第2の人生
定年後を示す言葉に「第2の人生」というのがある。これを使う方も、見聞きする方も、あまり違和感はないようだが、落ち着いて「第2の人生」ってなんだと考えてみると、不思議な言葉であることに気づく。 それは、第2という前提の第1、「第1の人生」とは何かということの疑問だ。定年後が「第2の人生」であるのだから「第1の人生」は生まれてから定年までとなるが、幼児期も、学生時代も、社会人の時代も、全部が「第1の人生」というのはおかしい。 定年で人生ががらりと変わるから「第2」だというなら、学生から社会人になった時や結婚した時にも、同じように人生は大きく変化するのだから、定年だけをとらえて、「第2の人生」というのはおかしい。 そして、ここには、一度終わった人生の次ぎ・・・すなわち、第2の人生、という意味合いがある。 終わってはいないのに、なぜ、終わらせてしまうのだろう。簡単に「第2の人生」と言ってはいけない。