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  疲弊

  珍しく楽天相手に２桁得点で爆勝。金子も140球を投げ、２戦連続完封。しかし、徹夜＆お出かけ疲れで睡魔が……。岡田の本塁打、どうにもリアルタイムで目撃できない。もしかして、縁がない選手なのだろうか？さて、今日は息子とお台場に出かけたのである。目的はもちろん、実物大ガンダム！15時過ぎ、ゆりかもめに乗車。ふとした一言に、ビビリの息子が騒ぎ出した。壮一朗「おっきいの？　こわい～」人ゴミでごった返す台場駅に着くと、不安はＭＡＸになったらしく……。壮一朗「ねえ、いきたくないよ～」壮一朗「わるいことするから、こわい～」……ってか、君は３年前に松戸で実物大ガンダム（上半身のみ）を見て、その時は大丈夫だっただろうよ。なだめながら目的地の潮風公園へと向かう。なかなか辿り着けない。その姿が見えないまま、歩くこと15分。すると。木々の向こう側に、連邦の白いヤツが！一歩一歩近付くにつれ、巨大さに圧倒される。いやァ、でっかいわァ。カメラを構える人々の群れを突っ切り、正面へ。家族連れ、女性連れも予想よりも多かった。白いボディが、沈みかけた太陽のオレンジ色で、ほのかに染まっていた。その時である。ざわつく観衆。なんと、バーニアから煙が噴き出し、頭が動いた！これには息子も興奮したようで、怖さも吹っ飛んだ模様。まさか、動くとは。「見せてもらおうか、連邦軍のＭＳの性能とやらを」なんて名台詞が頭に浮かんできた瞬間であった。そして、逆光が生み出した奇跡のシルエット。最後は足下を触って終わり。しかし、そこに至るまでは長蛇の列だった。1996年の日本シリーズでぐるぐると並ばされた記憶が軽く甦って来た。その間、息子はガンダムが見えないと、肩車だの抱っこを要求してくる。ということで、これが疲労困憊の理由。トドメは帰りの車中だった。壮一朗「かっこよかったね～」壮一朗「うごいたんだよ！」壮一朗「すごかったね～」壮一朗「……ガイソン」父があれだけ「ガンダム」を連呼したのに、全く届いていなかったのね……。Please crick here !!

  2009.08.22

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  勘違い

  Ｊリーグが開幕した頃――、今から15年も前のことである。当時の自分は、まだサッカー経験値が低く、漠然とこんな勘違いをしていた。それは……。「シュートって思いっきり蹴らないと、　入らないんでしょう？」あの頃に帰ってツッコみたい。あんた、バカァァァァァァァァァァ！？これは完全に『キャプテン翼』の影響である。特に、ワールドJr.ユース決勝とか。ミューラーくんに翼くん＆日向くんのドライブタイガーツインシュートを止められた時は絶望的な気分になったものだ。そもそも、ツインシュート自体に無理があることさえもノーケア。本当にバカ。でも、愛してる（？）どうしてこんな耳まで赤くなるような過去を書いたのかというと、今、テニス界でも同じ現象が起きているのでは、と思ったからだ。錦織圭。先月、日本人では松岡修造以来16年ぶりの世界ツアー優勝を遂げた、あの錦織。18歳１ヵ月でのツアー勝利は、1998年にレイトン・ヒューイットが優勝した16歳10ヵ月に次ぐ史上２番目の快挙というから、数年後は４大大会優勝を狙えるところまで成長しているかもしれない。プレースタイルは、相手の裏をかく技巧派。体勢を崩したはずなのに、タイミングを狂わせたはずなのに、想定外のショットを打ってくる。天性のボディ＆ラケットコントロール。それと、駆け引きの巧さ。それは、おそらく玄人になればなるほど唸るような凄さだろう。実は錦織、身体能力はそんなに高くないそうだ。その彼の試合、少年たちはどう感じたのか？何と言っても『テニスの王子様』を読んで育った世代である。ボールが跳ねない、有り得ない変化をする、どんなに返球してもネットになる、相手のラケットを弾き飛ばすなんて序の口。コートに竜巻を発生させたり、分身したり、相手をスタンド最上段まで吹っ飛ばしたり、睨みつけると相手がイップスになったり、観客が確認できるほどのオーラを出したり、ボールを意図的に真っ二つにしたり……。もう、とにかくファンタジー。そんな世界に慣れてしまった人々がこのところ比較的マイナーだったプロテニスを見たらどうなる。なんか、勘違いしそうだろがァァァァァ！と、まァ、そんな風に思った今日この頃。因みに、実際の試合でとんでもないことが起きないわけではない。何年か前の全仏オープン、世界最速249km/hのサーブでお馴染み、アンディ・ロディックは、サーブを地面にめり込ませた。あれァ、凄かった。無敵。Please crick here !!

  2008.03.01

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  三百回

  この日記も、遂に300回を超えた。よくぞ、ここまで続けられたものである。よく考えてみて欲しい。これが、どれだけ凄い数字か。そこで、問題！『ドラゴンボール』で連載300回というと、どの辺りか？１　餃子の最終奥義「さよなら天さん」がナッパに炸裂！２　ピッコロがネイルと融合し、フリーザと激突！３　天津飯が新気功砲でセルを足止め！４　とうとう眉毛がなくなる超サイヤ人３発動！１は、ベジータとナッパが来襲した時。餃子の「どうか死なないで」という願いは、僅か数秒で砕け散った。２は、フリーザが第１段階の変身を遂げた時。ピッコロは意外とめでたい奴で、ネイルと融合しただけで有頂天になっていた。３は、セルが17号と18号を吸収しに来た時。もはや過去の人物と思われていた天津飯が、足止めとはいえ、奇跡的な活躍を見せた。４は、魔人ブウ編でのこと。髪の色が変わる、髪が伸びるまでは許そう。しかし、眉毛がなくなるとはどういうことなのか。４択。さァ、どこかな～？ドゥルルルル、ドゥルルルル、ドゥルルルルットゥ、ドゥルルルル～♪……アレ？　なんか『世にも奇妙な物語』のテーマが聞こえてくる！クイズだよね？　コレ、クイズだよね？ち～ん。正解は、２番んんんんん！ナメック星だよ？　ギニュー特戦隊も既に全滅だよ？何か、歴史を感じないか？　300回とは、そんな数字。さて、続いて問題！『キン肉マン』で連載300回というと、どの辺りか？１　モクテスマ星の貧乏人が何故か地球で窃盗！２　ウォーズマンが超人墓場の鬼どもを大量虐殺！３　残虐チーム、妙な陣形でザ・ニンジャをサポート！４　一体どこで栄えていたんだ、バッファロー一族！１は、ロビンマスクvs.マリポーサでの一幕。何故、マリポーサはアノアロの杖を盗めたのか？モクテスマ星で盗っ人暮らしをしていたのでは？２は、とにかく酷かった。謎の“迷”医ドクター・ボンベの差し金により、超人墓場の住人たちが、その尊い命を失った……。３は、サタンクロスvs.ザ・ニンジャでの一幕。わざわざパイプ椅子を並べ替えてメッセージを送るより、口で伝えた方が便利だろう、と激しく思った少年時代。４もまた、素朴な疑問。キン肉族に負けないほどの隆盛というと、星ごと栄えないと。それこそ、ニコチャン星くらい。４択。さァ、どこかな～？ドゥルルルル、ドゥルルルル、ドゥルルルルットゥ、ドゥルルルル～♪チクショー、負けてたまるかァ！ランラァランララランララン（ナウシカの奴）♪ち～ん。正解は、３番んんんんん！王位争奪サバイバルマッチだよ？鯱が白鷺を銜えるのも、もう間近だよ？何か、歴史を感じないか？　300回とは、そんな数字。ということで、次回からも夜露死苦（古）Please crick here !!

  2006.11.12

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  博物館

  この夏、千葉マリンスタジアムに建設された、マリーンズ・ミュージアム。記念品はもちろんのこと、グラウンド内を体感できるスペースもあるということで、話題を呼んでいる。一方、同じ千葉で閉館間近の博物館もある。それが、松戸のガンダムミュージアムだ。８月一杯で、静岡と栃木に移ってしまうそうだ。これは是が非でも行っておかねば。丸の内線から千代田線に乗り換え、電車に揺られること、およそ１時間。松戸駅のホームに降りると、早くも建物が。入場料は500円。とっても良心的である。しかも、なんか劇場版のフィルムまでくれて。……夫婦２人分、どちらも微妙なシーンだったが。さて、バシューッと扉が開くと、まずはスペースコロニーの展示物。モニターでは、コロニー建設の理論が、延々と流れていた。難しそうなので、次の部屋へ。すると！ 等身大ザクの頭部ではないか！ 壮一朗、後ろ、後ろ！部屋の奥に進むと、どうやらムサイの格納庫をイメージした展示物。ベルトコンベアに乗って、ザクがエンドレスで右から左に移動していく。 ３倍凄いヤツ（当社比）は滅多に現れない。 続いて、全長5.6メートルの実物大ガンダム上半身。この大きさ、法律的には建築物に属するのだとか。ここでは、コスプレ衣装を借りて、記念撮影ができるオプションがある。我々が行った時は、スキンヘッドのおっちゃんが、連邦の軍服を着て胸を躍らせていた。……バスク・オムに似ていた。因みに、料金は500円。バスク・オムはまだしも、長州小力風アムロとか、渋谷系シャアとかを見るにつけ、気分が萎えた。こんなコーナーもあった。ガンダムのコックピットを体感できるらしいのだ。シートに座ると、赤・青・緑のボタンを１つだけ押すようにとインフォメーションを受けた。当然、オリックスファンだからと青を押したのだが……。まさか、あんな悲劇が起こるとは。このアトラクション、目の前のモニターに映像が流れ、アムロがいろいろと説明してくれるのだが、突然……。「何事だ！」グフに襲われて映像終了。上映時間、およそ１分。そして、そこで知ることになるのだ。ボタンの色が、モビルスーツの色に対応していたことを。あァ、赤にしておけば良かった（泣）この１分間で、体験料500円と写真代1000円。そして、別コーナーでアルミ製のザクマシンガンを20秒間撃ちまくり、更に500円。ついでにパンフレットも買って700円。結構、使っている！ 順路に従い、上のフロアへ。等身大ガンダムの背後を抜けていく。通路には、歴代ガンダムの名シーンやＣＧがモニターに映し出されている。そして、そこを抜けたら……。プラモの国が広がっていた。何？　この「欲しくなったでしょう？」みたいな空気。買いません。作りませんよ。まして「ラクス萌え～」とか、絶対に言わないから！ そんな中、妙に魅かれてしまったのが、コレ。ここだけの限定商品。シャア専用ナイキシューズ！しかし、買ってもきっともったいなくて履けない……。『スラムダンク』に出てきた、チエコスポーツの店長に嘆かれちゃうよ。因みに、このガンダムミュージアムの下のフロアには、こんなスペースも。 あァ～、ケロロ軍曹だァ！ ということで、甲子園の決勝も最後まで見ず、こんな週末を過ごしていた我が一家なのであった。Please crick here !!

  2006.08.25

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  車田正美４

  実は氷河さん、死んではいなかった。なんと、首から提げていたノーザンライトのロザリオが、一輝の一撃から彼を救っていたのである。……って、なんてお約束。しかも、仲間が来たところで目覚めるなんて。あまりにもタイミングが絶妙過ぎるではないか。多分、氷河さんは、人知れず作戦を変更していたのだ。タイマンはやめて、４対１でボコっちまおう。案の定、星矢らが現れると大々的に復活し、再び態度がデカくなる氷河さん。「フッ、幻魔拳をうつつもりなら、　もはやムダなことだぞ、一輝」ボロボロになってしまった全神経は、いつ回復したのか。まさか、死にかけて甦ると前よりも強くなるというサイヤ人理論が採用されたのか。流石は鬼才・車田大先生、時代の最先端！そして、復活した氷河さんは、一瞬だけ輝く。一輝の幻魔拳を無傷で跳ね返してみせたのである。この技をこうも完璧に破ったのは、後にも先にも氷河さんだけ。無駄に凄い。しかし、所詮は脇役の悲しさか。とどめを刺す役割は、決して回ってこない。それどころか、鳳翼天翔を食らい、またしても気絶してしまう。この間、氷河さんは、意識を失ったまま流星拳に凍気を込めるという器用な芸当で主役のアシストをする羽目に。まるで、幽霊に成り果てても、キン肉マンを助けまくるウォーズマンのようではないか。マジ泣けた。その後、事態は富士の地底が崩落、白銀聖闘士登場と、急展開を見せていく。氷河さんはというと、役割である「戦いの解説」をムウに譲り、ずっと気絶したまま。次に雄姿を見せるまでには、実に単行本ほぼ１巻分を要してしまうのだ。そして、遂にバベル戦。「オレをほうむった？　フッ、見たところ白銀聖衣のようだが、　おまえの顔ははじめて見るぞ」出た――――――――――ッ、キザっぷりは白銀聖闘士を前にしても健在だ！そして、星矢の苦戦っぷりを嘲笑うかのような余裕の秒殺ショー。「敵が来るならどこまでも戦いぬくだけだ。　心の小宇宙が燃えつきるまで…」カッコブーな台詞を吐きつつ、平気で死体遺棄。念のため断っておくが、氷河さんはまだ中学生だ。因みに、ジャンプ掲載時には、「もうこうなったら、女神も倒すまで」というニュアンスの物騒な台詞を吐いていた。この後、物語は衝撃のカミングアウトへ。実は氷河さん、星矢たちとは異母兄弟だったのだ。しかし、せっかく星矢が皆を傷つけまいと、できるだけしれっと言い出したのに、彼ったら……。「本当だ！　ああ、しっていたさ。　七年前、はじめてこの日本へきたときからな…」……星矢の気遣い、台無しだァァァァァ！しかも、兄弟と知って抹殺しようとしていたとは。ある意味、父親が誰かということよりも、アンタの冷血ぶりの方が衝撃の事実だったわ！その後の氷河さんはというと、暫く見せ場なし。「地中海カノン島の噴煙の中へ七日七晩身をおけ！　そうすれば、おまえの右腕はもとどおりになるはずだ」この、どこから仕入れたかわからない情報を喋るだけで、あとは一切戦力にならず、石化していただけ。氷河さんの氷河期は、こうして始まったのだった。（つづく）Please crick here !!

  2006.08.06

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  車田正美３

  氷河さんが悩んでいる間、銀河戦争の会場では鳳凰座の一輝が、５人のバッタモンを引き連れて主導権を奪っていた。ということで、物語は暗黒聖闘士との抗争へと発展していく。雰囲気に流されやすい氷河さんは、星矢たちと共闘することに。今度の相手は“ブラックスワン”なる、これまたバッタモンである。ブラック○○、メカ○○の存在は、偽者の証。流石は鬼才・車田大先生、古典をよく心得ていらっしゃる。それにしても、どうしてブラックキグナスじゃないのか。そもそも、どうしてコイツが四天王なのか。白銀、黄金レベルの暗黒聖衣版はないのか。そして、鳳凰座だけ量産型なのは、何故なのか。しかし、作者は無言で語る。「漢（おとこ）なら、四の五の言わずに読むのだ！」そして、お決まりの秒殺が始まるのである。「そうか…、ならブラックスワンよ。　その闘志に敬意を表した形でほうむってやろう」え？　ウソ？　闘志を見せるどころか、あっさり負けを認めただけのような……、あっ。「ホーロドニースメルチ!!」あァ、前哨戦までして煽った割には、随分と淡白な。「ブラックスワンよ、本来なら永久にそこで　氷柱となるはずだが、右手だけはのこしてやった…」そして、まるで意味不明な武士の情け。これが後々、氷河さんの首を絞めることになるとは。「めざすは一輝のみ…。　一輝をたおして頭をとりかえせるものは、　このキグナスしかおらん」氷河さんが１人虚しいプチ自慢をしている頃、真下では、どす黒くなってしまった星矢が苦しんでいた。「今…、鈴の音がきこえたような気がしたが…。　…………気のせいか…………」うっわ、コイツったら使えねえええええ！主人公が誰なのかも忘れ、先走る氷河さん。一輝のもとへ辿り着いたはいいが、大変なことに。「うけてみろ、ダイヤモンドダスト!!」サクッと跳ね返され、レア台詞「バ…、バカな！」を思わず使ってしまう氷河さん。更に、鳳凰幻魔拳を受け「もはや、おまえを葬るのに、なんのためらいもない……!!」などと今更なことを述べた後に放った一撃。「ホーロドニースメルチ!!」これも不発。またもレア台詞「な…、なにい～!?」を思わず使ってしまう氷河さん。そう、ブラックスワンに情けをかけたせいで、氷河さんの技は全て見切られてしまっていたのだ。こうなると、勝負は明らかなわけで。一輝の名もないパンチは、彼の胸を貫くのだった。……アレ？　永久氷壁から生まれた聖衣、壊れちゃった？一輝「おまえの全神経は、指の先までボロボロ…。　　　もはやアリを殺す力さえものこってはいないのだ」断っておくが、これは聖衣が砕ける理由にはならない。悲しい事実だが、やはり氷河さんの言葉は嘘だったのだ。頬を伝う涙。しかし、泣き虫だが立ち直りも早い彼は、冥土の土産に一輝の右腕を凍りつかせることを思いつく。そして……。一輝「すでに息絶えていたのか…」ウォーズマンvs.バッファローマンを髣髴させる立ち往生、ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━ｯ！この後、しばらく氷河さんは仲間が来るまで、奥義「死んだふり」をかまし続けることとなる。（つづく）Please crick here !!

  2006.08.04

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  車田正美２

  またしても、車田ワールドに魅せられてしまった。もう何度目の読破だろうか――、聖闘士星矢。この作品の中で、最もネタに事欠かない人物、それが白鳥座の青銅聖闘士、氷河という男である。単行本第２巻、彼の初登場は東シベリアから。金髪！　碧眼！　口には、一輪の花！ そして、最初に発した台詞はというと……。「マーマ（涙）…」流石は、鬼才・車田大先生！　たったの数コマで、コイツが只者ではないことを読者全員に刷り込んだ。キザ、マザコン、泣き虫。今、流行の「成分解析機」で氷河さんを分析したら、きっとこの３つしか出て来ないに違いない。いわゆる、母性本能を擽る三本柱。彼の全ては、ここに集約されている。そんな氷河さん、戦いに身を投じるようになったのは、聖域からの手紙がキッカケである。「君の聖衣は永久氷壁の中にあるよん」「東京で聖闘士が見世物になってるから、殺してきてちょ」（注）目一杯、意訳しておりまする。こうして、彼は人生を狂わされていく。「ヤコフ、マーマのねむりの番を頼むぞ。　オレは戦いにいかねばならない。　この氷の聖衣をまとって…！」因みに氷河さん、ヤコフには「ここにはくるな」と何度も言っているそうだが、舌の根も乾かぬうちに、こんなことを頼むとは。そもそも、マーマの眠っている海底は、ヤコフなんかがどうにかできる場所ではない気が……。だが、そんな違和感は、すぐに吹っ飛んでしまう。なんと、ページをめくった途端に、氷河さんは東京に瞬間移動しちまっているのだ。そして、痺れる一言。「なんせ、オレははるか北の海から　おまえたちを葬りにきたのだからな！」様々な疑問を誰にも抱かせることなく、物語はトントン拍子で進んでいく。最初の対戦相手は、海蛇座の市という男。如何にも「あべし！」とか言いそうな雑魚面のモヒカン相手に、氷河節が冴えまくる。「笑止な！　そののろいスピードで人がたおせるか」レア台詞、ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━ｯ！笑いが止まらんと書きつつ、仏頂面の氷河さん。「白鳥星座の聖衣は、第四紀洪積世のはじまり…、　（中略）まして破壊することなど、　たとえ聖闘士の力をもってしても不可能だ」……難しげな専門用語を使い、巧みな嘘八百を繰り広げる、氷河さん。「ダイヤモンドダスト!!」必殺技の名前をいちいち叫ぶという、少年漫画の王道を突き進む氷河さん。結局、試合はこの一撃であっさりと終了。彼の出番も暫くお預けと思われた。しかし、この後、彼にはまだ大事な仕事が待っていたのだ。「戦いの解説」という脇役ならではの役割が。ということで、星矢vs.紫龍である。一頻り、妙に博識でクールな解説を終えた後、氷河さんに、ある異変が表れる。「これは本当に女神が禁じる　私利私欲のためだけの私闘なのだろうか。　紫龍よ、星矢よ…。おまえたちは、なぜ…」……早ッ！　来日して、ほんの数時間、或いは数分かもしれない。こんなにも簡単に揺らいでしまうなんて。女心と秋の空、もとい氷河さんの信念。因みに、２人の戦う理由はというと……。星矢　⇒　姉を探したいから。紫龍　⇒　老師に勝利を捧げることで恩を返したいから。メチャクチャ、私的な理由だったりする。氷河さん、この時点でこの事実を知っていたら、一体どんな道を選んでいたのだろうか？（つづく）Please crick here !!

  2006.08.03

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  車田正美

  東奔西走の果てに漸く手に入れた『聖闘士星矢』13巻。巻末の聖闘士名鑑を見てみると……。惜しい！　蠍座のミロ、誕生日１日違いか！そして、悔しい！　蟹座のデスマスク、壮一朗がビンゴ！それにしても、デスマスク。シチリア島の出身なのね。イタリア出身のくせに、名前は英語。そして、必殺技は積尺気冥界波。漢字。どうなっているんだ、車田設定？車田正美というと、先日『リングにかけろ』を読破したのだが、これがもうアツイやらオカシイやらで(*^。^*)最初は、普通にスポ根ボクシング漫画だったのが、いつの間にか３ノックダウン制をも無視して、如何に相手を場外にぶっ飛ばすかの勝負になってしまうのだ。ある頃までは、試合の駈け引きをキチンと見せていたのに……、河井「フッ、やめたまえ。こんなただのボクシングは　　　きみの本意ではないだろう」ゲーリング「クックックッ。まあ、そういうことだ。　　　　　　オレが見たいのは、きみの必殺パンチ、　　　　　　ジェット・アッパーだけよ」河井「それほどのぞむなら、みせてやろう。　　　ぼくもいたずらに試合をながびかせたくないんでね。　　　これが必殺のジェットだ！！」……ただのボクシングって。中学生が。一体、いつからこんな風になってしまったのか、思い返してみた。チャンピオン・カーニバル？　……まァ、許容範囲。日米血戦？　……対戦相手がアレだったが、まあまあまあ。影道？　……それだ！具体的には、カイザー・ナックルの登場からである。ジャンプの歴史に燦然と輝く伝説の武器、カイザー。その正体は、とにかく凄いメリケンサックである。これは後に明らかになることなのだが、その発祥はなんとアトランティス大陸まで遡り、それを両手にはめれば、世界の頂点に立ってしまうのだという。カイザーは代々、ギリシア十二神に伝わってきたもの。その一方が、なぜか久遠の時を経て日本に、しかも、単なる下町のボクシングジム会長のおっちゃんが所持しているとは……。それも（おそらく）押入れに。素手で人を殴ることさえも許されないプロボクサー、それを育てるボクシングジムの会長が、こんな凶器を隠し持っているのも、かなりの問題では？さて、これを装着した竜児、いきなり電柱を１本叩き折っている。清らかだった好青年が、堕落した瞬間である。目指すは、シャドウ・ボクサーの待つ影道の塔――。※　どうでもいいが、シャドウ・ボクサーって、　　ひたすらシャドウ・ボクシングだけ繰り返している　　ボクサーみたいなんだけど。そこは、モロに『死亡遊戯』をパクッた五重の塔である。カイザーの出番は、煽った割には２回しかなかった。「クックックッ、なん年ぶりかな。　この青龍の間へのぼってこれた男は……」初めての被害者は謎のハゲ。セリフから察するに、相当な暇人である。そしてこの男、相当な卑怯者でもあった。なんと、鉄のヨロイを装備していたのだ。ドラクエだったら、守備力が16も上がるアイテムだ。温厚な竜児も流石に決心を固めた。竜児「うう……、邪道には邪道……、鋼鉄には鋼鉄……。　　　カイザー・ナックル！」ＢＵＮＣＨ！　ピッ、ピピピピッ。ズボッ。鉄のヨロイ、貫通。心臓を一突き。これは殺人？竜児くん、中学生の身空で前科一犯である。続いての出番は、白虎の間でのチェーンデスマッチ。そう、バッファローマンとケンダマンでお馴染みのアレである。相手のロン毛は拳にダイヤモンドを埋め込むことで、破壊力抜群のパンチを放つ、これまた卑怯者である。追い詰められる竜児……。「フフフ……、気にするな、高嶺竜児。　なにも、お前が弱いわけじゃない。影道の人間でも、　最上階までのぼりきった男はザラにはいないんだ」因みに、朱雀の間では雑魚100人がかり、玄武の間ではタイマンと見せかけて伏兵が闇討ち。いい加減、竜児も頭に来たとしても仕方がない。ＢＵＨＫＯＯＭ！　ボタッ、ボタッ。「ぐわああ～っ、バ……、バカな（レア台詞）……。　こ……、この地上でもっともかたいはずの　ダイヤモンドナックルが敗れるとは……」それもそのはず。これも後でわかることなのだが、カイザーはなんとオリハルコン製なのだ。ドラクエ３では、王者の剣（＝ロトの剣）の原料となる、伝説（架空）の鉱物である。……と、これで、ひとまずカイザーの出番は終わり。というか、別にこの段階ではただのメリケンサックで事は足りていた気がする……。さて、次なる舞台はというと、富士のすそ野。そう、夢の超人タッグが行われたことで有名なアソコである。ギリシア十二神と世界連合Ｊｒ．との殲滅戦。ナポレオンだのスコルピオンだのが、涙を流しながら燃え尽きている間、ジムの押入れから妙な存在感を見せつけるカイザー。ピィ～ン、ピィ～ン。月島から富士のすそ野までどれだけ離れているか知らないが、お互いのカイザーが共鳴し合っているのだという。そして、震度５の地震までをも引き起こし始めた。ここで、ようやくカイザーの設定が明かされるのだ。……単なる下町のボクシングジム会長によって。どれだけ事情通？大村「さあ、これをもっていくんじゃ、菊！！　　　この闘いに、１万年もの殺戮の歴史に　　　終止符をうつのはだれか……、　　　ふたつのカイザー・ナックルだけがしっている！！」だから、その１万年もの殺戮の歴史を知っているアナタは何者なんだ？まァ、そんなこんなで遂に再会を果たしたカイザー。しかし、凶器としての出番はほとんどなく、ダウンした竜児に最後の力を与えたのみ。この後、２つのカイザーは竜児の希望で西の海深くに封印されることとなる。きっと、メリケンサックなんてオリハルコンである必要などないことに気付いたのだろう。ところがどっこい（レア台詞）。その２年後、阿修羅一族との闘いにおいて、三度登場してしまうのである。今度の舞台は、聖域の十二宮みたいな一族の総本山。竜児はいよいよ伝説の凶器を装着するのだが……、竜児「殺すなよ、カイザー！！」イヤイヤ、もう今更じゃないのか。生身で撃つブーメラン・テリオスも、結構な殺傷能力だぞ。ここで特筆すべきは、カイザーが衝撃波を出せるようになっていたこと。つまり、直接的に殴らずとも、相手を倒せるという離れ業が可能になったのだ。もうここまで来たら、敵う奴なんていないわけで。さらに援軍も到着してしまったので、敵は敗走してしまった。さァ、そうなると気になるのがカイザー・ナックルの行方だ。前回は海の底。果たして、今回は？竜児「カイザー……、今までなん度もオレを助けてくれて　　　ありがとう。でも……（中略）」竜児「その日までさびしいだろうが、　　　遠い空のかなたで待っていてくれるね……」カイザー「ピィ～ン」竜児「さよなら（ヒュン）！！　　　さよなら、カイザー・ナックル！！」ナレ「その日、銀河のかたすみにふたつの星が生まれた。　　　その名もないふたつの星は北斗の方角にいつも光り輝いている。　　　この地上を見守るようにして。おそらく、これから幾星霜……」まさに恐るべきは（車田がよく使う表現）車田設定。死人以外を星にしてしまうとは。そして、同時に物理の教科書も全否定か。万有引力はどこに？ネプチューンマンによるロビンスペシャル破りを思い出したわ。これだから、車田作品は面白いのだ。Please crick here !!

  2006.02.12

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  歌詞

  先日、HELLOWEENの新譜を買うため、新宿のＨＭＶを訪れたときのことである。「Ｈ、Ｈ、Ｈ、Ｈ……」と探していると、ふと、あるジャケットが目に飛び込んできた。それは、HIGHLORDの『Breath of Eternity』なるＣＤであった。「永遠の息吹を抱きしめて、今解き放たれる凄烈なる小宇宙！」帯に書いてある、何とも気になるキャッチフレーズ。な、な、な、なんと、小宇宙に「コスモ」なるルビが。あまりに気になったので、裏返して曲目を見てみると……。１. Atlantis part-one：Beneath a silent sky２. Part-two：The dreamer and the deep ocean３. Stream of illusion４. Dream chaser５. Back from hell６. Show me your kingdom７. Follow me８. Breath of eternity９. Phoenix's fire 10. Moonlight romance11. Pegasus Fantasy11曲目……、ぺ、ぺがさす・ふぁんたじぃ？※　念のため、知らない人のために注釈。　　その昔『週刊少年ジャンプ』で大人気を博した漫画で、　　『聖闘士星矢』という作品があったのだが、　　そのアニメＯＰ曲がこれと同じタイトルだったのだ！…………………………ま、まさか。………………………………………。……………………イヤ、そんなバカな。……………………………………………。……だって、コイツら「イタリア人」って書いてあるぞ？…………………………………………………………………。………………………しかし、万が一ということも。…………………………………………………………。………………イヤイヤ、待て待て。………………………………………。などと逡巡すること数分。「ええい、ままよ！」とレア台詞を吐きつつ、遂にこれをレジに持って行ってしまった。さァ、真偽はどうだったのか。♪　ちゃららら～ららら～ららら～らら　　ちゃららら～らららら～（懐かしの旋律）　　……ビ、ビンゴォォォォォォォォォォ＼(~o~)／思えば高校時代、初めてピアノで覚えた曲が、この『ペガサス幻想』だったなァ。あの頃の甘酸っぱい（？）思い出が甦る。それにしても、この曲……、ノーアレンジかよ……。もしかして、ただのコピーバンド？そもそも、イタリア人のくせに、何故に『星矢』？確かに以前、セリエＡの選手の中に、『星矢』のフィギュアを集めている奴がいるという話を聞いたことはあるが……（セバスチャン・フレイとか）。まさか大流行していたのか？何より何だ、この歌詞は。Burn your cosmo downEmbrace the power of your soulTo the limit of the star see a miracle become trueMaybe we will failWe will learn to feel the painStill far is the way but a promise has been donePegasus fantasy it's only in your dreamsuse the wings of your soul, this time no one can stop your flySaint Seya-all young warriorsSaint Seya-new heroes will come... oh yeah!Saint Seya-Pegasus will lead youSaint Seya-right now fly away!Look up to the skyFind the ever shining starsFollow them, to the end, it's your power, feel the strengthUntil that day I promise I won't fallI will risk my own life, in the battle I've engagedPegasus fantasy it's only in your dreamsuse the wings of your soul, this time no one can stop your flySaint Seya-all young warriorsSaint Seya-new heroes will come... oh yeah!Saint Seya-Pegasus will lead youSaint Seya-right now fly away!因みに、こちら（↓）が原曲の歌詞なのだが……。抱きしめた　心の小宇宙熱く燃やせ　奇跡を起こせ傷ついたままじゃいないと誓いあった　遥かな銀河 ☆　ペガサス幻想　そうさ夢だけは　　誰も奪えない　心の翼だから　　聖闘士星矢　少年はみんな　　聖闘士星矢　明日の勇者　　聖闘士星矢　ペガサスのように　　聖闘士星矢　今こそ　はばたけ どこまでも　輝く空におまえだけの　星座をめざせその日まで　負けられないさ命賭けて　挑んだバトル ペガサス幻想　誰もが夢見る自由という翼広げ　賭けてゆけ聖闘士星矢　少年はみんな聖闘士星矢　孤独な戦士聖闘士星矢　ペガサスのように聖闘士星矢　今こそ　はばたけ ☆　Repeat……あァ、べっくり。そう、よく聞くと直訳なのである。敢えてそうしているのか？　う～む、謎だらけ。とりあえず、あまりにそのままだったので、この歌詞をYahooの翻訳にかけてみた。すると……。あなたの都会性を焼き尽くしなさいあなたの魂の力を受け入れなさい星の制限に、奇跡が真実になるのを見なさい多分、我々は失敗する我々は、痛みを感じることを学ぶスチールは遠く方法である、しかし、約束はされたそれがあなたの夢だけで持つペガサス想像は、あなたの魂の翼を使う、今度は、誰もあなたのハエを止めることができないセイント瀬谷　全く若い軍人セイント瀬谷　新しい英雄は来る……ああ、はい！セイント瀬谷　ペガサスは、あなたをリードする今が離れて飛ばす瀬谷、権利を聖人としなさい！空を見上げなさいこれまでに輝く星を見つけなさい終わりまで、彼らの後を追いなさいそれは、あなたの力である、強さを感じるその日までは、私は私が倒れないと約束する私が雇った戦いにおいて、私は私自身の生命を賭けるそれがあなたの夢だけで持つペガサス想像は、あなたの魂の翼を使う、今度は、誰もあなたのハエを止めることができないセイント瀬谷　全く若い軍人セイント瀬谷　新しい英雄は来る……ああ、はい！セイント瀬谷　ペガサスは、あなたをリードする今が離れて飛ばす瀬谷権利を聖人としなさい！……おや？なんてスピリチュアルな内容なのだろう。なんか、宗教じみた怖い歌詞になってしまった。まるで、聖書の一節にでも出てきそうな雰囲気である。ってか、瀬谷って誰だ？　謎は深まるばかり。因みに、このHIGHLORDなるバンド、次のアルバムで今度は『北斗の拳２』のＯＰ曲、『Tough Boy』のカバーも出しているらしい。……単なるOTAKUなのか？興味のある方は、是非ともご購入頂きたい。但し、これらの曲は日本版のみの収録なので、注意されたし。Please crick here !!

  2005.11.30

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• アイアン

  最近、ある漫画を集めている。ビッグコミックに連載中のゴルフ漫画で、『黄金のラフ～草太のスタンス～』というヤツだ。これが、なかなかに面白い。ストーリーはこうだ。主人公・藤本草太は、しがないプロゴルファー。身体能力だけは恵まれているものの、イケイケのバカな性格が災いして、全く勝てない。そんな草太を見て、ある決意を固める人物がいた。スイングの理論には自信があるが、プロとしては体が小さすぎる谷田部光一。風や芝を読むことにかけては天才的だが、メンタルの強さに欠ける太子治。彼らはプレイヤーとしての道を諦め、草太とチームを組むことで、新たなゴルフ人生を歩もうと考えたのである。物心がつく前からクラブを握っていたようなエリートだけが、頂点に立つことを許されるゴルフ界。そんな厳しい世界で、遅れてきた３人が奇跡を起こしていく……。これを読む中で、興味をそそるアイテムが出てきた。草太が使っているアイアン。実はコレ、ある技術を生かして作られたものなのだ。作中に登場する、鉄工屋・宮置鉄瓶のセリフを拝借。「あんさん、刀鍛冶、鉄砲鍛冶の流れを汲む鉄工屋をなめたらあかんで」「あんさん、たたら鉄いうのを知ってはりまっか？」「アイアンクラブの材料いうのはな、軟鉄、ステンレス、それから、なんや最近はチタンまで使とるようやが……」「元々、鉄いうのは鉄鉱石に熱を加えて鉄を溶かし出して作るわけやけどな、現代の大規模な製鉄っちゅうのは、えらい高温でガンガン溶かしよる」「まあ、効率よく大量生産するには、その方が向いとる、確かに。そやけど、その反面、高熱なだけに他の不純物まで一緒に溶かしてしまいよる」「その結果、かなりの不純物を含んだ鉄になってしまう。主にリンやら硫黄でおますわ」「その後、色々と不純物を足したり引いたりして、質を調整すんのやけどね」「要するに、硬すぎたりもろすぎたり、あくまでも基準は十分満たしておるというレベルですわ」「一方、たたら製鉄いうのは、千年ほど昔から伝わっとる日本古来の製鉄法ですわ」「たたらの特長はやね、基本的な材料に砂鉄を使ういうことと、木炭燃料による低温での製鉄法やいうことでおます」「鉄の溶けよるぎりぎりの温度で、じんわりと溶かしていきますのや。その為に、不純物の溶け込まん炭素量の少ない極めて良質の鋼が取れますんや」「その中でも、特に良質のものを玉鋼いうて刀の原料にします」草太のアイアンは、この玉鋼を原料に作られたものだ。鉄の密度が濃いため、独特な打感の柔らかさと粘り強さ、さらには強烈なスピン性能を生み出す。……カッコええ（あ、関西弁うつった）。さて、こうした漫画には、往々にして元ネタがあるもの。気になったので、調べてみたら……、やはり、実在した。兵庫県神崎郡市川町――。ここが、刀鍛冶系クラブ職人たちの本拠地らしい。真っ赤になった鉄を叩きに叩いて鍛えまくる。世界で唯一、日本オリジナルの製法。この、いわゆる地クラブは、マスターズを２度も制しているホセ・マリア・オラサバルら数々の名選手が、「ショットが止めたい所に止まる」「自分が求めてきたインパクトの感触はこれだ」と感嘆の声を上げるほどの名器だという。……たまにはバットをクラブに持ち替えて、打ちっぱなしに行くのもいいなあ～。などと思った今日この頃である。

  2004.03.05

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• かませ犬４

  1982年10月８日、後楽園ホール。メキシコから凱旋帰国してきたロン毛のマッチョが、こんな名言を残したとか、残さないとか。――オレはお前のかませ犬じゃないぞ！藤波「まあ、一世一代のカケに出たというか、　　　メイン・中堅・若手っていう流れを崩すことだったから、　　　プロレス界にはオレの方が早かったけれど、　　　長州にしてみれば、絶対、藤波には負けないものを　　　持っていて、それでもどうしても越えられないっていう　　　ジレンマがあって、まあ、開き直りじゃあないんだろうけど、　　　それまでの業界の流れに沿っていたら、　　　もう自分のチャンスは無い、と。すべてを失っていいという　　　気持ちでカケに出たんでしょう」さあ、この日記初のシリーズ第４弾である。野球どころか、スポーツのネタじゃないところが、少々引っかかるが。⇒　王位争奪サバイバルマッチ編リング外で目立つことが多かったこのシリーズ、マスクを狩られたまま忘れ去られていたウォーズマンは、なんと死者の世界から出番を勝ち取ったのだった。邪悪の神たちのパワーを得たミキサー大帝によって、超人墓場へと送られてしまったキン肉マン。そこは、リングの上で死んでいった超人たちが最後に辿り着く“安住の地”なのだという。……なんか、見るからに強制労働させられているが。鬼みたいなヤツもいるし。それにしても、ロボ超人がはびこる世の中だというのに、やたらと原始的な労働である。そんな悠長なことをやっている場合ではないというのに、なぜか素直に働き始めるブタ王子。だが、その時……！「こんな所で会うとは思わなかったな、キン肉マン」ウォーズマンだ！　＼(^o^)／真後ろで飄々と働いてやがった。そして、その他大勢にありがちな説明口調。「ここから出る方法がない訳じゃない。それには、　真面目に働いて、その働きぶりを墓場の管理人に　認めてもらうんだ」　 「ここでは、働きが認められる度に、生命の玉という球体を　１つずつくれる。それが４つ揃えば、もう一度、　生の世界へ帰れるのだが、まず早い者で半年、　遅ければ100年たってもその玉は揃わないという」　 　 詳しい。伊達に何度も死んでない。さらに。「オレの生命の玉をやろう。生憎ここには３つしかないが、　これで超人墓場の出口の扉が半分くらいは開くだろう」をを、こ、この流れは……！スグル「し、しかし、それをわたしに渡してしまったら、お前は」　 ウォーズ「オレの体が悪魔六騎士に乗っ取られた時、　　　　　キミには随分世話になった。その時のお返しさ」 　 顔面ぶち抜いた本人は、背骨をよじ登っていただけだ――ッ！それに、救出に飛び込んだロビンらも内部でかなりの破壊工作を……。　 　ウォーズ「行くんだ～っ、キン肉マン！」スグル「そ、それじゃ、ひとまずこの玉を借りておくぜ～」　 鬼「おお、脱走者だぞ～っ！」　 　 騒ぎ過ぎだ――ッ！本当に逃げる気があるのか。いきなり武力行使してるし。スクリュードライバー、久しぶりだあああああ！それでも、辿り着けてしまう出口前。玉を３つ入れると、匍匐前進をすれば、何とか通れるほどの幅が。ところが、キン肉マンはなぜかガックリ。何をモタモタしているんだ。さては……、またしても原作者のワナか――ッ！大丈夫だ、行ける、行けるよ。さっさとしやがれ～。「ギギギ（扉をこじ開ける音）」 「行け～っ、キン肉マン。追っ手はオレにまかせろ！」 やっぱり！来ちゃったよ、ウォーズマン。タッグトーナメントの悲劇を忘れたか――ッ！そのパターンは、絶対に損をするぞ～。あァ、槍だの棍棒だの投げられてるよ。刺さってるよおおおおお。スグル「ウォーズマン、きっと助けに来るからな！」　 ウォーズ「ま、待っているぜ……、キン肉マン」……な、涙が止まんねえ。かくして、主人公は超人墓場を去り、かませ犬は残った。普通のマンガならば、一緒に生き返りそうなものだが。そうこうしているうちに、キン肉マンたちは２回戦へ。超人墓場では、技巧チームのザ・マンリキにいじめられているミートくんの姿が映し出されていた。不自然にも、テレビで。それを見て、脱走を決意したウォーズマン。あれだけの騒ぎを起こしておいて、無罪放免とは驚きだ。一体、ここの管理体制はどうなっているのか。「もしや、脱走なんて簡単なのでは？」とも思えるのだが、背後からダメ出しが。「ド、ドクター・ボンベ！」中途半端な手術には定評がある、老医師の登場である。ドクターの治療歴を振り返ってみよう。モンゴルマン……マスクを作らずとも、ヘッドギアで十分だった。キン肉マン………左腕に埋め込まれたロングホーンは、　　　　　　　　後にさっさと摘出されていたことが発覚。そして、次なる犠牲者は言ったとさ。「……ドクター、この生命ある岩で人工心臓を作って、　オレの体に埋め込んでくれ。あんたなら出来るはずだ！」それは、はたして医者の仕事なのか？ってか、生きているのは岩ではなく、むしろ生えている草の方では？とか思いつつも、手術が始まってしまったので、ページをめくってみると……。何やら怪しい儀式をしている、黒魔術師の姿が。この後、超人墓場は血の海と化す。任天堂『スーパーマリオブラザーズ』でいうところのスター状態になったウォーズマンが、気の向くままに鬼どもを大量虐殺していったのだ。しかし、そこには大きな落とし穴が……。「こ、このミスがこの先ウォーズマンのリング上の戦いにおいて、　大きなネックにならなければ良いが」ハイ、世紀の医療ミス。なんと、儀式に夢中で脳の蘇生を忘れてしまったのだという。おかげで、ウォーズマンは変に初期化されてしまい、記憶喪失のまま生の世界へ。まあ、もちろん苦戦するわな。スグル「や、やはり、ウォーズマンの完全復活は夢物語だったのか」 テリー「例えそうであっても、ウォーズマンの元気な姿が、　　　　わずかな時間でも見れたんだ。神に感謝しなくては」　 スグル「うん」辛辣すぎるやりとりだ――ッ！密かに戦力外通告？　鬼か、貴様らは！このピンチを救ったのは、ロビンマスクだった。自慢の鉄仮面をわざわざ叩き割り、モップをかぶる。そして、どこから出したかわからないムチを装備すれば、「ナイスストライク」でお馴染み、バラクーダの出来上がり。バラクーダ「氷だ、氷となるのだ、ウォーズマン！」ウォーズ「氷の精神、インプット完了！」ロクなこと教えねえええええ、バラクーダ！しかも、なぜか日本語入力。あっさり人格が変わってしまった。はっきり言って、ガラが悪い！「ヘヘヘへ、これぞウォーズ・レッグ・ブリーカーでござ～い！」　 「そうら、泣け、喚け、叫べ。氷の精神を持つオレ様には、　良いメロディに聞こえるぜ」ござ～い？　そうら？　今までにない口調だ――ッ！超人墓場における謎の儀式で、何かに憑かれてしまったのか？そんな姿を見て、キン肉マンは叫んだ。スグル「やめろ～っ、ウォーズマン、お前は間違っている！」試合前に「マンリキの体に風穴を開けてやれい！」と言っていたヤツのセリフとは思えないが、確かにいろんな意味で間違っている。命を賭けての説得は、しばらく続いた。すると……。「オモイヤリ＋ヤサシサ＋アイジョウ＝友情」「友情インプット完了！（ピカァ）」あァ、またもファミコン以下の計算方法が……。何と言っても、筆算だ――ッ！足し算でそれはなかろう、ファイティングコンピューター。ともあれ、彼は記憶を取り戻したようだった。しかし、流石は原作者の愛情が行き届いていない男である。復活してすぐ窮地に立たされてしまった。ロビン「お、終わりだ。今度スクランブル・バイスに落ち込めば、　　　　ウォーズマンは必ずマンリキに殺される」　 スグル「折角、正義超人に戻れたというのに、何と不運な男なんだ」またしても、辛辣なやりとり。正義超人のくせに、最後まであきらめるな――ッ！そりゃあ、ウォーズマンだって「冗談じゃねえや」って言いたくもなるわ！ウォーズ「せ、正義超人のモットーは、勝負を最後まで　　　　　捨てないことだったな。そのお陰で、　　　　　そろそろオレの方の反撃のメドが付きそうだぜ。　　　　　ロ、ロビンよ、試合開始からどの位時間が経った？」　 ロビン「30分を回ったところだ」　 ウォーズ「そ、そうか、もうそろそろだな」ぷしゅううううう。ををっ、煙が。懐かしい基本設定である。最近は、戦わなかったり、戦っても瞬殺されたりで、ほとんど忘れかけていたのだが。そして、逆転のパロ・スペシャル！この技でＫＯを奪ったのは、後にも先にもこの試合だけ。……最大の必殺技だったはずなのに。さあ、次はモーターマンだ～、と思ったら、いつの間にか入院していたウォーズマン。次なる見せ場は、知性チームとの決戦前夜に訪れた。「オレが目指す相手はただ１人、知性チームのマンモスマンだ。　マンモスマン対策のナンバーワンは、あの巨大鼻と左右の牙から　繰り出されるノーズ・フェンシングとビッグ・タスクだ」ということで、竹の矢50本をかわす特訓を始めたのだが、なかなか最後の１本がかわしきれない。こんな時こそ、コンピューターの偉大さを知らしめるときだと思うのだが、やっぱりかわせない。試合前だというのに、重傷である。そこに、友情パワーに目覚めたネプチューンマンが登場。物陰から大槍を……、投げた――ッ！また殺す気か!?しかし、ウォーズマンも負けてはいない。強者の前でしか出さないというウォーズマンスマイルで、この大槍を回避した。特訓終了である。さあ、このケガでどうやってマンモスマンと戦うのだろうか。と心配していたら、闇討ちされた。因みに、辞世の句は……。「ウギャァ、キン肉マ――ン!!」だった。マンモスマン曰く、彼のコンピューターをもってしても、ビッグタスクが回転することは、計算できなかったらしい。マスクを破壊されたくらいで、戦線離脱とは……。そして、ジェロニモなんかに出番を奪われるとは……。あァ、人生って悲しいね！因みに、ロボ超人であるウォーズマン。生身の超人とは違って老いることがないため、『ＳＣＲＡＰ三太夫』という未来を舞台にした作品にも登場している。原作者の計らいなのだろうか？イヤ、どうやら違ったようだ。友達はいないわ、飲んだくれだわ、最後の敵は雑魚っぽいわ……。“缶ヘッド”って、明らかにラスボスの名前じゃないだろう。あんなの倒しても嬉しくないっての。「フッ、どうやら私は、また死ねなかったようだ」死ねるか！　ってか、死んでも超人墓場に行くだけだ！ある意味、不死身である。願わくば、早くＯＳをアップグレードし、Ｚ（ゼータ）ウォーズマンとかになって欲しいところだ。だって、あのままでは一生かませ犬だもの。

  2003.11.07

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• かませ犬３

  この道を行けば、どうなるものか。危ぶむなかれ。危ぶめば、道はなし。踏み出せば、その一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ。アリガト――ッ！……行ってみたら、かませ犬になっていた。さて“ウォーズマン特集”も、今回で３回目である。それ～い！　グルグル、パピンチョパペッピポ～、ヒヤヒヤドキッチョナ～、モ～グタンッ！※　う～む、化石モンの掛け声だ……。　　これを知っているヤツ、ビールっ腹に注意するんだな。⇒　黄金のマスク編このシリーズ、恐ろしいことにウォーズマンの試合はなし。それでも、しっかりと自分の存在感を示すあたり立派である。最初にして最後の見せ場は、プラネットマン戦で訪れた。プラ男「こいつらが傷つくことになるぜ！」人面疽だと!?一体、どんな修行をすれば、こんな奥義が身に付くんだ。あァ、ウォーズマンが胸にいる時点で、既に嫌な予感が……。「チャンスだ、キン肉マン!!　私の顔はプラネットマンの　心臓の上にあたる。だから、私の顔をぶち抜けば、　プラネットマンは即死だ――っ!!」違う、お前はピンチだ――ッ！もう少し考えろ、ファイティングコンピューター！「私一人の犠牲で皆が助かるならそれで良い。　それに、この命はバッファローマンに貰ったもの。　奴なら命をこんな風に使うはずだ！」考えた結果がそれか――ッ！　何を根拠にそう思うのか？もっとマシな打開案があるはずだ！待て、待つんだ、ウォーズマン。それは……、原作者のワナだ――ッ！「やれ～っ!!　オレとお前の友情は見せかけだったのか!?」誰か、アイツを黙らせろ――ッ！や、やめろ～、キン肉マン。ほら、カナディアンマンなんかも素敵な場所にいるぞ。イヤ、関節だ。関節を極めればいいん――。「グワシャァ」あ、あ――…、やっちまった……。くそう、ウォーズマンは何も悪くないのに。「よ、よくやったキン肉マン。これでプラネットマンはお仕舞だ」そして、アンタもお仕舞だ。こうして、戦士は２度目の永眠についたのだった。……と思いきや、あらぬ所から井戸がド～ン。「たすけてくれ～、たすけてくれ～」雰囲気ぶち壊しだあああああ！本音の部分はそこか、バカが。でも、魅力的だ～！そんなこんなで、戦いの場はウォーズマンの体内へ。臨死体験中にもかかわらず、酷い仕打ちは続く。まずは、体内に巨大な異物（五重のリング）が移植され、あとは好き勝手やられ放題。１階……ジャンククラッシュで脊髄に損傷。２階……体内で火災が発生。肺にも大穴が。３階……度重なる心臓部へのダメージ。４階……砂と音波による影響が心配される。体外では、ネジが乱れ飛んでるし、いつスクラップになってもおかしくない状態である。しかし、復活したウォーズマンには、次なる使命が。「もう我慢できん！」我慢もそうだが、安静にするべきだ！ロビンマスクの制止も聞かず、アシュラマンの待つリングへと上がろうとする、包帯巻き巻きかませ犬。どうでもいいが、観客はどうやってあの異空間に入場したのだろう？ウォーズ「正義超人は逃げも隠れもせん、このオレが相手だ！」アシュラ「ひょ～っ、べアークローのウォーズマンの相手か。　　　　　それならキン肉バスターと阿修羅バスター、　　　　　どちらが上か聞かせてもらおう」 ひょ～ってアンタ。ひょ～って。ウォーズ「そのへらず口をきけないようにしてやる！（ダッ）」 アシュラ「（サッ）カカカ――（ドゴッ）」 ウォーズ「……!!」 アシュラ「くらえ、阿修羅バスター！（ガキッ）」 テリー＆ロビン「ウォ…ウォーズマン!!」復活した途端にそれか――ッ！やっぱりな……とは思ったが、初っ端から阿修羅バスターとは。原作者のウォーズマンに対する愛情がわかるというものだ。続く悪魔将軍戦では、無意味にハゲを暴露したバッファローマンが“自己犠牲”というロボ超人ならではの見せ場をも奪っていった。そして、彼の雑魚化は加速していく。⇒　夢の超人タッグ戦久しぶりに試合をしたと思ったら、いきなり他界した。それも、師匠であるロビンマスクの我が儘で。問題のヘル・ミッショネルズ戦。「正体暴きだけであんたの仕事は充分だ。　後は、このオレにまかしといてくれ！」まかしたら、大変なことに。ネプチューンマンのダブルレッグ・スープレックスがど～ん。ウォーズ「ま、まだオレは実力の全てを見せてはいないぜ」　 ロビン「ウォーズマン、まだ戦えるのか？」　 ウォーズ「当り前じゃないか！」　 この直後、とんでもない事実が明らかになる。ウォーズ「どこへ逃げやがったネプチューン」　 ロビン「……!?　ウォ、ウォーズマン、お前、さっきのショックで、　　　　目が見えなくなったんじゃ……」 　 やめてくれ～。何としても殺す気なのか、ゆでたまご！まだ実力の全てを見せてないぞ。やめるんだ――ッ！　 ロビン「いか～ん！　ウォーズマン、逃げろ～っ！」 　 無理だ――ッ！とかツッコミを入れている間に、クロスボンバーが――ッ！ロビンは何をしている。カットに入れ――ッ！ ちゅど～ん。　　ウォーズ「……だ、誰かオレの顔を見て、笑ってやしないか？」　 ロビン「誰も笑ってやしないよ！」　 ウォーズ「よ、良かった（ガクッ）」ロビン「この私が笑わせるものか……！」うぎゃあああああ、無駄にカッコＥ――ッ！思えば、ウォーズマンがネプチューンマンに与えたダメージは、「タッグフォーメーションＡ」によるかすり傷のみ。この技、タワーブリッジの態勢からポイッて……。味方に対するダメージの方が大きいだろう、明らかに。このシリーズ、あとはお約束の心霊現象タイムのみ。圧巻だったのは、準決勝第２試合での一幕である。天井に張り付いたウォーズマンのマスクがパカリ。なんと、モンゴルマンの危機を救うため、口の中からベアークローが降ってきたのだ。お前のマスクは、ドラちゃんのポッケなんか？さらに決勝でも、キン肉マンをマグネットパワーから守るため、幽霊となって参上している。「ウウ……、見せてやりたいのさ。あの完璧超人どもに、　地球のパワーなんかよりもっとでっかい友情パワーというものが　あることを……。グワア――ッ」見せ場はいっつもやられるところ。死んでからも、その原則を守っているところが偉い。あァ、ウォーズマン。無駄死にしたままシリーズ終了。つづく。

  2003.11.04

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• かませ犬２

  今年６月、新日本プロレス日本武道館大会直前のことである。パンクラスからの刺客、鈴木みのる参戦を受けて、新日の成瀬昌由はこう言い放った。 ――外敵の受け皿は僕。リトマス試験紙ですよ。今回は、しっかりとオーディションしようかなと思っています。（鈴木は）得意の関節でくるだろうけど、腕の１本や２本（折られても）という気持ちでギブアップを考えずに挑みたいですね。腐っても、第40代ＩＷＧＰジュニア王者。それも、初参戦でベルトを奪ったほどの実力者である。なのに、なぜ弱腰か？＜かませ犬の法則その１＞試合前に、さりげなく弱気な発言をする。あるいは、不自然なほど強気な挑発をする。必要十分条件として、かませ犬は全員、華々しい過去を持っていなくてはならない。さて、いざ決戦の日。試合開始のゴングから６分が過ぎた頃、鈴木のスリーパースープレックスが炸裂。そして、タップ。カンカンカンカン。早いわっ！試合後は金本浩二が出てきて、鈴木と睨み合いになる始末。蚊帳の外になってしまった成瀬はというと……。　――凄くいい経験をさせてもらいました。ちゅど～ん。＜かませ犬の法則その２＞新人かませ犬は、あと一歩という惜しい試合をする。だが、これがベテランになると、出番は一瞬になる。お約束の負けパターンが確立してしまい、リベンジの機会も与えられなくなる。あァ、ウォーズマンっぽい。彼が初めて『キン肉マン』に登場したのは、第２回超人オリンピックの最終予選の時である。50km耐久ローラーゲーム。よく見ると、米粒大のウォーズマンが確認できる。セリフもなければ、本人についての説明もなし。こんなレギュラーがいていいものなのか。そんな地味な初登場とは裏腹に、本戦に進んだウォーズマンは、圧倒的な強さで敵をぶちのめしていく。１回戦……刺殺。機械の分際で茶をすする。２回戦……無言で斬殺。呼吸音すらなし。準決勝……頭を一突き。トラウマを刻み込む。どうでもいいが、準決勝の前、彼は妙な特訓をしていた。ラーメンマンの頭が乗っかったボウリングのピンが10本。情けなく体育座りをした後……、転がった――ッ！「ナイスストライク（パチパチ）」バラクーダ、どうかしているぜ。「ウォーズマンは痛い、苦しいとかあらゆる感情を　特訓によって取り去ってしまったからな」じゃあ、これは羞恥心を取り除くための特訓か――ッ！まあ、いいか。大会はファイナルへ。相手は、復讐に燃えるキン肉マン。対戦前、ウォーズマンにはある変化が表れていた。ビビンバを助けてみたり、死刑囚のじいさんを見逃してみたり。そして、転んだ子供に手を差し出してみたり。しかし。「（ガン）ざ…残虐超人の助けなんかいらないやい」 「ぼ…坊やなんてことを」全くだ。ムチャをするクソガキである。暴れ出すウォーズマン。……今までの優しいキャラはどこへ？それとも、トンカチによる一撃で故障したのか？さて、試合前の控え室。互いのマスクを賭けた対決ということで、几帳面にもヒゲを剃り始めるウォーズマン。……負ける気満々の行動にしか思えんが。しかしながら、試合はウォーズマンの優勢で進む。そして、ようやく明らかになっていく基本設定の数々。ウォーズマンスマイル……余程の実力者と出会った時しか出ない。ベアークロー……封印した時の方が強いという噂。どうしようもない欠点……30分以上戦うと煙がもくもく。ロビンマスクの口ぶりでは、どうやら彼は、30分以上戦うとショートするように、自分で“学習”してしまったらしい。一体、どんなＯＳを搭載しているのか。それとも、縁戚の中に時限爆弾でもいるのだろうか。あァ、パロ・スペシャルをかけたまま止まってるし。キン肉バスター、どか～ん。カンカンカンカン。「満場の人々よ～っ!!　とくと見よ、　敗れ去った超人のみじめな姿を～っ!!」さあ、自らマスクを取った～。な、なにィ。ヒゲの生える余地なんてないぞ。何を剃ってたんだ、お前は――ッ!?かくして、試合に負けた上にいじめられっ子だった過去までバレてしまったウォーズマンは、正義超人の一員としてかませ犬人生を歩んでいくことになるのだった。⇒　７人の悪魔超人編平和な日々。ファン感謝デーに参加したウォーズマンは、子供たちとフーセン割りゲームをして戯れていた。ウォーズマンスマイルが出ているのが、気になるところだが！そんな中、リング上に闖入者が。「（ギュルルル）うわああ～」 いきなり、やられたッ！　は、早いって。彼がリングに埋まったまま、物語はトントン拍子で進んでいく。まず、ミートくんがバラバラに。そして、五輪王者であるキン肉マンが悪魔超人の挑戦を迫られる。ところが。「ま…待ちな。キン肉マンとやる前に、オレとやりな」 「よお、でかいの。さっきは油断したが、今度はそうはいかねえ」 「（ガッ）！」「（カチャ）ん!?」 「（バババ）うわあ～っ!!」 ステカセキングにまでやられた――ッ！かませ犬エンジン全開。ブオンブオン。こうして、キン肉マンは７人と戦うことに。だが、ステカセキング、ブラックホールとの連戦で、満身創痍になってしまう。その危機に立ち上がったのが、正義超人軍団。新人かませ犬のウォーズマンは、リベンジの意味を込めてバッファローマンと対決することになった。ロビン「なあ、みんな…オレたちまた生きて会えるかな？」 ブロッケン「まあ、悪魔超人が相手だから五体満足じゃすまねえな」 ウォーズ「フフ、なーに、地獄で会えるさ」 スグル「こ、こいつら…この戦いで死ぬつもりだ!!」やっぱり弱気だ――ッ！さあ、試合開始である。序盤から、バッファローマンによる大自慢大会が続く。ウォーズマンは動揺しっぱなし。「フッ…100万か。わたしの超人強度は、1000万パワーだ!!」 「なにい…!!」超人強度とは、いわばＦＩＦＡランキングのようなものだ。適当な数値なので、あまりビビるとカッコ悪い。あらゆる感情を取り去ったという特訓の成果はどこへやら。「チ～ッ、そんなこけおどしに乗るわたしとでも思っているのか」 「そんな凄いパワーを持っているなら、実戦で証明してみな！」負け惜しみを言った挙句、実戦で証明されてしまった！必殺パロ・スペシャルを繰り出すも、力技で外される。ならば、とばかりにスクリュードライバー。「（ガッシャン）うわ――っ!!」 「わ…わたしのベアークロー…」ハイ、返された――ッ！胴体を串刺しにされ、心が折れそうになるウォーズマン。しかし、友の声援が彼を再び奮い立たせた。「そりゃ～」なんと、火事場のクソ力が発動！あァ、容量小さいくせに、またしても余計なプログラムが……。「おお…うおおお！」 「ハアハアハア（煙シュ～）」 「き、貴様。わざとわたしに火事場のクソ力を濫用させたな」アホ。コンピューターのくせにアホ。やはり、10倍のパワーを持つ相手に勝つことはできないのか？「い…いや、たったひとつある！　バッファローマンの1000万パワーに対抗する方法が。　しかし、この方法は、わたしの残り少ないスタミナを全て必要とする。　したがって１発だけ弾丸を残した拳銃と同じく、チャンスは１回。　その１回でバッファローマンをしとめなくてはならない!!」さあ、伝説のセリフである。「100万パワー＋100万パワーで200万パワーっ!! 　いつもの２倍のジャンプが加わって200万×２の400万パワーっ!! 　そしていつもの３倍の回転を加えれば400万×３の、バッファローマン、 　お前を上回る1200万パワーだ――っ!!」べっくり。ベアークローを増やすだけでパワーが２倍になるとは。イヤ、こんな杜撰な計算で1200万パワーも出せるとは。一体、何進法のコンピューターなのか。ファミコンですら、もっとマシな考え方するぞ。それでも、奇跡は起きた。光の矢と化したウォーズマンは、ロングホーンをへし折る。しかし、反撃のハリケーンミキサーであえなくＫＯ。“立ち往生”という無駄にカッコいい死に様であった。このシリーズ、あとは幽霊としてキン肉マンを応援するだけ。最終的には、バッファローマンのおかげで生き返るのだが、そこには、さらなる『かませ犬道』が待っているのだった。つづく。

  2003.10.30

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• かませ犬

  巷では、日本シリーズが盛り上がっているようだが、今日は全く次元の違うネタを書きたいと思う。だって、オリックスには関係ないんだもの（みつを風）。まずは、こちらをご覧頂きたい。　帰宅しても、時には悔しかったり、頭の中が　カッカしたりしてすぐに寝られない時だってある。　そんな時、懐かしいアニメのＤＶＤが心を　癒やしてくれるんだよね。　そのソフトが「キン肉マン」なんだ。　ふとしたことで、キン肉マンのＤＶＤが　発売されたことを知って、すぐに全７巻を購入したんだ。　幼稚園だったか、小学生の頃だったか　はっきりと覚えていないけど、テレビでも見ていたし、　キン肉マン消しゴム集めが流行ったよね。　（中略）　キン肉マンの激しく、勇気ある戦いを久々に見て、　無邪気に野球に打ち込んでいた少年時代を思い出して、　妙に懐かしくなってね。凄くリフレッシュできたし、　心の中が洗われたような気がした。　次の巻が出るのが待ち遠しいよ。　今回のダイアリーは野球とはかけ離れたものになったけど、　これが今の僕のささやかな楽しみなんだ。なんとコレ、高橋由伸の日記である。どうやら、彼はツッコミ所満載なあの作品のファンらしい。まあ、70年代に生まれた男子ならば当然か。イチローの実家近くにある展示ルームにも、キン消しが何体か置いてあったし。そういえば、周りのみんなも夢中になっていたなァ。「キン肉マン」がアニメ化されたのは1983年のこと。ということは、由伸が小学２年、イチローが小学４年。その時点で、コミックスも10巻以上出ていたはずだ。とにかく、出鱈目な作品である。辻褄の合わない言動、現代物理が全く通用しない世界、作者の都合で二転三転する基本設定――！ゆでたまご先生……。アンタ……、凄いよ。今回のシリーズでは、そんな作風の犠牲になってしまった愛すべきキャラクターについて語っていきたい。その人物は、間違いなく強豪であるにもかかわらず、最終的には「かませ犬」へと落ちぶれてしまった。男の名は、ウォーズマン。豪雪が吹き荒ぶ極寒のソビエト連邦で、人種（？）差別と貧乏に苦しめられたロボ超人である。彼のテーマが、また悲しいんだ……。♪　ヒュオオォォォォ……（吹雪）。 　　オレはウォーズマン。　　人呼んでファイティングコンピューター。　 　　オレのことをロボ超人だと笑わば笑え。 　　確かにオレは、体の半分はロボットで半分は超人だ。　　体の中に機械やコンピュータが組み込まれている。　 　　だが言っておくが、オレを馬鹿にするヤツはこの鉄の爪、　 　　ベアークローが胸に突き刺さるのを覚悟しておくがいい！ 　　ベアークローが鋭く光り 　　マットに広がる地獄絵図 　　パロスペシャルで　返り血浴びる 　　冷たいファイティングコンピューター　 ※　ウォーズマン　苦しみを超えたとき　　ウォーズマン　微笑みさえなくしちまった 　　ロボットでもない　超人でもない　　悲しみが　リングに　こぼれ落ちる 　　愛を知らずに　夢にはぐれて　ああ　Lonely Night 　　シベリアの冬は厳しい。 　　オレが生まれ育ったのは、そのシベリアの小さな村。　 　　出来損ないの超人として、皆に石を投げられたものさ。　　そして、次に入ったのが蛇の穴……、　　やられ専門のレスラー養成機関。 　　だが、生まれながらにオレに備わっている闘う本能が、　　負けることを許さなかった！ 　　　オレは、相手をぶちのめして雪の中を逃げたのさ。 　　この世は勝たなければやられる！　　だから勝つためにオレは闘う！！ 　　だが言っておく。オレの体の中にも赤い血が流れているんだぜ。 　　鉄のハートが重いオマエは 　　闘うことが生きがいなのか　 　　黒い悪魔と仇名されても　 　　無口なファイティングコンピューター 　　ウォーズマン　残酷なラフファイト 　　ウォーズマン　仮面の下に悲劇を隠す 　　ロボットでもない　超人でもない　 　　悲しみが　リングに　こぼれおちる　 　　愛を知らずに　夢にはぐれて　ああ　Lonely Night ※　リピート他のキャラクターがイケイケな感じのテーマを歌う中、どうして１人だけ哀愁たっぷりのバラードなのか。噂では、この曲を収録した際、声優の堀秀行は嗚咽のため、17回もＮＧを出したという（嘘）。因みに、堀さんが演じた主なキャラクターはというと……。一輝（聖闘士星矢）ヒュンケル（ダイの大冒険）剣桃太郎（魁！男塾）ジョン（銀河～流れ星銀～）シュバルツ・ブルーダー（機動武闘伝Ｇガンダム）ギニュー（ドラゴンボールＺ）と、オイシイ場面に登場するヤツばかり。……イヤ、ウォーズマンもある意味ではオイシイけどね。しかし、所詮はかませ犬だから。さあ、長くなってきた。そろそろ今日は〆ようかな。次回もウォーズマン特集である。悲痛なロボ超人の激闘記。わからない人は、予習しておくように。

  2003.10.25

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