楽しみ方があったように思う。▼　目線その１『日本人』松坂大輔＆岡島秀樹を擁したレ軍か、それとも、松井稼頭央を擁したロ軍か。▼　目線その２『勝ち上がり』１年を通して圧倒的強さを誇ったレ軍か、シーズン終盤、驚異的な快進撃を見せたロ軍か。▼　目線その３『歴史』1893年創設のレ軍と1993年創設のロ軍。そこには、ちょうど100年の差がある。近年の成績も、両軍は全く対照的だ。▼　目線その４『球場』左翼には“グリーンモンスター”という名の高き壁が聳え立つフェンウェイパーク。そして、標高1600メートルもの高地。空気が薄く、打球が伸びるクアーズフィールド。▼　目線その５『ジンクス』3年前、レ軍はバンビーノの呪いを86年ぶりに解いたわけだが、その裏にはある歌の存在があった。曲名は『テッシー』という。その起源は古く、第１回Ｗシリーズが行われた1903年にまで遡る。この時、１勝３敗と苦戦していたボストン・アメリカンズを救ったのが、『テッシー』だった。当時の私設応援団ロイヤル・ルーターズが、ブロードウェイで打ち切りになった芝居の曲を替え歌にして敵を野次ったところ、チームは逆転、初優勝を手にしたのである。しかし、この応援歌はそれから長らく忘れられることとなる。復活は2004年７月24日のヤンキース戦。現在のオーナーグループが地元のドロップキック・マーフィーズというパンクバンドにお披露目させた。効果は抜群だった。この日、０対３と劣勢だったレ軍は、ビル・ミラーのサヨナラ弾で逆転勝ちを収めるのである。この勝利は、後に86年ぶり優勝の分水嶺と言われることとなる。『テッシー』を歌えば、負けない。その魔力は今年も証明された。一方のロ軍には、ラッキーナンバーがあった。それは、がんを患った15歳のファンが、クリント・ハードル監督に送ったものだった。その数字こそ『64』番。少年の名はカイル・バークマンくん。自身も難病の娘を抱えるハードルは、かねてから、彼とは親交があった。まだ勝率５割前後を彷徨っていた８月24日、試合前の病室でこの数字は授けられた。「チームを幸運に導く何かを授けてくれないか？　大好きな数字でも……」カイルくんは、自身がアメフト選手だった頃に着けていた背番号を託したという。その日の試合、スタメン表の最上段にハードルは『64』の数字を丸で囲んで書いた。効果はやはり抜群だった。４点ビハインドの最終回、逆転サヨナラ！それ以降、毎試合『64』と表記した。４日後にカイルくんは他界したが、ロ軍の奇跡的な快進撃はシリーズまで止まらなかった。幸運を呼ぶ歌か、それとも数か。今年の世界一決定戦には、そんな目線もあったのだ。こう考えると、日米ともに見応えのあるシリーズだったのではないか。来年は、どんなドラマが生まれるのだろう。☆☆☆毎年、職場の忘年会で行われるプレゼント交換。今年の戦利品は、ダニエレ・デ・ロッシとシモーネ・ペロッタの直筆サイン入りユニホーム。シヴイ。しかし、２人ともイタリア代表。所属チームも名門のローマ。因みに、これを出品したオグシオマニアは、谷沢健一のサインボールを当てていた。Please crick here !!

  2007.12.21

  コメント(2)

• 

  引退

  衝撃のミッチェル・レポート。何人もの実名が挙がったこの報告書は、さしずめ“球界のデスノート”か。先に取り上げた薬物疑惑ネタ、大変な騒ぎになっている。☆☆☆12日、黒木知宏の引退が決定。翌日は34歳の誕生日というこの日、彼は言った。「悔いはない」このオフ、戦力外を告げられていた黒木は、現役続行を希望しつつも、合同トライアウトを回避。敢えて、自分の価値を試した。その選択は、かつて“魂のエース”と呼ばれた男の矜持だったのかもしれない。しかし、獲得に名乗り出る球団は、なかった。記者会見に臨む黒木の目は充血していた。本当に悔いはなかったのか。昔、今中慎二が引退会見でこぼした一言を思い出した。「悔いは、あります」通算76勝68敗１Ｓ、防御率3.43。今後の進路は、未定だという。黒木引退の報は、ニュースでも随分と取り上げられた。そこで、必ず使われていた映像が、1998年７月７日のオリックス戦である。この日、ロッテは17連敗という泥沼日本記録更新がかかっていた。最終回、二死まで３対１とリード。しかし……。土壇場、２点差を追いつかれる本塁打。マウンドに立っていたのが、黒木だった。投げ終わった直後は泣き崩れ、痙攣したまま動けなくなってしまった。去年のプレーオフで見た斉藤和巳のように。実はニュースを見ていた上司からこんな電話を受けた。「あの時のさァ、空気の読めなかった外国人って　何て名前だっけ？　誰に聞いても出てこないんだよ」「ハービー・プリアム！」ベン・ジョンソンのロケットスタートよりも速い反応で答えてあげました。しかも、フルネームで。「因みに、決勝本塁打を打ったのは、広なｇ……」……電話を、切られました。広永益隆。アンタと同じ徳島県民だよ。しかし、ロッテファンならまだしも、日ハムファンにまさか「ＫＹ」なんて言われるとは。あの一発があったおかげで、結果的に黒木の名が上がったとは思わんのか。以降、黒木には抑えられた印象が強い。勝った試合で覚えているのは、2004年４月24日か。Bw　００１　０００　１００　２Ｍ　０００　０００　０１０　１この日は生観戦。使い古した表現だが「手に汗握る」展開だった。川越の自身15連敗を止める720日ぶりの勝利。投げ合った黒木も、1035日ぶりとなる本拠地登板だった。日高の先制弾、更に５回二死満塁のピンチで見せた肩。最終的には山口が締めて勝利を飾った。忘れられないのは、川越の弟分・本柳。翌日の先発を控えていたのに、最後まで見守り、涙を流していた。この試合、黒木は７回に降板。スタンドに頭を下げた姿が今も記憶に残っている。黒木の選手生活について回った右肩の不安。最初に違和感を覚えたのが、オリックス戦だったのは何の因果か。右肩棘上筋の炎症。2001年７月27日の試合である。かつて、イチローが「最もタフな対戦相手」と賞賛したあの投球をもう一度見てみたかった。Please crick here !!

  2007.12.14

  コメント(4)

• 

  予選

  北京五輪アジア予選、韓国戦。たまに、贔屓の球団以外も見てみると面白いね。何と言っても、国を挙げての真剣勝負。日本代表だけにレベルも高い。最も印象的だったのは、５回裏、二死一・二塁のピンチを脱した時の川上。打者は、成瀬から先制本塁打を含む２安打を放ち、気分が乗っている高永民（コ・ヨンミン）。初球は、外角低めの直球でストライク。１－０。あまりにも素晴らしいコースだったので、逆に決め球に困ってしまうのでは、と思うほど。２球目、内角低めへ僅かに外れる直球。１－１。そして３球目、またしても内角低めに直球。今度はストライクで２－１。相手も、このコースを嫌がってか、足を折り曲げて当たりに来た。しかし、これで内・外ともに素晴らし過ぎるコースを使ってしまった。少しでも甘く入れば、ヤバイ。捕手・阿部は決め球に何を選ぶのか。予想は、１にカットボール、２にフォーク。４球目、川上が投じたのは、外角へのカットボール。際どいコースだったが、高永民は手を出さない。２－２。５球目も、外角へのカットボール。やはり、見られてしまう。これで、フルカウント。さァ、どうしたものか。外側はどうも見えているようだし、フォークだって、このカウントでは投げづらい。ボールなら満塁でクリーンアップ……。最後のボール、バッテリーが選んだのは、３球目に見せた内角低めへの直球。ズバッと決まり、見送り三振。もう１度、あそこに投げられるかね。天晴れ。オリックスの投手には、あんな要求はできないなァ。素晴らしい制球力と威力だった。流石は代表投手である。あの躍動感。投げ終わった後のガッツポーズも、高評価。そうそう、この試合ったら、とにかく選手たちのリアクションが大きかった。川上もそうだし、その後を引き継いだ岩瀬もそう。２度のピンチを三振で切り抜け、拳を振り上げた。特に８回なんて、ベンチもみんなでオルァ！って感じ。４回裏、１点差に詰め寄られた成瀬が、４番・金東柱（キム・ドンジュ）と５番・李大浩（イ・デホ）を連続三振させた場面でも、ベンチは大騒ぎだったが、８回のはそれ以上。更には、大きな大きな４点目を叩き出した、稲葉。打った瞬間に、拳を突き上げていた。打った瞬間といえば、最終回の上原。最後の打者が打ち上げた瞬間に両腕を天へ。かつて、ニールの一塁守備とかを経験しているオリックスファンとしては、気が早いことこの上ない。その数秒間――。我々夫婦は「新井、大丈夫か。大丈夫なのか」なんてハラハラドキドキしていたわけで。一方、上原と同じ瞬間に勝利を確信した男。特別解説の古田敦也。何だ、超速＆極大リアクションは。時に、審判のコールよりも鋭い反応。勝手にストライクと思い込むものの、ボールと判定されることもしばしば。そして、外野フライにも過剰に反応。狭い神宮球場に慣れているためなのか、それとも、放送席の角度の問題か。かつては“球界の頭脳”なんて言われた捕手である。さぞ理論的な解説を繰り広げると思っていたのだ。そう、野村スコープ的な。しかし、最終的に行き着いた先は……。松木安太郎だったのです。まァ、興奮していたのかな。試合後、星野監督のインタビュー。自他共に認める「何を喋っているかわからん」談話。あれが、この試合の異様な空気を表している。きっと、古田もあの空気に感染し、大きなガッツポーズをかましていたことだろう。Please crick here !!

  2007.12.03

  コメント(4)

• 

  完全試合

  日本シリーズが終わった。●○○○○という展開は、奇しくも去年と同じ。中日が雪辱を晴らし、53年ぶりの栄冠を勝ち取った。それにしても、強かった。視聴率なんて眼中にない勝ちっぷりというか。エースの川上が勝たなくとも、中軸の福留が出なくとも、優勝できるんだもの。しかも、第５戦は完全試合達成。オマケのレベルとしたら、金のエンゼルより遥かに位は高く……、もう、ダイヤのエンゼルくらいのもんでしょ。まさに、ふぁんたじぃ。ところが、あの采配には賛否両論があった。最終回、先発の山井をスパッと降板。あれは“是”だったのか、それとも“非”だったのか？後日談によると、原因はマメとある。４回辺りから血染めのボールを投げており、最後に山井が降板を申し出た、と。一方、落合監督としても、続投を強要して肩の故障が再発したらたまらんので、交代を受諾したそうな。さァ、これをどう見るか。残る打者はたったの３人。指が痛かろうが、マウンドは譲りたくないのが投手人間の“性”ではないのか。それに、試合後の会見で山井は姿を見せなかったが、あれは何故なのか？　気になる……。まァ、いい。多分、アクシデントがあろうとなかろうと、結果は同じになっていたと思うからだ。どのみち、岩瀬は投入。理由は幾つかある。１つ、これが中日の勝ちパターンであること。最終回で１点差なら、例外なく守護神に頼る場面だ。実際、土曜日の記事で王、岡田、コリンズの３監督は、落合の采配の支持していた。２つ、山井という投手はいつ崩れるかわからない。あくまでも印象の問題かもしれないが、彼は好投を見せていても、突如として乱れるケースが多い。……オリックスにもいるなァ。48の自滅技の１つ『唐突過ぎる乱調』の使い手。３つ、札幌には行きたくない。川上を温存し、ダルビッシュとの投げ合いを回避。しかし、できることなら名古屋で決めたかったのも正直な気持ちだろう。そもそも、続投という決断には苦い思い出もある。2004年、第３戦の岡本。2006年、第２戦の山本昌。どちらも、シリーズの流れを失ってしまった采配だ。阪急の歴史の中にも、似たような場面がある。1978年、ヤクルトとの第４戦。それまで、阪急は２勝１敗。この試合も最終回を迎え、５対４とリードしていた。マウンド上には“完全試合男”今井雄太郎――。二死から走者が出た。ここで、上田監督は悩んだ。今井には勝負弱い面がある。更に、ブルペンでは山田が準備できていた。続投か、交代か。結論から書くと、上田は情に流された。シーズン中、今井のおかげで波に乗れたとの思いが強かったのである。いつもならば、交代。しかし、この時は何故か続投を選択してしまった。結果は、ヒルトンの逆転２ラン。この場面が、結局はシリーズの分水嶺となった。こう振り返ってみると、山井続投が逆転への序章になる可能性もあったわけだ。勝てば官軍。あの交代劇は“是”だったのだろう。何より、周囲の中日ファンはみんな納得しているし。さて、日本シリーズでの完全試合は、もちろん史上初。ところが、Ｗシリーズでは１度だけ記録されている。1956年10月８日、ヤンキースvs.ドジャース。達成したのは、ドン・ラーセン（ヤ）という男。２勝２敗で迎えた第５戦、ラーセンはシリーズ２度目のマウンドに立った。この年の成績は11勝５敗、防御率3.26。２戦目の先発も任されたが、その時は２回４失点でＫＯされていた。しかし、この日のラーセンは制球力抜群。最後まで１人の走者を出すことなく、試合を終えた。スコアは２対０。投球数97。奪った三振は５つ。この１日で歴史に名を残したラーセン。興味深いのは、球歴である。▼　81勝91敗23Ｓ、防御率3.78。▼　実働14年のうち、２桁勝利は２度だけ。▼　オリオールズ時代の1954年には、３勝21敗。▼　完全試合達成のこの日、妻に離婚訴訟を起こされた。なんと、全てが１日に詰まっているかのよう。さァ、山井の今後はどうなるだろう。Please crick here !!

  2007.11.04

  コメント(4)

• 

  助っ人５

  むかし、むか～し、1970年代のお話。日本プロ野球に大きな影響を残した外国人の物語。前回のボイヤーは、あの破天荒なジョン・シピンが唯一“サー”と呼ぶほどの人格者だったが、今回はその逆。ヤクルトのジョー・ペピトーン（1973～74年）。呪文とか薬品とか楽器とかの名前みたいだが、人の名前だ。ボイヤーが日本球界に“好”影響を与えた男なら、彼は日本球界に“悪”影響を与えた男。ペピトーンは1962年、ヤンキースでデビュー。ボイヤーとはチームメイトだった。守備では一塁手としてゴールドグラブ賞を３度獲得、打撃でもミッキー・マントルやロジャー・マリスと並んで主軸を打ち、年間31本塁打を記録したこともある。ニューヨーク市民はその才能に期待を寄せた。「マントルの後継者はペピトーンしかいない」――。ところが、彼には大きな問題があった。ズバリ“ダメ人間”だったのである。数々のトラブルに球団は呆れ果て、ペピトーンは次第に落ちぶれていく。そんな中、声をかけたのがヤクルトだった。当時、32歳。トラブルメイカーは海を渡った。しかし、その言動が変わることはなかった。以下、伝え聞く『オレ様列伝』を幾つか。○　頭痛を理由に出場拒否。　　理由は、マンションの鴨居が低くて、　　出入りの度に頭をぶつけるから。この理屈が通るなら、奥森かずいは毎日休診。○　スパイクを忘れたことを理由に出場拒否。　　新しいスパイクを与えたら「靴擦れ」で出場拒否。飛天御剣流を思わせる、見事な二段構え。○　伊達男なのに、ハゲ男。　　普段はフサフサの女性用ヅラを装着し、　　プレー中は短髪のものに換えていた。　　それが落ちないよう、全力疾走はしなかった。　星逃田にはなりたくなかったのか。○　前夫人との離婚裁判で無断帰国。　　再来日後、いきなりアキレス腱痛を訴えるが、　　ディスコで朝まで踊り狂っていた姿を目撃された。朝青龍か！○　買い物をする度に請求書を球団に送り付けた。ボイヤーも被害に遭った。当時、彼はペピトーンに部屋を間借りさせていたのだが、ある日、20万円もの請求書が送られてきた。電話代だった。元ヤンキースの先輩に対して、この仕打ち。それでも、人格者・ボイヤーは笑って許したそうだが。とにかく、何かにつけて試合を休もうとする。自分で荷物を持つ日本の慣習に怒り、電車移動にも怒った。かの“名将”三原脩でさえ、この男にはホトホト手を焼かされたのだ。そして、最後はキャンプのボイコット。球団が来日を促したら、今度は荷物と飼い犬の空輸料金を請求してきた。これで解雇。サボって、ツケて、ワガママ言って。その悪行に、日本では「元メジャーリーガー排除論」が声高に叫ばれるようになった。その時、日米関係の悪化を恐れたのが、ドジャースのピーター・オマリー会長である。彼は関係修復に相応しい人物としてチャーリー・マニエルを選び、ヤクルトに委譲した。因みに、その後のペピトーンはというと、銃の不法所持やら、コカインの所持やら、暴行やら、飲酒運転やら、交通事故やらでたくさん逮捕されたそうな。米国通算.258、219本塁打、721打点。日本通算.163、１本塁打、２打点。今は何をしているのだろうか。Please crick here !!

  2007.10.23

  コメント(2)

• 

  助っ人４

  むかし、むか～し、1970年代のお話。日本プロ野球に大きな影響を残した外国人の物語。今回は、大洋のクリート・ボイヤー（1972～76年）。多くの場合、助っ人外国人は守れない、走れないは許されても、打てないは許されない。しかしボイヤーの場合、打撃は平凡ながら、超人的な守備を武器に５年間も日本に留まった。その守備には、幾つもの伝説が残されている。彼はもともとヤンキースの正三塁手だった。与えられていた背番号は、なんと“６”番。名門・ヤンキースで１桁番号を背負うというのは、大変な名誉である。１　＝　ビリー・マーチン３　＝　ベーブ・ルース４　＝　ルー・ゲーリッグ７　＝　ミッキー・マントル８　＝　ビル・ディッキー／ヨギ・ベラ９　＝　ロジャー・マリス　ご覧の通り、殆どが永久欠番になっており、空いているのは２つだけ。そんな中、ボイヤーが“６”番を付けたのは、マントルによる指名があったかららしい。現在でも、ボイヤーの守備はヤンキース歴代三塁手の中でも「最高」と評されている。移籍先のブレーブスでも、彼の守備は絶賛された。あのハンク・アーロンをして「メジャーで一番」と脱帽したほど。因みに、この時のチームメイトには、現ヤンキース監督のジョー・トーレや元大洋のフェリックス・ミヤーンがいた。1969年のゴールドグラブ賞は、ボイヤーが三塁手、ミヤーンが二塁手で受賞している。さて、そんな選手がどうして大洋に来たのか？実は、フロント批判によるハワイ追放。アメリカを見返したい一心で彼は日本にやって来た。しかしながら、大洋におけるボイヤーは非常に男気のある人格者だった。２年目の契約更改のとき、白紙のままの契約書を差し出し、「適当に書き入れてくれれば結構」と言った。余暇を家族とか外国人の仲間と過ごすのではなく、チームメイトを何度も家に招待しては、ステーキとかメキシコ料理とかを振る舞った。夏場、年齢から来る疲労で試合出場がしんどくても、彼はビタミン注射の打ち過ぎで青黒くなった腕のままプレーを続けた。ボイヤーは来日中、その野球への知識から“野球博士”と呼ばれていた。そして、もう１つ“恩人”とも。当時、二軍でトレード要員になっていた田代富雄。このオバＱを一軍に抜擢したのは、ボイヤーである。更に、解雇寸前だった高木由一。これをチームに留まらせたのも、ボイヤー。そして、後にゴールデングラブ賞の常連となる山下大輔。彼に守備の極意を惜しげもなく伝授したのも、ボイヤー。高慢ではなく、高潔。一流メジャーリーガーというと、我儘な選手が多いが、ボイヤーはそのイメージを払拭した。米国通算.242、162本塁打、654打点。日本通算.257、71本塁打、218打点。日米でゴールデングラブ賞（69、73、74年）を獲得。引退後は、メジャーリーグのコーチなども務めた。そのボイヤーが今年６月４日、脳出血のため逝去した。70歳だった。ご冥福を祈る。さて、次回は1970年代に来日した外国人をもう１人だけ紹介しようかと思う。これがまた、ボイヤーとは正反対の男なのである。Please crick here !!

  2007.10.22

  コメント(4)

• 

  予言

  2006年王者vs.2005年王者。遂に、本日はパ・リーグの頂上決戦、ペナントレースの総決算である。両先発は、ともに防御率１点台、ダルビッシュと成瀬である。勝負はどちらに転ぶかわからない。わからないのではあるが……。ぶっちゃけ、勝つんじゃないかと思うのは、ロッテ。ハギーには悪いが、早川とオーティズがいる。しかし、もっと大きな理由がある。第２ステージ３戦目。日本ハムが２勝１敗と勝ち越し、日本シリーズ進出に王手をかけた試合でのことである。お立ち台には、カメラ席に飛び込む邪飛を好捕し、試合の流れを引き寄せた稲田。「ボールというエサが見えたので　イノシシのように取りに行きました」「なまら最高じゃけんのうっていうのを　明日言いたいと思いますので」まァ、ここまでは良い。「なまら最高じゃけんのう」というのは、日本ハムのムードメイカー・稲田の決め台詞だ。本拠地のある北海道と地元である広島の方言のミックス。これを言い放つのは問題ない。ところが、その後がよろしくなかった。「……あ、もう言っちゃった！」ハッキリイッテ、サムイ！1989年日本シリーズ第３戦を思い出した。「巨人はロッテより弱い」でお馴染み、シリーズ裏ＭＶＰ・加藤哲郎である。このフレーズ自体はメディアが拡大解釈して書いたものだが、彼の言葉が巨人ナインの逆鱗に触れたことは事実。……駒田なんて、第７戦で本塁打を打った直後、加藤に力いっぱい罵声を浴びせていたし。かくして、３連勝していた近鉄は、この暴言を境に４連敗の悪夢を味わうこととなった。こんな例もある。1984年夏の甲子園決勝。絶対的優勝候補だったＰＬ学園は、取手二にまさかの敗戦。実は前夜、ＰＬは宿舎で表彰式“ごっこ”に興じていた。バットを優勝旗に見立て、ああだこうだと言い合う。そこには、明らかに過信と油断があった。そう、真剣勝負の最中にあって、図に乗るなんて行為はご法度なのだ。稲田の一言には、そんな“におい”を感じる。更に、ロッテにはもう１つ好材料がある。それは、里崎という男の存在だ。頭を過ぎるのは７月17日のオリックス戦。ローズにしこたまぶん殴られた後、これでもかとバットで仕返しをしてみせた。案の定、先日の第４戦では怒りの逆転２ラン。しかも、この捕手は打撃が好調だと連鎖的に守備も良くなるタイプ。シーズン中、ダルビッシュから一発を打っている事実も「買い」だ。勝利を導くのは、里崎。そう予言したい。因みに、日本ハム側で成瀬と相性が良いのは、工藤（８打数３安打）と高橋信（13打数４安打１本塁打）。しかしながら、捕手は鶴岡起用が濃厚である。Please crick here !!

  2007.10.17

  コメント(5)

• 

  抑え

  王座奪取に失敗した亀田大毅。試合前は「負けたら切腹」などと言っていたが、“浪速乃弁慶”なんだから、立ち往生が筋じゃないか。なんて思っていた先週である。野球界ではクライマックス・シリーズが開幕、ロッテと中日が第２ステージへと駒を進めた。そして……。星野ジャパン最終候補34名も発表。最大の目玉は、豪華リリーフ陣だという。武田　久（日本ハム）　　64試合　防御率2.42加藤大輔（オリックス）　63試合　防御率2.59岩瀬仁紀（中日）　　　　61試合　防御率2.44藤川球児（阪神）　　　　71試合　防御率1.63上原浩治（巨人）　　　　55試合　防御率1.74なるほど、確かに凄い面子である。ＷＢＣでは世界一の栄光を手にした日本だが、五輪ではここ数回、苦杯を舐め続けている。「今度こそ！」との思いも強いが、気になることもある。アジア予選が行われる12月、彼らに余力は残っているのだろうか？苛烈なペナントレースと＋アルファを戦い抜き、更に真剣勝負を重ねるなんて。特に、投手の肩は消耗品とも言われる。仮に夏場以降バテていた投手がいたとして、その疲労が１～２ヶ月で回復するとは思えない。ということで、今回は検証企画。日本の命運を握る５名の投手について、開幕～７月と８月～閉幕に期間を分け、成績を比較してみようと思う。さて、まずは防御率を見てみよう。武田（前半）2.42　⇒　（後半）2.42加藤（前半）2.90　⇒　（後半）1.77藤川（前半）0.72　⇒　（後半）3.03岩瀬（前半）3.10　⇒　（後半）1.27上原（前半）1.91　⇒　（後半）1.60この中で、数字を落としたのは藤川１人だけ。まァ、８月末から炎の10連投だし、無理もない。では、他の４名は安心かというとそうでもない。もう１つ、別のデータを採用してみた。DIPS（Defense Independent Pitching Statistics）。これは、ボロス・マクラッケンなる人物が考案した計算式で「投手の責任における失点」をより厳密に求めたものである。投手の責任における失点＝守備の影響を除いた失点。例えば、左翼を田口とか山森みたいな達人が守っていたとしよう。その場合、安打になりそうな打球がアウトになるケースが多くなるだろう。ところが、これが素人だった場合はどうだろう。逆にアウトになる打球が安打になってしまう。そんな投手にとってトホホな要素を除外した評価が、このDIPSなのである。計算方法は幾つかあるのだが、今回は以下を採用した。３（四球）＋13（被本塁打）－２（奪三振）――――――――――――――――――――＋3.2　　　　　　　　投球回数果たして、５名の数値はどうなるか。ドン！武田（防御率）2.42　（DIPS）2.77加藤（防御率）2.59　（DIPS）2.65藤川（防御率）1.63　（DIPS）1.39岩瀬（防御率）2.44　（DIPS）2.62上原（防御率）1.74　（DIPS）2.10そして、夏前後の成績比較。ドドン！武田（前半）3.06　⇒　（後半）2.24加藤（前半）2.93　⇒　（後半）1.92藤川（前半）1.00　⇒　（後半）1.96岩瀬（前半）2.38　⇒　（後半）3.06上原（前半）2.00　⇒　（後半）2.19オヤオヤ、岩瀬までもが数字を落としてしまった。プロ入り３年目、６年目、そして今年９年目と３年周期で不調が訪れる岩瀬。12月は新シーズンに含まれるのか、それとも……。こうして見てみると、自慢のトリプルストッパーのうち、２人に黄信号が灯ってしまっている。もちろん、今回の試みは様々な点で厳密ではない。しかし、全く意味がないわけでもない。少なくとも、この手計算にかけた時間は価値がある。そうじゃないと報われない。Please crick here !!

  2007.10.15

  コメント(4)

• 

  分析２

  前回、セイバーメトリクスなる分析方法を見て、心の中で「そんなの関係ねぇ！」と拳を振り下ろした貴方。ぶっちゃけ、正しい。実は、当のビル・ジェームズ本人も認めているのである。曰く「野球はあくまでも筋書きのないドラマ」だと。そう、統計も計算も絶対ではない。時に“人”の意思とか力によって覆されるものだ。キャサリンの予測だって１つも当たらなかったじゃないか。……キャサリンって誰？　うんうん、もっともだ。ボクシング漫画『リングにかけろ』の登場人物で、アインシュタイン・アカデミーとかいう如何にも偏差値の高そうな学校で首席を争った女性である。物理学的な見地から主人公たちに危機を呼びかけたが、全てが杞憂に終わった。そんなわけで、今回は“予報”のお話。米国では、選手の成績を予測する「活躍予報」なるものがあるそうだ。2003年以来毎年、シーズン前に発表されるこの数値は、セイバーメトリクス専門のシンクタンク、ベースボール・プロスペクタスが開発したシステムによって解析されている。その名も、ＰＥＣＯＴＡ。理屈としては、天気予報に近い。成績がよく似た過去の選手と比較し、未来を予想する。ただ、選手の１年を読みきるなど、なかなかに難しいものなのだ。実際に日本人選手の数字を見てみよう。まずは、今年１番の注目を集めた１億ドル男・松坂。松坂大輔（予報）14勝７敗　防御率3.83　VORP　42.2　　　　（現在）14勝12敗　防御率4.41　VORP　34.1ここで注釈。メジャー経験のない選手の予報は、日本での成績をもとに「ダベンポート変換」なる方法でメジャーの成績に換算した上で出している。そしてVORPとはValue Over Replacement Playerの略。訳すと「控え選手を上回る価値」という意味である。つまり、松坂は控え投手よりも42.2ポイントだけ活躍をするだろうと予想されていたわけだ。21日現在、松坂はやや期待を裏切っていることになる。チームメイトの岡島はどうだろうか。岡島秀樹（予報）２勝２敗２Ｓ　防御率4.54　VORP　6.0　　　　（現在）３勝２敗４Ｓ　防御率2.28　VORP　27.9こちらは嬉しい誤算。大活躍である。ルーキーはもう１人いる。デビルレイズ・岩村。岩村明憲（予報）.275　15本塁打　59打点　VORP　18.0　　　　（現在）.282　７本塁打　30打点　VORP　12.2こちらは、セイバーメトリクスで重視される長打力の点で少しだけ物足りなさが残る。……なに？　井川はどうした？マイナー調整が長かった井川は、VORPが7.0と予測されていたが、実際は－7.1。控え選手よりも価値が低いという評価。当たり前か。同じく大家と桑田もマイナス評価。それぞれ－0.7、－9.6という数字が出ている。彼らは解雇されてしまったけど。メジャー定着組に話を戻そう。大塚、斎藤の中継ぎ２人はどうだったのか。大塚晶則（予報）３勝２敗４Ｓ　防御率3.60　VORP　15.2　　　　（現在）２勝１敗４Ｓ　防御率2.51　VORP　11.7斎藤　隆（予報）３勝４敗20Ｓ　防御率3.70　VORP　11.8　　　　（現在）１勝１敗39Ｓ　防御率1.49　VORP　29.3両者に共通しているのは、シーズン前に防御率の面で甘く見られていたこと。あと、読めなかったのは大塚の故障離脱と斎藤のオールスター選出か。続いては、稼頭央と井口の内野手２人。松井稼頭央（予報）.274　７本塁打　49打点　VORP　3.6　　　　　（現在）.292　４本塁打　34打点　VORP　17.3井口　資仁（予報）.288　15本塁打　62打点　VORP　24.3　　　　　（現在）.251　６本塁打　31打点　VORP　6.4　　　　　　　　　.309　３本塁打　11打点　VORP　9.1　※　上段がホワイトソックス、下段がフィリーズ昨年、大減俸を食らった稼頭央は、故障に苦しみながらも予想を上回る活躍を見せている。予報では12だった盗塁数も、31まで増やした。一方の井口は今ひとつ。VORPの上では、随分と期待を下回っている。……なになに？　田口だって内野手だ？凄いな、アンタ。昔のことをよく覚えている。確かに、今でも年に１回くらいは二塁を守るんだが。では、その田口。田口　壮（予報）.266　３本塁打　26打点　VORP　2.4　　　　（現在）.287　３本塁打　24打点　VORP　5.6著書で自らを「取材対象としてヘリウムより軽い存在」と書いた田口。地味に頑張っている。続いては、ゴジラ・松井。松井秀喜（予報）.288　18本塁打　77打点　24.0　　　　（現在）.286　25本塁打　99打点　31.5予想を上回る活躍と書きたいところだが、これは、むしろ予報の数値が低いのでは？特に打点。健在なら100は固いはずなのだ。日本人唯一の捕手・城島はどうか。城島健司（予報）.296　11本塁打　60打点　VORP　23.2　　　　（現在）.294　14本塁打　59打点　VORP　25.6ををを、ほぼ予想通り。凄いぞ、城島。否、ジョージ・マッケンジー。では、そのチームメイト・イチローは？イチロー（予報）.312　６本塁打　58打点　VORP　15.5　　　　（現在）.353　６本塁打　67打点　VORP　60.8オイィィィイィィィイィィ！　別人だろ、これ！実はイチロー、毎年VORPを低く見積もられている。昨年もシーズン前は17.6を付けられていたが、実際は46.4を記録した。無理もない。過去に似た選手がいないのだ。というわけで、わかっただろうか?統計はやっぱり難しいと。最後にもう１人だけご紹介しよう。日本人ではないが、日本に縁のある男だ。ステアーズ（予報）.261　14本塁打　52打点　VORP　7.8　　　　　（現在）.293　19本塁打　59打点　VORP　29.2元中日のマット・ステアーズ。1993年の途中入団で、目立った成績も残せないまま解雇されてしまった助っ人である。しかし、メジャーに戻ってから素質が開花。38本塁打を打った年もある。1968年２月生まれ。まだまだ力は残しているようだ。てなわけで、今回はここまで。Please crick here !!

  2007.09.21

  コメント(2)

• 

  分析

  世の中には、夢分析なるものがある。何でも、無意識に潜む心理がわかるのだという。……クロマティを実家に招待し、靴をあげる夢を見た。これは、どう解釈していいものか。クロマティという部分に何か意味はあるのか。そもそも、これは善い夢なのか、悪い夢なのか。まさか、正夢じゃあるまい。謎だ。誰か分析してくれ。さて、ここから本題。今回は野球界（特に米国の）で近年、飛躍的に研究が進んでいる“分析”のお話。“セイバーメトリクス”膨大なデータを統計的に処理し、選手の評価を判断しようというものである。考案者は、ビル・ジェームズという人物。大学で経済学を修めた彼は、食品会社で夜警の仕事をしながら、この理論を構築していったという。日本でも話題となったアスレチックスのマネー・ボールも、この理論を取り入れている。攻撃では出塁率＆長打率重視。守備では奪三振率重視、四死球＆被本塁打厳禁。とにかく、主要３部門に価値を見出さないのが斬新だ。その他、このセイバーメトリクスは、戦術面でも従来のセオリーに疑問を投げかけるような分析結果を出している。例えば、送りバント。結論から書くと、これは得点の可能性を下げる行為である。ジェームズ曰く「アウトを防ぐことは、走者を次の塁に進めるより３倍重要」なんだとか。具体的な数字で説明しよう。無死一塁の場面、膨大なデータを統計処理してみると、その回に得点が入る平均期待値は.953。ここで、送りバントを成功させる。走者が進み、得点の期待値は上がるかと思うだろう。しかし、実際は.725に下がるのだ。まして、バントには失敗の可能性がある。無死一塁が一死一塁になると、数値は.573に、併殺打なら.117まで落ち込んでしまう。逆に、強攻策でヒットが出た場合は、1.573。……あァ、ウチのコリンズ監督ったら、初回から送りバント好きだよなァ。本塁打の割に得点が低いのはそういう理由なのか？投手の方でも１つ。クローザーの起用方法。セーブが付く場面での守護神投入は、愚の骨頂だというのだ。ジェームズはアウトカウント、出塁状況などのデータを統計・分析し、勝利確率（Win Probability）という計算を編み出した。これによると、なんと最終回、味方がリードしている状況では、95％もの勝率が約束されているという。しかも、どんな投手が投げようとも！ならば、優れた投手をわざわざ最終回に登板させることはない。最も効果的なのは、同点か１点ビハインドの７回らしい。……だからロッテファンの諸君、小林雅がコールされてもブーイングなどしないように。さァ、今回紹介したセイバーメトリクス。次回はこの理論を応用して考案された、選手の「活躍予報」というものを紹介しよう。Please crick here !!

  2007.09.11

  コメント(4)

• 

  伝統

  夏の高校野球、遂に代表校が出揃った。この時期、いつも興味深く思うのは、各校で受け継がれている“伝統”である。応援、技術、戦術……。そこには、プロ以上に“色”がある。今回は、過去の例を幾つか挙げてみよう。最初に思い浮かんだのは、広島商のバント。1973年、夏。静岡高との決勝戦。２－２の最終回、広商は無死一塁。打席には、町田が立っていた。カウント１－３、迫田監督はバントのサイン。しかし、町田はこう返してきた。「もう１球、待ちます」次の球がボールなら、四球となる。ストライクなら、カウント２－３。その次の球でバントを成功させればよい。町田には、勝算があった。「３バントでも絶対に失敗しない」広商のバント。それは、まだ木製バットの時代、非力で小柄な部員たちが見出した術だった。昼休みは毎日バント練習。当時は斬新だった２ランスクイズ、３バントを積極的に取り入れた。そして、広商＝精神野球。よく知られているのが、日本刀を２本並べて、その上に裸足で乗るという荒行。更に、腹の上に枕木を置いてハンマーで叩き割るなんて“儀式”もあったらしい。腹筋を鍛えていないと、枕木は割れない。その時点で、レギュラーの座を失ったという。追い込まれても実力を発揮できる、精神力を彼らは備えていた。実際、同年のセンバツでは、あの江川卓を擁した作新学院を僅差で倒している。勝負の分かれ目は、やはりバントだった。場面を試合に戻そう。結局、町田は四球を選んだ。続いての打者も塁を埋め、一死満塁。打席に向かう大利に、迫田監督は２ストライク後のスクイズを命じた。追い込まれたら、スクイズはない。相手はそう思い込むと予想したからだ。そしてカウント２－２、大利はバント。史上初、スクイズでのサヨナラ優勝だった。現在、高校野球“らしい”と言われるバント戦術。その源流は、間違いなく広商が元祖なのだ。続いての“伝統”は、宜野座カーブ。2001年、春。21世紀枠で選ばれた沖縄の公立校が、ベスト４まで進むという快進撃を見せた。宜野座高校。そのエース・比嘉が投げていた独特のカーブ。通常のカーブのように手を内側に捻るのではなく、外側に捻る。つまり、シュートに近い投げ方。但し、ボールの切る場所が違う。人差し指を巧く使ってカーブ回転をかける。かつて、ジョニー黒木が変則スライダーとして紹介していた投げ方と似ていると思った。この魔球、宜野座高の奥浜監督が円盤投げをヒントに考案したものである。あの年の比嘉だけでなく、他の代にも受け継がれてきた“伝統”だ。因みに、宜野座高は初代の21世紀枠。もう１校は我が母校、福島の安積高だった。いろんな意味で、宜野座高との差を感じるなァ。最後は、知る人ぞ知る日大藤沢高のマニュアル『100カ条』に書き込まれている“伝統”を。内野５人シフト。通常、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手で構成される内野手を１人増やす。つまり、外野手を投手の傍らに立たせる。勝負所、三塁に走者を背負った状況での奇策。完成させれば、７－２－３の併殺打なんて珍しい記録が残ることとなる。プロの世界では、広島のブラウン監督、オリックスの伊原監督の例が記憶に新しい。古いところでは、野村さんの選手権監督時代、近鉄の永淵洋三を惑わせるための“シフト”に内野５人が採用されたという。なかなかお目にかかれないこの戦術、日藤では当たり前のこととして練習している。取り入れたのは現日大監督の鈴木博識さんだ。彼が幼い頃、1963年の夏。甲子園初出場を成し遂げた横浜高が、実は内野５人を行っていた。それはそれは強烈な記憶だったのだという。以来、鈴木監督はチャンスを狙っていた。内野５人に不可欠な条件が揃うのを待った。打球を外野に運ばせないような球威と制球力を持った投手が出てくるのを。そして、その時は訪れた。１度目は青森商時代、1985年の秋。しかし、この時は微妙な判定により失敗。２度目は日藤時代、1989年の夏である。相手は、奇しくも横浜高だった。舞台は神奈川県大会の決勝、延長10回だった。左翼手が投手の横で構えると、見事に打球はそのグラブへと収まった。７－２－３の併殺打。結局、試合は落としたものの、そのインパクトは関係者を唸らせた。☆☆☆なかなかに奥が深い高校野球の伝統。今年の夏は、どんな新しい発想が見られるのか。Please crick here !!

  2007.08.04

  コメント(6)

• 

  助っ人３

  萩原、歌藤、吉井よ……。アリーベ・デルチ（さよならだ）！さて、駆け込み人事の季節である。球界は今、人の流れが激しくなっている。他球団への移籍。育成選手から支配下登録へ。そして、新外国人の獲得。今回は、３つ目の件について取り上げたい。今季、途中加入した助っ人の面々を見て、強く思ったことがあるのだ。はたして、それは何なのか？メンバーを並べてみると、よくわかる。ジョーンズ（日本ハム）内野手マットホワイト（横浜）投手オーティズ（ロッテ）内野手バス（楽天）投手ドミンゴ（楽天）投手アレックス（広島）外野手スタンドリッジ（ソフトバンク）投手シコースキー（ヤクルト）投手ＧＧ（巨人）投手マットホワイト！　フルネームでの登録だと？タイゲイニーの二番煎じか！……とか、脳裡に浮かんだ貴方。絶滅危惧種としてワシントン条約（CITES）に保護してもらうことをお勧めしたい。そうじゃなくて。本当に注目したいのは、知っている奴が多いってこと。オーティズ、ドミンゴ、アレックス、シコースキー。ここには、１つのトレンドを見て取れる。そう“日本球界経験者神話”である。ラロッカ、ローズ、デイビー、グリン、セラフィニ、セギノール、ウィット、ズレータ、フェルナンデス、リック、シーツ、タイロン・ウッズ、スンヨプ。各球団の主力たち。彼らはみ～んな現在のチームより以前に日本の野球を経験している。よく思い出してみて欲しい。かつての球界には、“超大物幻想”という名のトレンドがあったことを。ケビン・ミッチェル、マイク・グリーンウェル、フリオ・フランコ、ディンゴ……、etc.古くは、ボブ・ホーナー、ベン・オグリビーとか。契約未遂の例としては、ケビン・ミラーなんてのもいた。しかし今、時代は完全に変わった。どこの馬の骨かわからん奴より、身近な安全牌。そもそも、外国人の獲得というのはギャンブルである。少ない情報と資料。1968年に東京オリオンズに入団したアルト・ロペスなんて、へクター・ロペスと間違えて契約しちゃったわけで。人材の発掘とは、時間がかかるものだ。どこに埋もれているかわからない逸材を探索する時間。プレーの良し悪しについて、いろいろと判断する時間。性格、家庭環境などを調査する時間。更に、来日してからは生活習慣、練習時間、配球、ストライクゾーンなど、日米の違いに適応する時間。日本の野球を知っている選手だと、これらの時間を大きく省略できる。しかも、ある程度のクオリティは実証済み。ディ・モールト（非常に）！　効率的ッ！実は、このトレンドに目を付けたのは、球界だけではなかった。それは――、プロレス界だ。クロマティ、再来日。ハッスルでタイガー・ジェット・シンを相手に白星デビューだってね。おめでとさん。Please crick here !!

  2007.06.29

  コメント(2)

• 

  ファン

  プロ野球ファンって人種は、不思議である。どのチームを贔屓にしていようと、何かと共通点があるものだ。それも、熱烈なほど。思いつく限り挙げてみよう。貴方は幾つ当てはまるだろうか？1.贔屓チームのことを語る際、　「ウチの球団は……」という言い方をする。　他球団ファンには「おたくの球団は……」と言う。どんだけェェェエェ？まるで、変な井戸端会議だ。球団を「我が子」に見立てた井戸端会議。「ウチの球団は出来が悪くてねェ」「それに比べて、おたくの球団は羨ましいわァ」みたいな。2.下駄箱とかロッカーとかパチンコ台とか、　数字を選ぶ際は好きな選手の背番号。どんだけェェェエェ？完全に本人の気分の問題である。例えば、各球団でも人気であろう「３」の場合。Ｑ「村松？　石嶺？　まさか、葛城？」Ａ「……イヤ、Ｃ・Ｄでしょ」可能性、なくもない。3.贔屓チームが試合に負けた当日のニュース、　翌日の新聞は読まない。どんだけェェェエェ？これも、本人の気分の問題である。おかげで今年の５月、特に前半は世の中で何が起こったのかを全く知らない。何てったって、10連敗の後に６連敗だもの。4.年表や昔の出来事を振り返る時、　必ず贔屓チームの歴史が基準になる。どんだけェェェエェ？例えば「何年生まれ？」と聞いたとして、「1976年」と答えられたとする。「あァ、阪急と巨人の日本シリーズ！　第７戦、足立が頑張ったんだよね～」とか言ってしまう奴。とにかく年号とか数字に強い。「山田が26勝で初めてＭＶＰに選ばれてさァ」もう、いいっての。5.他球団の親会社、系列会社を利用しない。　仕方のない時は何らかの言い訳を考える。どんだけェェェエェ？名付けて、１人経済封鎖。自分の金がライバル球団の補強費に充てられると思うと、複雑な気分になる。そんな事実はないんだろうけど。体験談を書こう。後輩３人と福島から千葉マリンに行った時のこと。困ったことに、腹が、減ったのだ。仕方なく、ロッテリアでハンバーガーを買った。しかし、自分を裏切ってしまった感じがする。そこで考えた言い訳は……？「この金は、内田有紀のギャラになるんだ！」そう、当時、ロッテリアのＣＭには内田有紀が起用されていたのだ。子供じみた言い訳だが、これは「アリ」だ。逆の意味では、がんばろう神戸に沸いたあの頃。「変わらなきゃ」ってことで、ちゃんと日産の車に乗ってましたよ。ただ、１つだけ汚点が……。上京してきてから、住んでいたのが西武沿線。それも、なんと６年も。流石に言い訳が思いつかない。くそう、まさか裏金に回されたんじゃあるまいな？☆☆☆先週末は、さくらんぼを狩りに山梨へ。訪れた先に巨人・松本哲也の直筆サインが飾ってあった。育成選手としての入団だが、走攻守３拍子揃ったプレーが認められ、今年、支配下選手として登録された。彼は、山梨学院大付の出身だったんだな。オリックスファンとしては、どうしても牧野とか五島が最初に思い付くのだが。Please crick here !!

  2007.06.20

  コメント(2)

• 

  魔術

  今年の巨人について、思ったことがある。内海、高橋尚、木佐貫、金刃、＋α。脅威の逆指名カルテット。躍進あり、復活ありのローテーション。たった１年で、ガラリと入れ替わったものだ。上原、パウエル、グローバー、工藤……。ここまでローテーションが大胆に入れ替わるなんて、異例の事態ではなかろうか。……まァ、楽天という例もあるけれど。パズルのピースを巧く揃えたのは、尾花高夫投手総合コーチである。尾花というと、ヤクルト弱小期のエース。現役時代は通算112勝を挙げるも、一方で135の黒星。制球力があり、押し出しを一度も記録していない投手として名を残している。引退後は、ロッテ、ヤクルト、ダイエーでコーチを歴任。巨人は今年で２年目となる。興味深いのは、彼が在籍した全ての球団で防御率を劇的に向上させていることだ。　　　　　就任前　　就任後ロッテ　　4.50　⇒　3.27　　　ヤクルト　4.00　⇒　3.26ダイエー　4.02　⇒　3.65巨人も例外ではない。就任前の一昨年は4.80だったが、去年は3.65となり、今年は更に低くなった。現在、リーグトップをひた走っている。尾花には、幾人もの名将から学んだノウハウがある。広岡監督の徹底した管理野球、バレンタイン監督のメジャー流、野村監督のデータ分析術、王監督の人間力。更に、尾花は今年の巨人が直面したような危機を乗り越えた経験があった。1999年のダイエー時代。武田、工藤、西村、ヒデカズらで回していたローテーションを就任１年目でガラリと変えた。工藤、若田部、永井、星野、＋α。中でも問題だったのは、勝ち頭の武田が中日に移籍してしまったこと。尾花が目を付けたのは、永井、星野といった若手、そしてベテランの若田部だった。前年、勝ち星のなかった若田部。それが、この年はなんと10勝を挙げた。尾花が彼に施したのは、主にフォーム改造だった。クセを修正し、かつての輝きを取り戻した。今年でいうと、木佐貫。彼もまたここ２年は勝ち星ゼロだったが、尾花にフォームを修正してもらったことで、復活を果たした。木佐貫の場合は、テークバックと右足の使い方。これにより、キレは増し、制球力も上がった。これぞ、尾花マジック。あの時、ダイエーは４位から一気に優勝を勝ち取った。去年の巨人も４位。果たして、ペナントレースの行方は？そうそう、若田部もまた尾花と同じく押し出しを記録したことのない投手である。意外な事実である。Please crick here !!

  2007.06.15

  コメント(2)

• 

  特大弾

  “野球の華”本塁打。中でも、どこまでも飛んでいきそうな特大の一発は、見ていてとっても気持ちの良いものだ。先月は、ローズが２週連続で東京ドームの看板に当てたが、あれもまた爽快だった。19日、正津から放った12号は140ｍ。27日、上原から放った15号は145ｍ。この２本、それぞれ右翼席と左翼席とで見ていたのだが、同じ右翼への打球でも、スタンドの反応が違っていて面白かった。＜右翼席＞打った瞬間にスタンドインを確信し、大騒ぎ。途中、あまりに飛距離があるので、口をあんぐりしながら打球の行方を追う。そして、最後に「ドンッ」という看板に当たる音を聞いて大爆発！＜左翼席＞打った瞬間はとにかく大騒ぎ。「行った！」「イヤ、ファールかも？」とか思いながらハラハラしながら打球を追う。最終的には打球を見失ってしまうので、右翼席や審判の反応を見て大爆発！どちらも「大騒ぎ」「静寂」「大爆発」という流れは一緒なのだが、その内容が違う。興味深い体験だった。さて、27日は楽天の山崎も特大の一発を放っている。打球は、横浜球場の場外までぶっ飛び、露店に並んでいた『Ｙｅｓ！プリキュア５』のお面を直撃したという。推定飛距離は、145ｍ。因みに、ローズも山崎も今年39歳の1966年生まれ。ところで今季、好調な山崎の打撃だが、いったい何が変わったのだろうか？本人曰く「今までは本能で打っていたのが、野村監督と出会ってから、配球、読みなどに気を配るようになった」とのこと。実際、この日も直前にシンカーでストライクを取られたので、同じ球を待っていたようだ。なるほど。思えば、彼も遠い昔は捕手だった。さァ、特大弾というと、有名なのは幾つかあるわけだが、皆さんは何が思い出深いだろうか？1990年、ブライアントの東京ドーム天井直撃170ｍ弾？1998年、ブーマーの公式日本記録162ｍ弾？1953年、中西太が平和台で放った伝説の測定不可能弾？2002年、日本シリーズで清原が松坂から放った150ｍ弾？2005年、カブレラの自己申告190ｍ弾？個人的には、1991年にオリックスの投手、シュルジーが日生球場で打った照明直撃弾。「投手？」とか思った貴方のために、簡単な状況説明を。５月29日の近鉄戦。９回表、高橋智の３ランでオリックスが勝ち越したところから物語は始まる。⇒　その裏、土井監督は抑えのシュルジーを投入。　　さらに、石嶺（ＤＨ）の代走・飯塚を一塁に起用。　　結果、シュルジーは６番を打つことに。⇒　ところが、そのシュルジーが救援失敗。　　鈴木の同点タイムリーが飛び出し、試合は延長へ。⇒　そして延長11回表、シュルジーの打球は、　　ＤＨ制導入後初となる投手による一発となった。生で見た中では、2004年の日米野球第２戦でＤ・オーティズが渡辺俊介から放った本塁打。推定飛距離は、160ｍだったっけ。あァ、そうそう。1994年、オリックスにはキャブレラという外国人がいたのだが、彼が千葉で打った一撃も忘れられない。マリンスタジアムの外壁を思い浮かべて頂きたい。……相当高いでしょう？　あそこで、なんと！あわや場外という特大の当たり。びっくりしたね、あれァ。僅かにファールだったのが、残念だったけど。Please crick here !!

  2007.06.02

  コメント(6)

• 

  象徴

  さて、田中幸雄が2000本安打を達成したわけだが、あの声援は凄かった。田中幸雄というと、ミスター・ファイターズ。チームの“象徴”ともいえる存在なわけで。要は、ブルーウェーブにおける藤井康雄、マリーンズにおける初芝清である。しかも、場所はかつての本拠地・東京ドーム。そりゃあ、ファンも嬉しかろう。その“日本ハムの象徴"は、これまでどんな球歴を辿ってきたのか。今回は、他球団のファンから見た、田中幸雄像を書いてみる。☆　春夏連続でＫＫに敗退幸雄は、宮崎の都城高校出身。２年生の時、春夏連続で甲子園出場を果たしたが、２度とも同じ相手に敗れている。その高校こそ、ＰＬ学園である。同期には、清原と桑田がいう化け物がいたのだ。☆　目標は「広瀬哲朗」そんな幸雄は1985年、ドラフト３位で日本ハムの指名を受ける。１位には、同じ遊撃手である本田技研の広瀬哲朗。入団会見の時、目標の選手を問われた幸雄は、「ドラフト１位の広瀬選手です」と答えたそうだ。……２年目にはあっさり超えちまったが。証拠は、初代ファミスタにあり。☆　ニックネームは「コユキ」よくよく考えてみると「田中」も「幸雄」もそう珍しくない名前なわけで。入団した当時には、投手にもう１人「田中幸雄」がいた。おかげで、登録名は「田中雄」（≧Σ≦）ニックネームも、大柄な投手の方が「オオユキ」で、彼の方は「コユキ」となった。184cm、丸太のような腕をしているのに。そういえば、当時の日本ハムには「田中」が多かった。幸雄×２、富生、学。大内実も改名して田中実になった。近年では、賢介に聡も……。流石は、全国４位の姓ということなのか？それとも、この球団の伝統なのだろうか？☆　幸雄の若大将時代デビュー２打席目で本塁打を放ったり、オールスターで得票１位になってみたり、一気に看板選手へと成長した幸雄だったが……。1992年、肘痛で出番なし。そして1993年は、遊撃手のポジションを広瀬に奪われてしまった。幸雄は左翼へ。なんか、原みたいだな！　当時はそう思っていた。☆　コイチロー打法そんな幸雄だったが、今度は広瀬を三塁へ追い出し、遊撃手に復帰した。そして1995年、彼は振り子打法に着手！本人曰く「コイチロー打法」だとか。なんて「コ」が好きな奴なんだろう。184cm、丸太のような腕をしているのに。この年、彼はイチロー、初芝とともに打点王を獲得している。因みに、遊撃手での同タイトルは史上唯一である。☆　21世紀の幸雄その後の幸雄は打ったり、打たなかったり、故障に悩まされたり、年を取っていったり。いつしか、彼は一塁とか代打とかを任されるようになっていった。特に、ヒルマンが監督に就任してからは、その傾向が顕著になっただろうか。【生え抜きのベテラン】＋【代打で一発】これは、チームの“象徴”になるための条件だ。名付けて、ＦＨＹ（藤井・初芝・幸雄）の方程式。この時期、最も印象的だったのは……？新庄のサヨナラ満塁弾を幻と化した、アレかな。興奮して抱き付いて、クルッと回って追い越しアウト。打点は４から１へ。本塁打も単打へ。試合後、新庄に謝罪したところ、「何言っているんですか。勝ったんだから」よかった、よかった。☆　2000本安打達成これで史上35人目、日本ハム一筋の選手としては史上初。22年目での到達は史上最もスローなんだとか。更に、シーズン３割を知らないままの達成は、柴田勲に次いで２人目らしい。現在の通算打率は.261。余計なお世話だが、現在の打数で通算３割に到達しようとしたら、安打があと299本も必要だったんだ。そう考えると、イチローって偉大なんだな。☆☆☆それにしても、今年は金田正一が東奔西走して忙しい年だなァ。松井、幸雄、更には前田、金本、山本昌も名球会入りを決めるかもしれないし。Please crick here !!

  2007.05.19

  コメント(2)

• 

  バット

  マメ。練習熱心のバロメーター。頑張った証。自信の種。そう、打者の手にはマメがある。なんて当たり前のことだろう。ところが、プロの中にはマメのない選手がいる。イチロー、松井秀喜、落合博満、小笠原道大……。何故だろう？　体質？もしかして、秘密はバットにあるかもしれない。彼らのバットは、全てこだわりのオーダーメイド。手に馴染むように何度も試作を重ねる。しかし、彼の場合はどう説明をつければいいのか？“ミスター”こと長嶋茂雄。実は、彼もマメなし族である。但し、この男は時と場合で使うバットが変わる。他人のバットを勝手に持ち出しては快打を放つ。割とよく聞くミスター伝説。その原点は立教大学時代にあった。当時の六大学記録、通算８本塁打。実はあの８本目、長嶋は同僚のバットを拝借して記録を達成している。立教で３番を打っていた浅井精氏の証言。「私は一番大事なバットを最後の試合に使おうと　決めていた。前の日の練習後に磨いていると、彼が来た」瞬間、浅井氏は「マズイ」と思ったそうな。自分のバットを持っていかれると直感したのだ。因みに、長嶋はここまでの７本全てをチームメイトのバットでかっ飛ばしていた。「案の定そのバットを掴んで素振りを始めた。　“いいバットだな”と（笑）あげましたよ」持っていったのは、タイ・カッブ・モデル。コンタクト重視のバットだ。この時期、長嶋は悩んでいた。４年春、タイ記録の７号が出てから、パッタリと当たりが止まってしまったからだ。時間の問題と思われた記録更新は秋までもつれ込み、残る試合は遂に最終戦だけとなってしまった。その間の様子を同期のキャプテン、本屋敷錦吾氏はこう語る。「流石の彼も気にしていましたね。　普段はあの通り、自分を中心に地球が回っていると　思っているような奴ですけど、　あの時は随分と気にしていたみたいですよ。　だから、我々も長嶋には気を遣いました」悩んだ末、長嶋は本塁打の出にくいバットを選んだ。気分転換のつもりだったのかもしれない。しかし、その気まぐれが、彼の名を歴史に残した。こんな話もある。プロ野球を語る上で歴史的といえる1959年、後楽園球場で行われた天覧試合。その前夜、長嶋は１つの賭けに出ていた。「どうか大事な場面で打たせて下さい」枕元で、祈りを声に出した。手には真新しいバット。そのバットは、1940～50年代にパイレーツなどで活躍したスラッガー、ラルフ・カイナーのモデル。普段、長嶋が使っているアル・シモンズ・モデルより約20グラムも重いバットだった。そう、流石はミスター。この大舞台で一発を狙っていたのだ！さて、本番。結果は、周知の通りである。９回裏に村山実から放った本塁打は、劇的サヨナラ弾！この一発で、村山は自宅の電話番号3279を変えた。「３に泣く」――。験が悪いからだ。後年、東京ドームに野球殿堂が作られると、記念のバットはそこに寄贈された。ところが、驚愕の事実が！なんと、収められているバットは、ラルフ・カイナー・モデルでも、アル・シモンズ・モデルでもなく……。アル・ケーライン・モデルなのだ！タイガース一筋22年のミスター・タイガース。1955年には、弱冠20歳ながら首位打者に輝いている。……どちらかというと非力なタイプ。……バットもどちらかというとコンタクト重視。大事な場面で一発打てるように願いを込めた“重い”バットはどこへ行ったァァアァァ？これまたミスターらしいというか。因みに、彼は手にマメができない理由についてこんなことを言っていたそうだ。手にマメができるのは「バットが手の中で暴れるから」つまり、正しくバットを握れていないからだと。そうか、バットを正しく握ればマメはできないのか。……そうなのか？最後に余談だが、新庄剛志の手にもマメはなかったとか。そういえば、彼のグラブへのこだわりは有名だが、バットの話ってあまり聞かないなァ。「バッティングのことはあまり聞かないで下さい」（阪神時代の常套句）ハイ、スミマセンでした。Please crick here !!

  2007.05.04

  コメント(4)

• 

  演技力

  野球選手にとって必要な資質とは何だろうか？身体能力？　明晰な頭脳？　精神力？　強運？もちろん、これら全て必要なものだ。しかし、野球選手は時に「演技力」も求められる場合がある。それは、トリックプレー。相手を騙し、隙を突く。良く言えば「頭脳的」で、悪く言えば「せこい」プレー。これを成功させるためには、迫真の演技が必要だ。例えば、隠し球。球を持っていないフリ。その歴史は古く、19世紀末の米国まで遡る。日本で有名な使い手というと、やはり元木大介か。“クセ者”の異名は記憶に新しいところだ。それと、かつての大下剛史。1970年の東映時代には、なんと１シーズン４隠し球！こちらは“忍者”という呼び名で恐れられていた。普通、隠し球というと、走者が塁を離れる瞬間を息を呑んで待つものだが、こんな珍しいケースもある。1997年、インディアンスの三塁手、マット・ウイリアムスが使った手法は……。「ベースの泥を払うから、ちょっとどいてくれ」素直にベースを離れる三塁走者。タッチ。アウト。どかぬなら、どかしてみよう、三塁走者。どいたなら、殺してしまえ、三塁走者。言ってみたら、うまくいっちゃった。みたいな。ポイントは、あくまでも自然体を装うこと。これは攻守立場が入れ替わった場合――、つまり、走者によるトリックプレーでも、要領は同じだ。1930年代に名古屋とイーグルスで活躍した“助っ人外国人第１号”バッキー・ハリスの場合……。「スミマセン、ソノボール、チョット見セテ下サイ」何かあるのかと思い、マウンドの投手は、つい釣られてコロコロとボールを転がす。と、ハリスは脱兎の如く次の塁へと走り出した！コロコロコロコロ……、セーフ。これまた言ってみたら、うまくいっちゃった。みたいな。実は彼、ポジションは捕手。「何でもいいから」と片言の日本語を習い、マスク越しに『桃太郎』を歌うなど、元祖「ささやき戦術」の使い手でもあった。捕手つながりで思い出したのが、大洋時代の若菜嘉晴。そう、伝説の「空タッチ」！有名なのは、1987年８月４日の読売戦。若菜はボールの入っていないミットで走者にタッチ……。それでも、アウトをもぎ取ったのだ！外野からの返球は、彼の右脇に挟まっていたのだが、審判からは死角になって見えなかった。まさに、咄嗟の判断が生んだ頭脳的珍プレー。さらに。実は、この空タッチ事件からちょうど２週間後、米国では、更に独創的なトリックプレーが飛び出していたのを御存じだろうか？主人公は当時インディアンス傘下、ウイリアムスポート・ビルズ（ＡＡ）の捕手、デーブ・ブレスナハン。彼はこの日、三塁走者を刺すためにずっと温めていた計画をとうとう実行に移した。その手口はこうだ。走者、三塁。まず「ミットの具合が悪い」とタイムを取り、ダグアウトで別のミットと取り替える。このとき、ミットの中にはある球体を忍び込ませておく。プレーに戻り、投手には外角スライダーのサイン。捕球して、すぐさま忍び込ませておいた球体を三塁へ。わざと暴投し、走者を誘い込む。ホームインしようとした走者にタッチ。ミットの中には、確かに公式球が。？マークが浮かびまくる球場内。しかし、それもファールゾーンに転がった物体を三塁塁審が回収するまでのことだった。ブレスナハンは一体何を投げたのか？なんと、ジャガイモ！である。実は彼、あらかじめ大量のジャガイモを買い込み、形の良いものを選び抜いて大きさを整え、来るべき日に備えていたという。３つに割れたジャガイモを見て、主審は走者のホームインを認めたのだった。……そりゃ、そうだ。直後、ブレスナハンはこの行為に激怒した監督から交代を命じられ、球団からも解雇される羽目に。４年間のプロ生活は呆気なく幕を閉じた。彼は50ドルの罰金の代わりに、監督に50個、チームメイトに１個ずつのジャガイモを残していった。そんな彼だが、この顛末は全国に知られることとなり、メディアにも出演するようになった。その影響なのだろうか……。１年後、球団は「ブレスナハン・デー」を開き、彼の背番号59を永久欠番にしたのだった。まさに、トリックプレーで人生が変わったブレスナハン。流石にこんな選手はいないだろう。Please crick here !!

  2007.03.08

  コメント(2)

• 

  グッズ

  一部報道によると、バファローズの愛称も今季限りとか。それは結構なことだ。正直、元オリックスファンにとって、この名前には複雑な思いがあった。だって、考えてみるがいい。勇者　⇒　青波　⇒　牛。何だ、この移り変わり？　勇者から牛って……。ダーマの神殿に行っても、これは無理だ。※　説明しよう！　ダーマ神殿とは――？　　＝　ドラクエの『３』『６』『７』に登場。　　＝　この場所ではキャラクターが転職できる。　　＝　例：「武闘家」⇒「賢者」とか。　しかも、なぜ宿敵の愛称を名乗る必要があるのか？どうして、阪急時代からのファンが、「バッファローズじゃないよ、バファローズだよ」なんて訂正をしなければならないのか。そんなことを感じていた。きっと、元近鉄ファンにしても、ユニホームは青基調だわマスコットはネッピーだわで、「オリックスかィ！」という思いがあったに違いない。だから、愛称を変えるということには賛成だ。しかし、気になることもある。グッズのデザイン……、全て刷新？オリックスのＨＰでグッズを見てみると、大概は“BUFFALOES”という文字が入っている。愛称が変われば、これらは全て作り直しだ。一体、どれだけの費用がかかるのか。もしかして、物凄い額ではないのか。グッズ販売を甘く見てはいけない。32年連続黒字収支の広島東洋カープ。去年は観客動員数も減り、放送権収入もダウンしたが、グッズ販売でこのマイナス分を補った。では、何がそんなにも人気を集めているのか。ブラウン語録カレンダー？　それだけではあるまい。広島の公式ホームページを覗いてみた。最初に目に留まったのは、鯉ジーンズとやら。何でも、広島備後地方産のデニムを使用したMADE IN HIROSHIMAにこだわったブルージーンズなのだとか。んんん、地域密着。圧巻は、左足部分に施された模様である。“WASHA CARP FAN JAKE!”……わしゃ、カープファンじゃけ？これを履いて街中を闊歩しているのか、広島ファンは。凄ェエエエェエェェェ！更に、ホームページを見回してみると、驚きのグッズが。なんと、カープ赤ふん！これまたデザインが圧巻。「死球」ウェエエェェエェエエェエエェェェ！？ しかも「猛打爆発」「一球入魂」「かくし球」は既に売り切れているとか。もしかして、下ネタかィイィィィ！とかツッコんでいたら……。『カープだからこそ実現した「赤ふん」に、意味深な野球用語をデザイン』「意味深」とか書いてあるゥゥゥウゥ！やっぱり、そうだ！　そうなんだ (;゜Д゜)そもそも、カープだからこそ実現って、ふんどしの需要ってそんなにあるのか？近鉄監督時代の“ヨッシャー”佐々木恭介くらいでは？ちくしょう……。この斬新さが、32年連続黒字の秘密なのか……。思えば、この球団はドミニカに野球アカデミーを設立したり、ボールドッグを導入したりと、斬新なアイデアを世に打ち出してきている。大昔は球場に樽を置いて、ファンに募金してもらったこともあった。しかし、一方で抜けているところも。実は広島、今年まで高校生以上65歳未満の男性が入れるファンクラブが存在しなかった。もちろん、そんなチームは12球団唯一だ。この件について、広島の球団首脳は……。「気付かなかった。（成人男性は）入りたくないだろうと思っていた」……………………………オイ。話は戻ってオリックス。グッズ刷新にあたり、広島のような人気グッズを生み出していけるのか？現状、図書カードは確かに12球団唯一の着眼点だが、どこか違うような気もするぞ。Please crick here !!

  2007.03.03

  コメント(6)

• 

  キャンプ３

  プロ野球はキャンプ真っ只中である。この時期、どこのファンも幸せそうに見えるのは、何故なのだろうか？＜事例１：ソフトバンクファンの場合＞「和巳が20勝だろう？　新垣が13勝、和田が13勝、　杉内が11勝、ガトームソンが12勝、あとは大隣と星野で14勝、　そして、中継ぎ諸々を足して……、どうしよう。　勝ち星が３桁になっちゃう。勝率はいくつだ？」……知るか、ボケェェェェエェエエェェ！ってか、何に困惑しているんだ、何に！＜事例２：楽天ファンの場合＞「今年こそ一場は化けるよ！　岩隈も復活して、田中もバリバリ投げると思うな。　林恩宇も凄そうだし、インチェも刺激を受けるだろうし。　あとは有銘、山村、永井、片山あたりが頑張れば、　少なくともオリックスは抜けるね」……当たり前だァァアァァアアァァァ！嬉しい誤算がどれだけ続くんだ、どれだけ！机上の空論。捕らぬ狸の皮算用。そう、こんな計算は大概、実現などしないのに、何故かファンは夢見がちになってしまう。かく言う自分自身も……。＜事例３：オリックスファンの場合＞「川越にデイビー、平野佳も去年よりは勝つだろう。　あとは、ウエスタンで防御率１位の岸田、　左腕の中山も後半出てきたし、新人の小松も良いらしい。　吉井だってまだまだ健在だろう。あとはユウキ、　光原、セラフィニのうち誰かが復活したら……」……みたいな。しかし、よく考えるとこれは仕方のないことである。特有の期待感に包まれた１ヶ月、それがキャンプなのだ。そして、妙に期待感を掻き立てられる選手。これが颯爽と現れるのも、この時期ならではである。＜気になる選手１：ジャレッド・フェルナンデス（広島）＞Ｑ：目標としている選手は？フィル・ニークロ、ジョー・ニークロ、チャーリー・ハフ、ティム・ウェイクフィールド、ホイト・ウィルヘルム。んんん、見事なまでの共通点。そう、彼は久しぶりに登場した真性の魔球使いである。ナックル、ナックル、またナックル。その頻度は昔、近鉄にいたマットソン以上らしい。しかも、同じ球種で78km/h～131km/hと緩急をつけてくる。この変化球は、身体的な負担が少ないことが特徴だ。だから、連投も殆ど苦にならない。実際、２年前には、先発完投した翌日に１日だけ休んで、中継ぎ、中継ぎ、先発完投をこなしたこともあるという。……権藤、権藤、雨、権藤？広島ファンの中には、中４日で黒田、中３日でフェルナンデスなんて、物凄いローテーションを考えている者もいるかもしれない。この男、実は前々から日本の野球に憧れを抱いていたそうだ。キッカケはレッドソックスの３Ａ時代（1999～2000年）に大家と同室となったことなんだとか。＜気になる選手２：ウィルフィン・オビスポ（読売）＞帯広スポーツ？……イヤイヤ、人の名前である。ドミニカ出身の22歳。只今、気になる指数急上昇中。日刊スポーツの記事によると、何を聞かれても「ノープロブレム」としか答えない“不思議ちゃん”だそうで。投げても、この時期から150km/hに迫る剛球を連発、変則フォームと荒削りな制球力にナインは戦々恐々としているとか。第２のクルーンとなる資質を秘めた逸材。まさに名と実を兼ね備えた救世主となれるか注目だ。＜気になる選手３：小宮山悟（ロッテ）＞2005年、揺れる魔球シェイク。2006年、シェイクのフォームで投げる半速球フェイク。そして2007年、異色のベテランが新たな幻惑投法に挑む。それは、サブマリン。アンダ――スロ――ゥ。「バッターが“おっ”となってくれるだけでも違う」「そんじょそこらのヤツには負けないよ。　俊介と肩を並べるような感じ」１週間前、足を傷めた小宮山だが、何故かもうフォームはほぼ完成しているという。はたして、シーズンで披露してくれる日は来るのか？そういえば、ロッテには既に上手・下手の二刀流投手がいることを思い出した。２年目の相原。去年はルーキーながら初登板も経験した。もしかしたら、今年は俊介、小宮山、相原なんてリレーも見ることができるかもしれない。Please crick here !!

  2007.02.16

  コメント(4)

• 

  英語

  ヤンキースにポスティング移籍した井川慶が、慌しいオフを過ごしている。地元・茨城の野球教室で中学生に痛打されたり、後見人に「金髪の彼女を作れ」と言われたり、将棋親善大使に選ばれてみたり……。そんな中、彼の通訳が決まったらしい。その名も、渡辺弓太郎。「……誰？」とか言うなかれ。父親はなんと、あの元関脇・高見山（東関親方）！そう、高砂部屋入門当時、ちゃんこにケチャップをかけて食べていた、あのジェシーである。ニバ～イ、ニバ～イ。弓太郎氏は、2003年からヤンキースタジアムの球場運営部で勤務していた。過去には、長野五輪に裏方として参加したこともあるらしい。特徴的なのは、その巨漢ぶり。大食漢で知られる井川が186センチ96キロ。それに対し、弓太郎氏はなんと、193センチ112キロ！実績、体格ともに頼もしい。しかし、弓太郎氏の存在より頼もしいのは、井川のメンタルではなかろうか。井川と英語といえば、思い出すのはあの前代未聞だった入団会見――。壇上で促され……、手元のカンペを広げて「ヨシッ！」と一言。そして……。「センキュー」「アイ・アム・ケイ・イガワ」「トゥデイ、マイ・ライフロングドリーム・　ビケイム・ア・リアリティ」（ひと呼吸置いて）「トゥー・ビー・ア・メジャーリーグ・　ベースボール・プレイヤー」（会場）？？！！！驚愕した。目線はカンペに集中！　発音は全てカタカナ英語！巻き舌なし！　下唇も軽く噛まない！　いわゆる「棒読み」だ―――――ッ！「井川、教科書の52ページ読んでみろ」から始まるベタな学園ドラマの１シーンか。なんと、発音どころか、カンペに書いてある文字までカタカナだ！途中の（ひと呼吸置いて）まで指示してある。どれだけ親切なカンペなのか。　「……ザ・チャンピオンシップ・フォー・　ディス・グレート・シティー、ニューヨーク。　センキュー！」（言ってやった！）そんな表情を浮かべる井川。このスピーチに、ＥＳＰＮの記事は……。“Yanks' Igawa throws first MLB changeup, talks in English”（ヤンキース井川、移籍後初のチェンジアップは英会話で）ＣＢＳのコメンテーターも……。「凄いわ。たった２日間の練習で英語を話せるようになるなんて」「スタインブレナーの発音もちゃんとできていたよ」これまで、メジャーの入団会見で英語を披露したケースは、今回が初めてではない。1997年、長谷川滋利（エンゼルス）。2002年、田口壮（カージナルス）。2002年、石井一久（ドジャース）。2003年、大塚晶文（パドレス）。2004年、高津臣吾（ホワイトソックス）。2006年、城島健司（マリナーズ）。コツコツと英会話を習い、その成果を存分に発揮した者、拙いながらも、短い文章の中にユニークな表現を盛り込んだ者、タイプは大まかに２パターンあったわけだが……。今回は、そのどちらでもなかった。英会話の練習はたったの２日。拙く、長く、ジョークなし。自ら認める「まずかった」入団会見……。しかし、翻って図太いとも思う。投手には必要な才能ではないか。特に、異国でプレーしようという者には。かつて、トレイ・ムーアと２人でよくお好み焼きを食べに行っていたという井川。その時は、なぜか意思疎通ができていたという。ふと、思い出した。昨秋、凱旋門賞でフランスに行った時、タクシーの運転手に知り合いが言い放った台詞を。「ゴー・バック・ロンシャン、シルブプレ！　わかったか？」英仏日、もう滅茶苦茶である。それでも、タクシーは競馬場に戻ってしまうのだ。井川も彼のように言葉の壁をあっさりと乗り越えてしまう人種なのかもしれない。さて、最後に素朴な疑問。最近、茨城出身の井川は、捏造問題で騒がれている納豆について、やはり心を痛めているのだろうか？茨城県知事「納豆は好き？」井川「嫌いです」ハイ、ありがとうございました。Please crick here !!

  2007.01.26

  コメント(4)

• 

  鉄人

  Ｑ「鉄人」と聞いて誰を思い浮かべますか？さァ、考えて。・・・（時計の秒針音）・・イヤ、違うって。「誰だ？」って尋ねてんだから、リモコンで動くような巨大ロボはダメだろう。・・・（時計の秒針音）・・イヤイヤ、料理を作るのも違うんじゃないか？“私の記憶が確かならば”この日記でグルメの話は出ないだろう。・・・（時計の秒針音）・・ハイ、そこまで。さて、誰を思い浮かべただろうか？さっそく、候補者を挙げていってみよう。う～～～～～ん、……ルー・テーズ？いきなりマイナー路線、ｷﾀ――(ﾟ∀ﾟ)――!!なんてツッコミが聞こえてきそうだ……。20世紀最強の呼び声高いレスラー。う～～～～～ん、……リカルド・パトレーゼ？またマイナー路線かィィイイィ！なんてツッコミが聞こえてきそうだ……。Ｆ１において通算256戦出走の最多記録を持つ。う～～～～～ん、……室伏親子？「アジアの鉄人」と称された父親・重信とその遺伝子を受け継ぐ息子・広治。ハンマーを投げ続けて幾年……。う～～～～～ん、……佐々木竹見？知る人ぞ知る、地方競馬の鉄人。通算騎乗回数39092！　通算勝利数7153！う～～～～～ん、……寺尾常史（現・錣山親方）？「３兄弟といえば、亀田より井筒！」きっとそんな人は彼を連想するだろう。角界の鉄人は、中日の井上一樹と親戚関係にある。う～～～～～ん、……衣笠祥雄？2215試合連続出場の元世界記録保持者。国民栄誉賞を受賞したプロ野球選手は、彼と王貞治だけである。う～～～～～ん、……金本知憲？アニキィイィイィィィイイィ！昨年４月、904試合連続フルイニング出場の世界新記録。最も票が集まりそうなのは、この男か？否。ちょっと待て。やはり、時事的なことを考えると、最多得票はこの人かもしれない。今月９日、ＭＬＢの野球殿堂入りを果たした、カル・リプケン・ジュニア。通算3184安打、431本塁打。新人王にＭＶＰ受賞２度。ゴールドグラブ賞も２度獲得している。そして何よりオリオールズ一筋21年、衣笠をも超える2632試合連続出場の世界記録！遊撃手としての記録樹立だけに、評価はとにかく高い。そのことが、今回は数字で証明された。殿堂入りは、全米野球記者協会（ＢＢＷＡＡ）在籍10年以上の記者による投票で決められる。合格ラインは投票総数545のうち、75％（409票）以上を得るのが条件なのだが……。リプケンの場合はというと、98.5％（537票）！これはトム・シーバー、ノーラン・ライアンに次いで史上３番目、野手としては最高の得票率である。つまり。あのベーブ・ルースより上ということ！※　ルース（95.1％）：リプケン（98.5％）月並みな感想だが、凄ェ。まァ、一緒に受賞した、トニー・グウィンの腹も凄かったが。☆☆☆どうでもいい情報なのだが、実はリプケンとボブ・ホーナーはドラフトの同期である。ホーナーが全米１位、リプケンは２巡目の指名だった。ついでに、もう１つ。今回、実は惜しくも殿堂入りを逃した人物もまた、日本プロ野球に関わりのある選手だった。元ダイエーのリッチ・ゴセージ。ヤンキースなどで抑えとして活躍した実績を持つ彼は、記者の投票で71.2％の支持を集めている。票にして、あと21票届かなかった。……意外なところに思わぬ名前。Please crick here !!

  2007.01.12

  コメント(6)

• 

  イチロー２

  西暦2007年である。宇宙世紀になるまで、あとどれくらいだ。とりあえず、新年１発目ということで、年賀状など。今年も宜しくであります（ケロロ風）！ということで、ここからが本題。イチロー特番『イチ流』を見た。年イチの恒例となっているこの番組、テレ朝が権利的にＭＬＢ映像を１分しか使えないために、いろいろとバラエティ的要素を組み込んだ作りとなっている。ゴルフ、ボウリング、ユンケルの目利きと来て、今回は人生初のカジノだそうだ。舞台はラスベガスの超高級ホテル、ヴェネチアン。そして、掛け金は全て自腹とのこと。あまりギャンブルのイメージがないイチローだが、一体どのような戦いを見せるのか。登場はなんと、銀髪。ふと、オリックス入団当初の茶髪を思い出した。さァ、いざ勝負！Round１「ブラックジャック」ギャンブルには、人間の性質が出る。はたして、イチローはというと……。とても堅実な印象を受けた。とにかく、ドボンしないように戦う。自分の手が15とか16でも、ディーラーが22以上になれば勝ちとなる。しかし、堅実だけでは勝てないのがギャンブル。1000＄あった持ち金はみるみる減っていき……、マイナスのまま最後の勝負に。イチローはここで一発逆転を狙っていく。全額ベット。勝てば、一気に＋500＄。そして、奇蹟が起きた。ブラックジャック！マジでか。どの星の下に生まれてきたんだ？流石はスーパースター。凄い引きの強さだ。Round２「ルーレット」ここでも、イチローは堅実な戦法。確率と配当のバランスを重視した、９倍中心の賭け方。ただ、このラウンドでは資金に余裕があるためか、０と00の18倍にも賭け続けていく。すると、またも奇蹟が。00ゲット！だから、どの星の下だ？生まれの不幸を呪わなければならないガルマ・ザビとは正反対の男だ。そして、更に資金を膨らませたイチローは、最後に36倍を狙っていく。ここで少し親近感が湧いた。イチローも、やはり背番号で験を担ぐのだ。馬券、銭湯や居酒屋の下駄箱、鍵つきの傘立て……、我々も好きな選手の背番号で番号を選ぶでしょう？イチローが賭けたのは、この５つ。31　⇒　グレッグ・マダックス　24　⇒　ケン・グリフィー・ジュニア（SEA時代）25　⇒　バリー・ボンズ22　⇒　佐々木主浩29　⇒　ブレット・ブーン（カジノ好き）……結果は３。アレ、他力本願だったからか？それでも、持ち金は当初よりも倍増。カジノに行っても稼ぐのか、この男は。因みに、番組では野球についても取り上げていた。特に興味深かったのは、守備の話だ。６年連続ゴールドグラブ賞のイチロー、キャッチの瞬間にコツがあるのだという。普通の外野手は飛球を確実に捕球するため、最後までボールから目を離さないで捕ることを心掛ける。しかし、イチローの場合は全くの逆。なんと、意識的に目を離して捕るようにしているのだ。その究極形が背面キャッチ。あれも練習なんだとか。85へえ。……古いか。そして、今最も気になる野球選手は、ハンカチ王子という情報。立ち振る舞いが気に入ったとか。補足トリビアとして、実は自分も愛工大名電時代、ポケットに入れていたらしい。但し、ハンカチではなくハンドタオルを。（上乗せ込みで）87へえ。……だから古いって。☆☆☆おまけ。あァ、今年も親バカだ。Please crick here !!

  2007.01.07

  コメント(6)

• 

  監督４

  12月……。統計ネタやらなきゃ……。こんな風に考えてしまう自分は、きっとマジメな人間なのだろうと思う。ということで！今回は、各球団の監督力でも見ていくとしよう。――パイサゴリアン勝率で。……あァ？　聞いたこともない、だと？虚け者がァアァァァアァァァア！もう過去に３回くらい登場しているだろうがァァアァア！先生、確かに言ったよ！　ここ、試験に出るって！仕方ない。説明しよう（タイムボカン風）！要するに、チームの総得点と総失点から数字上はどれだけ勝てたかを想定してしまおうというデータ。実際の勝率がこの勝率より上回っていれば、采配が巧いといえる。（得点の1.83乗）÷（得点の1.83乗＋失点の1.83乗）この計算、1.83乗というのは面倒なので、いつもは２乗で計算している。理解しただろうか？　では！　どどん。　　　　　　　想定　実際　勝率差落合博満　　　.645　.617　-.028 岡田彰布　　　.580　.592　+.012古田敦也　　　.521　.490　-.031原　辰徳　　　.465　.451　-.015ブラウン　　　.418　.440　+.022 牛島和彦　　　.430　.408　-.022 まず、セ・リーグ。実際の勝率がパイサゴリアン勝率を上回ったのは、２人。阪神の岡田監督と広島のブラウン監督だ。一方で、優勝した落合監督が意外なほどマイナス。昨年、勝率差+.025だった牛島監督も、今年は大きく落ち込んでしまった。　　　　　　　想定　実際　勝率差ヒルマン　　　.611　.603　-.008 伊東　勤　　　.574　.597　+.023 王　貞治　　　.579　.573　-.006　※バレンタイン　.444　.481　+.037 中村勝広　　　.416　.391　-.025 野村克也　　　.325　.356　+.031※　シーズン途中から森脇浩司監督代行そして、パ・リーグ。勝率差がプラスになったのは３人いた。伊東監督、バレンタイン監督、野村監督である。……オリックスはリーグ最下位か。それにしても、阪神、広島、西武、ロッテ、楽天。これらのどこに共通点があるというのか？一体、采配上手と采配下手とで何が違うというのか？ってか、中村監督と彼らのどこが違っていたのか？阪神　⇒　甲子園の熱狂？イヤイヤ、我が球団もファンの代わりに閑古鳥たちが喉を枯らしていたし。広島　⇒　ベース投げ？イヤイヤ、パフォーマンスならば中村監督にもある。世紀のぬか喜び、とか。西武　⇒　積極的な若手起用？イヤイヤ、我が球団も逆の意味で積極的な起用を……。ロッテ　⇒　日替わり打線？イヤイヤ、ウチもやっているだろう。人材難なだけだけど。楽天　⇒　ボヤキ？イヤイヤ、また明日だな！の方が名言だ。……迷言だ。Please crick here !!

  2006.12.21

  コメント(2)

• 

  名前３

  今から２年前、イチローがメジャーリーグのシーズン最多安打記録に挑戦していた頃のことである。シアトルのある記者が、こんな記事を書いた。　イチローは、自分の名前を著作権で　保護するようにしておいた方がいいかもしれない。　いずれ試合を実況するアナウンサーが、　「イチロー」という言葉を動詞として使い始めても　不思議はないからだ。　「そろそろ打球を『イチロー』して、　反撃を開始して欲しいものです」といった具合に。これを読んで、ふと思い出した言葉がある。超芸術トマソン。聞いたことがあるだろうか？これは、芸術家の赤瀬川原平によって体系化された概念で、街中にある無用の長物を指す。例えば……。四谷の純粋階段：どこにも辿り着かない、ただの階段。江古田の無用窓口：とても律儀に塞がれた窓口。お茶の水の無用門：塞がれても威厳を保ったままの門。などなど。機能は皆無だが、妙に引っかかる。それが、超芸術トマソンなのだ。実は、このトマソンという名前、あるプロ野球選手が由来となっている。ゲーリー・トマソン（元読売）。1981年、彼は引退した王貞治の後釜としてやって来た。ところが、成績はというと……。打率.261、本塁打20、三振132。21世紀の今となっては平凡な数字だが、如何せん、王の穴を埋めるには荷が重かった。ファンは大いに不満を募らせた。「害人」「トマ損」「扇風機」あァ、この随分な言われ様。しかし、それが転じて名前が残せたのも事実だ。プロ野球選手の名前が、全く別の意味や使い方で世の中に定着する。この発想はとても面白い。イチロー【ichiro】　＝　安打を放つこと。トマソン【Thomasson】　＝　無用の長物。では、松坂大輔ならば？マツザカ【matsuzaka】　＝　大型契約を結ぶこと？用例：移籍先が決まっていなかった塩谷が今日、　　　広島とマツザカしました。総額は２年30億円です。では、清原和博ならば？キヨハラ【kiyohara】　＝　肉体改造をすること？用例：今年はパワー不足を痛感したので、　　　オフはキヨハラに取り組もうと考えています。では、里崎智也ならば？サトザキ【satozaki】　＝　大声を出されて驚くこと？用例：ＷＢＣで韓国に負けた時、　　　イチローがあまりに大声で「ＦＵＣ●！」と　　　叫んだので、里崎はサトザキってしまいました。……んん？そして、田口壮ならば？タグチ【taguchi】　＝　目を見開いて喋ること！用例：田口はいつもタグチっています。……オイ。Please crick here !!

  2006.12.20

  コメント(4)

• 

  大減俸

  契約更改の季節である。今年は何かとスケールの大きい話題が多い。その最たる例が、松坂大輔である。レッドソックスの入札金5110万ドルにも驚きだったが、年俸を巡る銭闘もまた、凄かった。地元の報道によると、当初、球団側が松坂に提示した年俸額は800万ドル。それに対し、松坂の代理人が要求したのが、な、なんと、1500万ドル！日本円にして、その差は８億円以上にもなる。８・０・０・０・０・０・０・０・０。……強気。流石は、これまで総額20億ドル以上もの契約をまとめてきた“辣腕”スコット・ボラスである。金銭感覚の次元が、全く違う！試しに、今季のメジャーリーグ年俸ランキングを見てみると、その差が如何に大きいかがわかる。☆　レッドソックスの提示額800万ドル　　＝　総合で89番目／投手だけなら34番目　　＝　Ｍ・バーリー、Ｂ・ジートらに匹敵　　＝　各球団のエースクラス☆　ボラスの要求額1500万ドル　　＝　総合で14番目／投手だけなら６番目　　＝　Ｒ・ジョンソン、Ｐ・マルチネスらに匹敵　　＝　将来の殿堂入りクラス両者の思惑は、ここまでかけ離れていたのだ。結局、契約は交渉期限ギリギリでまとまった。６年5200万ドル（１年あたり866万6666ドル）。これは、2004年・2006年サイ・ヤング賞のヨハン・サンタナの年俸に匹敵する額である。一方、松坂ほど金額は大きくないものの、日本球界も今年のオフは動きが激しい。吹き荒ぶ大減俸の嵐。筆頭は、古田敦也。年俸２億4000万円から75％ダウンの6000万円へ。その差額は、１億8000万円にもなる。もちろん、これは史上最大の下げ幅である。他にも……。　鈴木尚典　２億2000万円　⇒　　　9000万円（59％↓）佐伯貴弘　１億4000万円　⇒　　　6000万円（57％↓）谷佳知　　２億8000万円　⇒　１億5000万円（46％↓）仁志敏久　１億8000万円　⇒　１億0000万円（44％↓）清水隆行　２億1000万円　⇒　１億3000万円（38％↓）三浦大輔　２億2000万円　⇒　１億5000万円（32％↓）中村紀洋もまた、条件提示はされていないものの、年俸２億円から60％ダウンの8000万円と噂されている。……税金のことも考えると、とてもシビア。※　税金は前年度の収入をもとに計算される。それにしても、ここまで大幅ダウンが多いとは。しかも、彼らは皆、引退秒読みの選手ではない。これほどの厳冬、今までの歴史にはなかったことだ。野球協約92条には、このようなことが書かれている。▽　年俸が１億円を超える選手の場合、減俸は40％まで。▽　年俸が１億円以下の選手の場合、減俸は25％まで。▽　但し、選手の同意があれば、この限りではない。つまり、協約的には理不尽なダウンを少なくとも４人は受け容れているということ。今から10年前、石井浩郎が近鉄から50％ダウンを提示された時は、随分と揉めたものだったが。涙の記者会見から読売移籍へ。今年の厳冬更改では、そんな場面は見られない。選手も、球団も、あの頃とは野球に対する考え方が変わってきている気がする。因みに今年、海の向こうでは古田以上の大幅ダウンを食らった日本人がいる。松井稼頭央である。来季は実に650万ドルもの大減俸！この額はなんと、Ｄ・オーティズの年俸と同じ額。そう、減俸分だけでレッドソックスの主砲を雇えてしまうのだ！……または、ヤクルト時代のＢ・ホーナー３人分。大した意味はないけれど。それにしても、１年で給料が２割以下になってしまうなんて。資本主義って怖いのね。Please crick here !!

  2006.12.14

  コメント(0)

• 

  両投げ

  “ambidextrous”　ハイ、この英単語の意味がわかる人～。……あァ？　呪文が違います？イヤ、何言ってんの？　復活の呪文じゃないから。先生、そんなボケには騙されないから。……あァ？　冒険の書１は消えてしまいました？いい加減にしろォオォォォオオォォオ！ドラクエ３の嫌な思い出が甦るだろうがァアアァァ！答えは、両投げ。いわゆるスイッチピッチャーだ。このお題を見て、最初に思い浮かべるのは、近田豊年ではなかろうか。日本球界史上初の両投げ登録投手。しかも、左は上手投げの本格派、右は下手投げの軟投派。現在、ロッテの相原勝幸は上手投げと下手投げの二刀流を武器にしているが、近田の場合は、左右＋上下！　上上下下左右左右ＢＡ！まさに、究極の二刀流。この男、経歴を振り返ってみても、非常に異色である。近田は、足摺岬の西南にある離島・沖ノ島で育った。中学時代は、なんと空手で全国大会に出場。他にも、卓球と砲丸投げの選手も兼ねていたという。野球を始めたのは、明徳義塾高に入ってからだ。１イニングだけではあったが、1983年の選抜では、甲子園のマウンドも踏んだ。この頃には既に両投げ。高校卒業後は、社会人の本田技研鈴鹿へ。そして1987年、遂にはプロの門を叩く。南海の入団テストを受けたのだ。ここで近田は両投げを披露し、当時の監督、杉浦忠を唸らせた。「左の球は切れがあるし、左右投げとは珍しい」こうして、ドラフト外として入団した近田は翌年の1988年、早々に出番を与えられる。４月14日のロッテ戦。５番手だった。左右両用の特注「６本指」グラブをはめ、大阪球場のマウンドに立った。だが、結局は右だけ。両投げは実現しなかった。そして、ここで投げた１イニングが、近田が一軍で投げた最後の記録となってしまった。1991年、阪神に移籍しても、出番はなし。その年のオフ、近田はユニフォームを脱いだ。近田は、新たなチャレンジを始めた。プロゴルファーへの転向である。ゴルフでは専ら右打ち。しかし、必要に応じて左でも打てたのだとか。もう、どれだけマルチなんだ。結局、彼は今もゴルフ関係の仕事に就いているらしい。昨年は、マスターズリーグに出場していたようだ。今年は……？因みに、近田以前にも両投げ投手はいた。元読売の吉成昭三、そして元ヤクルトの野崎進。野崎なんて、両投げだけでなく、両打ちでもあった。しかし、彼らは最後まで二軍暮らしのままだった。海の向こう、メジャーリーグにもいた。元エクスポズ、グレッグ・ハリス。1995年９月28日のレッズ戦、彼は1888年のエルトン・チェンバレン以来、107年ぶりの快挙（？）を成し遂げている。実はハリス、このチャンスをじっと待っていた。1986年、日米野球で来日した時には、既に両投げに意欲的な姿勢を見せていた。しかし、実現はできなかった。機会が巡ってきたのは、メジャー15年目でのことだった。ただ、この両投げはやはりショー的意味も強かった。ハリスは実績のあるベテランで、その上、この年限りの引退を決めていた。また、チームは優勝争いから脱落、ゲーム展開的にも、余興が許される雰囲気だった。……つまり、である。実戦的な両投げ投手は、歴史上誰もいないのだ。奇しくも、今回紹介した近田、野崎、ハリスは、ドラフト外入団（吉成は制度導入前）の投手。即ち、両投げは「戦力」というよりも「珍種」として、イメージされていることに他ならない。果たして今後、ホンモノの両投げは現れるのか？……あァ？　パパラパッパッパッパ～ン♪レベルが上がった？　かしこさが３上がった？……で？　けだるさが５上がった？悪かったなァアァァア、話が長くて！☆☆☆昔、山下たろーが試合中にいきなり左投げを試していたっけな。懐かしい。そうそう、昨年、我が母校にも両投げがいたようだが。今はどうしているのだろう？Please crick here !!

  2006.11.19

  コメント(2)

• 

  クセ

  戦力外を受けた選手たちにとって、今は就職活動の季節である。我が球団にも、ソフトバンクから吉田修司がテストを受けにやって来た。1988年のドラフト会議で読売からドラフト１位指名された左腕。確か、川崎憲次郎の外れ１位ではなかったか。1966年組だから、小川博文や高橋智らと同級生。世代一番の出世頭は……、野村謙二郎？或いは、初芝清という話もある（何せ、神と呼ばれる男だ）。まァ、それはいい。吉田修司の名前を聞いて、思い出したことがある。それは、読売時代のクセ。変化球を投げる時、何故か舌をベロリと出してしまう。もちろん、直球を投げる時は出さない。……変化球の時だけマイケル・ジョーダン？クセというと、かつて阪急で活躍した“代打王”高井保弘が、こんな逸話を残している。とある年の南海戦、マウンドには江夏豊。捕手の野村克也が、得意の囁き戦術を仕掛けてきた。「次、何投げると思う？」高井は言った。「フォークや！」刹那、打球は左中間スタンドへ。実は高井、江夏が振りかぶった時、グラブの土手にクセが出ることを見抜いていたのだ。「もちろん、そんなことはノムさんに言わなかったよ。　ホームに戻って来た時『何で分かったんや？』と　聞かれたけど『わからんよ』とだけ答えておいたよ」そう、クセとは限られた職人だけが見極められるもの。卓越した観察眼と膨大な情報処理が必要なのだ。それを吉田って奴は……！まさか、これが原因で読売から放出されたわけではないとは思うが。クセが顔に出るという相当お間抜けな事例、しかし、彼と似たようなクセを持っている投手は、他にも存在していた。定岡正二である。1974年のドラフト会議で読売から１位指名を受けた右腕。ご存知、甲子園のアイドルだった。1956年組だから、石毛宏典、高橋慶彦、郭源治らが同級生。同期入団には、ドラフト外の西本聖という男もいた。そんな定岡のクセ、それは？スライダーを投げる時、何故か口をあんぐり。もちろん、他の球種を投げる時は開かない。……スライダーの時だけ長谷川滋利？吉田も定岡も読売のドラフト１位。顔に投球のクセが出る点も一緒。更には。誕生日まで同じだったりする。今月29日、吉田は不惑を、定岡は知名を迎える。何だ、この偶然？　 Please crick here !!

  2006.11.16

  コメント(6)

• 

  日本一２

  中日と日本ハムが闘う日本シリーズなんて、焼却炉から酸素をなくすことと同じである。そのココロは、何も燃えない。勝敗に執着が湧かない。やはり、この舞台には贔屓のチームが出てくれないと。あの興奮（1996年、オリックスが日本一）は、もう10年も前のことなのか……。とはいえ、何気に見てしまった第２戦。ぼんやりと思ったことがある。……中嶋って、実は優勝請負人？とりあえず、彼の経歴を振り返ってみよう。1987～1997年　阪急・オリックス1998～2002年　西武（ＦＡ）2003年　　　　横浜（石井義らとのトレード）2004年～　　　日本ハム（金銭トレード）95年、96年、98年、02年、06年。なんと、３球団で実に５度ものリーグ優勝を味わっているではないか！２球団で優勝という選手は結構いても、３球団となると意外に少ない。現役では、この中嶋と読売の工藤のみ。サッカーで例えるところのセードルフみたいな。中嶋というと、かつては星野の投球を素手で掴んだり、オールスターのスピードガンコンテストで146km/hを記録したり、インフィールドフライを落球し、併殺を狙おうとして逆に１点を献上したり……。そう、何かと印象的な伝説が多い捕手だったのだが、まさか、こんな裏設定を持っているとは。これはもしかして、物凄い大発見なのでは？中嶋は1986年、秋田の鷹巣農林高からドラフト３位指名を受け、阪急に入団。※　因みに、同年の１位は現ロッテの高木。　　現役で阪急を知っているのは、彼と中嶋だけだ。　　他にも、この年の高卒新人には木田、緒方、デニー、　　山崎、土橋、飯田がいる。当時から、強肩と打撃は評価されていた。素質の確かさは、プロ入り前の古田がこんなコメントを残していることからもわかる。「中嶋さんのいるオリックスだけは遠慮したい」ところが、そんな中嶋の捕手人生は、古田や城島とは明らかに違うものだった。なかなか正捕手の座を独占できない。オリックスでは藤田に高田、西武では伊東、横浜では中村に相川、日本ハムでは高橋信に鶴岡。中嶋に与えられた役割はツープラトン、或いは控え捕手というものだった。渡り歩いた球団は、４つ。その中で、彼が生き残れてきたのは、強肩と経験と、そしてある特徴を持っていたからだ。それは、特定投手との相性。古くは、オリックス時代のフレーザー。西武時代は松坂の登板時にマスクを被った。現在は、武田久＆MICHEALの方程式。試合終盤に起用されるため、「抑え捕手」とも呼ばれている。さて、この中嶋、シリーズ出場は５度あるが、日本一を勝ち取ったのは10年前の１度だけ。我々オリックスファンよりも一足早く、歓喜を味わうことができるだろうか。因みに中嶋、４球団の中で唯一横浜でだけ優勝していないが、ここではベイスターズガールをしていた夫人（制野愛）との出会いがあった。人生とは不思議なものである。Please crick here !!

  2006.10.22

  コメント(4)

• 

  日本一

  今年のプロ野球、残すは日本シリーズのみとなった。パ・リーグ優勝は25年ぶり３度目の日本ハム、セ・リーグ優勝は２年ぶり７度目の中日。勝てば、どちらにとっても２度目の日本一。新庄のラストダンスか、それとも、落合の涙か。この２チーム、総合力はほぼ互角だろう。打撃は三冠を独占、守備力（特に外野）も極上、絶対のエースと守護神を擁している点も似ている。しかし、中日にはある不安がある。それは、日本シリーズとの相性。1954年に優勝して以来、実に52年もの間、頂点から遠ざかっている。こんなチームは他にない。まずは、これまでの戦いぶりを見てみよう。▽　2004年（西武）３勝４敗第１戦先発に、西武はシーズンたった１勝の石井貴がサプライズ登板。川上に１－０と投げ勝ち、シリーズＭＶＰになってしまった。中日は４番福留がシリーズ不出場。一方の西武４番カブレラは対照的に打率.296、３本塁打、９打点の活躍を見せた。▽　1999年（ダイエー）１勝４敗１番・関川が逆シリーズ男として叩かれたシリーズである。逆にダイエーの１番・秋山は.300、２本塁打、３打点でシリーズＭＶＰに輝いた。流れを決めたのは第１戦。野口が６回途中３失点で降板したのに対し、工藤は13Ｋのシリーズ記録で完封勝利を挙げた。▽　1988年（西武）１勝４敗とにかく、中日の拙攻が目立った。なんと、５番・宇野がシリーズ４併殺の大ブレーキ。対照的に、西武の５番・石毛は.389、３本塁打、６打点でシリーズＭＶＰを獲得している。ゲーリーの故障も痛かった。中日は第１戦に登板した最多勝右腕、小野が６回４失点ＫＯされたのが痛かった。その小野から場外本塁打をかっ飛ばした清原は、後にこんな裏話をしている。「だって、その前のオフ、　小野さんと一緒に自動車学校に　通っとったんだもん。お互いに下手やなあって　言い合って免許を取った仲やから、　小野さんの顔見たら笑っちゃって」▽　1982年（西武）２勝４敗第５戦の審判石ころ事件が有名なシリーズ。それは同点の３回、二死二塁の場面で起きた。打者・平野が一塁線を抜ける打球を放ったのだが、なんと、これが一塁塁審に当たり、結果として二塁走者が刺されてしまったのだ。この不運な打球が両チームの明暗を分けた。この年のシリーズＭＶＰは４試合に登板し、防御率0.00、２勝１Ｓを挙げた東尾。対する中日は、エース・小松が大誤算だった。▽　1974年（ロッテ）２勝４敗村田と星野の対照的な働きが勝敗を分けた。村田は４試合に投げて防御率1.76、星野は３試合に投げて防御率5.00。因みに、シリーズＭＶＰは.400、２本塁打、７打点の小兵・弘田が獲得している。▽　1954年（西鉄）３勝４敗杉下が３勝を挙げる活躍でシリーズＭＶＰ。これが最後の日本一となった。では、優勝を逃した過去５回、なぜ中日は勝てなかったのか。１つの要因として挙げられるのは、先発陣。防御率を比べてみると……、74年　中日　4.00　相手　3.3582年　中日　6.13　相手　2.9688年　中日　5.73　相手　3.6799年　中日　3.07　相手　1.7504年　中日　3.79　相手　3.98と、04年を除き全て投げ負けている。また、４番の成績も比較してみると……、74年　マーチン　　.182　山崎　　　　.36482年　谷沢　　　　.364　田淵　　　　.33388年　落合　　　　.313　清原　　　　.37599年　ゴメス　　　.200　小久保　　　.278　04年　アレックス　.259　カブレラ　　.296これまた82年を除いて全て打ち負けている。しかも、04年に関しては、４番だった福留が不出場だ。それにしても、助っ人が酷い。今年の４番はウッズ。はたしてどうなるか。また、中日は第１戦に弱い。短期決戦における初戦の重要性は、言うに及ばず。ここで勝てれば勢いと流れを掴むことができる。実際、過去56回の日本シリーズ、優勝チームの第１戦成績は、36勝18敗２分！なんと、３回に２回は優勝している計算になる。しかし、中日の過去５回はというと、１勝４敗。例外はＶ９を止めた74年。しかし、先発の松本は２回降板、もつれた末の９回逆転サヨナラ勝ちとギリギリの勝利だった。つまり、先発が投げ勝っての初戦勝利は皆無ということになる。以下、参考までにシリーズを通してのチーム打率＆チーム防御率。74年　.208　4.1582年　.245　4.1788年　.195　4.5099年　.196　2.4004年　.248　4.06かなり貧打である。この辺りも、勝負の鍵となりそうだ。因みに、今年の交流戦でも２勝４敗と中日不利……。……あァ、どうでもいいことなのだが。何となく、この組み合わせを書いてみて、真っ先に藤王康晴を思い出してしまった。かつて、中日と日本ハムの両方に在籍した選手。現役なら、奈良原と上田がそうか。　Please crick here !!

  2006.10.16

  コメント(4)

• 

  邪推

  日付が金曜日に変わった午前４時。六本木。コンビニの店先で見つけたスズメに何となく親近感を覚えた。そんな時間に何をしていたのか。……日本ハムファンのオヤジと野球談義をしていたのだ。覚えているだろうか。新庄引退発表の試合で電話をかけてきた上司である。およそ２時間、今季の総括。こちらがオリックスファンということで、最大級の感謝をしていた。まァ、それはそうだろう。何と言っても、日本ハム相手には僅か３勝、逆に、それ以外の上位とはほぼ互角だし。そして、佐藤義さんのコーチング手腕についても……、「今年、ヒルマンの継投がいきなり巧くなったんだよ！　思うに、きっとブルペン担当の佐藤コーチの腕。　ファンの間でも、そういうことになっているらしいよ」そんな中、話は金村の暴言に及んだ。「馬鹿な発言したなァって思うよ？　思うけど！」ファンというのは面白いもので、徹底的に叩く奴もいれば、あれやこれやと擁護する奴もいる。しかも、独自の宇宙理論で。彼によると、金村の暴言は「わざと」らしい。「あなた『泣いた赤鬼』の話を知っていますか？　今回の騒動は『泣いたヒルマン』なんですよ！」突然、何故か“敬語で”力説を始める上司。赤鬼のために、敢えて悪者のふりをした青鬼。これが、ヒルマンのために、敢えて悪者のふりをした金村、ということになるのだそうだ。その根拠は、以下の通り。「金村はこんなことを言う奴じゃないんですよ！　東北出身のね、純朴な好青年なんですよ！　オレは知っています、大島監督時代のことを」確かに、金村は大島さんに中継ぎ転向を命じられ、「チームのためなら」と快諾した過去がある。そして。「ヒルマン監督も、ミョ～に優しいんですよ！　あれだけ言われて『間違いは誰にでもある』ってねェ！」外国人監督は、首脳陣批判にとりわけ厳しい。昨年の大家の例を考えてみるがいい。あの暴言でプレーオフ出場停止の処分で済むなど、常識的には考えられないことである。さらに、禁断のダメ押し。「そもそも、金村が『外国人監督だから』なんて　表現を使うわけがないんですよ！　名前からわかるように、○￥▲×☆＄∞◇……」をいをい、その発言は危険だろ。「とにかくね、これはデキレース。　こうしてヒルマンはナインの心を１つにまとめて　プレーオフに臨むことができるんだよ♪」何たる邪推か。……しかし、まだシーズンが残っているチームは、とっても楽しそうだ。さて、一方でオリックスはというと、どこよりも早くストーブリーグに突入している。例によって、監督交代劇。外国人監督か、それとも梨田さんか、或いは大石さんの内部昇格か。とりあえず、今回は石毛だの掛布だの中畑だの、そういう路線ではなさそうなので、一安心。外国人監督も良いけれど、レオンの再来は勘弁してちょ。Please crick here !!

  2006.09.29

  コメント(2)

• 

  競合

  来週月曜は、球児たちにとって運命の日――、高校生ドラフト会議である。今年の注目は、このＢＩＧ５！駒大苫小牧の田中将大（投手）！八重山商工の大嶺祐太（投手）！愛工大名電の堂上直倫（内野手）！鷲宮の増渕竜義（投手）！ＰＬの前田健太（投手）！中でも、行き先が注目されるのは、田中だろう。現在、日本ハムをはじめ、オリックス、楽天、読売、ロッテ、横浜の最大６球団が指名を視野に入れている。競合　⇒　くじ引き。さて、今年はどんなドラマが生まれるのか。昨年は世紀のぬか喜び劇が繰り広げられたわけだが……。そこで、今回は田中の行方を占う意味でも、どこが引き当てる可能性が高いのかを統計的に検証してみようと思う。……あくまでも、オリックスファン目線で。ドラフト会議が始まったのは、1965年から。その歴史の中で、競合は全部で144件。ドラフト１位に限っては、59件だった。引き当てたのか、それとも逃したのか？引きの強い球団はどこなのか、その逆は？非常に面倒な作業だったが、一覧を作ってみた。球団名　　　 １位競合 全競合 最多競合オリックス　　６／20　 12／33　　４ソフトバンク　４／16　 12／35　　４近鉄　　　　　７／17　 12／34　　８楽天　　　　　１／１　 １／１　　２西武　　　　　５／12　 11／25　　６日本ハム　　　５／19　 12／35　　３ロッテ　　　　１／９　 10／26　　８読売　　　　　４／13　 11／25　　４横浜　　　　　４／15　 12／29　　３ヤクルト　　　10／18　 18／42　　５阪神　　　　　４／11　 10／29　　６中日　　　　　２／13　 ９／27　　５広島　　　　　６／15　 14／35　　３※　基本的に、前身の球団を含めた統計としたが、　　楽天だけはまったくの新球団ということで、　　近鉄とは別カテゴリーとした。断トツで強いのはヤクルト。ドラフト１位では実に半分以上の獲得率を誇っている。1980年代、球界を席捲した故相馬球団社長の“黄金の左手”は、やはり強力だった！一方、くじ引き最弱はロッテ。獲得率.111という悲惨な数字もさることながら、唯一当選の小池が入団拒否（涙）史上最多８球団の競合で引き当てた選手だったのだが……。さァ、いよいよ本題である。田中を指名候補に挙げている球団のくじ運は？まずは、我がオリックスから。ドラフト１位の通算獲得率は３割ちょうどと普通だが、阪急時代と区別すると面白いことがわかる。阪急　⇒　11度の競合で１度の当選オリ　⇒　９度の競合で５度の当選！これは、心強いデータである。近鉄の遺伝子が生きていれば、なお良しといったところ。次に、読売。勝率こそ３割程度だが、侮れない。原と松井の獲得は、数字以上に大きな意味があったからだ。ただ、ここは野手のスター選手を育てたいのか、堂上指名に傾いてきている。もちろん、ロッテは問題外。しかも、ここは諸々の事情を考慮すると、ＰＬの前田を広島と取り合うことになるのではないだろうか。指名順１番手の横浜。ここは勝率も３割以下で、かつ大物と呼べる選手は斉藤隆しか獲得できていない。しかも、近年は寺原、松坂、川口とことごとく超高校級に縁がない球団となっている。楽天はデータ不足。昨年は、広島との競合で片山を獲得したが、今年はどうか。個人的には“臭い”存在だと思っている。最後に、地元・北海道の日本ハム。昨年の陽は1988年の中島以来のくじ引き当選だった。ところが、ここも確率が悪い。何より、オリックス絡みの競合では、全敗。客観的に見ても、風向きは悪い。ということで、くじ引き予想を整理すると……。◎　オリックスバファローズ○　東北楽天ゴールデンイーグルス△　北海道日本ハムファイターズこんなもんだろうか。あくまでも個人的な希望をまじえての予想だが。はたして、結果はどうなる？Please crick here !!

  2006.09.22

  コメント(6)

• 

  名手

  楽天にまで負け越すのか。まァ、多くは語るまい。もはや消化試合だ。さて、野球には「守備の名手」という表現がある。読んで字の如く、守備の巧い選手のことだ。しかし、素人にはその見極めが難しい。派手なプレーを連発しても巧みとはいえないし、失策が多くても下手とはいえない。判断基準は――、イメージである。何となく、堅実な感じがする。何となく、守備範囲が広い感じがする。何となく、肩が強い気がする。何となく、エトセトラ。そして、それらのイメージが具現化されたのが、1972年に創設されたダイヤモンドグラブ賞（1986年からはゴールデングラブ賞）なのである。そこで、今回はこの賞を見ていく過程で、どの球団が最も受賞者を輩出しているか、中でも、一番の名手は誰なのかを明らかにしていく。さっそく、調べてみた。（以下、心の葛藤）ふおおおおおおおおおお、25年分は長いィィィィイィ！セ・パ合わせて、のべ616人んんんんんんんんんん！そもそも、どうして今こんなオフ向け企画を？それは『北斗の拳ＳＥ』と仕事、そしてェェェィィ！オリックスが、よ・わ・い・せいだァァァァァ――ッ！……ということで、こんなん出ましたけど（懐）受賞者ののべ人数が最も少ない球団から見ていこう。因みに、隣の選手名は球団の中で最も多くゴールデングラブ賞を授かった選手とその回数である。12　近鉄　　　　　23　中村紀洋　５11　中日　　　　　32　立浪和義　５10　ロッテ　　　　32　有藤通世＆小坂　誠　４流石はノリ。メジャー移籍に際して、自ら「守備を見て欲しい」と言ってのけただけある。それにしても、近鉄は名手の数があまりに少ない。中日も、突出した選手がいなかった。立浪にしても、３ポジションでの受賞である。ロッテも、水上善雄が受賞１度というのは寂しい限り。やはり、弱かった時代が長すぎたのか。９　横浜　　　　　38　山下大輔　８８　ソフトバンク　39　城島健二　７７　阪神　　　　　43　新庄剛志　７あァ、３人中、プリンスが２人（山下と新庄）。ソフトバンクは、城島がアメリカに行ってしまったので、ムネリンに是非とも頑張って欲しいところ。そうすれば、ここはプリンスゾーンだァァァァァ！６　ヤクルト　　　45　古田敦也　10５　日本ハム　　　45　島田　誠　６４　広島　　　　　51　山本浩二　10日本ハム、島田誠なんだ……。パ・リーグの外野は、基本的に阪急枠だったので、それを考えると、確かに凄いことなのだが。ヤクルトと広島は、それぞれ野村ＩＤ時代、赤ヘル旋風時代に多く名手を輩出している。３　西武　　　　　83　伊東　勤　11西武はこの賞が創設されてから、実に８年間も受賞者を輩出できなかったのが、黄金時代を築いてからというもの、かなりのハイペースで他球団をゴボウ抜きに。1992年などは、なんと受賞者８人！内訳は郭泰源、伊東勤、清原和博、辻発彦、石毛宏典、田辺徳雄、秋山幸二、平野謙。残る１人はダイエーの佐々木誠だったが、彼も後に西武入りしている。２　オリックス　　86　福本　豊　12福本の受賞12度は、日本記録である。オリックスも、阪急時代の1978年に受賞者８人の偉業を達成している。メンバーは山田久志、中沢伸二、マルカーノ、島谷金二、大橋穣、福本豊、簑田浩二、ウイリアムス。残る１人は、日本ハムの柏原純一だった。このチームは、本当に外野手の宝庫である。福本、簑田、ウイリアムスの後には、イチロー、田口壮、谷佳知が受賞者の常連となった。それにしても、本西厚博と山森雅文の受賞が、たったの１度とは。１　読売　　　　　99　王　貞治　９最多受賞が一塁手というレアな球団である。確かに、かつてセ・リーグの一塁は読売枠だった。王の後にも、中畑清に駒田徳広。しかし、近年は病的な大型補強の影響か、その伝統は失われてしまった。そして、もう１つ、読売が誇る枠がある。それが投手。堀内恒夫から始まって、西本聖、桑田真澄、斎藤雅樹。この流れを継ぐのは誰なのか。最近では、上原浩司が２度受賞してはいるが。☆☆☆今回、ゴールデングラブ賞の歴史を振り返ってみて、わかってきたことがある。１つ、王朝は名手によって築かれる。逆もまた真なり。２つ、名手は名手によって育てられる。３つ、埋もれた名手も１度くらいは受賞する。翻ってオリックス、外野枠は誰が継ぐのだろうか。村松から平野？　でも中村監督が解任になったら、平野は内野に戻っていく気が……。Please crick here !!

  2006.08.19

  コメント(6)

• 

  登録名

  プロ野球の助っ人選手というのは、ある意味「縁起物」なのかもしれない。……というのは、彼らの登録名を見て思ったことだ。かつて、この島国でプレーした幾人もの外国人たち。その中には、本名をいじられてしまった者が、数多く存在しているのだ。長いから。紛らわしいから。時には気分で。そして、何より多いケースが、縁起が悪い（良い）から。お馴染みのところでいうと、阪神のバース。実際の発音は「バス」ながら、何故「バース」に？それは、もし打てなかった時に「ポンコツ阪神バス」とか書かれたくなかったからだと言われている。う～む、後ろ向き。プロ野球というのは人気商売だけに、そういう「こじつけ」でも叩かれたくないのはわかるが。1982年、南海にいたダットソンも似たような事例だ。本名は「ドットソン」なのだが、ちょっと英語的発音で登録していた。理由は「どっと損した」とか書かれたら堪らんから。折しも、同時期には読売で「トマ損」が大活躍。それに対する過剰反応だったのかもしれない。その後、近鉄に入団したドットソンはそのままの登録だった。同じ南海では、デビッドなんて外国人もいた。こちら、ファミリーネームは「ホステトラー」だが、ホステスを連想させるという超イメージで、ファーストネームでの登録となった。因みに、デビッドという外国人は、中日にもいたわけで。本名は「スコット・サービス」という。相手にサービスしてしまうのでは、との理由なのだが……。デビッド？実はこれ、ミドルネームなのである。同時期、チームにはスコット・アンダーソンがいたので、こうなったというわけ。ファーストネーム関連でいうと、先日、オールスターで一発を放った中日のアレックス。ファミリーネームの「オチョア」が、おっちょこちょいを連想させるとのこと。ちょっと考え過ぎでは、山田さん？またまた中日、1989年にいたジョージ。ファミリーネームの「ヒンショー」が、「貧勝」と当て字にされてしまう恐れがあった。ホント、ここまでくると、被害妄想でしかない。広島の名外野手だったライトルという例もある。本名「リトル」が「小さいってどうよ？」という話になり、登録名変更になったのだ。現楽天のリック・ショートも、「短いってどうよ？」ということなのだろう。1996年、ロッテにいたスパイクは、ちょっと特殊な例だ。本名「ランディ・レディー」が、淑女のイメージでは弱かろうという理由で、まるで名前とは無関係な登録名になってしまった。何でも「スパイク」という単語には、「勇敢」という類の意味が含まれているそうだ。全く関係ないニックネームを付けられた選手というと、ブレット（大洋）、ブーマー（阪急）、アニマル（阪急）、ディンゴ（中日）、サムソン・リー（中日）らが思い出される。＜ブレット＞本名はボブ・レイノルズ。弾丸を表すニックネームから名付けられた。＜ブーマー＞本名はグレッグ・ウエルズ。ブームを呼ぶ男になって欲しいとの願いから。＜アニマル＞本名はブラッド・レスリー。その野生的な風貌から、引退後も「亜仁丸」を名乗った。＜サムソン・リー＞本名は李尚勲。旧約聖書の登場人物、サムソンに憧れての登録名。決して「三星の李」ではない。そもそも、彼はＬＧ出身である。但し、彼らは別に本名が弱そうだったわけではない。どちらかというと、親しみやすさ的な部分を重視しての登録名といえる。因みに、かつてはシピン（大洋）を「ライオン丸」に、ディアズ（ロッテ）を「ランボー」にする野望があったとか、なかったとか。さァ、ここまで来ると、残りもあと僅か。聡明なプロ野球ファンの方は、気付いたかもしれない。決定的な奴が、あと２人足りない、と。そう、王天上（南海）とマニー（大毎）である。王天上、決して大陸の人ではない。「オーテンジオ」という名前に当て字をしたのだ。曰く「王貞治の上を行って欲しい」からだとか。……って、ダジャレかィイイィイィィイィィ！一方、マニーの方はというと……、ゴホン（咳払い）。何というか、その……、ファミリーネームが絶倫というか。マ●コヴィッチ。……マン●ヴィッチ。あァ、どうして２回も書いてしまったのだろう。……って、下ネタかィイイィイィィイィィ！因みに、２人にはある共通点がある。ファーストネームが「フランク」だということ。……「だから、何？」とか言うな。Please crick here !!

  2006.08.02

  コメント(4)

• 

  ２番打者

  突然だが、連想して頂きたい。ズバリ「２番打者」という言葉から想像する単語は？……………ハイ、終了。小技とか、小柄とか、進塁打とか、バントとか、そこら辺を思い浮かべてしまった貴方は、とても普通な人。逆に「打撃」と答えられた人がいたのなら、物凄い思考回路の持ち主といえる。ところが、そんな少数派が時々現れたりするのだ。本来ならバリバリ中軸を打つべき選手が、敢えて２番を打つケースが。今年でいうと、アダム・リグスと前田智徳がそうだ。少し遡ると小笠原道大、カズ山本あたりが有名か。ペドロ・バルデスも強力だった。新庄剛志は……、ちょっと違うか？我がオリックスにも、かつては２番に藤井康雄を据えるプランがあった。しかも、それを発案したのは、典型的２番打者ともいえる、土井正三である。いわゆる、超攻撃的２番。おそらく、その嚆矢は豊田泰光まで遡らなければならないのではなかろうか。あまり知られていないところでは、かのＯＮも、その打順を２、３番に繰り上げたことがある。もっとも、あくまでテストとしてのことだったが。セオリーとは違うが、やってみたら面白いかも。そんな怖いもの見たさにも似た好奇心が、歴史上、これだけの例を作っているのである。その理由は、幾つかあるのだろう。リグスを起用した古田敦也監督は、捕手の立場として、２番が送りバントをしてくれると、精神的に楽になるから、と言っていた。その代わり、１番打者にフリーで走らせる、とも。そういえば、星野伸之も同じようなことを言っていた。例えば、初回、足の速い打者が出塁したとする。投手としては、立ち上がりということもあり、早く１アウトが欲しい。そんな場面での送りバント……。星野は、しばしば故意にバントしやすいボールを投げてさえいたという。また、古来より初回というのは、点が入りやすいイニングとして認知されている。そりゃ、そうだ。必ず好打順から始まるのだから。更に、先制点を奪うことのアドバンテージもある。試合の主導権を握りやすくなるため、勝率もグッと上がる。ＷＢＣでの王采配にも見られたように、無死一塁の場面では、送りバントではなく、ヒッティングの方が得点する確率が高いというデータもある。海の向こう、メジャーリーグでは、日本よりもイメージに寛容というか、データヲタというか、強打の２番というのは、そんなに珍しい存在ではない。真っ先に思い浮かぶのは、マリナーズ。イチローの後を任されているのは、Ａ・ベルトレーだ。彼は、一昨年のナ・リーグ本塁打王である。同じマリナーズでは、あのＡ－ＲＯＤが２番を打っていた。残念ながら、イチローとは入れ違いになってしまったが。古くは“最後の４割打者”テッド・ウイリアムズも、“通算本塁打４位”ウイリー・メイズも、なんと、あのハンク・アーロンまでもが２番を経験している。これは凄い。錚々たる面子である。さて、ここまで書いてきて思い出したのが、昔よくやっていた『ファミスタ』というゲームだ。Ｂチームを選んで、松永＆ブーマーを１・２番に並べる。そんなオーダーを必ず組んでいたっけ。因みにこの超攻撃的２番、あまり長期戦には向いていない気がする。チームの優勝に貢献したのは、豊田くらいのものだもの。Please crick here !!

  2006.07.20

  コメント(4)

• 

  シネマ３

  ジダンに地団駄を踏ませて以来となる、衝撃的なＣＭを見た。「イチキュッパ、イチキュッパ」トミー・リー・ジョーンズに、一体何を言わせているだろうのか。代表作は『逃亡者』『ＭＩＢ』など多数。そして何より、野球ファンにとってはお馴染みの『タイ・カップ』の主演男優として知られている名優に。“球聖”タイ・カッブ。野球好きで、彼の名前を知らない者はいないだろう。通算打率.367は断トツの歴代トップ。1936年、野球殿堂が設立された際には、あのベーブ・ルースを凌いで最も多くの票を集めた。しかし、彼の素顔を知っている人は少ないかもしれない。今回はそこの部分を考えてみる。カッブについてよく言われているのは、球界史上最も嫌われた選手ということ。相手選手はもちろん、チームメイトや監督、審判、そしてホームチームのファンからさえも、彼は厄介者だと思われていた。そりゃ、そうだ。スパイクの刃をヤスリで磨いて殺人スライディングをかましてみたり、握手を求めてきた黒人のグラウンドキーパーにビンタをかましてみたり。挙句は、野次を飛ばしたファンを観客席まで追いかけ回しに行ったり。エリック・カントナやロン・アーテストも、観客席で暴れたことがあるが、その他のエピソードで、カッブは突出している。あまりのマナーの悪さ、バイオレンスな所業に、警官の護衛つきで球場入りしたこともある。しかし、彼はその警官にも嫌われていた。トミー・リー・ジョーンズ演じるカッブも、それはもうハチャメチャな人物だった。気に食わないことがあると、銃を乱射。どっかの漫画のキャラクターみたいである。……ホラ、制服を着たあのキャラ。この映画は、彼の自伝を書いたアル・スタンプというゴーストライターが、1990年代になって初めて告白したカッブの「真の姿」が原作となっている。ということは、おそらく銃乱射も本当なのだろう。そのカッブだが、一方で引退後は美談が残っている。若手選手を積極的にバックアップしたり、困窮した元メジャーリーガーのために寄付をし続けたり、地元に記念病院を設立したり。引退した1928年には、はるばる日本にまでやって来て、熱心かつ紳士的に野球指導を行っている。えらい太っ腹。実はカッブ、それらを可能にするほどの財力を持っていたのだ。野球選手としてのサラリーが高かった。それもある。しかし、それ以上に彼は投機家として優秀だったのだ。成長期のコカ・コーラやゼネラルモーターズにも投資したことがあるらしい。果たして、本当のカッブは善人だったのか、悪人だったのか。名画『フィールド・オブ・ドリームス』では、シューレス・ジョー・ジャクソンが、こんなことを言っていた。「タイ・カッブも来たがっていたが、　生前の恨みでヤツにだけは声をかけなかったよ」また、彼の葬儀に球界関係者はほんの数名しか参列しなかったとも言われている。やはり、カッブの本質は嫌われ者だったのか。イヤ、きっとそうではない。そう思いたい。今も人々に語られる存在というのが、その証拠だ。真相は謎のまま。因みに明日７月17日は、彼の命日である。……そういえば。昔、オリックスにタイ・ゲイニーという助っ人がいたが、彼の登録名がフルネームになったのは、タイ・カッブにあやかってのことだったっけ。Please crick here !!

  2006.07.16

  コメント(0)

• 

  発売

  ヘッドロココ。当方、チョコを食べる専門であったが、この名前には、ちょっと懐かしさを感じる。言わずもがな。我々が小学生をやっていた頃に大流行した、ロッテの人気商品『ビックリマン』のことである。あまりに売れまくったため、いくつもの社会問題も生み出した。⇒　もったいないお化けが出るぞ事例　　目当てのシールだけ抜き取り、　　肝心のチョコを捨ててしまう子供が続発。　　食べ物を粗末にしてはいけません。⇒　“ＮＩＫＥ”が“ＭＩＫＥ”に事例　　子供たちの間でレアシールの盗難や強奪が相次いだ挙句、　　遂には“ロッチ”製の偽シールが氾濫するなど、　　まるで、ナイキ・エアマックスを彷彿とさせる混乱が　　世の中に渦巻いた。その『ビックリマン』なのだが、来週には、プロ野球版が発売されるという。公式発表によると、シールになっているのは、各球団から厳選した２名のスーパースター（投手・野手）。各々の雰囲気・特徴をビックリマン風にアレンジし、こだわりのシールに仕上げているらしい。現在のところ、確認できたのはロッテ勢の２人。どうやら、親会社は自軍のスター選手として、俊介と今江を選んだようだ。……西岡はさくらとの熱愛発覚で敬遠されたのだろうか？俊輔はサブマリンの体勢から、魚雷を投げ込んでおり、今江は「ゴリ」の愛称よろしくバナナを抱えている。こうなると、次は他球団で誰が「厳選」されたのかが気になるところ。特にオリックス。え？　吉井と谷？まァ、確かに２人ともオールスターには選ばれているが。吉井はまだわかるが、不可解なのは谷である。ここ２年の成績だけ見ると、スーパースターというには弱過ぎる。夫人の影をチラつかせるための人選だとしか思えない。それならば、いっそ番長キャラの清原の方がスッキリする。ホストキャラの平野佳、福の神キャラの北川でもいい。個人的には、後藤を何とか押したいところだが。さて、パ・リーグの他４球団はどうなっているのか。ソフトバンク　⇒　斉藤＆松中 西　　武　　　⇒　松坂＆和田 日本ハム　　　⇒　金村＆小笠原楽　　天　　　⇒　岩隈＆礒部ソフトバンクと西武に関しては……、まァ、こんなものなんだろうなァ。ソフトバンクの投手、谷理論（夫人抱き合わせ）を適用するなら、和田という気もしなくはないが。日本ハムは新庄の名前がないが、小笠原がいるだけに仕方がないところ。稀哲なんて尚更。しかし、ダルビッシュが選ばれなかったのは、不本意である。楽天は、鮮度を完全に失ってしまっている。昨年ならば、この人選で良かったが、今年は事情が違う。そういう意味で、一場＆山崎の方が、まだピンと来るというか。思い切って、谷中の悪魔シールを作るのも、面白いかも。もちろん、名前は「死球王ＴＮＮＫ」で。続いて、セ・リーグ。阪　　神　　　⇒　藤川＆金本 中　　日　　　⇒　岩瀬＆福留横　　浜　　　⇒　三浦＆種田 ヤクルト　　　⇒　五十嵐＆古田 読　　売　　　⇒　上原＆阿部 広　　島　　　⇒　黒田＆前田 中日の川上、読売の由伸らの名前がない。しかし、そんなことは大した問題ではない。問題は、何と言っても横浜である。種田のガニ股は確かに強烈だが、何故に多村を選ばない？あのスペランカー体質こそ、横浜最強の個性である。また、種田は中日から移籍してきた外様選手だが、多村は生え抜きで、しかも地元・横浜高出身である。ＷＢＣでは、貴重な一発も放っている。一体、何が不満なのか？このメンバー選考、多分ロッテの人間が複数で合議して決めたのだろうが、誰か横浜に関して、「門倉と内川で行きましょう！」なんて意見を出した人はいたのだろうか……。というか、こんなネタ好きプロ野球ファンのために、１球団２名ずつなんて長嶋ジャパンみたいなことを言わず、もっと様々な選手のシールを作ってくれればいいのに。Please crick here !!

  2006.07.13

  コメント(4)

• 

  人気

  今年もオールスターの季節がやって来る。毎年、この時期になると、ふと気になることがある。果たして、チームの人気は強さに比例しているのか――？……ヨッシャ、とことん数字を羅列してやる。今回は大統計大会ィィィィィ！さて、この検証における仮説は単純明快だ。「ファン投票で選ばれる選手（以下ファン選手）の数は、　チームの順位に大きく左右される」まずは、ここ20年のオールスター、どの球団がどれだけの選手を輩出しているか、順位の変動はどうだったのか、データを洗い出してみよう。（計算中。以下心の声）……………………………………………………、……………………………………………………、……………………………………………………、……………………………………………………、……………………………………作業が地味だ（ポツリ）。ち～ん。ということで、出たのがコチラ。数字は左から「ファン選手ののべ人数」「ファン投票全体の中でその球団の選手が占める割合」「チームの平均順位」である。＜セ・リーグ＞読売　　　　　79（41.6％）　2.25阪神　　　　　49（25.8％）　4.65ヤクルト　　　29（15.3％）　3.15広島　　　　　13（ 6.8％）　3.65中日　　　　　10（ 5.3％）　2.90横浜　　　　　10（ 5.3％）　4.25＜パ・リーグ＞西武　　　　　72（36.5％）　1.65ソフトバンク　45（22.8％）　3.65近鉄（楽天）　30（15.2％）　3.55オリックス　　21（10.7％）　3.20日本ハム　　　18（ 9.1％）　4.05ロッテ　　　　11（ 5.6％）　4.70わかりやすい顕著な例を挙げると、人気も強さも兼備している、読売と西武。そして、どちらも皆無な横浜やロッテ。これらを見る限り、人気と強さは対応しているように思える。しかし、阪神やソフトバンクはどう解釈する？人気はあるが、決して20年間の成績が良かったわけではない。こうは考えられないだろうか。阪神にしても、ソフトバンクにしても、チームの調子が上向いてきた時期に、ガガッと数字を伸ばしたのではないのか。言い換えると、各年度の順位とファン選手数を分析すれば、仮説を証明できるのでは？（改めて計算中。以下心の声）……………………………………………………、……………………………………………………、……………………………………………………、……………………………………………………、………………………………地味な上に大変だ（ポツリ）。ということで、出てきたデータがコチラ。＜セ・リーグ＞読売　　　　　79（41.6％）　2.25　-0.4425阪神　　　　　49（25.8％）　4.65　-0.8863ヤクルト　　　29（15.3％）　3.15　-0.1801広島　　　　　13（ 6.8％）　3.65　-0.1065中日　　　　　10（ 5.3％）　2.90　-0.0926横浜　　　　　10（ 5.3％）　4.25　-0.0392＜パ・リーグ＞西武　　　　　72（36.5％）　1.65　-0.6219ソフトバンク　45（22.8％）　3.65　-0.5694近鉄（楽天）　30（15.2％）　3.55　-0.0657オリックス　　21（10.7％）　3.20　-0.3044日本ハム　　　18（ 9.1％）　4.05　+0.1747ロッテ　　　　11（ 5.6％）　4.70　-0.5560さて、右端に追加されたこの数字、実は「相関係数」なる統計データである。要は、人気と強さがどれだけ関係しているかを厳密に示す指標である。見方は簡単。チームが上位で、ファン選手も多い、或いは、チームが下位で、ファン選手も少ない。つまり、人気と強さに因果関係が認められる場合、数値は「－１」に近付いていく。逆に、チームが下位なのに、ファン選手は多い、または、チームは上位なのに、ファン選手が少ない。つまり、人気と強さに因果関係が認められない場合、数値は「０」に近付いていく。そして、相関係数の解釈の目安は、この通り。0.0～0.2　ほとんど相関関係がない 0.2～0.4　やや相関関係がある 0.4～0.7　かなり相関関係がある 0.7～1.0　強い相関関係がある これを踏まえた上で、上の表に戻って頂きたい。阪神、ソフトバンク、そして読売と西武も、ファン選手の数とチームの順位が見事に対応している。逆のパターンでは、ロッテも仮説を証明する材料となった。しかし、一方で矛盾点も出てきた。どうも横浜のファン選手が少ないのは、チームが弱いこととは関係がないらしい。それもそのはず。横浜はＢクラスに低迷した1995年に６人を輩出しているものの、優勝している1998年には、なんと０人。これでは、人気と強さが無関係と出ても仕方がない。オールスターは、シーズンの中間にあることから、前半の戦いぶりでファン選手の数が左右されることもあるのだろう。あとは、チームの順位にかかわらず、絶対的な人気を誇る選手を擁している球団、それと場違いに組織票が集まってしまった球団。こちらも、相関関係が出にくいパターンである。要するに、だ。基本的には、チームの人気と強さの間には、何らかの因果関係があるといえるのではなかろうか。……そんなこと、当たり前じゃんとか言うなかれ。この苦労が報われないから。Please crick here !!

  2006.06.29

  コメント(2)

• 

  インタビュー３

  予想通りというか、データ通りというか。ノリが復帰した途端に得点が入らなくなった……。おのれ、楽天に負け越しとは！頼みの後藤も離脱してしまった今、この貧相な状況を変えるためには何が効果的か？１）ノリに魔封波！２）中軸にバイキルト！３）打線にピオリム！４）念のため、相手にルカナン！……意外と大変だ。さて、我が軍がこんなグダグダな勝負をしている間、名古屋ではニューヒーローが誕生したようだ。英智。プロ野球初心者の皆さん、この男の名前を正しく読めるだろうか？「ひでのり」一芸選手を好む「オレ流采配」により見出された逸材。その特徴は、何と言っても『無類の強肩』である。落合さんが監督になる以前、彼はオフに行われるプロ野球運動会の遠投大会が１年のクライマックスだった選手だ。いわゆる、守備の人。昨年は故障もあって、たったの４安打。しかし、そんな男がこの２日間で伝説を打ち立てた。……プレーより、むしろコメントで。まずは昨日。同点に追いつかれた直後の８回裏、二死満塁でセンター前へ決勝の２点タイムリー。「代えられるかなと思ってベンチを４回見たけど、（打席に入る）曲が流れても監督が出てこないから、僕かと思って打席に行きました」さらに、インタビュアーから打席を１度外したことについて聞かれると……。「打つバッターはこんなところで間を空けるんじゃないかな、と思って空けました」秀逸。朴訥さがコメントの質を見事に１ランク上げている。場内は大爆笑に包まれた。「笑うところじゃないです。真剣な話です」「たまにはこんな日があってもいいと思います」そして、今日。６回裏、またしても二死満塁からセンター前へ決勝の２点タイムリー。この一打で、２日連続のお立ち台を射止めた。インタビュアーは、もちろん昨日の饒舌な英智をイメージして第一声を引き出そうとする。しかし、そうは問屋が卸さなかった。「……………」無言。沈黙。しかし、絶妙の間。刹那、固まるインタビュアー。しかし、ほんのコンマ数秒で気を取り直して次の質問をぶつけてみる。――今日は１度も打席を外さなかったが？「今日は全く意識していませんでした」素晴らしい。ちょっとＳが入った切り返し。ヤバイ。コイツは面白い。天才だ。この天然炸裂大爆笑なお立ち台、ファンの間では既にお馴染みの風物詩として認知されているらしい。不覚である。英智というと、1998年のドラフト４位。つまりは、福留や岩瀬と同期入団である。地味な選手ではあるが、どうして今までこのキャラに気付けなかったのか。正直スマンかった！よくよく考えると、彼は県岐阜商出身だ。あそこのＯＧには、高橋尚子がいる。調べてみると、誕生日は３日違い、血液型は同じＯ型。何となく、イメージは似ていなくもない。ちょっとズレている辺りとか。因みに、彼のフルネームは蔵本英智。愛用のグラブには、その名残が刻まれている。「Ｈ・Ｋｕｒａｍｏｔｏ」グラウンドに立った英智は、まずグラブに刺繍された「・」の文字を見つめて集中力を高めることを習慣としているのだそうだ。天然さんでも、いろいろと考えているんだねィ。Please crick here !!

  2006.05.04

  コメント(6)

• 

  一芸

  近年、野球界は「３拍子揃った」選手が随分と重宝されるようになった。打てて、守れて、走れる。米国でも「５ツールプレーヤー」なんて表現があるほど、何でもこなせる選手というのは人気がある。その最上級に位置しているのが、イチローである。彼みたいなタイプがスタメンを埋め尽くしたら、それこそ隙のない打線が組めることだろう。けれども、それは現実味のない妄想というものだ。五輪やＷＢＣのための代表チームでもなければ、そんな選手をたくさん集めることは難しい。何故なら、真に３拍子揃った選手というのは、意外と稀な存在だからである。そして、その対極にいる存在、いわゆる「一芸タイプ」も野球界では珍種である。突き抜けた特殊技能を持つ選手というのも、なかなかいないものなのだ。打てるわけでも、守れるわけでも、走れるわけでもない。しかし、使い勝手は悪いくせに、ピンポイントで絶大な威力を発揮してしまう。まさに、適材適所の申し子。代表的な選手はというと……、誰だろう？・・・・・ぶっちゃけ、最初に思い浮かんだのは、アイツ。マイク・キンケード（笑）2004年、連覇を狙う阪神にやって来た、超個性的助っ人外国人である。彼の通算成績を振り返ってみよう。26試合に出場し、86打数20安打、打率.233。本塁打は３本放ち、７打点。盗塁も１つ記録している。そして、四球４に対し、死球12（！）この男、結局は死球による骨折が原因で、僅か26試合でリタイアしてしまったのだが、金本クラスの鉄人ぶりを発揮していたら、シーズン死球記録を軽く塗り替えていたに違いない。因みに、日本記録保持者は大洋の岩本義行。1952年、522打席で24個の死球を受けている。また、通算死球１位の清原は、2003年に記録した16個がキャリアハイ。このシーズンは、403打席に立っている。それなのに、キンケードは102打席で12個。死球率　＝　岩本：清原：キンケード　　　　＝　.046：.040：.118（！）なんと、彼は10打席に１度以上の確率で、死球による出塁を実現していたのだ！これはボンズが73本塁打を放った年の本塁打率（ここでは本塁打÷打席数）をも凌駕する数値である。仮にこの年、キンケードが規定打席に到達していたら、年間50個もの死球を記録していたことになる。実に恐ろしい男である。死球王というより、当たり屋だ。そもそも、彼は日本にくる前からこうだったのか？その原点を辿ってみると……。1998年　メッツ　　　　０個（２打席）1999年　メッツ　　　　２個（51打席）2000年　オリオールズ　１個（８打席）2000年　メッツ　　　　０個（２打席）2001年　オリオールズ　３個（177打席）2002年　ドジャース　　６個（60打席）2003年　ドジャース　　16個（191打席）　なるほど、どうやらこのプレースタイルは、ドジャース時代に培われたものらしい。突如目覚めたのか、それとも誰かの入れ知恵か？因みに、阪神時代を含めても、本塁打が死球を超えたのは、2001年の１度だけ。その時も死球３に対し、本塁打４と僅差だった。あァ……、キンケード。一体、スカウトは彼の何を見て獲得を決めたのか？確かに、あらゆる意味で印象には残る選手ではあったが。例１）ＯＰ戦では「バースの再来」と騒がれるも、　　　開幕戦の第１打席でいきなり死球。その後は３タコ。　　　４打席目の三振では、暴言退場のオマケも付いた。例２）本塁打を放つと、全力疾走でダイヤモンドを駆ける　　　「キンちゃん走り」がなにわの新名物に。　　　岡田監督に「走者を追い抜くな」と釘を刺される。彼は、阪神を退団するとき「思い出は？」と問われ、こんなことを言っていた。「ケガが多く、実力を十分に発揮できなかった」イヤイヤイヤイヤ、それは違うぞ、キンケード。実力は見せられなかったかもしれないが、持ち味は十二分に発揮したではないか。……そもそも、それは思い出か？現在、彼はマーリンズ傘下３Ａのアルバカーキというチームで現役を続けている。本来は三塁手だが、どこでも守れる器用さを持っているので、試合には出場できているようだ。☆☆☆一芸タイプというと、次に思い浮かんだのが、元大洋の市川和正である。禁断のハーフスイング逃れ。ハーフスイングを取られそうになった瞬間、バットを放り投げてとぼける。刹那の判断力はもちろん、表情も重要になってくる。効果はというと……、１ストライク得した気分になる。あァ、懐かしいね。今後もこんなピンポイントな一芸を持っている選手が、どんどん出てきて欲しいな。Please crick here !!

  2006.04.12

  コメント(2)

• 

  大差

  東京は桜が散り始めている。駅までの道のり、路上にはたくさんの花びら。風に吹かれると、本当に綺麗だ。サクラチル。そう、散ったなァ、盛大に。まるで、枝ごとボテッと落ちたかの如く。第78回選抜高校野球大会決勝、横浜高校（神奈川）vs.清峰高校（長崎）。戦ってみたら、21対０だったのです――。春の高校野球というより、春の公開処刑か。結果を見て、思わず「ギャフン」なんて死語が、脳裡に浮かんでしまった。まさか、ここまでの大差がつくなんて、努々思っていなかったからだ。清峰のエース・有迫はここまで４試合に投げ、防御率0.71と安定感を誇った左腕である。準決勝では、強豪・ＰＬ学園を相手に２安打完封の快投も演じている。それなのに、一体どうしてこんな試合になってしまったのか？確かに、連投の影響はあっただろう。４試合で、なんと570球。つまり、１試合平均で140球超。左手中指には血マメができ、肩に張りも感じていたそうだ。また、ミスが重なったこともあっただろう。有迫自身、四球が多い投手である。特にこの日は酷かった。守っている野手もリズムに乗れなかったはずだ。しかし、もっと大きな差があったのではないか？何となくそんな気がして、調べてみた。そして……、見つけた（≒仕立て上げた）。やはり、困ったときはプロフィール。キーワードは「将来の夢」にあったのだ。両校を比較してみると、実に対照的である。＜横浜＞　　　　　　　　＜清峰＞プロ野球選手　：６名　　なし　　　　　：５名　人生の勝利者　：３名　　プロ・野球選手：３名幸せな家庭　　：２名　　車関係の仕事　：２名尊敬される人間：１名　　先生・教師　　：２名スポーツ店経営：１名　　お金持ち　　　：１名野球の指導者　：１名　　立派な大人　　：１名一流の人間　　：１名　　甲子園で本塁打：１名芸能人　　　　：１名　　芸人　　　　　：１名歌手　　　　　：１名　　消防士　　　　：１名金持ち　　　　：１名　　スポーツ指導員：１名　　　　　　　　　　　　見ての通り、横浜の方が言うことがデカイ。たかだか10代の若造が「人生の勝利者」なんて、なかなか出てくるフレーズではない。……しかも、３人も。これは、メチャクチャ志が高いぞ、横浜！それに対し、清峰はというと……。一番多かった答えが「なし」って。ないのかよ！お前ら、明日が見えない人生の迷子ちゃんか。せめて、夢は持っとけよ、夢ぐらいは。もっと少年マンガを読め。そして、心の小宇宙を燃やせ。友情・努力・勝利は男子の基本である。つまり、だ。少年よ、大差じゃなくて大志を抱けってこと。さて、次の夏、彼らは大いなる夢を持ってリベンジを果たせるだろうか？☆☆☆最後にちょっとオマケ。甲子園で大差の試合というと、思い出すのが1985年夏のＰＬvs.東海大山形である。29対７。山形の県議会で「どうしてこんなに弱いのか」と、議題があがったほどの屈辱的な大敗だった。因みにこの試合、桑田を温存させるために、清原がマウンドに上がったのは有名な話である。その清原だが“春”が来て、太腿にも“張る”が来たらしい。現在、２試合連続で欠場中だ。洒落にもならん。早く戻って来ておくれ。Please crick here !!

  2006.04.05

  コメント(6)

• 

  日本代表７

  最近、巷では『FINAL FANTASY』関連の飲料で、『ポーション』なるコラボ商品が出回っているらしい。そこで１つ、思い付いたのが『出世神水』なる飲料。権力（キシリア・ザビ）に取り入ることで、実力と反比例した地位（ジオン軍大佐）を獲得した、出世神プロデュースによるコラボ商品。もちろん、出世神とは彼のことだ。瓶の形はまさにこの壺と一緒。そして、ＣＭでの決め台詞は、お約束のあの名言だ。「アレハイイモノダ！」ということで、今回は最後のＷＢＣ企画である。日本球界にとって、素晴らしい結果となった決勝の模様を振り返ってみよう。ＪＰＮ　４００　０２０　００４　10ＣＵＢ　１００　００２　０２１　６では、あまり時間もないので、気が付いたことをズラズラと羅列していく。▽　松坂とペトコパークサンディエゴ・パドレスの本拠地・ペトコパーク。ここはＭＬＢの中でも、最も本塁打の出にくい球場として知られている。これが、前半は日本有利に働いたのではないか。この日、松坂の調子は決して良くはなかった。とにかく、低めに球が集まらない。特に先頭打者本塁打を含め、変化球のコントロールにかなり苦しんだ。そこで、彼は軌道修正を試みる。少々甘く入っても、ストレートの威力で押し切ろうと考えたのだ。普通なら、より丁寧に慎重にコーナーを突くよう意識を高めるもの。しかし、松坂は違った。コースよりも球威を大前提としたパワフルな投球。その裏には、彼自身の自負はもちろんのこと、ペトコパークという球場の特性がしっかりと計算されていたのでは？　結果、その選択は奏功し、キューバ打線は本塁打による１点しか取ることはできなかった。▽　外に手を出せた松中１回、日本はいきなりビッグイニングを演出したが、ポイントは一死一二塁で迎えた松中の打席ではなかったか。フルカウントからの勝負球、外一杯の厳しいコースを何とか合わせ、ショートへの内野安打とした場面である。この後の２連続押し出しに繋がったという点はもちろん、それ以外での恩恵も大きかった。準決勝の韓国戦では、全く見えていなかった外側のストライクゾーン。これに対応してみせたことによって、得意としている内側のボールが配球の中に盛り込まれるようになったのだ。その影響か、松中はこの日３安打。あとの２本は、何れも内角の球を打ったものだ。▽　ドラマチック王劇場ＷＢＣのシリーズを始めてから、何度も書いたことである。２番手に先発投手を投げさせるな、と。適材適所は野球の基本である。昔とは違い、今は完全なる分業制の時代。先発には先発の心構えが、中継ぎには中継ぎの心構えがあり、それらは現在、別物として確立されている。まして、世界一を決める大舞台での登板だ。普段通りのパフォーマンスを見せられるのか。俊介の登場には、そんな不安を覚えた。予感は的中した。５回こそ無難に抑えたものの、６回に２点を失うと、７回も２失策が絡む危ない展開に。結果として点は入らなかったが、流れは完全に向こうへと移ってしまった。流石に代えるだろう。そう思った８回も俊介を続投させる王監督。来る日も来る日も「ピッチャー鹿取」を連呼していた、あの頃の頑固さは今も健在らしい。きっと俊介は先頭の右打者・グリエルまでと心に固く決めていたのだろう。しかし、今回もそれが完全に裏目と出た。グリエルはセカンドへの内野安打。無死の走者を背負うことになったのだ。投手を出し渋って負ける。２次リーグでの２度の敗戦、それと準決勝の韓国。これらの敗因は何か。反省がまるで生きていない。そもそも、決勝の舞台で何を惜しむことがある？ここで、慌てて投入した藤田に皺寄せが来てしまう。セペダに被弾し、気付けば１点差の接戦である。まさに恐るべきは（車田的表現）、王劇場。彼の演出なしでは、ここまでＷＢＣが盛り上がることはなかっただろう。▽　プレイヤー・オブ・ザ・デイ良くも悪くも川崎で決まりだろう。４回裏、松坂の足元を抜けるセンター前への当たりを超絶ファインプレーで阻止したのは圧巻。しかし、終盤２度にわたるイージーミスはらしくなかった。これが重圧か。それとも、それまでにセーフティバントを２度、好守に阻まれたことが、ツキを失わせたか。９回表、せっかく相手がミスをしてくれたのに、送りバントを決められなかったのも痛かった。あの瞬間、本気で敗北の２文字を覚悟してしまった。▽　10割の確信を持てたイチローの打席負けの匂いがプンプン漂った川崎の後、流れを一気に引き戻したのは西岡だった。昨年の日本シリーズ第１戦で見せた、二塁へのプッシュバント。もはや、彼の代名詞として定着した感のあるこのビッグプレーで、舞台は完全に整った。一死一二塁、打席にはイチローが立つ。この勢いと、相手投手の表情と、そして真打たる存在感と。打てない理由が見つからなかった。勝負の行方は予想通りだった。カウント０－１からの２球目、外角のカーブを三遊間ではなく、敢えて一二塁間へ。打点をとことん追求したバッティングだ。流石、この場面で自分が何を為すべきかを心得ている。こうなると、日本の打線は止まらない。９回、一挙４点を挙げ、勝負を決定付けたのだった。Please crick here !!

  2006.03.22

  コメント(6)

• 

  日本代表６

  本日は、迷惑審判の目立った出番はなし。そのことは関係ないだろうが、日本がやっと韓国に勝った。巷では、号外が配られたほどの騒ぎだったそうだ。むう、またしても複雑な気分である。例えるなら、ロビンマスクの提案した特別ルールのおかげで最初の超人オリンピックを制したキン肉マンのような。２年続けてプレーオフの不条理を体験した王監督も、漸くルールの恩恵を与ることができたか。しかし、いいのか？　いいんだな？　いいに決まった！この試合、日本は打線を大幅に変えてきた。まず、これまで１番で固定していたイチローを３番に。そして、不調の福留を外し、青木を１番として起用。更には、故障の岩村に代わり、今江が三塁を守った。先発は日本が上原で、韓国が昨季メジャーで８勝の徐在応。上原が付け入る隙がないほど完璧な投球を披露したのに対し、徐の方は立ち上がり、今ひとつリズムを掴めていなかった。しかし、日本の拙攻とバックの好守備に助けられ、０対０のまま試合は６回まで終了。前回の対戦と似たようなパターンだけに、動き出しのタイミング、どちらが先に仕掛けるかが勝負を分けるポイントとなりそうだった。その分水嶺は、７回にやって来た。……何の捻りもないが。細々と振り返ってみよう。松中　⇒　二塁打前の打席、無死二塁の場面で三邪飛に倒れ、最低限の仕事もできなかった４番だが、この場面では、追い込まれてからの４球目を右翼線へ運んだ。二塁へはヘッドスライディング。左拳をベースに叩きつけ、興奮を露わにしていた。この打席の松中は、外側のボールをかなり遠く感じていたようだったのが、韓国バッテリーが丁寧に内側を突いてきたのが幸いした。多村　⇒　三振韓国、右打者を迎えたところで、金炳賢を投入。予定通りの継投策である。ここで多村には、またしてもバントのサイン。王監督はもしかしてＳの気があるのか。しかし、結局は２ストライクと追い込まれ、バスターに切り替えたものの、結局は三振に倒れた。この多村、４回の守備では自身のスペランカー体質を顧みない捨て身のファインプレーを見せていたので、勢いに任せて打たせてみるのも面白いと思ったのだが。実際、彼は次の回に左中間の最も深いところへ本塁打を叩き込んでいるのだ。終盤に入っての凡ミス。嫌な雰囲気が漂う。しかし、それを吹っ飛ばしたのが、次の福留だった。福留　⇒　本塁打日本ベンチが、このタイミングで仕掛けてきた。今江に代え、代打・福留――。ＷＢＣでは19打数でたったの２安打。しかも、得点圏打率は.000で、今日は遂にスタメン落ち。もちろん、これまでの野球人生で代打経験はあまりない。仰木さんのロジックに慣れているせいなのか、出てきた瞬間は「マジでか」と思ったが、この起用が、ここまで完璧だった韓国ベンチに迷いをもたらした。結果論だが、韓国が具台晟を投入できていたら、嫌な流れのまま鬼門の８回を迎えていただろう。どうも、具は故障していたらしいが、それでも左の奉重根は残っていたはずだ。配球面でも、ローボールヒッターの福留に対し、低めの球を３つも続けてきてくれたのがよかった。しかも、打ったのは内側に甘く入ってきた逆球だった。相手に傾きかけた流れを瞬時に引き戻した。一昨日のメキシコもそうだったが、こういう時というのは、得てして大きな勢いが生まれるものだ。小笠原　⇒　死球手元が狂ったのか。それとも、腹いせか。主審はキムに対して警告をしていたが、果たして真相は？答えが前者だとしたら、ここは交代させるべき。しかし、韓国ベンチは動かなかった。里崎　⇒　二塁打キムのリズムはまだ整わない。２球目、暴投で小笠原が二塁へ。そして、その直後の甘いボールを里崎は見逃さなかった。これで、決定的とも言える３点目が日本に入った。韓国の投手継投もどんどん後手に回らざるを得なくなる。こうなると、もはや完全に日本優勢。勢いは止まらない。川崎　⇒　二ゴロ韓国、ここでやっと奉重根を登板させる。結果は二ゴロで、これで漸く２アウト。しかし、走者を進めるという最低限の仕事は果たした。これが次の打点を招くこととなる。宮本　⇒　安打日本も畳み掛ける。ここで左の青木に代え、宮本を起用。これを受け、韓国も孫敏漢を投入した。国内組のエースと言われる孫も、流れは堰き止められず。打球は渋く三遊間を破り、これで４点目が入った。西岡　⇒　安打更に続く西岡は、二塁後方へのテキサスヒット。不運な三直ゲッツーでチャンスを潰した前の打席とは、何とも対照的な結果だった。宮本は一気に三塁を陥れ、二死一三塁とした。それにしても、この回に打点を叩き出したのは全て代役として呼ばれた選手たちだ。福留は松井、里崎は城島、そして宮本は井口……。イチロー　⇒　安打真打がＷＢＣに入って初めての猛打賞を決める。外側に広いストライクゾーンにも慣れたもの。あっさりとレフト前に弾き返し、宮本をホームへ迎え入れた。松中　⇒　二ゴロまさにラッキー７の攻撃である。打者10人で６長短打５得点。王監督の采配がズバリ当たった形だ。４回だか５回だかに清水直が投球練習を始めた時は、「このオッサン、またか！」と思ったが。「とにかく韓国に勝ちたいという気持ちがチームに漲っていた。　今までの中でも最高の１勝。自分の野球史の中にも　新たな１ページを作れた」とは、試合後の王監督のコメント。やはり、昨日も書いた通り、メンタルの部分も勝因の１つか。イチローも、かなりマジになっていたようだ。「福留も上原もみんな頼もしい。最高に気持ちがいい。　勝つべきチームが勝たなければいけない。　そのチームは当然僕らだと思っていた。　本当にシャクに障っていたので。この間は。　野球はケンカではないけど、そんな気持ちでした」どうも徐在応がマウンドに太極旗を突き立てたあの試合、敵意剥き出しの韓国にイチローはかなりブチ切れていたようだ。まァ、それ以前にイチローも結構ケンカ売ってたけどね。ともあれ、これで決勝進出。相手はアマチュア最強のキューバである。韓国歴代のドリームチームの中でも「最強」と評判だった“ドリーム・オブ・ドリームチーム”を破った勢いをこのまま持っていけるか。先発は松坂。国際大会の舞台では点が入り難いという傾向を考えても、勝負のアヤは継投に懸かってきそうだ。☆☆☆最近、壮一朗がストーンコールドみたいに首を振るようになった。何のつもりかはサッパリわからないが、どうも気分が乗っているとやるらしい。“Gimme a hell yeah”とか言わねえかなァ。Please crick here !!

  2006.03.20

  コメント(6)

• 

  日本代表５

  果たして、これは誰の悪運なのだろう。とにかく王ジャパン、準決勝進出である。ここまで３回も負けているのに、ベスト４。……他力本願。サッカーの岡田ジャパンが脳裡に甦る。しかし、あの時とは違い、今回は複雑な気分というのが本音だ。例えるなら、シューティングゲームだ。せっかく機体をバリバリにパワーアップさせたのに、中途半端なところで撃墜されたがために、オプションが全て消え、更には、丸腰のままステージ途中からリスタートさせられるような。そう、思わず『上上下下左右左右ＢＡ』を入力したくなるような。桜木花道は昔、こんなことを言っていた。「この桜木率いる湘北は同じ相手に２度は負けん！」そして更に昔、一輝はこんなことを言っていた。「聖闘士に同じ技は２度通じぬ。今やこれは常識！」これらの台詞に表されているように、少年誌の世界では、同じ過失を繰り返してしまうことを愚の骨頂としているのだ。それなのに、王ジャパン。韓国には、既に２回も負けているのだぞ！それでも日本人は「３度目の正直」と言うが、皆さんは、王監督のこのコメントを見て、どう感じるだろうか？――３度目の韓国戦をどう戦うか？「２試合とも８回に失点している。試合の後半を抑えること」イヤイヤ、問題はそれ以前の継投にあるのでは……。８回は単に皺寄せが来ただけというだけ。――準決勝の抱負は？「韓国よりうちの方がプレッシャーはないと思う。　日本のファンの皆さんに華々しさを見せてない。　日本の野球を世界に示したい」何言ってやがる。プレッシャーは絶対に日本の方が上だろう。今度も負けたら、それこそ負け惜しみすら言えまい。あァ、このまま華々しく散る様を見せられるような気が……。韓国が勝っちまうと休日出勤が派生してしまうのに。さて、それにしてもメキシコである。日本戦とは別人かと思うほどのグッドチームだった。特に、試合中盤から終盤の手に汗握る展開、それと彼らが見せた気迫には、感動さえ覚えた。……前日にわざわざ練習をキャンセルし、ディズニーランドに繰り出していたなんて信じられない。何よりも、守りの堅さである。バレンズエラ、カスティーヤ、オヘダの超ファインプレー、そして、総勢８名を注ぎ込んだ惜しみない継投策。野球というゲームは、守備からリズムと流れを作るのだということを再認識させられた。日本、よくもこのチームに勝てたものだ。心の底からそう思う。それを強く感じたのは３回裏、誤審の場面である。やらかしたのは、またしてもボブ・デービッドソン。今度はポール直撃の本塁打を二塁打に挿げ替えやがった。ボールには、くっきりと塗料が付着していたそうな。※　因みに、誤審があった直後の４回、　　アメリカが犠牲フライで同点に追いつくのだが、　　メキシコ、ホームイン後に敢えてボールを三塁に送っていた。　　もちろん、デービッドソンに対しての皮肉と抗議だ。問題は同じ相手、同じ場面で日本が流れを取り逃がしているのに対し、メキシコは逆にそれをガッチリと掴んでいるということ。両者の差はどこにあるのか。それはきっと、技術ではなく、メンタリティなのだ。王ジャパンが接戦になると脆いというのも、そこら辺に原因があるような気がしてならない。勝負弱い代表なんて、ファンに愛されるわけがないのに。明日の韓国戦、我々は日本代表の強く潔い“心”が見られるだろうか。勝敗の鍵はズバリそこに懸かっている。追申。王さん、今日こそは「適材適所」と「総力戦」という言葉を努々忘れなきよう……。Please crick here !!

  2006.03.18

  コメント(2)

• 

  日本代表４

  ＷＢＣのルールについて、ちょっと勘違いをしていて、少し申し訳ない思いをした今日この頃である。３連投禁止　⇒　×連投した投手は中１日休養　⇒　〇……だったらしい。昨日、韓国の試合はなかったので、具台晟も登板可能というわけだ。ゴメンナサイ。・・・・・あ、こんな時は「不覚」というレア台詞を使うのが正しかったか。まァ、ドンマイ、自分。ということで、韓国戦である。結果は周知の通り。具台晟の“らしい”演出により、最後は盛り上がったものの、日本の準決勝進出はかなり絶望的な状況に。韓国の選手は兵役免除という人参と、日本へのライバル意識で全員が目の前の勝負に集中しまくり。空気が読めていたのは、きっと我らが具だけ。個人的には、日本が負けてしまったこと以上にアメリカに復活のチャンスを与えてしまったことが悔しい。ここでアメリカをどん底に叩き落とせば、次から本腰を入れるかもしれなかったからだ。そう、バルセロナ五輪でのＤＴみたいに。ところで、日本。何とも勝負弱い。本当のＤＴではないにしろ、この程度なのか。確かに韓国も強かった。が、勝てない試合でもなかった。では、試合を検証していこう。印象的なポイントは３点ほどあった。（１）杉内の投入・交代アメリカ戦の時も書いたことだが、２番手の投手に先発型の投手を持ってくることに、どれだけのメリットがあるというのか。まして、俊介が球数を節約して、６回まで投げてくれた後の投入である。ここは遅い球に目が慣れた韓国打線に対し、球の速い藤川を当てるべきだったと思う。しかし、もっと問題だったのは杉内の続投である。実際、７回の杉内は持ち味の制球も不安定で、バント処理でも危ない場面があった。３アウトを奪えたのも、やっとのことだったのだ。そんな彼に、８回も続けてマウンドを任せてしまった。これは王監督の責任である。交代のタイミングもおかしかった。一死二三塁という場面で、打席には李鐘範。てっきりここは敬遠をして藤川に交代、次のスンヨプを三振に討ち取るという作戦かと思ったが、一塁を埋めないまま藤川に代えて勝負に出たのだ。結果は２点タイムリー。ここまでの６戦、迷いのない采配が全て奏功している韓国ベンチとは対照的なシーンだった。（２）対照的だった得点チャンスこの試合、両チームの得点チャンスもまた対照的だった。比較してみると、それは明白だ。＜２回裏／日本の攻撃＞二死二塁から里崎がライトへ抜ける安打を放つも、岩村がホームで憤死。ここまで、柔らかい打撃で安打を量産していた岩村だったが、ここで足を負傷し退場となる。日本、先制のチャンスを逃したと同時に、計算できる打者を試合序盤で失ってしまった。＜６回裏／日本の攻撃＞無死で先頭の川崎が出塁。これをイチローが送って一死二塁。続く西岡は凡打に倒れるも、なお得点圏に走者は残る。ここで韓国は金炳賢を登板させてきたが、代打・金城がストレートの四球を選び、二死一二塁。打席には、主砲・松中が立った。初球――、やや内寄り甘いストレート！　打球は強烈！！・・・・・セカンド真正面……だと？あれがオリックス戦ならスタンドに運んでいたくせに。短期決戦で輝かないイメージがまた強くなってしまった。どうしても運に見放された感のある日本の攻撃。それに対し、韓国はというと……。＜８回表／韓国の攻撃＞先頭打者こそ三ゴロに倒れたが、次打者が四球で出塁。実はこの打者、出塁の直前にライトへのファールフライを打っているのだが、ギリギリ観客席に飛び込んでイチローを悔しがらせている。この後、イチローがファンに向かって怒声を上げていたところを見ると、邪魔された？　だとしたら、韓国にとっては幸運だったといえる。そして、その直後に出た二塁打にも運があった。センター・金城からの三塁送球は完全にアウトのタイミングだったが、タッチの瞬間、今江のグラブからボールが押し出されてセーフに。この後は既に書いた通り。韓国がまさにワンチャンスを生かしたのだ。この運の差は一体何だったのか。投手リレーの巧拙によって生まれた流れの差だったのか……。（３）チームリーダーとしてのイチローＷＢＣに入ってからというもの、イチローのイメージがどんどん変わっている。それはズバリ、チームリーダーとしての新しい像。この試合中も、それを思わせる場面がいくつかあった。その１つが、６回に見せた送りバント。王采配の傾向として、無死一塁のケースはヒッティングが圧倒的に多かったはず。となると、このバントは昨日と同様でイチローの独断だろう。彼ほどの選手が自ら犠牲になることで、流れを引き寄せようという読みがあったのだ。また、非常に感情的な態度が多い点も印象的だった。確認できただけで、彼が吼えること３回。その全てが、自分への苛立ちから出たものだった。彼のような立場の者が感情を露わにすれば、当然、ナインの士気は上がる。それを見越してのことだ。これこそ、イチロー流のリーダーシップ。全ては計算された行動だったのである。……まァ、今回は結果的に勝ちには繋がらなかったが。しかし、勝ちはなくとも価値はあったということだ。☆☆☆さて、日本球界はこの３日間をどう捉えるのか。そして、シドニーから続くこの６年をどう捉えるのか。先日も書いた通り、ここを軽んじてしまうと、日本の野球は終わってしまう。心配だ。Please crick here !!

  2006.03.16

  コメント(4)

• 

  日本代表３

  先日、中目黒で食事をした時のこと。店内に貼られていた雑誌の切り抜きの中に、ふと見覚えのある顔を見つけた。「マック鈴木が愛したもつ鍋」？オマエが東京のこの店に来るシチュエーションってどんなだ？まさか、打たれた後か？　などと考えたら、何とも複雑な気分が抜けなくなった今日この頃である。さて、本日もまたＷＢＣネタである。テレ朝的な表現だと「絶対に負けられない」メキシコ戦。この試合、スタメンでの変更は２点。〇　多村の打順が３番から６番へ。〇　捕手を谷繁から里崎へ。王監督、この対応は流石である。前の試合、大事な場面でブレーキとなった多村と攻撃面で全く使い物にならなかった谷繁に梃子を入れた点は、最大限に評価してあげたい。そして、野球とは不思議なもので、こういう変化が勝負の分水嶺となってくるのだ。この試合、３イニング毎の流れを追うと、こんな感じか。（１）試合序盤　⇒　伏線の３イニング（２）試合中盤　⇒　勝負の３イニング（３）試合終盤　⇒　惰性の３イニングまずは（１）に関して。２回表、日本の攻撃。無死一二塁の場面で、打席にはまたしても多村が立つ。一昨日からの流れなのか、どうしてもこういう場面では彼に回ってきてしまう。サインは送りバント。しかし……。案の定、失敗。しかも、判断ミスのせいで最悪の併殺打に。対するメキシコ、意外にも守備が猛烈に堅い。逆に、２回裏には日本の守備の乱れが、ピンチを招く。そういう意味では、対照的な両チームの立ち上がり。正直、嫌な雰囲気はプンプン漂っていた。実際、続く３回表も、同じ無死一二塁の状況でイチローが送りバントを試みたが、得点には繋がらず。あのイチローがここまでフォア・ザ・チームの形を示しても、流れは変わらないのか、とガッカリした。しかし、そんな中で圧巻だったのが、松坂の投球である。好投しても点が入らない状況に慣れているのか、それとも、球数制限が良い方向に出たのか。不調もどこへやら。とにかく、序盤の殊勲は彼だった。また、里崎のリードも素晴らしかった。彼の特長でもある、気持ちを乗せやすいインサイドワーク。特に、徹底した内角攻めが効果的に見えた。そして、試合は（２）の局面を迎える。４回表、日本はまたまた無死一二塁のチャンスを作ると、打席には、やっぱり多村。ついでにサインも、やっぱりバント。王監督、ここは相当な悩みどころだったのでは。結果如何では、試合の趨勢をも決めてしまいかねない場面だ。しかし……、今度は成功！ある種、博打とも思えた二択に勝った日本。これで憑き物が落ちたか？　そう思った刹那、次の小笠原が強気の初球打ちであっさり先制点を叩き出す。更には、８番・里崎の一発！そもそも、メキシコの打線は弱く、ガルシアもいない。その点で、打撃にも期待できる里崎の起用は大成功だった。こうなると、日本はイケイケである。続く５回にも、福留と岩村が積極的な走塁を見せると、多村が中押しのタイムリーを放ち、リードを５点に突き放した。一方、松坂も依然として安泰。バックもリズムを取り戻し、嫌な雰囲気は完全に消え去った。こうなると（３）はまさに惰性。メキシコの打てない打線に小刻みな継投を攻略できるはずもなく、試合はそのままの点差で終わった。この試合、収穫は打線にあった。先制・中押し・ダメ押しという理想的な点の取り方ができたこと。特に今日は選手個々の状況判断力（長嶋的表現で直観力）を随所に見ることができた。失点率が重要となってくる次の韓国戦へ向け、これは好材料といえるのではないか。次戦では、３連投禁止ルールにより具台晟の登板もないし。Please crick here !!

  2006.03.15

  コメント(2)

• 

  日本代表２

  先日「深追いは禁物だ！」というレア台詞を思いついて以来、どこで使ってやろうか、割と真剣に悩んでいる今日この頃である。さて、ＷＢＣで米国がやらかしてくれた。「日本で長年野球をやってきて、こんなこと見たことがない。　野球がスタートしたアメリカでそういうことがあっては　いけないと思う。世界中の人が見ているのに」王監督のお怒りはごもっとも。「世紀の大誤審」とはよく聞くフレーズだが、今回のは本気で洒落にならんレベルである。タッチアップの判定が覆るなんて、記憶にないぞ。しかも、試合を決定付けかねない場面――。ウインの弱肩で、どうして得点できないのか。この大会は、米国の米国による米国のためのもの。そんなことはわかっていたつもりだったが、まさか、こんな形でそれを思い知らされようとは。４年前のサッカーＷ杯、韓国の試合がふと頭を過ぎる。大会の品位と格を著しく貶めるクソ判定だ。これには、中継を担当していた米国人コメンテーターも、試合を取材していた米国人メディアも、はては米国人のバレンタイン監督さえも、ガン引きしてしまったらしい。「彼のニックネームは“ボーク・ボブ・デービッドソン”と　言うんだ。何故ならば、異常なほどボークを宣告する。　彼は目立ちたがり。そんな奴がアソコに立っていることが　信じられない」（ボビー）彼がここまで言うのは、三塁走者の西岡がロッテの選手ということだけではないだろう。この主審、経歴を調べると1983年から1999年までナ・リーグの審判員を務めていたのだが、当時の評判は非常に悪かったようだ。それを証明するのが彼についたニックネームの数々である。"Balking" Bob Davidson"Balk-a-day" Bob Davidson"Big Bad" Bob Davidson　　　　　　……etc.Googleで“Bob Davidson balk”という風に検索すると、なんと、126000件ものサイトが出てくるほど。デービッドソンは現在、マイナーリーグの審判員。そんな人物が何故この歴史的な大会の主審を務めているのか。そもそも、どうして第三国の審判ではないのか。米国の陰謀なのかと疑われても、仕方のないところだ。しかもこの男、問題となった７回表の他にも首を捻りたくなるような判定が幾つかあった。何とも曖昧なストライクゾーン、それと６回裏、清水直に対しての２度にわたる警告。なんと、スピットボールの疑いだという。スピットボールとは、その名の通り、ボールに唾をつけて変化を大きくしようという反則投球。ただ、現在では曲がり過ぎる変化球を投げたり、ヤスリやワセリンなどが発見されない限り、あまり問題となるようなことはない。清水直は指に湿気を与えることで、滑りやすいボールを手に馴染ませようとしただけ。そんなに目くじらを立てるようなことだっただろうか。結果、この回はレオンの息子に本塁打を喫し、同点とされてしまっている。都合、デービッドソンには３失点を演出されていることになる。月並みだが、本当に腹立たしい(￣へ ￣ 凸あの時に抗議したのが、王さんじゃなくて金田さんだったら、オマエ、大変なことになっていたぞ！上田さんだったら、１時間19分くらい粘っていただろうし。ただ、日本も自ら勝ちを逃がしていた部分があった。そのキーワードとなるのが、コチラ。無死一塁。７回表、日本はここで７番・小笠原が見逃し三振。ヒッティングの指示が実らなかった形だ。結果論だが、スモールベースボールを推し進めるなら、ここはバントで走者を二塁に送り、全く当たっていない８番・谷繁には代打を送るべきだったのでは。実際、小笠原は２回にも点に繋がる犠打を決めているのだ。一方、米国はその裏、同じ状況からジーターが送りバントをキッチリと成功させてきた。結局、得点はならなかったものの、ここで左の藤田を消費させている。そして８回表、またしても日本が同じ形を作り出す。今度は３番・多村がバントを試みるも、一邪飛。それでも、一死満塁と攻め立てたが、あの大誤審で流れは完全に米国へと傾き始めた。さらに９回表も、日本は無死一塁の場面を迎える。ここでようやく送りバントを成功させ、再び満塁のチャンスを演出するも、得点はならず。最後の打者がバントを失敗した多村だったことが、皮肉にも思えた。その裏、サヨナラ打を許してしまったのは、流れ的に仕方のないところ。藤川は責められまい。また、采配という意味では、清水直の投入についても反省が残るところだ。６回の時点で２点のリード。ここで中継ぎのスペシャリストが登板しないなら、どこで使うのかが甚だ疑問ではあった。まして、清水直は被本塁打が多く、かつＷＢＣの公式球に戸惑いを感じていた投手である。徹底されていた米国の投手リレーと比べると、そこら辺に課題ありかなァ、と。まァ、しかし、負けてしまったことは事実である。これも世間の注目を集める良い契機だったと思うことにしよう。次はメキシコ戦――。んん、ガルシア頑張れ？Please crick here !!

  2006.03.14

  コメント(8)

• 

  日本代表

  荒川静香には、きっとマッスル・スパークなんて通用しないんだろうなァ、とか思う今日この頃である。さて、本日は久しぶりに野球の話題をしよう。まず、ここで問題というか、質問。皆さんはＷＢＣのテレビ中継で、日本代表がどれだけの視聴率を叩き出したか、ご存知だろうか？ビデオリサーチの調べによると、なんと、全戦18％オーバー！！だそうだ。昨年の日本シリーズと同等、イヤ、それ以上の数字である。この結果はというと「意外」の一言。王ジャパンになど、何の魅力も感じていなかったからだ。オリックスからの参加がないから？　……否！問題なのは「代表＜チーム」という風に考えている人間が決して少なくないことである。言い換えると、これが本当にドリームチーム（以下ＤＴ）なのか、ということ。ゴジラや城島、井口らの辞退はもちろんのこと、石井に代わって馬原というところが、どうも気持ち悪い。この時期だから、自軍の選手で賄おうという他球団への気遣いなのだろうが……。そもそも、ＤＴとはどうあるべきなのか。米国バスケットボールの初代ＤＴを思い出して欲しい。ジョーダン、マジックらを擁した超絶スター軍団。彼らが世界中に与えた衝撃と影響は、凄まじかった。……まァ、レイトナーなんてのもいたが。ＮＢＡが国際的に認知されるようになったのも、世界中で競技人口がどっと増加したことも、それによって競技レベルが著しく向上したことも、ベッカムの背番号が23であることも、全てはＤＴがあってこそのものといえるのだ。それに比べて、王ジャパン。視聴率は稼いだものの、現状ではそこまでの予感はない。五輪からも除外され、日米ともに競技人口も減少傾向。メディアでの露出もどんどん他競技に奪われており、どう考えても斜陽といった感じの野球界。本当にこれで大丈夫なのか？将来、壮一朗が野球選手になった時の稼ぎを結構当てにしている我が家としても、これは由々しき問題である。このままでは、野球選手になっても稼げないのでは……？そもそも、シドニー五輪とアテネ五輪の時にこそ、日本は国を揚げて臨まなければならなかったのだ。パ・リーグ限定とか１球団２人とか、悠長なことを言っていたせいで、結果は惨敗ではなかったか。そういう意味で、ＷＢＣは最後のチャンスなのである。このコンテンツには、可能性が秘められている。視聴率30％以上は簡単に望めるほどの。それなのに、まだ足並みが揃わないとは……。あまりに虚しくなったので、勝手に日本代表を考えてみた。＜投手（14人）＞球数制限のルールがある以上、先発よりも中継ぎのスペシャリストを揃える作戦の方が賢そうだ。特に松坂が先発の時は必要になりそうだし。となると、先発は上原、俊介、松坂に誰を加えるか。昨年の実績だと杉内、西口、三浦、黒田……。他にも川上、和巳、清水直、大家という選択肢もある。何れにしても、この中から１人ないし２人。和田もまた外せない投手である。先発と中継ぎを両方こなせ、持ち味も独特だからだ。貴重な左腕という事情もある。そして、最重要ポイントの中継ぎ陣。昨年の印象では阪神、ロッテ、横浜、そしてオリックスの中から選ぶのがいいだろう。つまり、藤川、久保田、薮田、藤田、川村、木塚、加藤、菊地原、大久保、といった面々から数人。ここに岩瀬、石井、大塚が絡む。地味なところでは、ハムの武田も驚異的な数字を残している。……木塚のアレは、国際舞台では厳重注意されそうだけど。＜捕手（３人）＞城島が正捕手というのは、誰もが認めるところだ。問題はあとの２人をどう決めるか、である。王ジャパンのメンバーを見ると、相川、里崎、谷繁とある。気になるのは、相川と里崎が城島と同い年ということだ。やはり、捕手にはバリエーションを持たせたいので、残る２人は谷繁、そして古田を推したい。また、次世代の捕手を育てるという意味では、炭谷を選んでおくのも１つの手ではある。個人的には、両ベテランのどちらか一方と入れ替えてもいいと思っている。＜内野手（７人）＞基本的にはスモールベースボールの担い手を集めたいところ。つまり、走れて守れる選手、そして出塁できる手段を幾つも持っている選手である。長打力を発揮するのは、一塁手と三塁手だけでいい。候補としては松中、井口、小笠原、岩村、井端、荒木、西岡、今江、新井、今岡、平野、川崎、小久保の中から選ぶ方向だろうか。実戦以外の部分で戦力となる宮本、それと、個人的には妙な勝負強さを持っている種田、そして清原なども捨て難い選手だと思っている。＜外野手（６人）＞現在の日本球界、一番の激戦区は外野手である。イチロー、松井、福留、高橋由、金本、赤星、多村。更には、守備と勝負強さを買って新庄と田口、職人的な代打として天才・前田。青木、和田、金城、谷など代表経験歴を持つ者はまだまだいるが、彼らには涙を飲んでもらおう。＜監督（１人）＞アテネでは情報戦が敗因の１つとなったのだから、そちら方面に強く、かつスター軍団をまとめられるだけの度量を備えた人物がトップに座るべきだろう。野村さん？・・・それとも、古田を捕手で選んでおきつつ、傀儡となる若松さんを擁立？・・・若松ジャパン？理想を言うと、仰木さんなのだが……。 Please crick here !!

  2006.03.13

  コメント(4)

全186件 (186件中 51-100件目)

< 1 2 3 4 >