酒の嗜好に思う
今日は新着で980円のフランス産赤ワインを呑みましたが、私の好みには全く合いませんでした。きっと地元のフランスでは多くの方に支持評価され、そしてインポーターさんが「美味しい」と思ったから、遠く離れた日本にも輸入されて来たんだろうと思います。なので、このワインは「美味しい」ワインなはずです。そして私が呑んだワインだけ、何らかの理由で美味しくない場合もあるのです。でも、このワインは私に取っては今後全く必要性の無いワインとなりました。それでも何処かの酒屋さんは「美味しいっ!」と言って勧めてる店もあるかも知れません。それはどっちも「正しい」のです。プロ野球のバッターは三割打てば『好打者』として高い評価を受けますね。十回バッターボックスに立ったとしたら、三回以上ヒットを打てばいいだけの話しです。まあ、理屈では簡単そうなんですけどね。それだけプロのピッチャーが投げる球は物凄いんでしょうねー!私のようなド素人なら何十回バッターボックスに立っても、一回も球にかする事すら出来ないんだろうと思います。だから三割バッターの評価が高いんですね。もしこれが学校のテストなら、30点で合格なんて有り得ませんよね? 突然何を言いたいのかと言うと、これが日本酒やワインの味わいの評価となると、どうなるんだろう? って、ふと思ったからなんです。仮に私が呑んで「美味しい」と思った酒を100人の方に勧めて呑んでもらったとして「美味しい」と言ってもらえるパーセンテージはどれ位なんだろうかって。人の好みは千差万別。当然、私が言う「美味しい」は“絶対”では有り得ないのです。そして全ての人に「美味しい」と言わせられる酒も無いと思っています。(注)只今、酔って書いてます。いったい何割以上の方から好評価をもらえると「いい酒」になるんでしょうか。そういう意味で、国産ビールメーカーさんの技術力はかなり高い確率で呑み手に「美味い」と言わせる素晴らしいものがあると思います。一時的な流行で外国ビールやケタはずれに安いビールの類が売れたとしても、「美味しい」と言う点で、あっと言う間に追いつき圧倒的に追い越してしまいますからね。しかも全国津々浦々に満遍なく、そして潤沢に行き渡るくらいに大量生産しているにもかかわらずです。「うちは小さい蔵元なので...」とか「美味しい酒を造るには、そんなに量が造れないんです。」とか「量が少ないので限られた酒屋にしか卸せません。」と言う蔵元さんの話しは良く聞きます。前者のビールメーカーと、後者の小さい蔵元。どちらも信念に基づいていれば「正しい」んだと思います。それ以上の判断は飲み手である、私達一人一人の立場や考え方なのかも知れません。記憶がかなり曖昧で自信ありませんが、私が錦本店に入社した約18年前、全国に蔵元さんは2,500社くらいあったかと思います。4,000社だったかな?と言う記憶と交錯するんですが、どっちだったのかも自信ありません。どちらにしても現存する蔵元さんは、2,500社という記憶が正しければその当時の半分くらいに減ってます。酒屋の軒数は、もっと減っていると思いますけどね.....。無くなってしまった蔵元さんには色んな経営事情もあった事でしょうが、「美味しい」と言う評価と支持が少なかったのかも知れません。「美味しい酒とは、どんなものなのか」を真剣に考えず、そして「美味しい酒を造ろう」と言う志の低かった蔵元(経営者)さんは、淘汰されて当然でしょう。誰だって「美味しい」酒を呑みたいんです。その「美味しい」の基準は人それぞれなので「基準」そのものが無いと言っていいのかも知れませんが、少なくとも造った本人が美味しいと思えない酒は、やっぱり美味しくない酒なんだと思います。その意味では、現存する蔵元さんの多くは必ずしもそうとは言いませんが、それぞれに個性豊かな「美味しい酒」を造っていて、多くの方々に支持されているんだろうと考える事も出来ます。その酒が全国的に売れてるかどうかは、その時の『流行』『宣伝』『流通』e.t.cにたまたま上手く乗ったか、乗れないでいるかのどちらかだと思っています。「美味しい」と思う感覚は、その人の好みや経験など主観的な部分に支配されがちなので、私がどんなに「美味しい」と言っても、評価は人それぞれ。もちろん私が酒屋として“何割バッター”なのかどうか測れる物差しもありません。香りや味わいの捉え方も一口に「辛口」と言っても、「甘い」と感じる方もいるくらいです。なのでお勧めした酒が「どうも口に合わなかったなー...」と言われる事もよくありますよ。そんな時は「あー、そうでしたかー....」と謝りはしても、その酒の弁護はしません。その方の評価が全てなのですから。そんなやり取りの中でその方の好みを探り、次はその方の好みをはずさない酒のイメージを絞り込んで勧めるという日々の連続ですよ。一つの銘柄の酒を大量に販売する事によって、色んな方から貴重な意見をいただく事があります。その意見には「美味しい」と言う素直な感想から、そうではない感想まで色々です。否定的な意見にも、全くその通りだろうと真摯に受け止めます。それが基準の無い「味の世界」なんですから。私が「良い」と評価している点も、人によっては正反対に「駄目」と評価される世界です。そしてその方の評価が「怒り」ではない限り、私もしくはそのメーカーに対しての期待感であると勝手に解釈して、前向きに受け止めています。「駄目」と言ってくれるのは「良くなってくれ」との裏返しだと思い込んでいます。「この次ぎは、俺にピッタリの酒を勧めて(造って)くれよ!」って。酒屋って、真剣にやればやるほど難しくて責任の重い仕事だなーってつくづ思いますよ。酒を買ってくれた方の一晩の楽しみを、台無しにするか幸せな気分になってもらえるかは紙一重の世界ですからね。今日は(も)やたらと長い文章になってしまいました。非常用に買っておいたサッポロ黒ラベルの350ml缶を、ダラダラと4本のみつつ書き綴った“素”の私でした。またまた酔った勢いで書いてしまったので、明日起きたら「うわーっ。書かなきゃよかったー...」って思うんでしょうね。でも、ネガティブでは無いと思いますけどね。酔ってると、そんな判断も出来ません。↓↓↓↓ポチッと応援宜しくお願いします!!人気blogランキング⇒酒呑みって、クドいからいやよ。 m(..)m『仙台人気ブログランキング』⇒長くて、どーもすいませーん。