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  皇帝

  馬券をよく買っていた頃、強烈に刻まれたイメージがある。それは……。“本命馬受難のレース”。天皇賞（秋）のことである。このレース、何故か１番人気の馬が勝てない。最も強烈な記憶は、９８年のサイレンススズカ。快調に逃げを打つも、左前脚を骨折し、安楽死処分となってしまった。９４年のビワハヤヒデは５着と、生涯で唯一連対を逃した。しかも、レース後に故障が発覚して引退。９１年のメジロマックイーンなんて、１着でゴールしながら“降着”で１８着に。８８～９０年のオグリキャップはと、３年連続１番人気となりながら、遂にこのタイトルを獲得することはなかった。ＪＲＡ公式ＨＰのデータを遡ると、１９５４～２０１１年の５８年間で、本命馬が１着となったのは、僅か１２回。有馬記念（５６～１０年）の１８回、日本ダービー（５５～１１年）の２５回、天皇賞（春）（５５～１１年）の２７回と比べると、その少なさがわかるだろう。６５年にシンザンが勝って以来、８４年にミスターシービーが勝つまで、本命馬はなんと、１８連敗。で、８７年にニッポーテイオーが勝った後、００年のテイエムオペラオーまで１２連敗。２１世紀に入って５勝と、流れは変わったかに思えたが、イヤイヤ。今年、連覇を狙ったブエナビスタ。草野仁が一口馬主のブエナビスタ。それまでの芝２０００ｍの日本レコード、１分５６秒４と並ぶ好タイムを出しながら、なんと４着に敗れたのだった。実はレース前、私はある馬を思い出していた。史上初の無敗の三冠馬で、史上最強の七冠馬。“皇帝”シンボリルドルフ。きっと、先月４日の訃報から、オルフェーヴルによる三冠達成と、数週間のうちにその名を見かけていたからだろう。彼もまた、本命馬として臨んだ天皇賞（秋）で、勝つことはできなかった。８５年のことだった。敗れた相手は、１３番人気のギャロップダイナ。このレースまで、芝での勝利は僅か１つだけで、２０００ｍ以上のレースでは２戦していずれも着外という戦歴の持ち主である。６月には、騎手を振り落とし、カラ馬のまま１着でゴールという珍プレー。“皇帝”の格には到底及ばない馬だった。ただ、シンボリルドルフも万全ではなかった。６月の宝塚記念を前に発症した故障。それまで蓄積していた疲労も酷く、７月には、引退が発表されるほどだった。しかし、あることが転機となる。笹針治療。これは海外にはない、日本特有の治療法で、笹の葉のような形をした針を使い、ぷちぷちと馬の体を刺しまくるというもの。馬は血まみれになるのだが……。（１）筋肉を修復しようと大量のヒスタミン物質が　　　分泌され、よりよい回復効果を得られる。（２）血中に溜まった老廃物を速やかに除去する。といった効果があると言われている。この効果が劇的に出て、シンボリルドルフ陣営は一転、引退を撤回する。そして、長期休養明け一発目が天皇賞（秋）だった。“皇帝”といえども重圧があったのか、スタートは出遅れ、後方に取り残されてしまう。この遅れを取り戻そうと、鞍上の岡部幸雄は、早めの進出を決意。向こう上面からポジションを上げ、最後の直線入り口では先頭に立った。故障前ならば、その末脚は更に伸びただろう。しかし、ゴール直前……。“皇帝”は“伏兵”にかわされた。このレース後、１枚の写真が伝説となった。写真家・今井寿恵氏（故人）が撮影したその瞬間、シンボリルドルフは、なんと涙を流していたのだ。あれから２６年が経った。今なお、彼を史上最強と考えるファンは多い。Please crick here !!

  2011.11.09

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  笑顔３

  顔面神経麻痺を乗り越え、初勝利。金曜日、報ステで西が取り上げられ、各所で絶賛された。ファン冥利に尽きますな。今日はその西が先発の日だったが、天気も良かったので、１年ぶりに東京競馬場へ。到着は１２時半。６Ｒからの参戦である。キッズエリアのある馬場内で予想を始める。子守りは妻に任せ、じっくり新聞と相談。１０Ｒまで馬券を買いだめた。しかし、当たらない。カスりもしない。絶不調。ケータイでプロ野球速報を見た。なんと、オリックスまで負けている。西が福浦に２ランを打たれた模様。やめよう。どうも競馬新聞というのは、情報が多過ぎる。左回りで化けるとか、前回は展開が悪かったとか、東京は得意とか、実績十分とか、どれも捨てられん。しかも、馬柱を右端から読んで行くと、外枠の方はお腹一杯でチェックが甘くなる。なので、パッと見てパッと決めよう、と。じっくり新聞と相談するのはやめよう、と。新潟１０Ｒと京都１０Ｒを買い足した。特に新潟は男気たっぷりの１点買い。タマモブラウンとエーシンバリントンの馬連。即決２０秒。何故選んだのか？前者は馬券的に相性の良い佐藤哲の馬だから。後者は広島のバリントンが凄そうだから。そしたら……、来たよ。１０００円が、１万１７００円に。しかも、ケータイを見ると、オリックスがＴの本塁打で逆転している。更に、ヘスマンまでタイムリーを打って４対１。そして、いよいよ東京のメインを迎える。今日はＧ１、ＮＨＫマイルカップの開催日である。オッズも寸評も見ず、テキトーで。○○ボスシリーズは相性がいいので、グランプリボス。ディープインパクト産駒だったので、リアルインパクト。すると……。１着３着のワイドが来た。５２０円だったけど。更に、新潟１２Ｒ。３番、６番、９番のワイドを５００円ずつボックス買いしたら……。全部来た。１５００円が３万１３５０円に。馬連にしていたら、８万円以上になっていたが、まァ、贅沢は言うまい。言うもんか。トータルで１万９５５０円勝ち。オリックスも４対３で逃げ勝っていた。をを、なんと気分の良い日だろう。帰りはまたしても徒歩という我が一家。府中街道沿いを東村山まで歩き、１０ｋｍ以上。現在、腰痛持ちなので、子供たちは抱っこなし。よくぞ頑張って歩き切ったものだ。西武新宿線に乗った途端、２人共ぐっすり。それにしても、西は止まらないね。捕手が前田になっても勝つとは。因みに、西は高校に入るまでサイドスローだったとか。小学校でやっていたドッジボールの影響で。それが、菰野高でオーバースローになって、後はフォームを直されたことがないらしい。☆☆☆この２連戦は阪急デーだった。正直、生まれた頃のユニフォームで、ブルーウェーブの時と比べるとあまり感慨は湧かなかったが、連敗しなくてホッ。やはり、黄金時代の強いイメージが壊れるからね。昨日、観戦するＯＢたちの目がもう冷ややかで……。どうでもいいけど、近鉄デーは応援しにくいなァ。Please crick here !!

  2011.05.08

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  競馬２

  喉の調子がおかしい。どうも、職場でも夏風邪が流行っているようだ。そんな中……、馬も風邪をひくなんて。馬インフルエンザ。これが今、ＪＲＡを大混乱に陥れている。１～３週間程度で回復する感染症だが、とにかく伝染性が高い。なんと、今週末のレースは全面中止。秋に凱旋門賞へ挑戦予定だったメイショウサムソンも、感染が判明した。フランス側の対応によっては、出走が危ういという状況だ。日本では1971年以来となるこの騒動、アメリカは大丈夫なのだろうか。……何故、アメリカか？実は、理由がある。ここ数年、日米の競馬界はどうもお互いにリンクしている印象があるからだ。例えば、牝馬の快挙。今年５月27日の東京優駿（日本ダービー）を制した馬を覚えているだろうか？そう、ウオッカである。出走した18頭中、１頭だけの牝馬。日本競馬の代名詞ともいえるこのレースには、普通、牡馬しか出走しない。牝馬が出たとしても、勝てない。牝馬は、牡馬よりも身体能力に劣るからだ。ところが、そんな中でのウオッカ勝利。ダービー史上３頭目、64年ぶりの快挙だった。因みにこの時、装蹄を担当したのは、ディープインパクトでお馴染みの西内荘氏。桜花賞（２着）までのフラットな蹄鉄からスパイク鉄に変えていた、なんて裏話も。対して、アメリカ。ダービーから２週間後の６月９日。アメリカ３冠レースのひとつ、ベルモントステークスで優勝したのは、同じく牝馬のRags to Riches。こちらはなんと、102年ぶりの快挙だった。2004年、レッドソックスの優勝が86年ぶり。2005年、ホワイトソックスの優勝が88年ぶり。それよりも昔の出来事とは。もうひとつ、日米のリンク例を。それは、激ヨワ人気馬。日本では皆さんご存知のハルウララ。1998年のデビューから昨年の引退まで、113連敗。最強騎手・武豊でも勝てなかった馬である。彼女が100連敗を記録したのは、2003年の末。その翌年、実はアメリカでもこの大台を達成した馬が話題になった。名前は、Zippy Chippy。引退は2004年末。この100連敗目が最後のレースだった。牝馬の歴史的勝利といい、連敗馬の大人気といい、なかなか起こらないはずなのに……。日米の数奇な運命。だからこそ、馬インフルエンザが心配なのである。Please crick here !!

  2007.08.18

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  凱旋門賞

  東京からおよそ１万km弱。“日本最強馬”ディープインパクトが挑んだ、世界最高峰の凱旋門賞を見てきた。【11：00】開門まで30分、ロンシャン競馬場前は、日本人で埋め尽くされていた。地元紙の表現を借りるならば……、侵略。確かに、そこは局地的な「日本」と化していた。レプリカ勝負服！馬のかぶりもの！和服！そして、両手にジュラルミンケースと三脚を持ったカメラ小僧たち！ここは一体、何をするところなのだ……？スポーツ観戦？合コン？成人式？それとも、コンサート？ふと、素朴な疑問が頭を巡る。――ならば、自分はどう見える？花見の場所取りを命じられた新入社員か？【11：45】予定よりもやや遅れて、いよいよ門が開く。この瞬間、ダッシュで雪崩れ込んだのは、カメラ小僧部隊。彼らの目的（任務）は場所取りか。続いて、小走りでコスプレ部隊。入り口でレーシングプログラムを貪り取り、向かうは馬券売り場とグッズショップ。……？　アレ、地元の人々はどこ行った？権藤、権藤、雨、権藤、雨、雨、権藤、雨、権藤。他の先発がいない、みたいな。見ると、第３陣でようやくの登場。日本人よりもカジュアルな着こなしである。もちろん、入場は歩いて。【12：15】さて、ロンシャンの中はというと、規模は決して大きくない。建物も、歴史を感じさせる部分は少なく、意外と近代的だ。そんな中、我々はＶＩＰのみが許される聖域へ。そこには、スポーツ観戦でも、合コンでも、成人式でも、コンサートでもない世界が広がっていた。ズバリ、社交場！特に印象的だったのは、ご婦人たちの帽子である。何というか、ファッションショー？　中には、移動要塞みたいなオシャレ帽子の人もいた。そんな彼女たちに、ちょっと聞いてみた。マドモアゼル、シルブプレ。ディープインパクト、シッテイマスカ？「……（微笑）ノン♪」知らんのかィィイイィイィィイィ！この数日間、現地のメディアはディープの名前を何度も何度も報じてきたはずだが。ご婦人たちの興味は、馬券になどないらしい。後で聞いたことなのだが、フランスにおける競馬は、スポーツでもなく、ギャンブルでもなく、娯楽なのだとか。【13：30】ＶＩＰ専用入り口で、武豊の到着を見届ける。何気に１時間以上も待ってしまった。その間、目の前を何人もの有名騎手たちが通り過ぎる。皆、やはり小さい。騎手という職業は、体重管理にとにかく厳しい。日本の競馬学校では、両親の体型から将来的に体が大きくなると予想される子供は、入学を認めてもらえない。そのため、受験生の家庭では、面接官にマイナスの印象を持たれないように、家族ぐるみでのダイエットに励むという。馬に負担をかけないためには、軽量であることが何よりも肝要なのである。【14：30】ここらで、遅い昼食をとる。競馬場の敷地内にあるフレンチ・レストラン。お値段はランチなのにもかかわらず、110ユーロ（約２万円弱）なり。ここに庶民の味方は、いないのか。【15：30】この日のロンシャンは、日本語の場内放送があったり、日本人専用の案内窓口があったりと、ディープインパクト応援団には優しいサービス。そんな中、敢えて自動発券機で馬券を買ってみる。７レース・単勝・１番。出てきたのは、レシートのような紙っぺら。残念なことに、馬の名前がない。そこには、無味乾燥な数字が書かれているだけ。しかも、コレ……、感熱紙じゃないだろうな……。およそ記念馬券に相応しくないロンシャン流。やはり、至れり尽くせりとはいかないようで。それにしても、この競馬場で馬券を買う人間というのは、何を参考にしているのか。日本のように、新聞に馬柱があるわけでも、評論家の予想が書いてあるわけでもない。オッズも、どこに出ているのやら。頼りはパドックのみ。ランチに費やした分なんて、取り戻せそうもない。【17：00】場内の日本人たちが、次々と臨戦態勢へと入っていく。運命のレースまで、あと僅か。鉢巻を締め、横断幕を掲げ、旗を振りかざす。アウェーをホーム化する日本人のパワーが、ここロンシャンでも炸裂した。パドックでは、あまりの盛り上がりに、思わず武が「し～ッ」と口に人差し指。緊張感は極限まで高まっていた。【17：30】フランス人にとっての競馬が娯楽なら、日本人にとってのそれは、間違いなくギャンブル。しかし、この日ばかりは事情が違ったようだ。絶対に負けられない戦いが、そこにはある。そう、彼らにとって凱旋門賞は、１日限りのスポーツだったのだ。ディープの単勝、驚異の1.1倍。１万円賭けても、儲けは牛丼大盛り２杯分。地元新聞の評価を総合的に判断すると……、シロッコ＜ハリケーンラン≦ディープインパクト情勢はこんなところ。日本での三つ巴という捉え方よりも、やや優勢のディープではあるが、1.1倍は低過ぎる。聞くところによると、この売り上げのうち、１億円分は記念馬券・応援馬券との見立てだとか。因みに、この日入場した日本人は6000人。全入場者数の１割にしか過ぎなかった。ジャパンマネーおそるべし、である。【17：35】かくして、いよいよディープが降臨した！そして、最後にゲートイン。しかし……。その後は、皆さんご存知の通りで……。武にとって、ディープへの鞭は「ＧＯ」の合図。１度しか打たないはずだったのに。スタンドには号泣する者、言葉を失う者、様々。宙には、たくさんの「？」マークが漂っていた。それほど、最後の直線は不可解だった。なぜ？消化不良の３着に、皆が不意打ちを食らっていた。……個人的には、複勝1.4倍に痛恨の一撃。あァ、どうなっているの、凱旋門賞？【19：30】誰もいなくなった競馬場。夕暮れに染まったコースに入ってみる。深い芝。普通に歩くだけで芝が絡まり、ブチブチと音を立てる。ここならば、北斗ボムも威力半減だろう。夏草や兵どもが夢の跡。そんな芭蕉の一句を思い出した。……季節はズレているが。☆☆☆実はフランスの競馬には、露骨な贔屓があることが噂されている。例えば、有力馬を絶対有利な内枠に固めたり、重馬場が得意な馬のために大量の水を撒いたり。これはフランスの競馬が「勝負」ではなく「娯楽」だということが関係しているのではないか。人々が最も喜ぶこと、それは本命馬の勝利である。そのために、主催者側は様々な工夫をする。翻って今回、ディープに不利はなかった。それは、日本の馬として初めて本場に認められた証とも思えるのである。もちろん、これは仮説だが。Please crick here !!

  2006.10.02

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  関西２

  大阪から奈良へ。ここでは、豆腐料理に舌鼓を打った。やって来たのは、奈良町豆腐庵こんどうというお店。狭い路地に町屋風の店構えと、雰囲気は◎だった。豆乳湯豆腐。おかわり無料。いつか家族にも食べさせてあげたいね。奈良の駅から徒歩圏内だし。さて、今度は滋賀へ。目的地は栗東トレーニングセンターだ。目当ては、宝塚記念圧勝、そして凱旋門賞への挑戦が決まっているディープインパクトである。さァ、愛しのディープさんはどこにいる？朝４時。早い。早いよ。いつもは寝る時間だよ。移動中にうとうとはしたものの、これで２日連続の徹夜である。それでも、お馬は走るよ、パカパカと（意味不明）。結局、ここでディープさんには会えず。朝食に栗東トレセン名物のすじうどん。調教師の池江泰郎先生を捕まえ、話を聞く。勝負の世界で生きる人だからなのか、努めて強気な発言を控えていたような。勝負を口にすると負ける。是、勝負の鉄則也。ただ、それでもディープさんのことは絶賛。最初に驚かされたのは、柔軟性とフォームの良さだとか。この写真は、傍に立っていたナリタブライアンの彫像。池江先生は、ここにディープさんの彫像も立たせたいと言っていた。先生と一緒に、池江厩舎へ。ディープさんは、外出中だとか。と、そこへ……。ディープさんだ！やはり、噂通り小柄な体型。だが、それでいて威風堂々。あァ、ありがたや、ありがたや。軽く汗を流すディープさん。気分はバスローブにブランデーか。取材攻勢にも大人の対応。普通、サラブレッドとは臆病なものだが、全く物怖じした様子が見られない。これだけ寄っても大丈夫。まさに、イナバ物置並みに強靭な精神力だ。それまでは冷静なディープさんだったが、食事を見た途端に目をひん剥いてガッついていた。ここら辺は、やはり獣か。隣にいるのは、市川明彦厩務員。彼はディープさんの勝負根性を絶賛していた。当初はディープさんとケンカもしたという。やはり、牡馬は相手を屈服させようとする性質を持っているのだそうだ。がぶっ。痛いよ、ディープさん。引っ張るなよ、ディープさん。どうも当方、動物や子供にじゃれられる体質みたいで。来るのでは、とは思っていたが。しかし。ふおおおおおおおおおお、今、我が左腕には神（唾液）が宿っている！馬の匂いが染み付いていながらも、まだ洗っていないこの腕。好きな子と初めて手を繋いだ中学生状態。因みに、この後、京都に移動して早速スロット屋へ。まさか、1000円で来るとは。おそるべし、ディープさん。Please crick here !!

  2006.07.02

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  ド田舎

  １両編成の寂しい電車に揺られ、鵡川を通過。ＰＨＳの電波が１本消え、２本消え……、あァ、とうとう圏外になってしまった。車窓からは、海と草木ばかりが見える。目的地まで、あと１時間……。今回、ここ北海道を訪れたのは、日本一の“馬産地”日高に用があったからだ。以前、この日記でも取り上げた静内農高に足を運んでみようと思ったのである。羽田空港から約６時間。午後２時、遂に静内駅へと到着。そこで、我々はいきなり途方に暮れてしまった。……ひゅるるるぅぅぅぅぅ。ひ、人の気配がない(-_-;)しばらく、そこらを散策してみたものの、あるのは開店前のスナックや居酒屋、それと、時代錯誤な店構えの喫茶店ばかり。あァ、あいむ・はんぐりぃ。とにかく、足を前に進めるしかない。駅前は閑散としていても、ちょっと歩いてみると、意外に栄えている。よくある話だ。ところが……、………（無言）。徒歩15分、やはり何もない。早めに観念した方が賢そうだったので、少しでもまともそうな喫茶店に入ることで妥協することにした。すると……、♪　まっさかさまに堕ちて　desire　　炎のように燃えて　desire～入店一番、いきなり中森明菜（驚）その後も、荻野目洋子、アン・ルイス、中山美穂、嶋大輔らの曲が次々と流れていく。よく見ると、店内にはインベーダーゲームもある。外観だけでなく、中身まで20年前。南ちゃんの実家（南風）か、ここは？昼食を終えて、いよいよ目的地へ向かうことに。場所を確認したところ「近いですよ」という情報を得たのだが、タクシーのメーターは、3000円くらいにまで跳ね上がっていた。田舎の人は、遠近感も違うようだ。途中、標識に「桜並木」と書いてあるのを見た。尋ねてみると、この町には約７キロにも及ぶ、桜の名所があるのだという。昭和天皇に縁のあるそこは「二十間街道」と呼ばれ、地元の人々に親しまれているらしい。その標識を過ぎたあたりから、道の左右は、牧場ばかりが占めるようになった。馬、馬、馬、馬、馬、馬、馬、馬、馬……。流石は、日本一の馬産地である。運転手さんに聞くところによると、もっと上の方に車を走らせれば、タニノギムレットやサクラローレル、ラムタラら億単位の種馬がゴロゴロいるという。そちらも見てみたい気もしたが、その前に静内農高に到着。で、会わせてもらった親子がコチラ（↓）。左が娘のサクラカレン、右が母のサクラコトブキ。彼女らを世話しているのは、この学校の馬術部の生徒たちである。話を聞いてみると、どいつもこいつも馬バカだらけ。中心となっているのは４人で、朝は５時半から、夜は部活が終わる７時まで年中無休で面倒を見ているのだという。長期休みに入ると、寮が閉まってしまうため、駅前の旅館に泊まって学校に通うそうだ。本当に馬ラブな連中である。なんか、数年前に訪れたアスピア学園を思い出した。生徒の野球バカといい、ド田舎ぶりといい。こんな環境でも、我慢できるのは馬が好きだから。彼らは今、海の日に行われる「競り」の日を目指して、それこそ寝る間も惜しんで頑張っている。ある生徒が言っていた。競りは自分にとって甲子園だと。手塩をかけて育てた馬がしっかりと評価されるのか。その成果を密かに注目したい。……。さて、このまま終わると、野球の話題がなくなってしまうので、最後に１つだけ書くとしよう。サブウェイ・シリーズで活躍する、元オリックス・具（韓国）の姿を見た。打者４人に対し、３三振の好投！そして、あのランディから右中間を切り裂く二塁打！もちろん、これはメジャー初安打である。さらに、次打者のバントで一挙ホームを突く好走塁！沸き立つベンチ。何でも、彼はあまりにも打ち気のない打者として、ＮＹでは有名だったらしいのだが。西口の３打点も、ＪＰの一発も、岩本の一発も、全てが吹っ飛んだ瞬間であった。　　Please crick here !!

  2005.05.22

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  背番号

  只今、久しぶりにプロレスをテレビ観戦中。見ると、天龍が胸板から出血しているのだが、この状況をどう理解したらいいのだろうか。ま、ま、まさか、小橋の逆水平チョップで……？　ま、いっか。本日は、嫁さんと一緒にお出かけをした。講談社『のだめ カンタービレ』を読みつつ、電車に揺られること１時間……。到着したのは、府中競馬場である。目的はもちろん、春の天皇賞（開催は京都だけど）！ここを訪れるのは、昨年のダービー以来だ。あの時は、酷暑なのに飲み物は売り切れているわ、超満員の人ごみに揉まれて身動きは取れないわで心の底からうんざりしたものだが……、今年も違った意味で大変だった。人の数はそうでもなかったのだが、風が強くて新聞がめくれん！　あと、寒い！予想も当たらん！　サッパリ星人だ！財布の中身までもが、だんだん寒くなっていく……。助けてくれ～、助けてくれ～（泣）※　伝説のファミコンソフト『スターラスター』より。　　２コントローラーのマイクで叫びまくれ！そんな中、ファンファーレが鳴り響く。15時40分。さァ、注目のメインレースである。天皇賞（春）――。京都では、雨が降りしきっているようだ。選ばれし18頭が、続々とゲートに入っていく。１　ザッツザプレンティ（岩田康）２　アクティブバイオ（小牧）３　アドマイヤグルーヴ（武豊）４　トウショウナイト（武士沢）５　ユキノサンロイヤル（小野）６　リンカーン（福永）７　シルクフェイマス（四位）８　ヒシミラクル（角田）９　チャクラ（後藤）10　スズカマンボ（安藤）11　ハイアーゲーム（吉田豊）12　マカイビーディーヴァ（ボス）13　アイポッパー（藤田）14　サンライズペガサス（幸）15　マイソールサウンド（本田）16　ハーツクライ（横山典）17　ビッグゴールド（和田）18　ブリットレーン（吉田稔）さて、この中から３頭をピックアップして、馬連ボックスで500円ずつ購入するのが我が流儀。熟考の末、予想は以下の通りになった。６　リンカーン（福永）12　マカイビーディーヴァ（ボス）16　ハーツクライ（横山典）「ミラクル＝的山＝好調」という選択肢もあったが、純粋に馬柱の情報と騎手との相性を重視した。さァ、結果はどうなったのか――？……………………………………………………。……………………………………………………。……………………………………………………。……………………………………………………。……………………………………………………。……………………………………………………。……………………………………………………。……………………………………………………。……………………………………………………。………………………………大荒れ（ポツリ）。１着……、スズカマンボ（安藤）!?そして２着……、ビッグゴールド（和田）!!!?なにィィィィィィィィィィ!!!!!!＜払戻金＞単　勝103,510円13番人気複　勝10890円13番人気　　　171,570円14番人気　　　13270円２番人気枠　連５－８5,150円28番人気馬　連10－1785,020円119番人気ワイド10－1716,760円119番人気　　　10－133,310円45番人気　　　13－175,910円68番人気馬　単10－17169,320円234番人気３連複10－13－17225,950円387番人気３連単10－17－131,939,420円2653番人気 こんな馬券、買えるかァァァァァ!!!!!!ＧＷ中にビッグゴールドが大きな賞金を稼ぎ出す……。駄洒落じゃん!?　コレって駄洒落じゃん!?チクショー、誰だ？　200万近くも儲けやがった輩は？名乗り出ろ！　そして、何を基準に予想したのか教えてくれ！ 誕生日か？　10月17日生まれのヤツなのか？それとも、好きな選手の背番号を合わせてみたとか？……あ、嫌なことを思い出した。実は過去、背番号買いでは痛い思いをしているのだ。あれは確か、1998年３月の日経賞だったか。高校の先輩に連れられて訪れた、福島競馬場――。遠く中山で起こった出来事に、脳が固まってしまった。１－８　213,370円。テンジンショウグン＆シグナスヒーロー。今でも、このレースは鮮明に覚えている。まだ、競馬のイロハを知らなかった貧乏時代に、僅か100円をケチったがために大金を逃してしまったからだ。「今年は、絶対に杉本友（背番号18）が柱になるから、１－８とか狙い目だと思うんだけど、どうかな～。けど、ここで負けると、帰りの電車賃がなくなるんだよなァ」嗚呼、締め切り10分前にしていた会話が恨めしひ。そこで躊躇わなかったら、新幹線にだって乗れたのに。……くそう、次回こそは勝ってやる。 Please crick here !!

  2005.05.01

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  競馬

  今週の水曜日だったか、出勤途中のキヨスクの前で思わず足が止まってしまった。「オグリキャップ（20）15年ぶり復帰へ」久しぶりにやられた。驚異的な「魅き」だ。思い返すと、井口の焼肉食い逃げ事件以来か？あそこには、きっと一面専門の職人がいるに違いない。……東京スポーツ新聞社。“芦毛の怪物”オグリキャップといえば、笠松競馬場から中央のスターダムにのし上がった異色の人気馬である。引退レースとなった1990年の有馬記念では、武豊を背に劇的な優勝を遂げ、日本中の競馬ファンを感動の渦に巻き込んだ。記事によると、今月29日（仰木さんの誕生日）、笠松競馬場で開催される「オグリキャップ記念」にかつてのアイドルがスペシャルゲストとして雄姿を現す計画が進んでいるとのこと。はたして、存続の危機にある“ふるさと”に、再び感動を呼ぶことができるのか？　注目である。オグリキャップ記念が終わって５月になると、今度は道営競馬でサクラホウジュのデビューが待っている。生みの親――、母・サクラトキメキ、父・ラムタラ。そして、育ての親――、静内農業高校の生徒たち。兄のユメロマンは、２月の新馬戦で中央初勝利を飾っている。もちろん、高校生が生産した馬が勝つなんて、ＪＲＡ史上初めての快挙である。この馬の出現によって、地方競馬の経営難や牧場の転廃業など、先細り感が漂っていた馬産地・日高は今、沸いている。静内農高の生徒たちがサラブレッドを生産するようになったのは、1999年から。学校と隣接する牧場から繁殖牝馬のサクラトキメキを譲り受けたのがキッカケだったのだという。いくら農業高校とはいえ、そこには大きなハンデもあった。繁殖牝馬が１頭しかいないために、毎年“１人っ子”になってしまうという点だ。競走馬というのは通常、５～６頭で放牧すると闘争心が身に付き、筋肉も発達するのだが、彼らの育てる馬はそれができない。そんな中でも、高校生たちが育てた馬には町の人々の大きな期待が寄せられている。サクラホウジュ、見事にデビューを飾れるか？続く６月には、日本ダービーが開催される。注目はもちろん“無敗の帝王”ディープインパクト。先日の皐月賞は圧巻であった。スタートでよれて出遅れながらも、最後は余裕の１着。「走るというより、空を飛んでいる感じ」とは、ムチを握った武豊のコメント。この馬ならば、昨年キングカメハメハが更新したコースレコードを塗り替えることもそう難しいことではないだろう。……と、何となしに連想してみたが、何気に今年の競馬界は楽しみが多いなァ。これならハルウララが引退してしまっても、話題に困ることはない、かな？……最後に、競馬と野球を繋げるトリビアを。競馬というと、新井宏昌を思い出す。あの伊達男、どうも馬券の買い方に独自の理論を持っているようで、驚異的な的中率を誇る（？）という噂である。さらに、武田一浩（元中日など）なんかは、自ら競馬予想サイトを立ち上げ、有料で理論を紹介したりしている。興味のある方は此方を参照してみては？ Please crick here !!

  2005.04.24

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• 麻雀

  「ニッポンの東尾、金メダルだ――ッ」……なんて実況を耳にする日が近づいている。日本代表として“日の丸”を背負った東尾修が、王国・中国を倒して、金メダルを勝ち取る日が……。？？？実は近年、中国では『麻雀』を五輪の公式種目にしようという動きがあるらしい。以下、クソでもサルでも理解できるよう、丁寧に説明してあげよう。――麻雀ってスポーツなんですか？どうも、そうみたいです。1998年１月、麻雀は中国国家体育総局によって「体育種目」に認定されています。――とはいえ、五輪の種目にはなりませんよね？ところが、なれちゃうんです。日本オリンピック委員会によると、公開種目の規定に「体を主に使う」という制約はないとのこと。そういえば、2000年のシドニー五輪では、『チェス』が公開種目になりましたね。いわゆる「頭脳スポーツ」ってヤツですか。――公開種目になるための条件ってあるんですか？ないはずがありません。決め手となるのは、愛好者と普及地域の数みたいです。麻雀の場合、競技人口はなんと６億人！そのうち、80％以上を中国人が占めていますが、華僑のおかげで、世界各地の人々に親しまれています。2002年に開催された世界麻雀選手権大会には、20カ国、160名の選手が参加しました。――何か、現実味がありますね？ぶっちゃけ、わかりません。しかし、公開種目化を目指した運動は、日本でも行なわれているようです。北海道麻雀業組合連合会会長の中庸雄さんもその１人。中さんは、高齢者に的を絞り、ボケ予防の「介護麻雀大会」を全国で開く傍ら、昨年４月、イメージソングを作りました。♪　ポン・ポン・ポン　肩よせて　　　ロン・ロン・ロン　笑顔で～『マージャン家族』と名付けられたこの曲、テープは既に1000本以上も売れているそうです。今後はＣＤ化も計画しているとのこと。アナログ路線に限界を感じたのでしょうか……。……ところで。皆さんは、麻雀に国際ルールがあるということを知っていただろうか？1850年頃、寧波の役人によって確立された近代麻雀だが、公式ルールが整備されたのはここ数年のことである。それによると、上がり役は81種類。中には、米国人が開発したという緑一色や七対子も含まれている。ルール上での大きな違いといえば、勝負を降り、第三者の捨て牌で上がられても、点棒を持っていかれてしまう点か。役満を聴牌していても、危ないと思ったら「降りる」という貴方。そんなことで世界に通用すると思っているのか。……このヘタレが。その点、ケンカ投法の東尾ってどうよ？なんか頼もしいと思わない？ビールとホルモン大好き54歳よ、2008 年は“中年世代の星”として輝くのだ！※　東尾はかつて、麻雀賭博で逮捕されたことがある。

  2004.09.17

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• ダービー

  寝てばかりが日曜日じゃない！気持ち良いほどの快晴だし、たまには早朝から活動的になってみようと、衝動的に家を飛び出した。不思議と、行き先は瞬間的に決まっていた。……東京競馬場だ。そう、今日は日本ダービーが開催されるのだ。カバンの中にはスポーツ雑誌とマンガ。イヤホンからは、ノリの良いＢＧＭが流れ込む。地図で確認したところ、目的地までは見事なまでの一本道。真夏のような陽射しの中、ひたすら自転車で突き進んだ。東村山市から小平市、国分寺市を経て府中市へ。そして、40～50分。不意に飛び込んできた「競馬場通り」の標識。昼前だというのに、自転車やバイクがびっしりと停められている。道路の向こう側には、海の家を髣髴とさせる売店が並んでいた。実は、競馬場で生のサラブレッドを見るのは初めてである。いつもは、後楽園のＷＩＮＳで馬券を買っているからだ。だから、入場料を取られるなんて、思いもよらなかった。たかが200円とはいえ、軽いカルチャー・ショックを受けた。場内に入って、新聞を買った。馴染みの日刊スポーツは売り切れだった。競馬ファンには人気があるのか？仕方がないので、サンスポにした。見ると、紙面に大好きな若槻千夏が。なんと、キングカメハメハを推しているではないか。……便乗しちゃおう。安藤勝己とはどうも相性が悪いのだが、ちぃちゃんが言うなら間違いあるまい。問題は、コイツと何番を抱き合わせるか。今回のダービー、専ら注目は２頭に絞られていた。◇　キングカメハメハＮＨＫマイル杯を圧倒的な強さで制した。クラシック三冠の１つである皐月賞を回避し、万全の調整でダービーに臨む。調教師の松田国英は、この「別路線」と言われるローテーションで、タニノギムレット（2002年）をダービー馬に導いている。◇　コスモバルク認定厩舎制度（外厩制度）の適用第１号馬。この制度は、経営不振が続くホッカイドウ競馬が、所属馬を増やそうと国内で初めて導入したもので、調教条件が整う民間の育成牧場を認定厩舎として活用し、競走馬を牧場から直接、競馬場へ運ぶことができるというもの。これにより、コスモバルクは地方競馬所属のまま、クラシック制覇を狙える史上初の馬となった。デビュー前の落札価格は、たったの400万円。まさに下克上を体現した馬である。皐月賞では２着と好走しており、期待は膨らむ。う～む、難しい。こんな背景を知っているだけに、今回はバルクに勝たせてやりたい。だが、勝負師としての勘が、違うと言っているような……。まあ、いい。今は目の前のレースを楽しもう。５Ｒはパスして、午後からが勝負だ。メインスタンドの前に場所を確保する。周囲は、花もないのに花見状態。老若男女、実にたくさんの人間が新聞を敷いていた。ところで、皆さんはどのような馬券の買い方をしているだろうか。堅実派？　それとも穴狙い？予想は、馬柱のどこを重視して決める？馬券の種類は？　金額は？因みに、我が流儀の基本は３頭ボックス買いである。金額は500円。馬連かワイドかはオッズを見て決める。もし、配当が低いようならば、３連複を考える。馬柱のどこを重視するか。まずは馬名。オモロイ名前がいい。次に騎手。佐藤哲三や外国人などと相性がいい。そして印の付き具合。日刊スポーツで、△１つだけなんて馬は、要注意だったりする。つまりは、一発狙い。勝率は低くとも、トータルでプラスになればいいという考え方だ。貧乏時代、競馬は楽しむものではなく、生活を賭けた勝負だった。だから、我が辞書に「記念馬券」などという文字はない。とは言いつつも、バルクに関してはギリギリまで迷った。買うべきか、切るべきか……。しかし、買うとなると、ちぃちゃんのキンカメを諦めなくてはならない。何故？　それはオッズが低いからだ。そんな葛藤の中、全敗で迎えた10Ｒ。心の中で、遂に英断が下されたのだった。バルクは切る！　そして、今回は３連複で勝負だ!!軸馬は12（キングカメハメハ）と17（ハイアーゲーム）。あとは１（マイネルマクロス）、５（ハーツクライ）、16（ホオキパウェーブ）と流すことにした。……もし、自分がダイエーファンだったら、８（メイショウムネノリ）を買っていたかもしれない。既に７Ｒあたりから敷かれていた新聞は撤去されていた。馬券を買い、人で溢れるメインスタンドへと上がる。人を掻き分け、ゴール付近に陣取った。まるで満員電車のような状態ではあったが、見晴らしは良かった。あとは、始まるのを待つだけだ。しかし、ここからが長かった。通勤ラッシュに慣れていない身としては辛い。挨拶だの国家独唱だのはいいから、早く出走して欲しかった。約40分が経過。いよいよ、この時がやって来た。場内に手拍子と歓声が湧く。各馬、滞りなくゲートイン。次の瞬間――、バカンッ。飛び出す18頭のサラブレッドたち。まず抜け出したのは、１番・マイネルマクロスだった。離す、離す、離す。その差、８馬身。それに８番・メイショウムネノリ、９番・コスモバルク、２番・ヴンダーが続く。向こう正面。馬の姿がかなり小さく見える。軸馬２頭は９番目と11番目をキープ。５番・ハーツクライと16番・ホオキパウェーブは、最後方に位置していた。３コーナーを回るあたりから、各馬の差が縮まっていく。そして最終コーナー、なんとバルクがスパートをかける！場内騒然。「バルク、行け――っ！」「このまま、このまま！」「仕掛けるの早いって！」こっちとしては、ハラハラドキドキの展開。オイオイ、まさか来るんじゃなかろうな？キンカメとハイアーはどこ行った？……と思ったら、イイトコにいる。５、６番手くらいか。しかし、ハーツとホオキパがまだ最後方だ。マクロスは失速。イカ――ン！そして、最後の直線。ここで勝負は動き出す。バルクが、馬群の中へと消えていく。代わりに抜け出してきたのは、キンカメだ！あとはハイアーと……、ハーツ！ｷﾀｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━━ｳｵｵｵ!!!!んんむ、会心のレースであった。キンカメは２分22秒３のレコード勝ち。結局、バルクは８着に終わった。結果　⇒　http://www.jra.go.jp/JRADB/accessS配当は、3460円だった。しかし、トータルでは8000円の負け。中京になんか、手を出さなければよかった。まあ、最後に勝ったので、気分は上々だったが。とにかく、冷たいドリンクを飲みたい。心からそう思った。場内の自販機は、しばらく前から全て売り切れていたのだ。競馬場を出て、コンビニに辿り着く。喉を潤すポカリスエットが、本当にうまかった。……。やりたくないけど、ダイエーとの３連戦をおさらいしておこう。47試合目　Bw　１－６　Ｈ48試合目　Bw　１－５　Ｈ49試合目　Bw　６－18　Ｈもはや、言うことなし。ただ、歌藤を使い過ぎである。新人を酷使するのは、この球団の伝統なのだろうか？使える左腕が欲しい……。

  2004.05.31

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